ここ数年、住宅関連事業に「リノベーション」という言葉が頻繁に使われるようになりましたが、オリジナルは、英語のre-innovation(=再革新)です。
従来の「リフォーム」が「改築」「改装」を意味する限定されたものだとすれば、「リノベーション」は、物件の付加価値を高め、新しくよみがえさせることといえるでしょう。
そのリノベーションが盛んに行われている物件が「団地」です。
団地は、60年代後半から全国的に広がり、日本の高度成長期を支えた象徴でしたが、今では、住民の高齢化や老朽化など様々な問題を抱えるようになりました。
リノベーションは、街・人・経済の活性化の切り札として、若いカップルを中心に注目を集めています。今回は、人気のリノベーション団地の秘密を解説します。
これまでの日本の住宅に対する考え方は、土地重視。
住宅は、建てた途端に資産価値が下がり、わずか30年で「資産価値はほぼ0」といわれてきましたが、なぜ、日本人はこれほど新築にこだわるのでしょう?
その背景には、戦後、高度成長期を支えるための住宅促進政策がありました。
しかし、新築神話は、不況になっても残り続け、諸外国では当たり前の中古物件の流通がとても低いものになってしまったのです。
この新築神話を打ち壊したのが、時代の流れです。
考えられる理由は以下です。(株式会社 ジャパンプライムムーバより)
・マンションの老朽化=建替えが非常に困難
・過剰な中古物件=資産価値として流通経路に乗せる必要性
・不況=新築の購入が困難
・意識の変化=古民家などに新感覚を取り入れる志向
このように、経済成長が以前のように見込まれなくなった今、これまであまり重視されてこなかった中古物件を資産として活用し、流通経路に乗せる必要に迫られたのが大きな理由です。
リノベーションの特長はなんといっても「価格」です。
基本が中古物件ですから、付加価値を高め、新しく変身させても新築物件を購入するよりも価格をおさえることができます。
また、リノベーションは、環境が良い物件から始めますから立地条件が良いのが特徴です。
仮に新築で同じ価格帯だとすると、リノベーション物件のほうが広く、内装が凝っているのも魅力です。
リノベーション物件は、いつでも見学できる上に、気に入れば即入居できます。
さらには、宅地建物取引業法により最低2年の瑕疵担保責任が課せられているのも人気のひとつです。
「こわしすぎず、作りすぎず」をコンセプトにしたリノベーション物件の共通点は、「明るさ」、「広さ」、「使い勝手の良さ」です。
いずれも白を基調にした室内、こだわりの収納壁、水回りの良さ、住環境に配慮した自然素材などが特徴です。
特に、人気が高いのが若いファミリー向けに特化したリノベーションです。
ハウスダスト、シックハウスなどに対処しているため、小さなお子さんのいるご家庭にもピッタリです。
リノベーションそのものは、中古物件の資産価値を高め、流通経路に乗せる目的ではじめられましたが、団地のリノベーションが始まった2012年以降から思わぬ効果が現れています。
空洞化が叫ばれた古い団地が活性化し、街に活気が戻りつつあることです。(UR都市機構より)
これを支えるのが、異業種とのコラボレーションです。
現在、大手雑貨チェーン店、女子大とのコラボレーションがありますが、差別化を図るリノベーション物件を生み出すには、いかに魅力的なコラボレーションをするかではないでしょうか。
参考
UR機構 団地再生
http://www.ur-net.go.jp/rebuild/
JPM「リノベーション」が注目を浴びる理由
http://www.jpm-co.jp/first-renovation/renovation_background.php
一般財団法人住宅金融普及協会
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