冬が長く寒いほど暖かい日差しや春を告げる鳥や花々が待ち遠しいものですが、春の訪れを「花粉」で知る人も多くいます。花粉症はすっかり春の定番になりました。
しかし、花粉症は人間だけではありません。動物にも花粉症はあります。
特に、人との関係が深いペットの花粉症での悩みも少なくありません。
今回は、ペットの花粉症の傾向と対策、最前線事情などを解説していきます。
80年代半ばに世界で初めて野生のニホンザルにスギ花粉症が確認されてから、およそ30年近くになります。
以来、1995年にアメリカで犬の花粉症が確認され、2000年には猫にもスギ花粉症状を持つ個体が確認されました(神戸フランダース犬猫皮膚科病院の資料より)。
この現象はスギが多い日本だけではありません。
世界的にも増加していますが、悲しいことに飼い主がそのことに気づいていないことも多いようです。
動物用医薬品を製造するノバルティス アニマルヘルス株式会社による「ペットのアレルギー国際調査」によると、飼い主全体の44%がペットの花粉症に気づいておらず、花粉症ということすら認識していなかったことがわかりました。
飼い主がペットの花粉症に気づかない最大の理由は、人間の症状と違うことです。
花粉症だと気づく場合のほとんどが鼻水をながしたり、くしゃみをしたり、人間と似た症状を示したときに限られるのです。
犬の場合はアトピー性皮膚炎を発症することが多く、猫の場合は人間と似た症状が出ることが知られています。
犬の皮膚は、人間よりも弱く、アトピーの原因となるノミ、ダニ、花粉などの外からの刺激に弱いことによるものだとされています。
ゴールデン・ラブラドールレトリーバー、ヨークシャテリア、ビーグル、マルチーズ、シーズー、シェットランドシープドック、柴犬、ウェストハイランドホワイトテリアなど
(ノバルティス アニマルヘルス株式会社の資料より)
1.アトピー性皮膚炎症状(これが最も多い)
2.アレルギー性鼻炎・気管支炎・外耳炎など
1.くしゃみ、鼻水(人と似た症状)
2.アトピー性皮膚炎(掻く、脱毛、皮膚炎など)
スギ=2~4月
ヒノキ=3~5月
イネ=5~10月
ブタクサ=8~11月
犬、猫ともにスギ花粉症状が最も多く、次いでヒノキ、イネ科と続きます。ブタクサは、犬の花粉症のアレルゲンとして世界的に知られています。
上記の時期に、身体に発疹やかゆみが出たり、鼻水が出たりする場合は、花粉症かもしれません。一度、診察してもらいましょう。
アレルギー検査は困難なので、やはり外に出さないのが有効です。
ペットの花粉症は、医学的には早くから知られていましたが、話題に上るようになったのはごく最近のことです。
見過ごされていた最大の要因は、花粉症が人間独自のもので、猿以外の動物にはないと考えられていたことです。
しかし、近年ようやく飼い主にも認識が広がりつつあります。
ペットは家族の一員。辛い目に合わせないためには日頃の観察が一番です。
少しでも異変があれば、早めに医師に相談しましょう。すばやい対応で症状の悪化を抑えた例もたくさんあります。
参考
神戸フランダース犬猫皮膚科病院 皮膚病について
http://www.kobe-flanders.com/freepage_60_1.html
飼い主の約半数がペットのアレルギー症状に気付かず
http://www.afpbb.com/articles/-/2876877?pid=8916360
ニホンザルの杉花粉症
http://www8.ocn.ne.jp/~miyajima/kahunnsyou.html
ペットに花粉症はあるか?
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140221/trd14022109350007-n1.htm
ポイント・豪華商品ゲットのチャンスも!特典付きキャンペーン
初めての方はこちら