令和6年度国産乳製品等競争力強化対策事業(国産チーズ競争力強化支援対策事業)
日本国内約300軒を超える工房で、こだわりと職人の技が光る美味しいチーズが作られています。
今回は、宮城でチーズ工房を探しました。
宮城県南部の雄大な蔵王連峰の裾野にある「蔵王酪農センター」は、日本におけるナチュラルチーズ製造の草分け的存在。
創業はなんと今を溯ること約60年前。1964年に蔵王町に移転してから、地域ブランドの国産ナチュラルチーズの先駆けとして、1980年のチーズ製造開始から約40年の歴史を持つ老舗です。
今回は、蔵王酪農センター宮沢秀夫さんにお話を伺わせていただきました。
取材:2020年
今でこそ日本国内にあるチーズ工房は300を数えるに至りましたが、その草創期では大手企業だけが手がけていたに過ぎません。そんな時代から、ナチュラルチーズ作りを行ってきたのが「蔵王酪農センター チーズ工場」です。
酪農経営の合理化を目指して作られた国産ナチュラルチーズの実験製造工場で、研究が開始されたのが1980年。日本ではほとんど知られていなかったクリームチーズやゴーダチーズの製造が開始されました。
特筆すべきは、当初から研修会が開かれていたという事実。チーズ作りを知りたいと熱望する方々に向けて、その技を学ぶ場が設けられていたのです。日本におけるナチュラルチーズ製造の普及に、大きな役割を果たしていた事は間違いありません。
蔵王酪農センター チーズ工場で作られるナチュラルチーズの原料となるのは、敷地内で飼育されるホルスタインと、蔵王山麓で酪農を営む方々が育てた乳牛から採れる生乳です。
その製法は極めて基本に忠実なものであり、工場を案内していただいた宮沢秀夫さんによると「特別な事はしていません」とのこと。長年の研究の末にたどり着いたのは、広大な自然が育んだフレッシュな生乳の良さを引き出す事に尽きるという事なのでしょう。
熟練のチーズ職人たちが丹精込めて作りあげて生まれた「蔵王チーズ」は、名産品として名を馳せる逸品です。
その味わいは、国産ナチュラルチーズならではの丁寧な風合いが楽しめる王道といえるでしょう。
インドのカッテージチーズ「パニール」は、酸で加熱後の生乳を固め、ホエイを抜くシンプルな製法。熟成せず、あっさりした味わいで料理に溶けにくく、香りとクセが少ないのが特長。
オランダ発祥の「ゴーダチーズ」は日本で最も有名なナチュラルチーズ。低温低湿で3ヶ月から1年熟成し、深い味わいとまろやかさを持つ。