印鑑登録廃止の申請方法や届け出先を解説。自動的に抹消となるケースも
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市町村役場で実印の印鑑登録をしている場合の、廃止方法を解説。
旧住所で登録廃止の手続きをし、引越し先の住所で新規登録を行います。
印鑑登録とは
「印鑑登録」とは、市区町村役場に印章(はんこ)を持参し、印影(印章を捺印した)を登録することです。
印鑑登録を行うと、重要な契約書類や公正証書などを作成する際に必要な、正式な印章として使用できるようになります。※1
具体的には、不動産(土地や住宅)の売買・車の売買・金融機関から融資を受ける際などに必要な手続きとして、印鑑の捺印とともに「印鑑証明書」を提出することができます。
印鑑証明書とは、その印章が印鑑登録されていることを証明する書類です。
印章が印鑑登録されると「印鑑登録書(印鑑登録カード)」が発行され、役所の窓口等で印鑑登録書を発行してもらう際に必要となります。
印鑑登録された印章は「印鑑」や「実印」と呼ばれますが、一般的には、「印章」「はんこ」「印鑑」はあまり区別しないで用いられることが多いです。
※1 東京印章協同組合 印章の基礎知識│
http://www.tokyoinsho.jp/chishiki/chishiki1.html
2019年9月16日閲覧
印鑑登録の廃止が必要なケース
印鑑登録の廃止手続きをして、登録を無効にすることができます。
なお、廃止手続きに費用は掛かりません。※2
印鑑登録が不要になった
印鑑登録された印章は、書類の作成において強い効力を持ちます。
一般的に、印鑑登録が必要となる場面はそれほど多くないため、不要になった時点で廃止することも可能です。※8
登録した印章を紛失した・盗難に遭った
印鑑登録した印章が紛失や盗難に遭った場合、第三者により悪用される可能性があるため、すみやかに廃止手続きをしましょう。 ※3※6
印鑑登録書(印鑑登録カード)を紛失した
印鑑証明書の発行を希望する際、印鑑登録書(印鑑登録カード)を紛失している場合は、一旦廃止手続きを行ったうえで再登録する必要があります。 ※3※6※7
<登録している印章を変更したい> 登録した印章の変更を希望する場合は、一旦廃止したうえで新たに登録申請をします。 ※3※6※7※8
印鑑登録廃止の申請場所
印鑑の登録がされている市区町村の役場に出向き、廃止申請を行います。
郵送や電話で申請することはできません。 ※2※4※5※7※8
印鑑登録廃止の届け出に必要な書類
●印鑑登録されている印章
持参しない・あるいは認印でも廃止が可能な自治体もあります。 ※2※4※5※7※8
●印鑑登録廃止申請書または印鑑登録亡失等届書
役所に用意されている申請書類にその場で記入します。
自治体のウェブサイトでダウンロードが可能な場合は、事前に印刷・記入して持参することも可能です。 ※4※7※8
●印鑑登録書
カードタイプが一般的です。
登録時期によっては印鑑登録手帳のケースもあります。
紛失している場合はその旨を伝えましょう。 ※4※7※8
●本人確認書類
運転免許証・健康保険書・パスポートなど、本人であると確認できる身分証明書(有効期限内のもの)が必要です。 ※3※4※5※7※8
※2 市原市 印鑑登録の廃止をしたい│
https://www.city.ichihara.chiba.jp/kurashi/0101tetuduki/tetsuzuki/inkan/mado_914.html
2019年9月16日閲覧
※3 練馬区公式ホームページ 印鑑(登録・廃止・亡失)の手続き│
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/koseki/inkan/inkantoroku.html
2019年9月16日閲覧
※4 厚木市 代理人による印鑑の廃止申請│
https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/totokezei/todokede/inkan/p001348.html
2019年9月16日閲覧
※5 綾瀬市役所 印鑑・・印鑑登録証明書がほしいのですが、印鑑登録証(カード)を紛失してしまいました。│
https://www.city.ayase.kanagawa.jp/hp/page000019400/hpg000019336.htm
2019年9月16日閲覧
※6 三島市 印鑑登録|
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn032176.html
2019年9月16日閲覧
※7 あわら市ホームページ 印鑑登録証明について│
http://www.city.awara.lg.jp/mokuteki/life/life0101/p001652.html
2019年9月16日閲覧
※8 横浜市 印鑑登録廃止申請(登録している印鑑を廃止したい)│
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/koseki-juminhyo/inkan/inkanhaishi.html
2019年9月16日閲覧
印鑑登録廃止の届け出ができる人
本人
印鑑登録の廃止申請は、基本的に印鑑登録をしている名義人自身が手続きを行います。※2※3※4※5※7※8
代理人
本人が病気・怪我等で役場窓口へ出向くことが難しい場合は、代理人による申請もできます。
その場合、印鑑登録されている印章・印鑑登録廃止申請書または印鑑登録亡失等届書・印鑑登録書・本人確認書類に加えて、「委任状」と代理人の認印が必要です。
委任状とは、手続きを他人に委託することを記載した書類で、事前に窓口で受け取るか自治体のウェブサイトからダウンロードして、代理人欄も含めて本人が記入しておきましょう。
また、窓口で提示する本人確認書類は、本人のものではなく代理人のものとなります。
※2※3※4※5※6※7※8
印鑑登録の廃止までにかかる時間
本人による申請
本人であることが確認でき、提出書類に不備がなければその場で廃止されます。 ※2
引越しの際に印鑑登録廃止をしないとどうなる?
市内(区内)で移転する場合
市内で引越しをする場合、転居届を提出すると印鑑登録の住所も自動的に変更されるため、印鑑登録は引き続き有効となります。
廃止を希望する場合は、廃止申請を行いましょう。 ※7
市外(区外)へ転出する場合
市外へ引越しをする場合、市区町村に申請した転出日をもって印鑑登録は自動的に廃止となります。
印鑑登録カードは転出届けを提出する際に窓口に返却するか、自身でハサミなどを入れて破棄しましょう。 ※6※7※9
※9 川崎市 引越しをした場合、引き続き印鑑登録証(かわさき市民カード)が利用できるのか知りたい。│
http://www.city.kawasaki.jp/templates/faq/250/0000012319.html
2019年9月16日閲覧
転出以外で印鑑登録が自動的に廃止されるケース
市外への引越し以外にも、印鑑登録が自動的に廃止(抹消)となるケースもあり、廃止後に作成された契約書等は法的に無効となります。
氏名の変更(印章と一致しないとき)
結婚などで姓名が変わり、登録された印章の内容と一致しなくなる場合は、廃止となります。
なお、姓(苗字)ではなく名のみの印章を印鑑登録することも可能です。 ※7
死亡したとき
死亡届が提出された時点で、印鑑登録が廃止されます。 ※6※7
後見開始の審判を受けたとき
認知症・知的障害・精神障害などで本人の判断能力が欠けているとして、裁判所による後見開始の審判を受けると、印鑑登録が廃止されます。※7※10※11
※10 裁判所|成年後見制度についてよくある質問
http://www.courts.go.jp/nagoya-f/saiban/tetuzuki/qa/index.html
2019年9月16日閲覧
※11 裁判所|後見開始
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_01/index.html
2019年9月16日閲覧
新しい印鑑登録は転居先で行う
市外へ転出する場合、印鑑登録は自動的に廃止となってしまいます。
再び印鑑登録を希望する場合は、転居先の役場窓口で登録申請を行います。
※6※7※9
まとめ:引越しの際は必要に応じて印鑑登録の廃止申請をしよう
印鑑登録の廃止方法について解説しました。
申請を行わなくても、市外への転出や氏名に変更があると自動的に廃止されます。
また、廃止申請の際に必要な書類等はおおむね共通ですが、市区町村によって少々異なることもあるため、事前に自治体のウェブサイト等で確認しておくと安心です。
手続きの内容 | 現在登録している印鑑登録を廃止する |
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手続き時期 | 引っ越し前 |
手続きする場所 | 市町村役場 |
必要書類 | 本人・世帯主申請 ・印鑑登録証 ・登録印鑑 ・本人確認書類 代理人申請 ・印鑑登録証 ・委任状(申請者の捺印済みのもの) ・登録印鑑 ・代理人の認印 ・本人確認書類 |
ポイント | 同一市内間で引っ越しをする場合には廃止する必要のないケースや、転出届を提出することで自動的に印鑑登録廃止の手続きが完了する自治体もあります。現在の住所の市町村役場へ確認をしましょう。 |