2020/1/14更新
認証ラベルについて説明する前に、そもそもみなさんは「サステナブルな商品」という言葉に対して、どんなイメージを持っているでしょうか? おそらく、「環境に優しいエコな商品」と答える方が多いかもしれません。
もちろん、それ自体は間違いではありませんが、実は「サステナブル」という言葉には、環境を守ることだけでない、もっと広い意味が含まれています。
サステナブルとは日本語で「持続可能性」。では、何が持続していけることを目指すのか。それは地球環境であり、人々の生活であり、それを支える社会や経済といった暮らしに関わるすべてのことが、良い状態であることです。
なので、「サステナブルな商品」を名乗るためには、商品そのものがエコなだけではなく、商品が消費者のもとに届くまでの過程で公正な取引が保証されていることも求められます。どれだけ環境に配慮して作られた商品であっても、労働者を搾取して作られているものである可能性もあります。
たとえば、あなたが魚を買ったとします。それが美味しかったので、また今後も食べ続けたい。しかし、その魚があなたのもとに届き続けるためには、まず漁場の環境が守られていなければなりません。それと同時に、漁師たちが不公正な取引で経済的な被害を受けてしまったら、この魚を捕り続けることは難しくなってしまいます……。
こうした努力は商品の裏側で行われていること。せっかく生産・加工・流通に関わる人たちが手間をかけても、消費者にその事実が伝わらなければ意味がありません。しかし、すべての生産現場を消費者が自ら確認しに行くわけにもいきません。
そこで登場するのが、「認証ラベル」です。いわば、「この商品はサステナブルだと国際的に認められていますよ」と教えてくれる目印です。
2020年1月現在、EARTH MALLでは、「環境・社会・経済」に関する内容が含まれた以下の7つの認証商品をご紹介しています。
では、この「認証」は誰が行っているのでしょうか。
各認証ラベルには、その認定のための基準や仕組みを作る、「スキームオーナー」と呼ばれる団体が存在します。しかし、ここが認証ラベルのポイントなのですが、認証の可否を判断するのは、そのスキームオーナーとはまったく別の組織です。
スキームオーナーが生産者に認証を出しているわけではなく、認証して良いかどうかを決めるのも、認証を実際に行うのも、第三者の認定機関となっています。さらに、それらの認定機関を管理する仕組みもあるのです。
そんな複雑な仕組みとなっているのは、認証ラベルの信頼性を確保するため。それぞれ独立した機関が互いにチェックし合うことで、認証の過程における公平性を保っているのです。
しかも、ある商品が認証ラベルの認定を受けるためには、先ほど説明したサプライチェーンに関わるすべての事業者が、認定基準を満たしている必要があります。生産者が基準を満たしていても、加工業者がそうでなければ、認定されることはありません。
それだけ大変なプロセスを経て認定されるものだからこそ、認証ラベルは商品やサービスに対する信頼性の担保に大きな価値を持っています。
認証ラベルには、消費者に替わって生産・加工・流通現場をチェックしてくれる機能と、それらの現場に関わる人たちが健全に働くことをウォッチしてくれる機能の両面の役割があるのです。
これほど慎重に運用されている認証ラベル。では、現場はいったいどのようになっているのでしょうか……?今後は、各認証をより理解するために生産現場も併せて取材していきたいと思っています!
※なお、認証ラベルを取得していなくても、サステナブルな商品も存在します。EARTH MALL with Rakutenでは、認証ラベルのついた商品はもちろん、そのような商品も引き続きご紹介します。
EARTH MALL with Rakutenは、「楽しくサステナブル な買い物の文化をつくっていきたい」という思いから生まれた、楽天市場によるインターネットショッピング&オンラインメディアです。環境、社会、経済への影響を配慮した商品をキュレーターとEARTH MALL編集部がご紹介していきます。
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