医師監修|つわりで仕事を休んでもいい?利用可能な制度と対策法
2023/12/5
つわり中の仕事がつらい、休みたいと悩んでいる妊婦さんも多いでしょう。妊娠中は医師から指導があった場合、勤務時間の短縮や休業措置などを取得することができます。申請の方法や対処法について医師監修のもと詳しく解説します。
妊娠はうれしいことですが、ひどいつわりの症状があると気が滅入ってしまうもの。特に仕事をしている方は、「つわりで仕事を休んでもいいの?」「少しでも楽になる方法はある?」など悩みも多いですよね。
そこでこの記事では、仕事を休むべき症状や妊婦が利用可能な制度などを解説します。先輩ママのつわり対策方法も紹介するため、妊娠中の体調不良に悩んでいる方は最後まで読んでください。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
つわりで仕事を休んでもいい?
一般的につわりは、妊娠5~6週頃から始まり、妊娠7~12週頃にピークを迎えます。その後、妊娠12~16週頃には治まってくる方が多い傾向にあります。
「つわりは病気ではない」という意識から、仕事を休むことを躊躇する方もいるかもしれません。しかし、つわりがあまりにもつらい場合は、仕事を休むことも検討しましょう。男女雇用機会均等法に基づき、つわりの症状が重く、医師から仕事を休むように指導があった場合は、仕事を休むことが可能だと定められています。制度について詳しくは「つわりで仕事を休むときに利用できる制度・アイテム」の項目で解説します。
無理をすると、さらに体調が悪化することも考えられます。例えば、数日休んで様子を見たり、比較的気分がよい時間帯を中心に出勤したりするなど、体調に応じてさまざまな出勤パターンを考慮してもらうとよいでしょう。
つわりのピークや対処方法については「先輩ママに聞いた「つわりが気持ち悪い!助けて」という時の対処法」の記事でも詳しく紹介しています。あわせてチェックしてください。
仕事を休んだ方が良いつわりの症状
つわりの症状や感じ方は個人差が大きく、仕事を休む目安は曖昧です。しかし、次のような症状が見られる場合は、無理をせず休暇をとりましょう。
嘔吐を繰り返す
1日に何度も吐き戻し、食べたもののほとんどを吐いてしまう場合は、仕事を休みましょう。
胃のムカムカ感や吐き気が長時間続く症状は、「吐きづわり」と呼ばれます。空腹時は吐くものがなく、余計つらく感じることも。しかし、空腹を紛らわせるために食べ物を口にするとまた嘔吐してしまうという悪循環に陥る方も少なくありません。吐きづわりを軽減するためには、水分を多く含むものや飴や果物などの口にしやすいものを小分けにして食べることを心がけましょう。
気になるのが赤ちゃんへの影響ですが、妊娠初期に深刻な吐きづわりがあった場合でも赤ちゃんに問題が生じることはないと考えられています。まずは、ママが自身の体調を考え安静にして過ごすことが大切です。
水分を摂取できない
吐きづわりが悪化すると、飲み物でも吐いてしまうことがあります。脱水が進むと吐き気の悪化や頭痛やめまいを引き起こすことがあるため、ある程度水分補給ができるようになるまでは仕事を休みましょう。
まとめて水分をとると嘔吐しやすいため、炭酸水やレモン水など口の中がスッキリする飲み物をこまめにとることがポイントです。自力で水分補給が難しい場合は、迷わず医師の診断を受けましょう。
めまいや頭痛が伴っている
気分が悪くめまいや頭痛があり、寝ていないとつらい状態のときは、無理せず休暇をとりましょう。十分な睡眠時間を確保しても日中に眠気や倦怠感が続く場合は、「眠りづわり」の可能性があります。
仕事中に強い眠気に襲われると、パフォーマンスの低下や転倒などのリスクがあるため注意が必要です。仕事を続けるのが困難な場合は、早退する、中抜けするなど、適切な休息を設けましょう。
唾液が出てきて気分が悪くなる
唾液が必要以上に分泌され、気持ち悪くなる場合も仕事を休むべきサインのひとつです。唾液を飲み込むことに不快感がある、飲み込むと吐き気を感じる場合は、よだれづわりが疑われます。
不快感を軽減するためには、唾液をこまめに吐き出す、うがいをするなどが有効な方法です。しかし仕事中に人前でよだれを吐き出すのは難しく、精神的にも負担を感じてしまいます。ストレスなく過ごすためには、よだれづわりがひどいときは休暇をとるとよいでしょう。
食べていないと気持ち悪くなる
空腹になると体調が悪くなる「食べづわり」の症状が重いときは、無理せずに仕事を休みましょう。
食べづわりの方は、胃のムカムカを抑えるために食べすぎてしまい、血糖値の急上昇や体重の増加を引き起こすことがあります。特に仕事中は食べづわり対策のために絶えず飴やチョコレートなどを食べる傾向にあり、糖分やカロリーを必要以上に摂取しかねません。
自宅であれば症状が軽いときはテレビや読書など別の方法で気を紛らわせることもできます。食べづわりがひどい期間はできるだけ出勤を控えて、穏やかな気持ちで過ごせるとよいですね。
著しく体調が悪く「妊娠悪阻」の状態になっている
上記で紹介したつわりの症状がひどい場合や著しい体重減少がある場合は、妊娠悪阻(にんしんおそ)の可能性があります。状況によっては入院や点滴が必要な場合もあり、医師の診断書が出ると傷病手当の対象になります。
特に脱水症状が続くと母子共に危険な状態になるケースも否定できないため、仕事を休んで医療機関を受診しましょう。
つわりによる傷病手当の申請については「つわりで傷病手当金は受け取れる!条件と申請方法を解説」で解説していますので、参考にしてみてください。
つわりで仕事を休むときに利用できる制度・アイテム
つわりで仕事を休むと、「有給が減るのでは?」「信頼度が落ちるのでは?」などさまざまな不安があるでしょう。しかし、妊婦は必要に応じて仕事を休むことが法令上認められています。
この章では、つわりで仕事を休むときに利用できる制度について詳しくみていきましょう。
勤務先に休暇制度がなくても休める「つわり休暇」
男女雇用機会均等法に基づき、つわりの症状が重く、医師から仕事を休むように指導があった場合は、「つわり休暇」を取得することができます。これは、たとえ勤務先から休暇制度について知らされていなくても、就業規則や雇用形態に関係なく、すべての女性労働者に認められた権利です。
つわり休暇を取得する際は、医師、または助産師からの指導があったことを勤務先に申告し、休業申請を提出します。取得可能期間はとくに定められていませんが、法令上賃金の保証はされておらず、無給となるケースもあるため事前の確認が必要です。
無給の場合は、年次有給休暇とつわり休暇を併用するなどして、金銭的な悩みを緩和させるとよいでしょう。
診断書と同等の効力を持つ「母健連絡カード」
医師の指導事項について会社側に的確に伝達するためには、「母性健康管理指導事項連絡カード(略:母健連絡カード)」を発行するのがおすすめです。
「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、妊娠中・産後の女性労働者に対し医師が指導した内容を事業主に的確に伝え、措置を申し出るためのカードです。母健連絡カードは各産婦人科に置いてあり、診察時に医師が指導事項を記入して発行します。
この母健連絡カードと診断書は、同等の効力を持っています。男女雇用機会均等法に基づき、会社側は母健連絡カードに記載された指導内容に応じて、時差通勤、在宅勤務、休憩・休業など、必要な措置を講じなければなりません。
カード発行の費用は、病院によって異なり2,000円程度かかりますが、診断書よりも安価なことが多いです。
なお、本来はこのカードの提示がなくても、妊娠中・産後の労働者から申し出があれば会社側は配慮する必要があります。
つわりで仕事がつらいときの対処法【先輩ママの声も】
吐かないけど気持ち悪い、えづくだけなど、仕事に行けないほどではない症状に悩まされている方も多いでしょう。以下の章では、つわりで仕事が辛いときの対処法を紹介します。また、2023年3月楽天ママ割メンバーを対象に行ったアンケートに寄せられた先輩ママの声もあわせてご紹介しますので参考にしてみてください。
つわりに対する具体的な緩和方法は「つわりの対策方法を症状別に解説!食べやすい食品リストも|医師監修」でも解説しています。あわせてチェックしてください。
早めに上司や同僚に妊娠報告しサポートしてもらう
つわりの多くは、妊娠初期に現れてだんだんとひどくなっていきます。これまでは難なくできていた仕事が滞ったり、気分が悪く席を外したりする回数が増えることもあるでしょう。
妊娠報告は安定期に入ってからしようと考えていることもあるかもしれません。しかし、つわりの状態に応じて勤務時間や業務内容を配慮してもらえることもあるため、直属の上司や信頼できる同僚などにはできるだけ早めに報告し、体調などについて理解してもらうのが理想的です。
妊婦さんが悩むことが多い周りの方への妊娠報告については、「妊娠報告、いつ&どう伝える?職場や上司、両親、友達へのタイミング」でも詳しく紹介しています。あわせてチェックしてください。
先輩ママが実践したつわりの対処方法は「早めに上司に伝え、仕事を調整してもらう」「リモートワークに切り替え、出勤の負担を減らす」というものでした。体が辛いときは思い切って周りに頼り、休息をとることが大切です。
時差出勤にして満員電車を避ける
つわりのときは、電車やバスなどの混雑はとてもつらいもの。時差出勤や時短勤務を利用し、混雑を避けて出勤したり勤務時間を短縮したりできるとよいでしょう。
このような時差出勤や時短勤務などの妊娠中の通勤緩和は、男女雇用機会均等法によって定められています。ゆったりと通勤できるように配慮してもらうだけでも、とても気持ちが楽になるでしょう。
先輩ママの声を聞くと、妊娠を機に乗り物酔いをするようになった方が少なくないようです。においつわりが関係している可能性もあるため、車には無香料の消臭剤を置く、公共機関を使うときはマスクをつけるなどの対策法を試してみてください。
仕事中に空腹にならないようにする
つわり中は、空腹感が吐き気や嘔吐を誘発することがあります。そのため、空腹を避けられるように、少量の食事を1日に5回ほどに分割して食べると、比較的楽に過ごせるといわれています。
先輩ママたちも、外出時は手軽に食べられる飴やガムを持ち歩く方が多くいました。自宅での間食は、カロリー過多にならないよう野菜スティックや果物、小魚などがおすすめです。
また、こまめに水分をとるようにしましょう。水分は、ご自身が飲みやすいもので大丈夫です。レモンなどの柑橘系の飲みものや炭酸飲料、しょうが風味などはつわりを和らげることがあります。
つわり中におすすめの食べ物については「先輩ママに調査!つわり中に食べられたもの・飲み物ランキング」の記事でも紹介しています。
においつわりの対策をする
つわりのときには、においに敏感になることが多いものです。例えば、乗り物のにおい、ご飯や魚が焼けるにおいなど、普段は何も感じなかったり好きな香りだったりしても、つわりの間は不快に感じることがあります。マスクをしたり、自分の好きな香りを含んだハンカチなどを嗅いだりしてにおいつわり対策をするとよいでしょう。
「調理中やスーパーのにおいでつわりが悪化した」という先輩ママが多くいました。パートナーに食事担当を頼む、惣菜や弁当を活用するなど無理のない範囲で家事をおこなうとよいでしょう。
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つわりには吐きづわりや食べづわりなどさまざまなタイプがあり、空腹やにおいが吐き気や嘔吐を誘発することがあります。そのため、空腹になる前に食べやすいものを食べたり、マスクをしてにおいを抑えたりするとよいでしょう。
あまりにもつわりがひどい場合は、医師から母性健康管理指導事項連絡カードを発行してもらい、会社側に配慮してもらいましょう。また、妊娠悪阻の場合は点滴治療などが必要になります。あまりにもつらい場合は、健診以外でも受診が可能ですので、かかりつけの産院に相談してみてくださいね。
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