新築祝いのお返しのポイント
相手に対して失礼のないよう、新築祝いのお返しにおいて守るべきルールを知っておきましょう。3つのポイントに分けてご説明します。
新築祝いのお返しを贈る時期
新築祝いのお返しの品物は、いつ頃贈ればよいのでしょうか。目安として、新築祝いを受け取ってから1~2ヶ月以内と考えておくとよいでしょう。
引っ越してすぐの場合、手続きや荷ほどきなどで慌ただしいということは相手も承知しています。ただし、お返しが遅くなりすぎると感謝の気持ちが伝わりにくくなるので、おおむね1~2ヶ月以内のなるべく早い段階でお返しをしましょう。
お礼状
新築祝いのお返しを贈る際は、感謝の気持ちを示すお礼状を添えることがルールです。どのような理由で商品を贈っているのかを、相手に伝える意図もあります。
なお、お礼状の文中では、「お返し」という表現は使わないようにしましょう。「お祝いを頂いたから仕方なくお返しをする」という意味に取られてしまう恐れがあるためです。内祝いは、新築に対する喜びをおすそ分けするというスタンスで贈ります。
お礼状の内容としては、頭語、時候の挨拶、感謝の言葉、新生活での近況や、今後の変わらぬつき合いへのお願い、内祝いについて、結びの言葉、結語、というおおよその流れを覚えておきましょう。なお、「内祝いについて」とは、内祝いを贈る前にお礼状だけ先に送る場合に記載する内容のことです。
以下にお礼状の例文をいくつか挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
・お祝いの品をいただいた例文
「謹啓
寒さ厳しき折、ご家族の皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。
この度は私どもの新築に際し、すばらしいお祝いの品を賜りまして誠にありがとうございます。
デザインも非常に素晴らしく、家の中がとても華やかになりました。妻子ともども大変喜んでおります。大切に使わせていただきます。
おかげさまでようやく片付き、新生活にもずいぶん慣れてまいりました。
子どもたちも元気に学校へ通っております。
近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
また心ばかりですが、内祝いをお贈りいたしました。ご笑納いただければ幸いです。
略儀ながら、書中にてお礼を申し上げます。
謹言」
・お祝い金をいただいた例文
「拝啓
やわらかな春風に心華やぐ季節となりました。皆様お元気にお過ごしでしょうか。
このたびは私どもの新築に際し、お祝いの品を誠にありがとうございました。
頂いたお祝いの使い道を考慮した結果、〇〇を購入させていただくことにしました。
お心遣いに深く感謝しております。
美しい桜並木が見える良い新居です。自然に囲まれた静かな場所ですので、お花見の際にはぜひお立ち寄りくださいね。
今後とも変わらぬお付き合いのほどお願いいたします。
まずはお礼申し上げます。
敬具」
・どちらでも使える例文
「ジメジメした梅雨の時期も終わりを迎え、夏を感じる今日この頃です。
先日は新築祝いをありがとうございました。お心遣いに大変感謝しております。これからは家族で過ごす時間をより充実させていきます。
最近は片付けも落ち着き、新たな生活への期待に胸を膨らませながらも、身の引き締まる思いです。
また、ささやかではありますが、心ばかりの品を贈らせていただきます。季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛くださいませ。」
熨斗(のし)
新築祝いのお返しの贈り物に熨斗をつけるときのルールをご紹介します。
まず、水引は紅白もしくは金銀の蝶結びで、5本か7本のものを選びましょう。蝶結びは結び直せることから、「何度あってもうれしい」という意味につながり、縁起が良いことの象徴とされています。
表書きは、水引の中央にある結び目の上側に「内祝」「新築内祝」「御礼」のいずれかを書きます。結び目の下側に、贈り主の名前を記しましょう。贈り主のフルネーム、もしくは一家の苗字、家長の氏名を書くことがルールです。
熨斗の掛け方には、内熨斗と外熨斗の2タイプがあります。内熨斗は商品本体に熨斗紙を掛けてから包装したもの、外熨斗は商品の包装後に熨斗紙を掛けたものです。新築祝いのお返しは、もともと「喜びのおすそ分け」という意味なので、控えめに感じられる内熨斗がおすすめです。
新築祝いのお返しの選び方
つづいては、新築祝いのお返しを選ぶ際に重要なポイントを2つお伝えします。
新築祝いのお返しの金額相場
新築祝いのお返しをするときの金額の相場は、頂いた新築祝いの1/3~1/2ぐらいを目安にしましょう。
安すぎるのも考えものですが、高ければ高いほどいいというものではありません。高額のお返しは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性もあります。
なお、親族など近しい相手から高額のお祝いを受け取った際には、この限りではありません。半返しが難しければ、無理に高いお返しをしなくても大丈夫です。
新築祝いのお返しで避けたい商品
新築祝いのお返しとして避けたいものは、新築祝いでタブーとされているものとおおむね同じです。
・壁掛け時計など家に傷が付くもの
・ストーブやキャンドルなど火を連想させるもの
・足元に使用するマットや、踏んで使用するスリッパなどの履物系
・相手がすでに持っているもの
・相手の趣味に合わないもの
・現金や商品券
中でも現金は、金額があからさまにわかってしまうので、特に目上の方に対して贈ることは失礼に当たります。
商品券は、目上の方には控えたいですが、友人など親しい間柄の場合は許容範囲です。ただし、相手から新築祝いとして商品券を頂いている場合は、あげたものをそのまま返されたと感じられて失礼なため、別のものを贈りましょう。