いいもの新発見(カナダインタビュー)

在日カナダ大使館の陳アレックスさんにカナダの食材や文化、
日本との関わりについてお話を伺いました!

INDEX
1. カナダってどんな国?
2. 四季折々の食材と多国籍な調理法によるユニークな食文化
3. 日本の食文化も体験できて旅行先・留学にも人気
4. カナダの食材は高品質で安心、サスティナブル
5. 日本でも愛されているカナダの名産品・メープルシロップ
6. カナダフェアで買える!カナダのメープルシロップ
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左: 在日カナダ大使館 陳アレックスさん 右: 楽天グループ株式会社 實籾

在日カナダ大使館 陳 アレックスさん
在日カナダ大使館商務部 陳(チェン)アレックス一等書記官(農務・食品)は、2022年8月に来日し、在日カナダ大使館で農務・食品チームを率いる。カナダ・グローバル連携省では、カナダと日本、韓国、モンゴルとの外交・国際人権に関する業務に携わる。バンクーバー出身。趣味はハイキングと料理で、日本の47都道府県すべてを訪れることを個人的な目標としている。

1カナダってどんな国?

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北アメリカ大陸北部に位置し、日本の約27倍、世界第2位の広大な国土を誇るカナダ。トロントやバンクーバーといった大都市と、雄大な自然が共存する美しい国です。フレンドリーな国民性で治安も良いことから、観光はもちろん、留学やワーキングホリデーなどの長期滞在先としても日本人に人気があります。

観光で訪れる人たちそれぞれのニーズに合った、さまざまな経験ができることもカナダの魅力でしょう。ダイナミックな自然を楽しみたいなら、世界三大瀑布のひとつであるナイアガラの滝や、世界自然遺産に登録されたカナディアンロッキーがお勧めです。カナダ北西部のイエローナイフでは、冬になると何ヵ月もの間、美しいオーロラに出会うことができるので、日本からもオーロラを目当てに多くの観光客がやってきます。

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アトランティック・カナダ(カナダ大西洋州)やその海岸沿いなどの景勝地をゆったりと楽しみながらめぐるロードトリップ、産地を旅するワイン旅行もおすすめです。カナダにはブリティッシュ・コロンビア州、オンタリオ州、ケベック州及びノバスコシア州など、4つの主要なワイン産地がありますが、小規模なワイナリーが多く、輸出を行っているワイナリーは多くありません。産地を訪れると、現地でしか飲むことができない新鮮なワインを味わうことができますよ。

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個人的には、ケベック州最大の都市・モントリオールが大好きです。北米と欧州の文化が絶妙にミックスされていて、特に夏は活気にあふれ、音楽やコメディー、パフォーマンス、スポーツなどのフェスティバルが毎週のように開催されます。特にモントリオールのダウンタウンは歩行者天国になり、音楽演奏があったりレストランにパティオ席が設置されたりと、街中が非常に賑やかな雰囲気で満たされます。

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また、あまり知られてはいませんが、カナダは日本と同じ四季のある国。恵まれた自然環境は四季折々のおいしい食材を生みだす宝庫です。カナダの大自然が育んだおいしい食材をぜひ多くの方に味わっていただきたいです。(アレックスさん)

2四季折々の食材と多国籍な調理法によるユニークな食文化

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カナダの食文化の原点は、「土地」と「人」です。この2つが、実にユニークな食文化を作り出しています。

夏から秋は、カナダ全土で様々な農産物が収穫されます。夏は、桃から始まりブルーベリー、イチゴ、チェリーなどと、フルーツが豊富に出回ります。秋にはカボチャやニンジン、ジャガイモなどの根菜が旬を迎えます。冬になると、塩漬けの食材やビーフやターキーといった肉類が多く見られるようになり、ワインやウィスキーの消費も増えます。そして、春が来て暖かくなり始めると、メープルシロップの収穫期。シロップのほか、メープルシュガーやメープルバターなど、メープルシロップを使った製品も多数あります。季節の食材を中心とした食生活を大切にしている点は、日本とよく似ているでしょう。

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一方、「人」とは、カナダが多民族国家であることです。カナダの先住民の歴史は14,000年以上前に遡ります。その後、フランスやイギリスから最初に移り住んだ人々が多くの料理や伝統を伝えたことから、パンやチーズの消費が多いのがカナダの食文化の特徴です。また、今日カナダに住む5人に2人は少なくとも両親のどちらかが移民のため、料理のスタイルも多様です。和食をはじめ、中東、ポルトガル、スペイン、イタリアなど、あらゆる国や地域の料理がカナダの食材によって作られ、多くの人に親しまれています。もしかしたら、日本から来た人はカナダの日本料理を見て「ちょっと違うのではないか」と思うかもしれませんが、それはカナダの食材で作られているから。それが、カナダの食文化といえます。

カナダイメージ画像代表的なカナダ料理:プーティン

カナダは広大な国で、地域によってさまざまな伝統料理があります。東部に位置するアトランティック・カナダはシーフードが有名で、シーフード・チャウダー、ロブスターロール、タラのタンのフライ。フランスの影響を強く受けているケベック州では、トルティエールと呼ばれるミートパイ、フライドポテトにチーズとグレイビーソースをかけたプーティン。ほんのりハチミツの甘みを感じるモントリオールスタイルのベーグルも人気です。

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オンタリオ州やマニトバ州には、豚肉をロール状にしてコーンミールの衣をまぶした、ピーミールベーコンと呼ばれるカナディアンスタイルのベーコンがあります。サスカチュワン州やアルバータ州は豆や麦、カノーラの大規模農場が多く、豆を使った料理が豊富。養牛や養豚も盛んでバーベキュー料理もよく見られます。西海岸のブリティッシュ・コロンビア州といえば、日本でもお馴染みのスモークサーモン、数の子やボタンエビ。ダンジネスクラブというここでしか獲れないカニを使ったクラブケーキやカニ料理もたくさんあります。ブルーベリーやチェリー、イチゴなども穫れるので、フルーツを使ったデザートも豊富です。

3日本の食文化も体験できて旅行先・留学にも人気

カナダイメージ画像パーラメント・ヒル

日本から多くの方がカナダを訪れる理由には、まず、安全で人々を温かく迎え入れる国であることが挙げられます。先ほどお話した通り、カナダは多民族国家で移民が多く、英語やフランス語が得意でない旅行者や留学生にとっても、安心で過ごしやすいと思います。また、多様で美しい自然があること、一方で人口はさほど多くないにも関わらず、都会的な国であることも人気の理由ではないでしょうか。この都会的な環境のおかげで楽しいフェスティバルや音楽イベントなど、文化的アクティビティが多く開催されるため、アウトドア派ではない人たちも楽しめる要素がたくさんあるのです。

留学先やワーキングホリデーの滞在先としてカナダが選ばれるのは、やはりその教育の質のが高さが理由だと思います。トロント大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学の3大学は、世界のトップ50大学にラインクインされたこともあるほど。短期留学、語学留学コースも充実していて、日本からも多くの学生が大学卒業後に学びに来ます。就業の機会も多いため、働きながら旅行も楽しみたい人にとって、カナダはワーキングホリデーの滞在先としても最適な国ではないでしょうか。

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また、カナダでも日本の文化や食文化をさまざまな形で体験できます。寿司や天ぷらなどの和食レストランは至るところにあり、とても人気です。日系カナダ人が教える茶道や剣道、空手のクラスも多く、彼らは日本文化を広める上で重要な役割を担っています。カナダは日本に対してとてもポジティブな印象を持っていて、両国の人々の交流のおかげで素晴らしい関係性が築けているのだと思います。

4カナダの食材は高品質で安心、サスティナブル

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カナダにとって日本は輸出先3位の大国でもあり、非常によいパートナー国です。カナダが輸出している食品・食材の約80%が、日本人が毎日口にする食品に含まれているといわれ、例えば、日本のカノーラ油の大部分はカナダ産のカノーラが原料です。パスタ類やパンにもカナダ産の小麦が多く使われ、日本に輸出されるカナダ産の食用大豆はNON-GM(非遺伝子組み換え)のため、豆腐や味噌、納豆、豆乳などの原料として広く使用されています。豚肉や牛肉、シーフードも需要が高いですが、カナダ特有の食材でいちばん人気はやはりメープルシロップでしょうか。

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カナダの食材が日本で受け入れられている理由は、まず、高品質であること。日本の消費者と同様に、カナダの消費者も品質を非常に重んじています。そして、サスティナビリティです。麦や大豆などの穀類でも肉製品でも、カナダではカーボンフットプリントを削減しようと努めています。水産業界でも資源量の管理を行っています。

最後に、クリーンな環境です。カナダには厳しい食品安全基準があり、食品添加物や生産に使われる農薬などについても明確に定められています。有機農法も盛んで、日本とカナダの間には「有機認証制度の同等性」が認められているため、基本的にカナダでオーガニックと認定された食品は日本でもオーガニック食品として販売できます。日本でカナダ産の製品を見かけたら、それはとても安全なものだと信用していただけるのではないでしょうか。

5日本でも愛されているカナダの名産品・メープルシロップ

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カナダの大自然の恵みともいえるメープルシロップは、おいしいだけでなく、ミネラルやビタミン、ポリフェノールが豊富な栄養食品でもあります。ケベック州やオンタリオ州、ニュー・ブランズウィック州、ノバスコシア州の4州で生産されていて、その中でもケベック州は、メープルシロップ輸出量の約90%を誇るカナダ最大の産地です。

メープルシロップの産地では、毎年、春の気配が感じられる3月から4月頃、シュガーブッシュ(サトウカエデの森)の一部が一般開放されてメープルシロップの採集を祝うフェスティバルが開催されます。ちょうど春休み時期と重なることから、子どもたちが心待ちにしている行事でもあります。

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フェスティバルの期間にシュガーシャック(メープルシロップを煮詰める小屋)を訪れると、メープルシロップの製造プロセスを見学できるほか、メープルシロップをかけたパンケーキやミートパイ、メープルシロップの風味を活かしたハムなどの伝統料理が味わえます。雪の残る森を駆け抜ける馬ぞりなど、子どもたちが楽しめる野外アクティビティがあったり、音楽演奏やダンスのイベントが催されたりと非常に賑やかです。

そして、欠かせないのがメープルタフィー。煮詰めた熱々のメープルシロップを雪の上に流して固めた冷たいキャンディで、水飴のように木のスティックにクルクルと巻きつけて食べます。雪の時期にだけ楽しめる、大人も子どもも大好きなおやつです。

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春先のシュガーブッシュには、地元の人はもちろん、国内外からたくさんの観光客がやってきます。メープルシロップの採集を祝いながら、家族や友人と楽しい時間を過ごせるシュガーシャックに、ぜひ一度訪れていただきたいですね。(アレックスさん)

6カナダフェアで買える!カナダのメープルシロップ

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