妊娠中食べてはいけないお菓子はある?注意点や目安量|医師監修
2023/12/15
この記事では妊娠中食べてはいけないお菓子について、産婦人科医監修のもと解説します。避けたほうがよいお菓子にはスナック菓子やアルコール・カフェイン入りのお菓子が挙げられます。妊娠中お菓子を食べる時の注意点や目安量、おすすめのお菓子も解説します。
妊娠中は、赤ちゃんの健康を守るために食べるものに気を使う時期です。中には身近なお菓子に対しても、「妊娠中に食べてもいいのかな?」と不安を感じる方もいるでしょう。そこで今回は、妊娠中に食べてはいけないお菓子があるのか、お菓子を食べるときに注意するべきことはあるのかなどについて、医師監修のもと詳しく解説します。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
妊娠中に避けた方がいいお菓子は?
妊娠中に適量のお菓子を食べることは、とくに問題はありません。しかし、中には避けたほうがいい・食べ過ぎないほうがいいお菓子もあります。例えば、スナック菓子、カフェインが入っているお菓子、アルコール入りの生菓子などです。それぞれなぜ避けたほうがいいのか、理由と注意点を解説していきます。
スナック菓子|ポテトチップスなど
妊娠中、スナック菓子やポテトチップスは食べ過ぎないようにしましょう。赤ちゃんに悪影響をもたらす成分が含まれるわけではないので、少量食べる分には問題ありません。しかし、スナック菓子やポテトチップスは脂質を多く含むので、食べすぎると妊婦さんの体重増加につながる恐れがあります。
また、塩分を多く含むことから、血圧が上がってしまうリスクもあるのも注意したい点です。妊娠中に高血圧になると、早産や子宮内胎児発育遅延などのリスクが高まる場合があります。食べてもいいですが、一度に大量に食べるのは避け、一袋を何回かに分けて食べるように意識しましょう。
カフェイン入りのお菓子|ハイカカオチョコレートなど
ハイカカオチョコレートのようなカフェイン入りのお菓子も要注意です。ハイカカオチョコレートには、意外なほど多くのカフェインが含まれています。
国民生活センターの調査では、ハイカカオチョコレートには、同量のコーヒーとほぼ同じか2倍程度のカフェインが含まれている*と報告されています。量にすると、100gあたり60~120mgものカフェインが含まれていることになります。
妊娠中はカフェインの摂取量に気をつけなければなりません。過剰摂取すると、赤ちゃんの発育に影響を与える恐れがあるためです。カフェインが原因で低体重の赤ちゃんが生まれることもあります。
妊娠中に摂取してもよいと言われているカフェイン量は、1日あたり200mgが目安です。ハイカカオチョコレートを食べすぎると目安量を超えてしまうことがあるので注意してください。
チョコレートには脂質・糖質も多く含まれますので、ハイカカオではない普通のチョコレートの場合も食べ過ぎはNGです。チョコレートを食べる際の注意点については「妊婦はチョコレートを食べたらダメ?食べていい量と胎児への影響」の記事も併せてご覧ください。
また、ココアもチョコレートと同様にカフェインが含まれますが、ココア1杯分のカフェイン量は10mg程度と少量のため、1日に1~2杯程度飲む分には問題ありません。詳しくは「【助産師監修】妊婦はココアを飲んでいい?カフェインの量や影響を解説」の記事で解説しています。
※出典:厚生労働省「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」
アルコール入りの生菓子|洋酒入りのクリーム・ムースなど
アルコール入りの生菓子や洋酒入りのクリーム・ムースなどは、アルコールが飛んでいない可能性が高いので要注意。
妊娠中のアルコール摂取はNGです。妊婦さんがアルコールを摂取することで、胎児性アルコール症候群になる恐れがあります。胎児性アルコール症候群とは、赤ちゃんがお腹の中でアルコールに暴露することにより、独特の顔貌になったり中枢神経系の障害が出たりするものです。
焼き菓子の香りづけに使われる少量のブランデーなど、微量なアルコールであれば加熱によってアルコールが飛ぶため、食べても問題ないでしょう。
しかし、焼いた後にたっぷりのラム酒に浸けたケーキや、非加熱のお菓子はアルコールが残っていることも。そのため、アルコールの香りが残っているもの、パッケージに妊娠中は控えるように記載があるもの、洋酒が使われた非加熱のクリームやムースなどは避けるようにしてください。
アルコールは意外なお菓子にも含まれていることがあります。お菓子を食べるときは、事前にアルコールの有無を確認することが大切です。なお、1回間違えてアルコール入りの生菓子を食べてしまったからといって、すぐに胎児に影響が出る可能性は低いです。どうしても心配な場合は、かかりつけの産婦人科医に相談してください。
妊娠中おすすめのお菓子3選
どのようなお菓子なら妊娠中でも安心して食べられるのでしょうか。妊娠中におすすめのお菓子・おやつを3つご紹介します。
フルーツ
フルーツは妊娠中でも食べやすい食べ物です。酸味があるので、つわり中の方でも口にしやすいでしょう。カリウムや食物繊維、ビタミンなどを摂取できるため、通常のお菓子を食べるよりも栄養バランス面で優れています。
妊娠初期の場合、みかんなら2個、りんごなら1個が1日に摂取してもよい果物の目安量です。妊娠中期から妊娠後期は、みかんなら3個、りんごなら1.5個が目安となります。妊娠中に摂取してはいけない果物はありませんので、好きなものを食べてみてください。
ただし、フルーツといえども糖質が多く含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。缶詰やドライフルーツは砂糖が多く含まれているので、できるだけ生の果物をそのまま・適量食べるようにしましょう。
妊娠中に果物を食べるときの注意点については、「妊娠中に食べてはいけない果物はある?注意点も紹介【医師監修】」の記事で詳しく解説しているので参考にご覧ください。
干し芋
干し芋は食物繊維やカリウムが豊富に含まれています。そのため、むくみや高血圧の防止に効果的です。砂糖を添加しなくても素材そのものの甘味を楽しむことができます。「できるだけヘルシーで甘味が強いものを食べたい」という妊婦さんにぴったりです。
ただし、干し芋は100gあたり277kcalとカロリーが高めです。食べ過ぎるとカロリー過多となり体重増加につながる恐れがあるため、適量を食べように気をつけましょう。
ナッツ類
ナッツ類には、タンパク質や脂質、ビタミンなどが豊富に含まれています。手軽に摂取できて栄養素も豊富なので、妊婦さん向けだと言えるでしょう。ナッツ類のなかでもおすすめなのが、クルミです。クルミには妊娠中に積極的にとりたい葉酸が含まれています。
海外の研究では、妊娠初期にナッツ類を食べることで、生まれた子どもの認知機能、注意力、作業記憶などの神経発達に対してよい影響が見られたという報告もあります*。食べ過ぎは脂質の摂り過ぎにつながるため、1日に10~20粒程度を目安に摂取しましょう。
※出典:EurekAlert「Maternal nut consumption during pregnancy linked to improvements in neurodevelopment in children」
妊娠中お菓子を食べる時に気をつけた方が良いことは?
妊娠中でもお菓子を食べることはできます。しかし、好きなだけ食べてもいいというわけではありません。お菓子を食べるときは、以下のことに気をつけながら楽しむようにしましょう。
1日200kcal以下に抑える
妊娠中のお菓子は、1日200kcal以下が目安です。ロールケーキ1カット、プリン1個、どらやき1個がおよそ200kcalとなります。200kcal以上あるお菓子を食べたい場合は、全部食べずに半分残したり、お菓子を毎日食べず2日に1回にしたりと工夫してみるのがおすすめです。
夜はお菓子を食べない
夜寝る前にお菓子を食べるのは控えるようにしてください。就寝中に血糖値が高い状態が続き、妊娠糖尿病を招く原因になります。寝ている間はエネルギー消費が少ないため、血糖値が上がりやすいのです。そのため、お菓子を食べるならエネルギーを消費しやすい朝や日中に食べるようにしましょう。
1週間単位で食べる期間を調節する
食べたいお菓子がある場合は、1週間単位で量を調節するのがおすすめです。例えば月曜日は我慢、火曜日はフルーツだけにする代わりに水曜日は好きなケーキを食べる、といった形です。このようにすることで、ストレスなく糖質や脂質のとり過ぎを防ぐことができます。
食べづわりの場合は少量を小分けにして食べる
食べづわりは、空腹になると気持ち悪くなるつわりのことです。何か食べていないと気持ち悪くなるため、つい小腹を満たしやすいお菓子に手を伸ばしてしまいます。食べたくなる気持ちは分かりますが、一度に食べ過ぎると余計に吐き気が増したり胃腸に負担がかかったりするので気をつけましょう。
食べづわりがあるときは、食べられるものを少量ずつ食べるようにします。基本的に自分が欲しているもの、食べられるものを口にして構いませんが、お菓子ばかり食べていると体重増加や妊娠糖尿病などのリスクが上がるため、フルーツやヨーグルト、ゼリーや野菜などを食べるのがベターです。
食べづわりのときでも食べやすい食材や、気持ち悪いときの対処法、つわり中でも食べられたものなどについては、「先輩ママに調査!つわり中に食べられたもの・飲み物ランキング」「食べづわりにおすすめな食材とは?つらい食べづわりの対処法を紹介」の記事で詳しく解説しています。つわりで食べられるものが少なくて困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
人工甘味料はなるべく避ける
人工甘味料を使ったお菓子は、なるべく避けたほうが良いと言われています。砂糖と違って食べても血糖値が上がらないため、満腹感を得られず食べ過ぎにつながりやすく、結果的に多くのカロリーを摂取してしまうことになる恐れがあるためです。
なお、人工甘味料が赤ちゃんにどのような影響をもたらすかについては、まだはっきりと分かっていません。赤ちゃんのためというよりは、自分の体の健康を守るためにもとり過ぎに注意が必要です。
なるべく栄養を補給できるものを選ぶ
妊娠中は赤ちゃんの体を作るためにさまざまな栄養素が必要になります。そのため、お菓子からも栄養素を摂取できると効率的です。余裕があれば、不足している栄養素を補えるようなお菓子を選ぶとよいでしょう。
例えば、葉酸入りの飴や鉄分強化ウエハースなどを活用すると、栄養素もしっかりとれます。ただし、栄養素が豊富だからといって食べすぎないように注意してください。
お菓子以外で妊娠中に避けるべき食べ物は?
お菓子以外にも、妊娠中に避けたほうがいい食べ物、注意が必要な食べ物があります。次のものは避けるようにしましょう。
● ナチュラルチーズ
● 生ハム、
● スモークサーモン
● 刺身
● 生肉
● 生卵
● お酒
● 酒粕の甘酒
妊娠中に生ものを食べるのはよくありません。リステリア菌やトキソプラズマなどに感染する恐れがあります。アルコールももちろんNGです。上記の食べ物を避けるべき詳しい理由については、「妊婦が食べてはいけないもの一覧!摂取量&注意点も│管理栄養士監修」の記事で詳しく解説しているので参考にご覧ください。
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妊娠中にお菓子を食べるのは問題ありません。ただし、スナック菓子やカフェイン入りのお菓子、アルコール入りのお菓子には注意しましょう。お菓子を食べたいときは、フルーツや干し芋、ナッツ類がおすすめです。
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