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妊婦が食べてはいけないもの一覧!摂取量&注意点も│管理栄養士監修

妊娠

妊娠

2024/3/8

妊婦には、生もの、アルコールなどの避けた方が良いもの・食べてはいけないものが存在します。カフェインや水銀を含む魚など、摂取量に気を付けるべき食べ物もあります。葉酸、鉄分、カルシウムを含む食材は妊婦におすすめです。

妊婦がチョコレートを食べる様子

普段何気なく口にしているものでも、妊婦が食べるとお腹の赤ちゃんによくない影響を与える食材があります。そのため「妊婦が食べてはいけない食材を知りたい」と思うママが多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、妊娠中のNG食材や摂取量の目安などを一覧表で解説します。妊婦におすすめの食材も紹介するので、妊娠中のママはぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

管理栄養士・フードコーディネーター/株式会社Sunny and代表取締役

北嶋佳奈さん

「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、レシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベント出演などで活動。近著に「遅夜ごはん 疲れた日でも、これなら作れる。」(宝島社)など。

この記事の監修者

子どもとママ専門の管理栄養士

淵江公美子さん

保育園給食や子育て家庭への作り置き、食育などに携わる。子ども向けレシピ開発やコラム執筆、離乳食相談なども行っており、子どもの食の分野で幅広く活動中。

妊婦が食べてはいけないもの(NG食材・飲み物)一覧

妊娠をきっかけに、食事の内容や栄養バランスを見直す方も多いでしょう。胎児はママから栄養をもらいながら成長しますので、バランスのよい食事を心がけることは大切です。ただし、妊婦は何を食べてもいいわけではなく、「妊娠中に食べたり、飲んだりしてはいけないもの」と「妊娠中に食べたり飲んだりする際に注意が必要なもの」があります。

妊娠中は、以下のようなものを食べるのは控えた方がよいとされています。

<妊娠中食べてはいけない(避けたほうがいい)食べ物>

  
食べてはいけないもの 具体的な食品の例 備考
生もの ナチュラルチーズ
肉や魚のパテ
生ハム
スモークサーモン
刺身
生卵
プロセスチーズは加熱処理してあるので、
食べてOK。
アルコール類お酒
ビール
酒粕の甘酒
アルコールを含む洋菓子等
ノンアルコール飲料もアルコールが0.00%表記か確認が必要。
麹で作った甘酒はアルコールを含まないので飲んでOK。

生もの(生ハム・ナチュラルチーズ・刺身・生卵など)

妊娠中は健康な非妊婦の20倍も「リステリア菌」という食中毒菌に感染しやすいといわれています。健康な非妊婦は感染しても病気になることはまれです。しかし、妊娠中に感染すると、流産・早産・死産など、赤ちゃんの命に関わる病気を引き起こす可能性が高まります。
リステリア食中毒の原因となる食品は加熱していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン、生肉(ローストビーフ・たたき)などです。特に生肉はリステリア菌だけでなく、「トキソプラズマ」という寄生虫が潜んでいる可能性があるので、妊娠中は避けましょう。

同じ生ものであるお刺身や生卵、生野菜について心配する人もいるかもしれません。お刺身や生卵を妊娠中に食べることは禁止されてはいませんが、食中毒のリスクが高い食品のため、避けるのがベターです。生野菜はリスクが低そうですが、コールスローサラダなどの生野菜から「リステリア菌」食中毒に感染した事例もあります。
これらのものを食べるときは、新鮮なものや、調理されて間もないものを選ぶようにして、外出先では食べないのが無難です。

妊娠中の生もののリスクについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
妊婦さんが安心して食べられる寿司ネタとは?炙り寿司はOK?【管理栄養士監修】
妊婦がチーズを食べても大丈夫?危険なチーズの種類を解説
妊婦さんは生卵を食べちゃダメ?生卵に潜むリスクや食べる際の注意点とは【産婦人科医監修】
【医師監修】妊婦さんはお刺身を控えるべき?食中毒の予防法を解説!
医師監修|妊婦は生ハムを食べちゃダメ?食べたい場合の対処法は?
妊婦さんがローストビーフを食べても大丈夫?リスクや安全な食べ方を解説【産婦人科医監修】

アルコール(お酒、アルコールを含むお菓子など)

妊娠中にお酒を飲み続けると、障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性が高まります。「少しならいいのでは」と思うかもしれませんが、アルコールの処理能力は個人差が大きく、少量でも影響を受ける可能性があるので、妊娠中は控えましょう。

「ノンアルコール」と表示されたお酒風味の飲料を飲む場合も注意が必要です。ノンアルコール飲料の定義は、「アルコール分1%未満」です。そのため、0.00%と表記されていない限り、微量のアルコールを含む可能性があります。また、ノンアルコール製品は、アルコールなしでも美味しく飲めるよう添加物を多く使っている場合も多いので、飲み過ぎはおすすめできません。「どうしてもお酒が飲みたい!」と思ったときには、ノンアルコール飲料の場合でも、嗜む程度に留めておきましょう。炭酸水で代替するのも1つの方法ですよ。

また、お酒以外にも、アルコールを使用している洋菓子に注意が必要です。原材料表示を自分で確認したり、お店の人にアルコールの使用の有無を確認したりしましょう。

家庭で料理に使う料理酒は、しっかりと加熱することでアルコール分が蒸発するので心配はありません。甘酒はアルコールが含まれる酒粕タイプは控えましょう。糀タイプはアルコールを含まないので、妊娠中でも飲んでかまいません。

アルコール入りの洋菓子のリスクやノンアルコール飲料との付き合い方については、「妊娠中食べてはいけないお菓子はある?注意点や目安量|医師監修」「医師監修|妊婦はノンアルコール飲料を飲んでもいい?選び方はある?」の記事で詳しく解説しています。詳しく知りたい方は参考にしてください。

チョコレートとコーヒー

妊婦が摂取量に気を付けたいもの(少量ならOK)一覧

妊娠中に注意が必要な食材には、「大量に摂取すると胎児や妊婦に悪影響を及ぼす成分を含むもの」と「成分的には問題がなくても食べ過ぎによって妊婦の体調に影響を与えるもの」の2種類があります。
具体的には以下のような食べ物が該当します。

<妊娠中大量に摂取することを控える食べ物>

大量摂取を控えるもの 具体的な食品の例 食べても良い量の目安
カフェインを含むもの コーヒー
紅茶
お茶
エナジードリンク
ハイカカオのチョコレート等
コーヒー(1~2杯程度/日)
紅茶(1~2杯程度/日)
お茶(1~2杯程度/日)
エナジードリンク※
ハイカカオチョコレート※
※商品によりさまざま。避けるかノンカフェインが◎
水銀を含むもの キンメダイ
メカジキ
メバチマグロ等
キンメダイ(1切れ80g/週)
メカジキ(1切れ80g/週)
メバチマグロ(1切れ80g/週)
ヨウ素を多く含むもの 昆布
ひじき
もずく
寒天
ヨード卵等
頻繁に食べている場合は、頻度を減らす
ヒ素を多く含むもの ひじき等 ひじき(小鉢1つ程度/日)
動物性ビタミンA多く含むもの レバー
うなぎ等
レバー(焼き鳥1本程度/週)
うなぎ(1回程度/週)
脂っこいもの フライドポテト
揚げ物等
個人差があるため、体調に応じて摂取量を調整する
辛いもの 激辛のラーメン
激辛カレー
キムチ等
個人差があるため、体調に応じて摂取量を調整する
塩辛いもの、糖分の多いもの 麺類の汁
漬物
スナック菓子
ケーキ等
個人差があるため、体調に応じて摂取量を調整する

カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、お茶など)

妊娠中はカフェインが身体から排出されづらいため、大量にとると胎児の発育が遅くなったり、低体重、早産、死産になったりする可能性が高まるといわれています。

日本では、妊娠中のカフェインの摂取量を定めていません。しかし、英国食品基準庁(FSA)では妊婦に対し、1日のカフェイン摂取上限量を200mg(コーヒをマグカップで2杯程度)に制限するよう呼びかけています。絶対に飲んではいけないというわけではありませんが、カフェインが体に影響を及ぼす量には個人差が大きいことから、コーヒーは1日2杯、紅茶ならティーカップ2~3杯程度に留めるのが安心です。また、緑茶は意外とカフェイン量が多く、玉露の場合コーヒーの3倍程度のカフェインが含まれるため、気を付けましょう。なお、妊娠する以前からカフェインをとると眠れないことがあった方は、麦茶やルイボスティーなどのノンカフェインの飲み物を選ぶといいでしょう。

また、チョコレートの原料であるカカオにもカフェインが含まれていますが、ミルクチョコレート1枚に含まれるカフェイン量はコーヒーの1/6程度ですので、板チョコ半分程度は許容範囲です。なお、ホワイトチョコレートにはカフェインがほとんど含まれません。
ただし、ハイカカオチョコレートのカフェインは、通常のチョコレートの2.3~4倍含まれているので、大量に食べることは控えましょう。
カフェインの有無にかかわらず、チョコレートの食べ過ぎは体重増加につながるので注意してください。

カフェインが含まれるココアや栄養ドリンクを飲む際の注意点や正しい飲み方を知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
【助産師監修】妊婦はココアを飲んでいい?カフェインの量や影響を解説
医師監修|妊婦は栄養ドリンクを飲んでも良い?選び方を解説!
妊婦はチョコレートを食べたらダメ?目安量と胎児への影響・注意点
医師監修|妊娠中に紅茶を飲んでも大丈夫?飲み方や注意点を解説

カカオ豆

水銀が含まれる魚(キンメダイ、メカジキなど)

魚は良質なたんぱく質源であり、妊娠中に積極的に食べたい食品の1つです。しかし、中には水銀を体内に溜め込みやすく、一度に大量に食べると お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性を懸念する報告がなされている魚もあります。

1回に食べる量を1切れ=80gとした場合、食べる頻度の目安は次の通りです。

<1週間に2回食べても大丈夫な魚>
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ

<1週間に1回食べても大丈夫な魚>
キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ

ちなみに、キハダマグロ、ビンナガマグロ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは水銀の含有量が低い ため特に注意は必要がありません。積極的に食べてもよいでしょう。

ヨウ素を多く含む食材(昆布など)

ヨウ素は昆布やわかめ、海苔などの海藻に多く含まれる栄養素です。妊娠中はヨウ素を十分に摂取する必要があり、非妊娠時よりも多く摂取することが求められる一方で、とり過ぎてしまうと赤ちゃんに甲状腺の機能低下が生じる可能性があることが知られています。

昆布に換算するとわずか0.1gほどで妊娠中に必要なヨウ素が摂取できますので、妊娠中ヨウ素が必要だからと言って、積極的に昆布やわかめを食べる必要はありません。
ヨウ素が多く含まれる昆布だしは、1日汁椀1杯程度、刻み昆布で1g程度の摂取が目安です。多くの料理に昆布だしを使っているという方は、かつおだしやいりこだし等に置き換えてみましょう。

また、大豆にはヨウ素の吸収を穏やかにする作用があるので、納豆や豆腐などの大豆製品を献立に取り入れるのもいいですね。

妊婦が昆布やわかめを食べる際の注意点やリスクを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
医師監修|妊婦は昆布を食べてもいい?食べる際の注意点も解説!
医師監修|妊婦はわかめを食べても大丈夫?目安量と注意点をご紹介

ヒ素を含む食材(ひじきなど)

ヒ素は多くの海藻類に含まれる成分で、日本人は日常的に摂取しています。ヒ素には有機ヒ素と無機ヒ素の2種類があり、このうち大量に摂取すると健康に悪影響があるとされるのが無機ヒ素です。ただし、日本では水洗い、水戻し、茹でなどの調理を行ったうえで海藻を食べることがほとんどで、その過程でヒ素の38〜96%が流れ出るとの報告もあります。

海藻類の中でも特にヒ素が多く含まれるのはひじきですが、週に数回ひじきの煮物を小鉢で食べるぐらいであれば心配はありません。ひじきは食物繊維が豊富でミネラルも多く含んでいる食材ですので、完全に食卓からなくすのではなく、極端に多く食べることを避けてバランスよく食べるとよいでしょう。昼にひじきの煮物、夜にひじきのサラダと続いたら翌日は食べないようにするなど、調整してみてください。

妊婦がひじきを食べる際の注意点や摂取目安を詳しく知りたい方は、「妊娠中にひじきを食べてもよい?摂取目安量を解説|医師監修」の記事を参考にしてください。

ビタミンAを多く含む食材(レバー、うなぎなど)

ビタミンAは胎児の成長に欠かせない栄養素です。しかし、妊婦さんがとり過ぎると胎児の成長を妨げる可能性があることが知られています。特に妊娠3か月以内の妊娠初期は、ビタミンAを多く含む食品やサプリメントを続けて摂取しないようにしましょう。

ビタミンAを多く含む食品で特に気をつけたいのが、レバーとうなぎです。レバーであれば焼き鳥1/2串程度、うなぎであれば蒲焼一人前程度を1週間に1回食べるくらいに抑えましょう。

妊婦がうなぎ、レバーを食べる際の注意点や摂取量目安を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
医師監修|妊婦はレバーを食べても良い?安全な鉄分摂取方法も!
妊婦は鰻を控えるべき?いつからどれ位の量がNG?│管理栄養士監修

脂っこいもの、辛いもの(フライドポテト、唐辛子など)

妊娠中はホルモンのバランスが大きく変化し、その影響でさまざまな体調不良を感じる妊婦さんも多くいます。中でも食欲不振や胸やけ、下痢や便秘など胃腸に関するトラブルは辛いものです。そんなトラブルを避けるためにも、脂っこいものや辛いものなど、胃腸の負担になる食品は控えた方がよいでしょう。

具体的には揚げ物やフライドポテト、激辛のラーメンやカレーなどが挙げられます。ただし、症状の出方は人によって、また日によっても変わってきます。そのときの自分の体調と相談しながら食べるものを選んでみて、あとで体調が悪くなるようなら今度から控える、というような調整ができるといいですね。また、つわり中は多少脂っこいものであっても、食べたいもの、食べられるものを食べるのがおすすめです。つわり中食べるものに悩んでいる方は、「先輩ママに調査!つわり中に食べられたもの・飲み物ランキング」の記事を参考にしてください。

妊娠中に食べてよい辛い物の量や、食べる際の注意点について詳しくは「妊娠中に辛いものを食べてもいい?食べる際の注意点についても解説!」の記事をご覧ください。

脂っこい料理のイメージ

塩辛いもの、糖分の多いもの(漬物、スナック菓子など)

妊娠中は妊娠性の高血圧症候群や糖尿病を発症するリスクが高まります。妊娠中の食塩目標量は、非妊娠時と同じ6.5g/日です。日頃から味付けが濃くなりがちな方は、「いつもより少し薄味」を心がけましょう。麺類の汁物は残す、漬物は避ける、といった工夫もいいですね。だしの風味や、レモンなどの酸味を上手に利用すると減塩でも美味しく食べられます。

糖分のとりすぎは、体重増加につながります。スナック菓子やケーキ類は食べ過ぎに注意しましょう。食事で不足しがちなビタミンやカルシウムを補える果物やヨーグルトなどの乳製品を使ったおやつがおすすめです。妊娠中の体重増加量の目安については、「【2022年版・医師監修】妊婦の体重増加の目安とは?体重管理に役立つ運動や食事も紹介」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

妊婦におすすめの食材一覧

妊娠中は、赤ちゃんの成長やママの健康をサポートする栄養が豊富に含まれる食材を積極的に食べましょう。具体的には、以下のような食材がおすすめです。

<妊娠中におすすめの食材>

おすすめの食材 具体的な食品の例 栄養素の1日の推奨量
葉酸を多く含む食品 緑黄色野菜
大豆製品
卵等
妊娠初期(640μg/日)
妊娠中期、後期(480μg/日)
鉄分を多く含む食品 レバー
さんま
納豆
豆乳
小松菜等
妊娠初期(9.0mg/ 日)
妊娠中期、後期(16.0mg/日)
カルシウムを多く含む食品 牛乳
チーズ
ヨーグルト
小魚等
650mg/日

葉酸を多く含む食品

葉酸は、水溶性ビタミンの一種です。赤ちゃんの細胞分裂や神経管の発達をサポートする栄養素であり、妊娠中に十分葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減できます。

葉酸は、ブロッコリー、枝豆、ほうれん草、芽キャベツなどの緑黄色野菜やさつまいも、きな粉、いちごなどの食品に多く含まれるため、妊婦は積極的に飲食しましょう。

しかし、葉酸は調理や代謝の過程で損失しやすく、3度の食事で必要量を摂取するのは容易ではありません。そのため、妊婦は栄養補助食品から葉酸を摂取することが推奨されています。サプリメントは生体利用率が高い合成型の葉酸が配合されており、効率よく摂取できます。

鉄分を多く含む食品

鉄分は、赤ちゃんの脳の発達を促す重要な栄養素です。また、妊娠中はママの体に蓄えられている鉄が胎児に優先的に送られたり、循環する血液量が増加したりするため、妊婦は貧血になりやすく、積極的な鉄分摂取が求められます。

鉄分は、体に吸収されやすいヘム鉄と、吸収率が低い非ヘム鉄があります。

ヘム鉄を多く含むのは、豚レバーや鶏レバー、牛の赤身、カツオ、マグロなどです。しかし、レバーやマグロは摂取量に注意したい食品でもあるため、食べ過ぎに注意しましょう。

非ヘム鉄は、納豆や小松菜、枝豆などに多く含まれます。鉄分の吸収率は低いものの、野菜や豆類は、葉酸やビタミン、食物繊維など妊婦にうれしい栄養素がバランスよく含有されることがメリットです。非ヘム鉄は、タンパク質やクエン酸と一緒に食べると吸収率が上がるため、卵焼きに枝豆を入れたり、小松菜はミルクスープにしたりと、調理方法を工夫してみましょう。

妊娠中の豆乳の摂取については、「医師監修|妊婦は豆乳を飲んでも良い?豆乳を選ぶ際のポイントは?」の記事も参考にしてください。

歯が痛い女性の様子

カルシウムを多く含む食品

カルシウムは、胎児の骨や歯を形成するうえで欠かせない栄養素です。妊婦は、非妊娠時と比較してカルシウムの吸収率が上がるため付加量(非妊娠時の推奨量にプラスして摂取すべき量)は定められていませんが、日本人は元々カルシウム不足な方が多い傾向にあるため、意識して摂取しましょう。

カルシウムは、牛乳、プロセスチーズ、ヨーグルトなどの乳製品のほか、納豆や厚揚げなどの大豆製品、ししゃもや桜えびなどの魚介類に含まれます。

ただし、カルシウムを過剰摂取すると鉄や亜鉛の吸収を阻害するため注意が必要です。1日の推奨量である650mgを目安に、バランスのよい食生活を心がけましょう。

【妊娠時期別】妊婦が食事で注意したいことは?

妊娠が発覚してからお産に至るまで、生ものやアルコールの摂取は避ける必要があります。その他にも、妊娠時期ごとに、食事で注意したいポイントがありますので、それぞれ詳しく紹介します。

妊娠初期

胎児の神経管の発達に必要な葉酸や、貧血予防になる鉄分を積極的にとりましょう。ただし、まだつわりがおさまっていない時期でもあります。つわりで辛いときは栄養バランスよりも、食べられるものを食べることを優先してください。無理のない範囲で水分補給をすることも大切です。
つわりがつらくて悩んでいる方は、「先輩ママに聞いた「つわりが気持ち悪い!助けて」という時の対処法」の記事もぜひ参考にしてください。

妊娠中期

妊娠中期はつわりも徐々に落ち着いて、食べられるものが増えてくる時期なので、栄養バランスにも気をつかいましょう。今まで食べられなかった反動で食事量が増えるママも多く、体重の増加とともに妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になるケースもあるので注意が必要です。

妊娠後期

妊娠後期は無理のない範囲で、バランスのよい食事を心がけましょう。体重がグッと増えやすい時期なので、カロリーや食事量をコントロールする必要があります。また、こむら返り(足がつる)が起こりやすい時期なので、カルシウムとマグネシウムをバランスよくとりましょう。

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妊娠中はアルコールや生肉などの食べてはいけないもの、カフェインが含まれる飲料やス銀を含む魚など、食べてはよいが摂取量に気を付ける必要があるものが存在します。
ただし、摂取量に注意が必要な食べ物でも、1日食べ過ぎたからといってすぐに悪影響が出るわけではありません。負担にならない程度に気を付けつつ、バランスの良い食事を心がけましょう。

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出典
厚生労働省検疫所FORTH「リステリア症」
厚生労働省「たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう」
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
厚生労働省「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)各論 ミネラル(微量ミネラル)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)妊娠・授乳婦」
農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」
独立行政法人国民生活センター「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」

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