医師監修|妊娠中にお腹をさすってはいけないの?理由と注意点
2023/12/15
妊娠中のお腹はさすること自体は問題ありません。ただし、さすりすぎてしまったり強い力でさすってしまったりするのはよくありません。お腹をさすりすぎない方が良い理由や妊娠中に感じる不調に関する対処法を紹介します。
お腹の中の赤ちゃんが愛おしく、気がついたらお腹を触ってしまうというママも多いのではないでしょうか。しかし、お腹をさするのは止めた方がよいという意見もあり、不安になりますよね。
そこでこの記事では、妊娠中にお腹をさするのは避けるべきかを解説します。そのほか、妊娠中に気をつけたいこともまとめているため、マタニティライフの不安を解消するためにも最後まで読んでくださいね。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
妊娠中にお腹をさすってはいけないって本当?
結論からお伝えすると、妊娠中でもお腹の曲線に沿って優しく触る程度であれば問題ありません。大きくなるお腹を愛おしく思いながらタッチすることは、赤ちゃんとのコミュニケーションになり、ママやパパになる実感もわくでしょう。
ただし、強くさすったり圧迫したりするのはNG!例えば、両手でお腹をゆするようになでたり、お腹がへこむほど押さえたりすると子宮に刺激を与えてしまいます。
超音波検査に行ったときに、「こんなに押してもいいんだ」と思うくらいプローブ(医療器具)で押されることがあるでしょう。子宮に刺激を与えるほど自分の力でお腹を押すのは難しいはず。
妊娠初期のお腹の張りについては「妊娠初期のお腹の張りは大丈夫?原因や対処法について解説!【助産師監修】」でも詳しく解説しています。あわせてチェックしてください。
お腹を強くさすることが推奨されない理由
お腹を強くさすることを避けるべき理由は、子宮収縮のリスクがゼロではないからです。子宮は筋肉なので、さすったり触ったりといった物理的な刺激を受けることでお腹の張りを感じることがあります。
お腹が張ること自体は、流産や早産につながるわけではありませんが、切迫流産や切迫早産の診断を受けた方は注意が必要です。
また、お腹を触られることに苦手意識をもつママもいます。我慢をするとストレスの原因になるため、パートナーや子どもになるべく触らないようにお願いし、気持ちを理解してもらえるとよいですね。
お腹が張っているなと思った時の対処法
お腹の張りは妊娠全期間で感じることがありますが、中でも妊娠後期はお腹の赤ちゃんの動きが活発になることや筋肉の緊張により、生理的な子宮収縮が増えます。お腹が張りやすい体質の方はつい安易に考えたり、気になって強くさすったりしてしまいがちです。
しかし、間違った対処法を選択すると悪化する可能性があるため、お腹が張った時にどうすればよいのか確認しましょう。正しい対処法を知ると、漠然とした不安を解消できますよ。
体を休ませる
お腹の張りを感じた時は、無理をせず体を休ませることが大切です。一般的に、横向きで寝転がる、あぐらをかいて座る、背もたれのある椅子に深く腰掛けるなどはお腹が大きくなった妊婦にとって楽な姿勢だといわれています。
横になることが苦しい時は、抱き枕やクッションを足に挟むと楽に感じる場合もあるようです。自分にとって楽な姿勢や体制を見つけ、リラックスして過ごしましょう。
一般的に、30分程度で治まるお腹の張りであれば、赤ちゃんに大きな影響はないといわれています。あまり心配しすぎるとストレスになるため、適度に休息をはさみながら穏やかな気持ちで過ごせるとよいですね。
お腹を温める
体が冷えると、子宮の血管や筋肉が収縮してお腹が張りやすくなる傾向にあります。ママは、妊婦用の腹巻きを巻いたり湯たんぽを使ったりして、お腹周りを温めるように意識することが大切です。
体が温まるとリラックスして、お腹の違和感を感じにくくなります。体の冷えは、張り以外にも腰痛や倦怠感、足がつりやすくなるなど、妊娠中に起こりやすいトラブルの原因になります。季節を問わず、冷え対策をしましょう。
ただし、妊娠中は皮膚が繊細になり、温めすぎると痒みや湿疹が出ることも。肌に優しい素材の防寒着を着用する、保湿対策を入念に行うなどを心がけたいですね。
脱水・便秘の改善
水分が足りていない場合、お腹が張りやすくなります。つわりなどで水分をとるのが難しい場合にも、少量を複数回に分けて飲む、口に含むなどして、脱水にならないように心がけましょう。
また、便秘もお腹が張りやすくなる原因なので、普段から整腸剤や緩下剤などを使って、快便を心がけることも大切です。ただし、妊娠中に避けるべき種類の薬もあるため、自己判断で飲むのは避け、かかりつけの医師に相談してみてください。 便秘の解消方法についてはのちほど詳しくご紹介します。
病院に行くこと
30分以上安静にしてもお腹の張りが治まらない、短時間のうちに何度も繰り返す、痛みが強いなどの場合は、かかりつけの産婦人科に連絡して指示を仰ぎましょう。特に張りと共に出血がある場合は、流産や早産などのリスクがあるため注意が必要です。
不安や違和感が続く場合は、妊婦健診の際に相談するとよいでしょう。必要だと判断されると、張り止めの薬を処方されることがあります。
妊娠中、お腹をさする以外に注意するべきことはある?
妊娠中は、お腹をさする以外にも注意しなければならないことがいくつかあります。食べ物や旅行など制限されることが増えてママは大変ですが、流産や早産、過度な子宮収縮のリスクを下げるためにも、妊娠中に避けるべきことを知っておきましょう。
疲労、ストレス
妊婦が過度な疲労やストレスを抱えると、胎児の低体重発育や早産などのリスクが上がる可能性があります。ストレスには血管が収縮する作用があるといわれており、血流の悪化や子宮収縮が起こることが原因です。
しかし、妊娠中はつわりや体型の変化、人間関係などから、疲労感やストレスがたまりやすいもの。好きな音楽を聴く、趣味の時間を作る、好きなものを食べるなど自分にあったストレス発散方法を見つけましょう。
また、ストレスの原因になるものを見ないようにすることも対処方法のひとつです。インターネット上ではネガティブな情報が多く発信されているため、SNSから距離をおく、気になる症状はネット検索ではなく医師に直接相談するなどするとよいでしょう。
妊娠中のストレスの発散方法やつわり対策などは、「妊婦はどんなストレスを抱えている?妊娠中のママのストレス解消法を紹介!」や「つわりの対策方法を症状別に解説!食べやすい食品リストも|医師監修」でも解説しています。あわせてチェックしてください。
冷え
冷えは万病のもとといわれるように、体を冷やすとさまざまなリスクが生じます。例えば、つわりやむくみ、便秘、過度な子宮収縮など、妊娠中に起こりやすいトラブルが悪化する可能性があります。
一般的に妊娠中は体温が高い傾向にありますが、指先を触るとヒンヤリする方も少なくありません。妊娠中はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れから血液循環が悪くなりやすく、特に下半身の冷えに注意が必要です。
対処法としては、飲み物は常温で飲む、体を締め付けない暖かい服を着用するなどが挙げられます。また、お腹に影響がない範囲でマッサージをして血流を促すのもよいでしょう。運動に制限を受けていない方は、ヨガやピラティスなどスローな動きの有酸素運動を取り入れることもおすすめです。
妊娠中のむくみが気になる方は「妊娠後期(臨月)のひどいむくみの解消法【助産師監修】」の記事も参考にしてください。
便秘
便秘自体が胎児に悪影響をおよぼすことはないと考えられていますが、お腹の不快感や痔のリスクを軽減するためには、1日に1回の排便が理想です。しかし、つわりにより食事量が減ることや、嘔吐による脱水により妊娠中は便秘に悩まされる方が多い傾向にあります。
便秘の対処法として望ましいのは、バランスのよい食事と水分を十分とることですが、つわりや胃の圧迫感から普段通りの食事が難しいママもいるでしょう。その場合は、食事を数回に分けて1日に必要な摂取量を確保する、食物繊維が多い献立にする、植物性乳酸菌を積極的にとるなどの対策をします。
思うように改善されない時は、担当医師に相談し便秘薬を処方してもらうことも有効な対処法です。ただし、妊娠中に避けるべき種類の薬もあるため、自己判断で飲むのは避けましょう。
妊娠中の便秘の悩みについては「妊婦は便秘になりやすい?つらい便秘の原因や解消方法について解説【助産師監修】」で詳しく解説しています。あわせてチェックしてください。
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妊娠中にお腹を強くさすると子宮を刺激し、張りや収縮が生じる可能性があります。触れる時は、なぞる程度に優しくなでましょう。お腹の張りを感じる時は、体を温めながら楽な姿勢で安静にします。体に違和感を覚えた時は担当医に相談し、安心してマタニティライフを過ごしてくださいね。
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