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2020/4/24更新

リモートワークって実はサステナブル…!?気になった4つのポイント

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)が広まり、リモートワークを導入する会社が増えていますね。コロナウイルスの終息後もリモートワークは働き方の1つとして根付いていくことになるかもしれません。

不安になるニュースも多いですが、一方でアメリカ・ニューヨークでは、人混みを避けるために「自転車に乗る人々が急増した」と報じられたり、中国や欧州では大規模な封鎖が行われたことで大気汚染が改善されたりと、環境面から見るとポジティブなニュースも話題になっています。

今回は、社会を“もっと”よくするウェブマガジンIDEAS FOR GOOD編集部が、そんな現在の状況の中でも、少しでもポジティブな側面に焦点を当て、「サステナブルなリモートワーク」をご紹介していきます!


リモートワークはサステナブル?

日本では、今回のコロナウイルスの件で急速にリモートワークが普及しましたが、欧米ではずいぶんと前から多様な働き方のひとつとして広がっており、多くの会社がリモートワークと環境負荷の関係をレポート等で説明しています。

いくつかの調査と、昨年度からリモートワークを導入しているIDEAS FOR GOOD編集部や読者からの声も合わせて「CO2排出」「電力消費」「ごみ」「ウェルビーイング」の4つの点で見ていきます。



1. CO2排出はどうなる?


「移動を減らせばCO2排出は減りそう」というのはなんとなくわかるのですが、実際に普段私たちが利用している移動手段では、一体どれだけのCO2が排出されているのでしょうか!?……調べてみました。

国土交通省のデータによると、1人を1km運ぶのに排出される CO2の量は、鉄道19g、バス56g、航空96g、自家用乗用車137gと、あります。

参考:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html

私の場合、通常は自宅から駅までは徒歩で、自宅の最寄り駅からオフィスの最寄り駅までの11kmを電車移動しているので、排出するCO2の量は往復0.418kgになります。

これを仮に250日間続けていたら、104.5kgのCO2を排出することになります……。ちなみに平均的な樹木が年間で吸収できるCO2の量は約10kgであることを考えると、毎日の通勤が与える環境への不可がどのくらい高いかは……想像がつきますね。

これがリモートワークになり、オンラインでの会議が推奨されるようになると、通勤時だけではなく、出張や打ち合わせなどに使われるタクシーや飛行機での移動もなくなり、そのぶんのCO2が削減されます。

乗るなら自転車に/IDEAS FOR GOOD編集部 宮木

 

さらに嬉しいのは、宅配便の再配達が減ることです。私は、以前まで朝8時には家を出発し、仕事後は同僚と夕飯を食べて夜の9時頃に帰宅、といったほぼ家にいない生活を送っていたため、ポストに入った不在届を見て反省することも多々ありました。

しかし、リモートワークで家にいる時間が増えたことによって、いつでも荷物を受け取ることができるようになったため、そのぶん再配達にかかる余分なCO2排出を削減できるようになりました!


2. 電力消費は減るのか?

節約志向の私は、水道代や電気代をこまめにチェックし、日々節電に取り組んでいるのですが、ここで立てた仮説はズバリ、「人はオフィスより自宅にいるときのほうが、より節電志向が高まるのではないか!?」です。

実際にIDEAS FOR GOODのTwitterアカウント上で、読者の方々にアンケートのご協力をいただいたところ、63%の人が「家にいるときのほうが節電志向が高まる」と、回答。(回答者89名)。

中には、家にいるときはごく当たり前のように徹底した節電対策をしているので「逆にオフィスにいるときのほうが節電の工夫できないかどうか気を配る」という強者も。実際に自宅でどんなことをしているのか尋ねたところ、電球をLEDに変えて不要な照明を3個から1個に減らしたり、窓断熱や湯たんぽ活用、ミニソーラーシステムの明かりを利用した読書など、すぐにでも真似できそうなヒントをたくさん教えていただきました!

ちなみに米国エネルギー情報局によると、全米のオフィスが1日に消費する電力は石油1,900万バレル分。これを米国のすべての労働者が仕事の一部をリモートワークに切り替えることで、そのうちの175万バレル分を削減できるという調査があります。一人あたりの消費電力は、会社にいるときと比べて約20%増加する一方で、オフィスを稼働させないことでその分を上回る電力を節約することができます。

IDEAS FOR GOOD編集部の、とある日のリモートの様子

 

3. ごみは減るのか?

リモートワークをして感じるのは、自分が捨てるごみの量が減ったことです。そもそも、オフィスでは一体、どんなごみが出ているのでしょうか?

IDEAS FOR GOODを運営するハーチ株式会社では今、オフィスから出るごみをゼロにする「ゼロウェイストチャレンジ」を行っており、その取り組みの一環で燃えるごみの中身を分析したことがあります。

弊社でのゴミ分別作業の様子

オフィスで一番でるごみは一体……?


・ティッシュ、紙マークのない紙類(700g)
・印刷物、珈琲のテイクアウトカップなどの紙類(550g)
・残飯・空き弁当類(500g)
・珈琲のドリップバック(400g)
・レシート、郵便封筒、プラマークのない個包装(300g)
・わりばし(50g)
・果物の皮(30g)
・マスク(10g)

分別して重さを測った中で特に目立ったのが、「紙類」「珈琲のテイクアウトカップ」「ランチのテイクアウト容器」でした。

日頃から社内ではペーパーレスを意識してはいますが、やはり訪問先や取材先で紙の資料をいただくことも多いです。しかしリモートワークになった場合、オンライン会議ツールでは、PCの画面を全員と共有できるので紙の資料は使いませんし、初対面の方から名刺をいただくこともありません。

そして、紙類の次に多かった珈琲やランチのテイクアウト容器についても、自宅にいればお気に入りのマグカップで珈琲が飲めるので、通勤中につい買ってしまうテイクアウト珈琲もわざわざ買う必要がありませんし、ランチも自宅で作るため、プラスチック容器を使わなくてよくなりました。


4. ウェルビーイング(Wellbeing)との関係性は?

私自身、リモートワークによって一番感じるのは、自由に使える時間が増え、心に余裕ができたことです。私の場合、通勤時間に片道30分、往復1時間かかっていたので、それは1週間で5時間、1か月で20時間にもなります……!

チームに会えないのはもちろん寂しいですが、今は時間ができたぶん本を読んだり、前はあまりできていなかった家事を丁寧にやることで、「生活すること」を大切にできるようになりました。

IDEAS FOR GOOD編集部内でも、リモートワークをすることで「子どもとランチを食べて、一緒にいる時間が増えて嬉しい!」といった、家族と過ごす時間が増えたという心がほっこりする感想や、「料理をしたり、お散歩したり、ジョギングしたり、お昼寝したり、子どもと遊んだり、好きなオーガニック珈琲やハーブティーを飲んだり……ということを、自由にできる点が嬉しい」といった、リモートワークによって日々の生活が豊かになったという意見が多く見られました。


 
 
 
 

リモートワークをもっとサステナブルにする4つのコツ

これまで、リモートワークはサステナブルなのかを見てきましたが、次はリモートワークを“もっと”サステナブルにする方法をご紹介します!

1. 家でご飯を作ってみる

自宅で料理することで、自分が口にするすべてのモノを自分で選ぶことができます。地元産の食材を選択したり、お肉の摂取量を減らしたりして、これを機に食事の環境への影響を減らすことに挑戦するのもオススメです。あとは運動量が減っているぶん、食事量も減らして、お財布も体もダイエットを心掛けてみるのはいかがでしょうか?

また、自宅にある余り物を使ってゼロウェイストクッキングに挑戦したり、家庭菜園をして食材から自分で作ったりすることで、自宅での食事がさらにサステナブルになります。

IDEAS FOR GOOD編集部員が自宅で育てているシソ。最近芽が出ました。



2. デジタルデトックスしてみる

前半でリモートワークがCO2排出を削減することを見てきましたが、見落としがちなのが、インターネット使用量によってもCO2は排出されるということです。2人が参加する1日1時間のビデオ会議を250日間続けると、1.1kgのCO2が排出されます。

たとえば、ビデオ会議も必要以上に長くならないように、要点を事前にメモにまとめる、簡単な会話はビデオオフにする、チャットでは添付ファイルの容量を狭めてサーバーにかかる送信や保管のエネルギーを減らす、パソコンは省エネモードに設定するなど、小さな積み重ねでもCO2排出は減らすことができます。

集中したい業務のときは、思い切ってインターネットを遮断してデジタルデトックスしてみることもオススメです。(もちろん、チームに一言断りを入れてくださいね!)

弊社でのオンライン会議の様子



3. シンプルに早寝早起き

最後はとてもシンプルですが、「太陽が出る前に起きて、太陽が沈んだら早めに寝る」を心がけるだけで、夜の電力消費を減らすことができます。

また、寝る前や朝起きたとき、ヨガやストレッチをするだけで心のリラックスにもつながるので、ぜひ試してみてください。ヨガマットまたはバスタオルさえあれば簡単にできます!


4、サステナブルリモートワークにおすすめのアイテム3選(アースモールから)

最後に、さらにリモートワークをサステナブルにするアイテムをアースモールの中からご紹介します。


<まとめ>
リモートワークをやって気づいたのは…

・CO2排出、電力消費、ごみが減る
・食べるもの、時間の使い方が今までより自由になる
・ネット環境が増えるのでたまにはデジタルデトックスがオススメ
・運動は「しよう」と思ってしないとしなくなる
・ほぼ家にいるとモノはそんなにいらないと気づく
・高品質で本当にいいモノだけを持つようになる
・はやく出社して会社の人たちに会いたくなる



富山恵梨香
1993年福島生まれ。新卒でベトナムのハノイで働く。現在はIDEAS FOR GOOD編集部として国内・海外の社会的企業への取材やPodcastを担当する傍ら、Experience for Good 責任者としてベトナムツアーなどを企画。

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