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2022/11/18更新

みんなのサステナブル vol.4

GOTS地域代表 松本フィオナさん

クリエイターや生産者をはじめ、暮らしを楽しむスペシャリストが「楽天市場」の中から選んだサステナブルな日用品や愛用品をエピソードとともに紹介していく連載「みんなのサステナブル」。第4回目のゲストはオーガニック繊維で作られた製品のテキスタイル製造、加工の国際基準の認証制度を管理するGOTS地域代表として活動する松本フィオナさん。オーガニックテキスタイル業界に深くコミットする松本フィオナさんが考えるサステナブルな未来、ひいては社会課題とは?

GOTS地域代表 松本フィオナさんの写真

日本人の父とドイツ人の母を持つ松本フィオナさん。15歳まで日本で過ごし、大学までドイツで暮らしていた。その後にオランダへ。ファッション大学でインターナショナル・ファッション・マネージメントを専攻し、ファッションビジネスについて学びを進める中で、それまでには見えていなかったテキスタイル業界が抱える様々な課題に直面したという。
「ファッション業界への憧れを抱き、ファッションマネージメントを学べる学部を専攻しました。生産管理、品質管理、調達について学びました。世の中には、“サステナブルな製品”と謳われるものが溢れているけれど、深いところまでコミットしていくとファッション業界で“環境に配慮したものづくり”を実現することは、私にはとても難しいことに感じ、生産に関わる仕事以外の道に進みたいと思うようになりました。大学での授業は業界の課題を学ぶいい機会だったと思っています。ちなみに卒業論文のテーマは、『日本から見たサステナビリティとは』。業界の現実的な課題だけではなく、さまざまな文化的な背景を考察したくて。そうした考えがあり、卒業後は日本に戻っていろんな文化に触れて知見を得ようと思うように。一般的にサステナビリティの概念は欧米発祥と言われがちですが、江戸時代の人たちのライフスタイルにも学ぶべき点がたくさんあり、歴史を知ることはとても興味深いことだと感じています」

サステナビリティと向き合うためには、

“正解”を持たないことが大事。

サステナビリティとは何か。その本質に触れるために、日常で自分ができることを深く考え続ける松本さん。日々、新しい情報、新しい商品に出合う中で大切にしているのは、自分なりの“サステナビリティの正解”を持たないこと。自分の知識を更新していく機会を積極的に持つようにしている。
「ひとつの正解を持ってしまうと、その考えに固執してしまって、いろんな角度で物事を見られなくなりますよね。それが一番、怖いことだと思っていて。 もともと私は人と議論するのが得意な性格ではなかったのですが、向こうでは日常生活で同級生とサステナビリティについて雑談する時間が多くて。そのルーティンによって、新しい情報やニュースを知り、どんどん思考が深まっていったように思います。ときには、クイズを出し合うことで、みんなで考える訓練をすることも。例えば、ある1つのプロダクトを作るときに、A案、B案、C案の中では、どのやり方だと一番環境負荷が高くなるだろうか、と。そのクイズ自体にも正解はないのですが、常にあらゆる角度から物事を見て、その上で議論する時間を持つことが大切なことだと思いました」
実際、他者の声に耳を傾けることで出合えた情報もある。

ときには、専門分野の方の知識に頼って、

買い物を楽しむ。

「いつも通っているヘアサロンの美容師の方に教えてもらったのが、『BIO HOTEL』のシャンプーとトリートメント。オーガニックとエコに関する厳しい基準を規約に持つホテルがプロデュースしたプロダクトです。私の肌は外的な刺激をもらいやすいので専門的な知識を持っている方の意見を取り入れたいと思いました。この商品は、合成着色料・合成香料・合成保存料を使用していないのでチャレンジしやすくて。既に使用感を知っている方からのアドバイスはとても為になります。国内で生産されていて輸入に頼っていないところも購入のポイントになりました」

福岡県の自社農園や近隣の生産者による無農薬栽培のハーブ類、自生植物のエキスやエッセンシャルオイルを贅沢に配合。「レモングラス&ローズマリーの爽やかな香りが気に入っています」

よく使うもの、洗うものはオーガニックなものを。

買い物に対して、確かな指針を持つ松本さん。衣類のベーシックなものは、信頼をおけるブランドで購入することが多い。
「服を買う量も5年くらい前から減らしました。私はファッションにおけるサステナビリティは、リユースが大事だと思っています。なので、新たに洋服を購入するときは、まず天然素材の古着から探すことがほとんど。古着でないものや着用頻度が高くてよく洗濯するベーシックアイテムは新品のものを購入することもあります。『People Tree』のタートルネックは、有機農法で栽培されたコットンを使用していて、GOTS認証を取得しています。GOTS認証を取得していることで、できるだけ環境への負荷が低く、製品の生産に関わる全ての人の健康や安全が守られていることがわかります。そんな風によく使うもの、洗うものは、徐々にオーガニックでできたものにシフトするようにしています」

WFTO(世界フェアトレード連盟)の指針に基づき、環境負荷の少ない自然素材を使い、手仕事を生かしたものづくりに重点を置いている。「インナーとしても、1枚で着てもいいので重宝します」
同様の考え方で、日用品として愛用しているのがGOTS認証を取得している「The Organic Company」のキッチンタオル。
「吸水性が高く、食器を拭くときに便利ですし、いろんなシーンで使っています。食に関してはオーガニックがいい、ということは皆が知っている事実ですが、テキスタイルに関しては、自分の体内に入れるものではないからオーガニックであることの良さがまだまだ伝わりづらいように思います。私は認証のある商品だけがいいものだとは思っていないですが、ものを選ぶときのひとつの手がかりになったらいいな、と思っています」

2色の糸を使って作られたほどよく地厚な生地。通気性、耐久性、速乾性に優れていて、 機能性が高い。家だけではなく、外でのアクティビティにも使える。「外に持ち運ぶときには、オーガニックコットンで作られたポーチに忍ばせて」
自分の目で見て確かめた “いいもの”を少しずつ生活に取り入れていく。松本さんのサステナブルな暮らしは無理がないのが素敵だ。
「生産背景がクリアなものも大事ですが、自分が納得するもの、格好いいと思ったものは長く使うと思うのでその基準も大切にしたい。最近はヴィンテージの浴衣や古道具を買うなど、日本の古いものに夢中です。そうやって、あるひとつのものに対する好奇心から新たな文化を知ることができる。これからもそうした体験をどんどん深めていきたいです」
PROFILE
松本フィオナ

1996年、東京都生まれ。オランダのファッション大学でインターナショナル・ファッション・マネージメントを専攻。ファッションとテキスタイル業界が抱える様々な課題に直面する。2019年に卒業後、GOTS地域代表 (Representative in Japan) のアシスタントを経て、現職に。


Photo by: Mitsugu Uehara Edit & Text by : Seika Yajima

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