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妊娠後期・臨月のむくみの原因とは?解消法を解説|医師監修

妊娠

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2024/1/9

妊娠後期・臨月は、むくみに悩まされやすいです。この時期のむくみは体内の血液・水分量の変化や子宮の大きさが影響しています。この記事では、妊娠後期のむくみの原因や解消法、気を付けたほうがよい症状について医師監修のもと解説します。

足のむくんだ女性の画像

「妊娠後期(臨月)に入ってからむくみがひどいんだけど、なぜむくむの?」「どうすればむくみを解消できるの?」と疑問に思っている妊婦さんが多いのではないでしょうか。あまりにむくみが続くと、不安になりますよね。この記事では、妊娠後期にむくみが生じる原因や、自宅で簡単にできる解消法を紹介します。

この記事の監修者

コロンビア大学病院 一般産婦人科医

常盤真琴先生

山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。

妊娠後期・臨月のむくみの原因とは?

妊娠後期や臨月に入ると、むくみが生じることがよくあります。特にむくみやすいのが足です。ふくらはぎや足首がパンパンになり、靴下を脱ぐと跡がくっきりと残ってしまうことがあります。では、なぜ妊娠後期になるとむくみやすくなるのでしょうか。
妊娠後期・臨月のむくみの主な原因としては、「体内の血液・水分量の増加」「子宮が大きくなることによる血流の圧迫」が挙げられます。

体内の血液・水分量の増加

むくみが生じやすいのは、体内の血液量や水分量が増加するためです。妊娠後期になると、体に水分を溜め込もうとするアルドステロンやコルチゾールなどのホルモンが多く分泌されます。

また、出産時に向けて血液量も増えていくのも特徴です。このとき増える血液には、普段よりも水分が多く含まれています。この水分が血管の外にしみ出るため、むくみやすくなるのです。

子宮が大きくなることによる血流の圧迫

子宮が大きくなることで足の付け根が圧迫され、足に流れた血液が心臓に戻りにくくなるのもむくみの原因です。うまく血液が循環せず、足に溜まってしまいます。

また妊娠中は運動不足になりやすく、第ニの心臓と呼ばれるふくらはぎの働きが弱くなり、足に血液が溜まりやすくなるのもむくみの原因です。

足確認する人の画像

気をつけるべき妊娠後期・臨月のむくみの症状

妊娠後期にむくむのは一般的ですので、多少のむくみは心配する必要はありません。しかし、中には注意したい症状もあります。

自然現象で起こるむくみなら大きな問題にはなりませんが、まれに病気が引き金となってむくみを起こしているケースがあります。以下のような状態が続いているときは、早めに医療機関を受診しましょう。

● 片方の脚がもう片方より腫れている、赤い、歩くときに痛みがある
● 脚を触ると温かい、痛い、時間と共に赤みが広がる
● むくみ以外にひどい頭痛や目のかすみなどの症状が出ている
● お腹の上部に強い痛みがある

これらの症状がある場合は、妊娠高血圧腎症や深部静脈血栓症、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの可能性があります。

飲み物を飲もうとする女性の画像

症状がひどければ早めに病院へ

上記のような症状が出ている場合は、妊婦健診の予約がまだ先だったとしても、早めに受診して診てもらうようにしてください。

例えば妊娠高血圧腎症だった場合は、母体が痙攣発作や脳出血を起こしたり、赤ちゃんの発育不良や、出産前に胎盤が剥がれる常位胎盤早期剥離を起こしたりする可能性があります。また、次のような場合も早めに医療機関を受診しましょう。

● むくみ以外に加えて血圧が140/90mmHg以上ある
● 呼吸困難や腹痛、頭痛などの症状がある

なお、妊娠中のトラブルはむくみだけではありません。便秘になったり後期つわりに襲われたりと、マイナートラブルが尽きません。むくみよりも便秘や後期つわりがつらいという方もいるでしょう。

便秘の解消法や後期つわりの対策方法について下記の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
妊婦は便秘になりやすい?つらい便秘の原因や解消方法について解説【助産師監修】
後期つわりに苦しむ妊婦さん必見!症状や対策方法を解説【医師監修】

出産間近!妊娠後期・臨月のむくみ解消法

妊娠中のむくみは生理現象なので、大きな問題はありません。しかし、靴が履けなくなったり靴下の跡が残ったりするため、気にする方が多いでしょう。むくみが気になる場合は、次のような方法を試してみてください。

栄養や水分のバランスを整える

カリウムやカルシウム、ビタミンB1などを適量摂取できる、バランスのとれた食事を心がけることも効果的です。

ただし、むくみが気になるからといって水分を過剰に減らすのはNGです。妊娠中は通常時よりも水分補給が必要になり、1日あたり1.5L~2L程度摂取するのが目安とされています。特に医師から水分の制限を指導されていないのであれば あれば、自己判断で水分制限をしないようにしましょう。

また、カフェインを含む飲み物には利尿作用がありますが、これも飲み過ぎはNGです。妊娠中のカフェイン摂取量は200㎎(マグカップでコーヒー2杯分程度)までとされていますので、飲み過ぎには注意してください。

妊娠中の食事や飲み物の注意点については「妊婦が食べてはいけないもの一覧!摂取量&注意点も│管理栄養士監修」の記事で解説しています。

塩分を控える

むくみを改善するためには、塩分を控えることが大切です。塩分をとりすぎると、塩分濃度を薄めようと血液中に水分が多く集まってくるため、むくみやすくなります。

一日に摂取する塩分量が6.5g未満になるように注意しながら食事をしましょう。塩分を減らす具体的な方法として、以下が挙げられます。

● 麺類の汁は飲み干さず残す
● 具だくさんの味噌汁にして汁の量を減らす
● 新鮮な食材を用いて調理し、調味料の使用量を減らす
● 低ナトリウムの調味料を活用する
● 外食や加工食品を控える

外食や加工食品には、意外と多くの塩分が使用されていることがあります。知らず知らずのうちに塩分をとってしまわないように、できるだけ外食や加工食品は避けましょう。

足の血行を良くする

人の足(特にふくらはぎ)には、筋肉と静脈弁からなる「血液を心臓に戻すポンプ」があります。ふくらはぎのポンプは、適度な運動やウォーキング、ストレッチや水泳などにより上手く働くようになるので、無理のない範囲で行ってみてください。

また、持続性はありませんが、マッサージなどはむくみの軽減と、自覚症状(不快感・痛み・疲れ)を軽くする効果が期待できます。自分でやりづらければ、パートナーの方にマッサージを頼むのもよいでしょう。
着圧ソックスを履くことも有効な方法です。

締め付ける服は着ない

着圧ソックスで足の血行を良くすることは有効ですが、過度な「締め付け」は、むくみを悪化させることがあります。寝るときにはゆったりとしたパジャマを着るなど、体を締め付けないような服装を心がけましょう。

湯船で体を温める

体全体の血行をよくするためには、シャワーだけではなく、湯船でゆったりと体を温めることもポイントです。体調の良いときは、浴室の床での転倒に十分注意しながら、リラックスタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。ストレス解消効果も期待できるでしょう。

寝るとき・座るときの姿勢に気を付ける

寝るときは、足を高くして横になりましょう。丸めたタオルやクッションの上に足を乗せて寝ると、簡単に足を高くできます。また、横になるときは体の左側を下向きにして寝る「シムス位」がおすすめです。これによって子宮による足の圧迫を緩和できるため、足に溜まった血液や水分が心臓に戻りやすくなります。
シムス位のやり方については「シムス位とは?妊娠中楽な寝方と向き・抱き枕を解説!助産師監修」の記事で詳しく解説しています。

ただし、妊娠後期はお腹が大きく足を上げるのも大変なため、無理はしないようにしてください。寝るときの姿勢も大切ですが、座るときの姿勢にも気をつけましょう。長時間にわたって同じ姿勢をしていると、どうしてもむくみやすくなります。ときどき座る姿勢を変えたり足を動かしたりしてむくみを防止しましょう。

妊娠後期・臨月のむくみ解消に効果的なマッサージ

妊娠後期や臨月に目立ってきたむくみをどうにか解消したいという方におすすめなのが、マッサージです。足のつりの症状緩和にも効果的です。ここでは、足と腕のマッサージ方法を紹介します。

まず、手をグーの形にしてリンパの流れを良くするように意識しながら足首をマッサージします。その後、足首から膝の裏へ向かってさすり、足に溜まった水分を持ち上げるように意識して血液を流してください。痛すぎない程度の力加減で行いましょう。軽くあぐらをかくような姿勢をとると、マッサージしやすくなります。

クリームを塗る女性

リンパの流れに沿うように、肘から胸にむかって脇の下をよくさすります。次に、手の先から脇の下まで一気に水分を流すイメージでマッサージしてください。手の先の血流も良くすることで、溜まった水分を心臓に戻しやすくなります。

妊娠後期・臨月に役立つむくみ対策アイテム

妊娠後期や臨月のむくみが気になり始めたら、次のような対策アイテムを使うのもおすすめです。

ダッコ ホットキュット 夜用 ピンク S-Mサイズ(1足)【ダッコ(dacco)】

ダッコ ホットキュット 夜用 ピンク S-Mサイズ(1足)【ダッコ(dacco)】

マタニティ用の着圧ソックスです。助産師さんとママたちの声を参考に開発されました。寝るときに着用しても眠りを妨げない程よい圧力が特徴です。遠赤外線素材を使用しているため、同時に冷え対策も行えます。

キッズ&ママ ストレッチマッサージクリーム(115g)【キッズ&ママ】

キッズ&ママ ストレッチマッサージクリーム(115g)【キッズ&ママ】

足や腕のマッサージをするときに最適なクリームです。肌の柔軟性をキープするココアバターやアボカドオイル、ホホバオイルなどが配合されています。マッサージはもちろん、妊娠線の予防にも効果的です。

ピップベビー ストレッチラインIII ボディマッサージクリーム ポンプタイプ(280g)【ピップベビー(PIP BABY)】

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マッサージに使えるベタつきが少ないクリームです。しっとりうるおうのにサラサラとした使い心地なので、全身に使ってもベタベタがほとんど気になりません。皮膚科専門医による皮フ刺激テスト済なのもポイントです。

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妊娠中のむくみは多くの妊婦さんが経験することです。今回ご紹介した情報を参考にして、辛いむくみを少しでも解消してくださいね。

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