令和6年度国産乳製品等競争力強化対策事業(国産チーズ競争力強化支援対策事業)
日本国内約300軒を超える工房で、こだわりと職人の技が光る美味しいチーズが作られています。
今回は、北海道でチーズ工房を探しました。
自然豊かな北海道 十勝中札内村に工房をかまえるチーズ工房。
地元の素材にこだわったチーズが並ぶお店では、新鮮なミルクや自家製チーズを使ったジェラートも大人気。
代表を務める赤部さんに、国産チーズの魅力をたっぷりと聞いてきました。
取材:2023年10月
日本におけるナチュラルチーズ大国とも言える北海道の十勝。地元の名産品としてチーズを作っている工房が数多く知られていますが、その先駆けとも言える老舗が「十勝野フロマージュ」です。
現会長・赤部紀夫氏が、街の特産品としてのチーズ作りに注目したのは、今を遡ること20年ほど前。
当時、すでに乳製品を扱うプロだった紀夫氏は、フランスへも幾度となく足を運んだといいます。そして、本場で学んだカマンベールを作るために選んだのが十勝の中札内村でした。
赤部順哉社長によると、「中札内に流れる札内川は、日本の名水に選ばれるほど良質な水質。日高山脈の伏流水を飲んだ牛のミルクは、チーズ作りに最適なのです」とのこと。
以来、十勝野フロマージュでは、地元十勝で作られた原材料だけを使った乳製品作りにこだわり続けています。
日本国内において、ラクレットチーズの生産を牽引する北海道・十勝地方では、十勝産のチーズを世界へ発信すべく2015年に「十勝品質事業協同組合」を発足。
十勝内の複数のチーズ工房が連携し、ラクレットの統一ブランド「十勝ラクレットモールウォッシュ」を開発。十勝野フロマージュも連携工房のひとつとして参画をしています。
各チーズ工房が切磋琢磨しながらも一丸となって、十勝地方のチーズブランドの魅力を伝えていくたゆまぬ努力と活動がある。
今後も十勝のチーズ作りは進化を続けていくことでしょう。
十勝野フロマージュでは現在、フレッシュチーズにあんこをのせる試みも。じつは、中札内は枝豆の名産地でもあり、地産の小豆ならでは柔らかな甘味とチーズの塩味が程よくマッチしたスイーツを開発している最中のようです。
日本人の舌にも馴染むチーズ作りを行ってきた十勝野フロマージュならではの、あんことチーズのマリアージュに大きな期待が寄せられています。
その他にも、現在は一旦休止しているブルーチーズも開始予定。青カビは、白カビとの共存が難しいため、別の工場を用意して、満を持しての製造再開です。今後も新たなチーズに目が離せません。
記事の中でもご紹介した十勝野フロマージュイチオシのチーズ。ゴハンのお供やおにぎりの具としても楽しめる逸品。
ほどよいクリーミーさが魅力。わっぱに包まれた可愛らしい包装も楽しむことができ、ちょっとした贈りものにもおすすめ。