2019/12/27更新
「ふるさと納税って、その地域の魅力が詰まった返礼品がもらえるやつでしょ?」
多くの人のそんな印象を覆すべく、「ふるさと納税は地域を、いや、日本を、地球を救う新しい寄付制度なのだ!」という熱すぎるパッションをもった楽天ふるさと納税の担当社員たち。そのうち4名の精鋭(?)たちが、12月14日、楽天が取り組むソーシャルインパクトの祭典「Rakuten IDO(アイ・ディー・オー) 2019」で、プレゼンバトルを繰り広げました。
4名は、楽天市場から申し込める800を超えるふるさと納税の中から、「社会を良くすることに貢献できる、ソーシャルグッドなふるさと納税」をピックアップ。各自が選んだ全10件のふるさと納税の魅力をアピールし、最後に来場者は「もっとも応援したい!」と思ったものをオンライン投票。果たして、どのプレゼンが多くの人の心を掴んだのでしょうか?
目次
地域創生事業部の田内です。トップバッターは緊張しますね…(苦笑)。私からは2つ、ご紹介します。
河内長野市は、面積の7割が森林という自然豊かな町である一方で、少子高齢化率が府内で最も高い。そんな町の課題を解決するためのふるさと納税をクラウドファンディングで行っています。
というのも、市内は坂道がすごく多いので、おじいちゃんおばあちゃんたちは買い物に出かけるにも苦労しているんです。そこで自動運転のゴーカートを配備して、その苦労を軽減してあげよう。そして、日本各地で同じような状況にある町の先進事例にしていこう! そういう思いが込められているんですね。
返礼品はすごくおしゃれな爪楊枝なんですが、地元の名産品なので、地場産業の支援にもなります。
私は地元が大分県でして、私情が入っているんですけど、お許しください(笑)。
日本の干し椎茸の50%を生産する豊後大野市ですが、少子高齢化に悩まされており、廃業や規模を縮小する椎茸農家さんが後をたたない状況でした。
このままでは伝統的な製法で作られる椎茸がなくなってしまう……。そこで豊後大野市は、以前は一定の量がないと出荷できなかった椎茸を、少量でも市が買い取り、それを返礼品として提供する仕組みを作りました。そうすることで、小規模しか生産できない農家でも、椎茸づくりを続けることができるようになったんです。
ちなみに、僕のおばあちゃんも豊後大野市で椎茸農家をやっています。おじいちゃんが亡くなったときに椎茸づくりを辞めようとしていたんですが、この制度が始まったことで、「少しでもいいなら」とまだ続けることができています。もちろん、返礼品にはおばあちゃんの椎茸も入っています!。
はい、みなさん、こんばんは!山田です。私からは3つご紹介します。
七尾市は富山湾と七尾湾という豊かな漁場に面した漁業が盛んな町で、一番注目を集めているのが刺身です。朝に捕れた魚をそのまま加工場に持っていき、その場で刺身にして、さらに瞬間冷凍して発送する。その結果、むちゃくちゃうまい刺身が食べられると有名になりました。
ただ、その刺身がどう作られるかはあまり知られていない。そこで市の職員さんたちは考えました。そうだ、漁船に乗ってもらおうと。私たちが何気なく食べている魚が、どういう背景で捕られているかという話を漁師さんから直接聞き、自分で体験できるというわけです。
もちろん、自分が捕った魚を「漁師めし」にして食べさせてもらえます。非常に贅沢な体験です。
全国各地で鳥獣被害が話題になっていますが、この村ではいのししに農作物を食い荒らされたり、人が襲われたりする被害が、大きな問題になっています。
これまでは駆除したあとにイノシシを埋めていたそうなのですが、北川村の方は考えました。これも大切な村の資源ではないかと。そこで加工場を作り、安全なジビエ肉を作るという取り組みを行っています。これを支援すると新鮮ないのしし肉が送られて来るだけでなく、自然の資源をどう活用していくべきかということを再考するきっかけにもなると思います。
富士吉田市は桜の季節になると、多くの観光客が訪れます。特に五重塔と富士山を同時に写真に収めることができる新倉山浅間公園は、市でも有数の絶景が見られる場所として知られています。
しかし、実はここの桜は虫食いの被害に遭っており、素晴らしい景観が失われてしまう恐れが……。そこで富士吉田市では桜の保持のためにクラウドファンディングを実施しました。すると、なんと3500万円もの寄付を集めたのです。これ以降、市民の方から市役所に、「寄付をやってくれてありがとう」という電話が毎日のようにかかってくるほどの反響を呼んだんです。
つまり、使いみちをちゃんと伝えて寄付を募れば、このように応援してくれる人がたくさん現れるということです。これを素晴らしいと思われた方、拍手をお願いいたします!(会場拍手)。
ありがとうございます(笑)。
こんばんは! 横で聞いていて、段々とテレビショッピングみたいなノリになってきたなと思ったんですが、今日は寄付の話ですよ(笑)。私はふるさと納税の関西と東海エリアを担当しております、安らかに達すると書いて安達と申します。
亀岡市では2018年に市長が「使い捨てプラスチックごみ」をゼロにする宣言を出しました。全国初のこのプロジェクトはそれを推進するために行われています。
返礼品はエコバックです。亀岡市はパラグライダーが盛んな市です。パラグライダーは、安全性の確保のために、その生地を定期的に取り替えなくちゃならないそうで、そのゴミがけっこうな量になっていると。そこでパラグライダーの生地から、エコバック(FLY BAG)を作る活動を始めました。
いろんな芸術家やデザイナーの方と連携して、おしゃれなエコバックを作っています。いわば、「芸術×環境問題×経済活動」という新しい取り組みです。
美濃加茂市は市の4割が森林という自然豊かな町です。冒頭で河内長野市は面積の7割が森林という話しをしていたので、ちょっとインパクトが弱くなってしまったのですが(笑)。よくジブリでもテーマになっていますよね「森と人はかつて共存していました」って。でも、最近は人が森に入らなくなった。または入っても汚してしまう状況なんだそうです。
森と人が共存していくためには、バランス良く手が入っていることが大切です。そこで美濃加茂市では、森を単に開拓するのではなく、ワーキングスペースや子どもたちの遊び場として再活用する“里山千年構想”を打ち出しました。これはその支援をするプロジェクトです。
実際に私も現地を見に行ったことがありますが、本当に子どもたちが里山に放たれるんですね。今の子どもたちは自然から離れてしまっていますから、貴重な体験ができるということで、いつも満員になっている大人気プログラムです。
最後のプレゼンです。私は木場と書いてコバと申します。見た目が怖いとよく言われるので少し説明しますと、ラグビー日本代表の松島幸太朗選手がとても楽しそうにプレーしている姿に感銘を受けまして、「自分もあんなふうに仕事でトライを決めたい!」と、この10月から同じ髪型にしています。今のところ担当役員からは何も言われておりませんので、このままやっていきたいと思っています(笑)。
鳥取県の最南端の日南町は、市の9割方が山林ということで、寄付金は日南町の森林を守る活動に使われます。
J-VERクレジットというのは、CO2を削減した量を「クレジット」として認証する制度のことで、日南町のふるさと納税では300g相当のCO2削減(1人が生活で排出する約12日分)に貢献した「証明書」が発行されます。まさにサステナブルな取り組みに直接寄付できるふるさと納税です。
今年の9月・10月の台風被害に対して、楽天として何かできることはないかと、から寄付できる仕組みを作っております。ふるさと納税の枠を使って寄付ができるだけでなく、自分が応援したい市町村を選べるところが、最大の特徴です。
災害支援の寄付はいろんなところで行われていますが、その使途は追いづらかったりします。ふるさと納税であれば、各自治体が「寄付がいくら集まって、そのお金をこのように使いました」と報告してくれます。
自分の支援の結果を確認できるということで、楽天としても積極的に応援している取り組みになります。
妻が沖縄に住んでおりまして、私は今東京に単身赴任中なのですが、そんな中で、10月31日に首里城火災のニュースを見まして、これは大変だとショックを受けました。首里城は沖縄県民にとって精神的な柱のようなものですから、楽天として、というよりも、私にできることはないかと真っ先に考えました。
首里城は那覇市にあり、その管理は国・県・市の3つに分かれています。でも、このふるさと納税を行っているのはそのどれでもなく、那覇市の隣の豊見城(とみぐすく)市です。どうしてそうなったのか?
実は楽天のふるさと納税では、首里城を管理する3つのどこにも窓口がありませんでした。ただ、何かできることはないかと沖縄の人脈を辿っていくうちに、豊見城市のふるさと納税担当の方が、「ちょうど同じことを考えていたので、一緒にやりましょう」と言ってくれたんです。
つまり、このふるさと納税では、寄付を集めるのは豊見城市なのですが、そこで集まったお金はまた別の自治体に寄付されるんですね。普通は地元のために寄付を集める制度なので、これはかなり特殊な事例です。
こちらも返礼品はございませんが、ふるさと納税はこういうこともできるということで、ぜひみなさんに知ってもらいたく、ご紹介させていただきました。
全員のプレゼンが終わったあとは、来場者が「もっとも応援したい!」と感じたものへの投票を実施。その結果、1位が「首里城再建支援」、2位が「大型定置網 漁師体験」となりました。
その後、コメンテーターである世田谷コミュニティ財団の水谷衣里さんと、楽天の地域創生事業部の塩沢友孝が登壇。4名のプレゼンを振り返りました。
実は2人とも石川県七尾市の「大型定置網 漁師体験」に投票したとのことで、その理由をこう語ります。
「美味しい魚を食べられるだけでなく、その先にある漁師さんたちの思いに直接触れることができるところに惹かれました。検索して評判のいいところに行くのは出会いというより確認作業に近い。こういう地元の人しか知らないものを知ることができるのはいいですよね」(塩沢)
「都市に住んでいると、地域のことをもっと知りたいと思う。観光に行っても名所を通り一遍に見るだけになりがちなので、そこでしか体験できないものを提供してくれるのが素晴らしいです」(水谷さん)
2019年のふるさと納税寄付受付は12月31日(火)23:59まで!皆さんも、ふるさと納税という名の“寄付”を通して、サステナブルな社会づくりを応援してみてはいかがでしょうか。
EARTH MALL with Rakutenは、「楽しくサステナブル な買い物の文化をつくっていきたい」という思いから生まれた、楽天市場によるインターネットショッピング&オンラインメディアです。環境、社会、経済への影響を配慮した商品をキュレーターとEARTH MALL編集部がご紹介していきます。
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