EARTH MALL with Rakuten Magazine 未来を変える読み物

2020/4/3更新

コンビニ、魚屋、コーヒーショップ。サステナブルな暮らしについて、中学生の金丸くんに聞きました。

サステナブルについて、教えてくれたのは中学生でした。

デイリーポータルZ安藤です。みなさん、サステナブルな暮らしをしていますか。

と言われてもいまいちピンとこないという方、僕もよくわかっていないので大丈夫です。今回はサステナブルに詳しい人と一緒に街を歩きながら、サステナブルについて教えてもらいたいと思います。

レッツ・サステナブル!(こういう使い方はたぶんしない)

詳しい人は中学生

サステナブルとかSDGsなんていう言葉を最近よく耳にするが、中身をよくわかっていない人も多いのではないだろうか。いま他人事みたいに言ったがなにを隠そう僕がそうだ。なんとなく環境問題?くらいの認識である。

いつまでもこれではいけないと思い、今回、サステナブルに詳しい人に教えてもらうことにした。中学3年生の金丸泰山くんである。

今日は彼と一緒に、一日をサステナブルな視点で過ごしてみたいと思う。

言わなくてもわかると思うけれど、右が金丸くん。


専門家というくらいだから大学の先生とか役人が出てくると思っただろう。ところがどっこい、金丸くんは中学3年生である。

学者とか役人さんというのは確かに詳しいだろうけど、初心者の僕たちにはどうしても話のハードルが高いような気がするのだ。そこで中学生である。ぜひその柔軟なあたまでやさしく教えてほしい。

「僕で良ければ!」
 
 

サステナブルとは何なのか

まず金丸くんに最近よく聞くサステナブルとはどういうことなのか、簡単に教えてもらった。

SDGsという言葉を聞いたことがありますか。
2015年に世界のリーダーたちによって決められた、今後の世界の共通の目標みたいなものです。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、「エスディージーズ」と読みます。いったん2030年をゴールに定めて、それまでに何をやっていこうかという指針みたいな感じですかね。

なるほど。実際に2030年になったらどうなるんですか?

スコアをつけて、できているもの、できていないものを判断します。できていないものについては見直すことになるんでしょうね。こういう図を見たことがないですか。

これ最近よく見ますね。

サステナブル(持続可能)な開発目標として、具体的な目標を17個決めていて、3段になっていると思うんですが最初の段が発展途上国に対するもの、真ん中の段が先進国に対するもの、3つ目の段が地球全体に関するものです。

なるほどー。自分の立場で何ができるかわかるわけだ。

金丸くんは中学校生活のかたわら、少年少女国連大使としてSDGsを中心に世界の未来について教えたり一緒に考えたりする活動をしている。

ヨットで国際会議に行ったりするのか、と聞いたら「しないです」と言っていました。



どうだ偉くないか。

自分が中学生だったときのことを思い出してもらいたい。僕に関していうと、学校帰りに街路樹のみかんをもいで食べていた頃だ。夜に「ちょっと走ってくる」と言ってコンビニでエロ本を立ち読みしていたのもこのくらいの時期だと思う。思い出すだけで心がざわつく。


サステナブルな視点でコンビニへ行く

金丸くんはコンビニとか行かないんだろうか。

もちろん行きますよ!



行くんだ、安心した。

でもコンビニは大量消費の権化みたいな場所だろう。サステナブルにくわしい中学生は、コンビニで何を買うのか。興味があったので、互いに欲しい物を買ってきて外で見せ合うことにした。

レジ袋もらったら絶対なにかつっこまれるぞ、と思ってもらわなかった。


まずは僕の買ったものから。
ここは正直に普段買っているものを選んだ。まずはバナナである。2日に3本くらいのペースで食べている。

個包装はどうかなと思ったけど美味しそうだったのでつい。

へー、レインフォレスト・アライアンス認証を受けているバナナですね。これを選ぶなんてさすがです。

これのことらしい。
 

で、でしょう。やっぱり地球にとってカエルは大切かなと思って。

カエルだけの話ではないんですけどね。こうした認証を受けた商品を意識して買うだけでもサステナブルな選択と言えます。

死んだじいちゃんもそう言っていました。

あとこれ。
 



僕は中学生の頃からコンビニのメロンパンが大好きで毎日のように食べていた。メロンパンはどんなコンビニにも売られているし、どこのを食べてもだいたい美味しいからずっと食べていられるのでこれこそ継続可能(サステナブル)なのではないか。金丸くん、あってますかね。

それはともかくこのパッケージ、バイオマスインキを使っていますね。生物由来の材料からできているインキのことです。

バイオマスインキ使用。
 

メロンパンは好きですか。

コンビニというと大量消費のイメージがありますが、こうやって各社意識し始めているのもわかりますね。

ですよね(メロンパン好きじゃないのかな)。

袋をもらわないと買ったものをポケットにつっこんで歩くことになるのでエコバッグはいつも持っているといいですよ。



そんな金丸くんは何を買ったのだろう。

これです!



なんだコアラのマーチか、かわいいじゃないか。こういう子どもっぽい一面が見られるとなんとなく安心する。

「コアラのマーチはコアラ基金を応援しているんです。」



ちゃんと理由あってのことだった。こういうお菓子類は、購入することでその一部が募金に回されるものがあるのだとか。さすが目の付け所が違う。

安藤さんの選んだメロンパンは確かに美味しそうですが、パンを買うならやっぱり地元のパン屋さんで買うのがいいかなと思うんですよね。

知ってるよそんなこと。

大人だぞ、そんなの知ってる。
 
 

パン屋さんにはかごを持って行く

知ってるよ。パンはパン屋っていう言葉もあるくらいだからね。

このお店はこういうかごを持ち込むと便利なんです。

今のは「餅は餅屋」がもとになっているんだけどな、まあいいや。かごってどういうことですか?

かご?
 

かごというか箱ですね。パンを買いに来るときには僕はこれを持参しています。

中には葉っぱが。
 

お店にもよると思うんですけど、このパン屋さんはかごを持って行くとそのまま買い物ができるので包装のゴミが出ないんですよね。

店内ではトレイとして使って
 

なるほど、葉っぱはパンのにおいや粉がつかないようにか。
 

そのままレジへ。



パン屋さん:うちとしてもこのままお渡しできるから助かりますよ。ゴミが出ないですし。

僕が知らないだけでこういう人って今多いのだろうか。自分が遅れているだけなのか不安になったのでパン屋さんに聞いてみると「僕の知るかぎり金丸くんだけですね」とのことだった。おまえだけだってよ。安心したような、がっかりしたような、複雑な気分だった。

コーヒーショップで未来を学ぶ

しかしやられっぱなしでは面白くない。次は大人のフィールドに持ち込むことにする。
次はコーヒーショップである。

町のコーヒーショップですね。



僕はずっと前にコーヒーショップをやっていたことがあって、コーヒーにはちょっとうるさいのだ。
いや、それはうそだ。味や豆に関してはまったくうるさくない。ただ、淹れたてのコーヒーと時間が経ったコーヒーは区別がつくし、淹れ方によっても味や香りが変わるのも経験済みである。

だからファーストフード店のコーヒーもよく飲むのだけれど、こういうお店で一杯一杯淹れてくれるコーヒーが美味しいのも知っている。どうだ、大人だろう。

そうなんですよねー。
 

そんなの知ってましたか。

はい、なんとなくですが。
でもこのコーヒーショップはサステナブルな取り組みにすごく共感してくれていて、店長さんもいろいろなことに詳しいので、知識を持っている人に話を聞くという点でもおすすめなんです。

「コーヒーは嗜好品なので、消費者がちゃんと考えていかないといつか飲めなくなる未来がくると思うんですよね」とはコーヒー店の店長。



コーヒーショップの店長いわく、コーヒー産業はコーヒー豆の農家さんにいかに継続的に良い豆を作ってもらうかにかかっているのだという。そのためには消費者がいい豆を選ぶことが大切だし、なんだかわからないコーヒーを無意識で飲むのは長い目で見るとサステナブルではないのだとか。

普段、ファーストフード店や自販機で何も考えずに買うコーヒーと、こうやって農家のことまで考えて一杯ずつ淹れらえたコーヒーとでは、やはり味わいが違うと思う。ファーストフード店のレジではこういう会話をしないという点だけでも違う。

「……おいしいね。」「美味しいですね!」



店長の言うように、美味しいコーヒーは10年後にも飲んでいたいし、そのために消費者ができることがあるのならば進んでやるべきだとも思う。

環境問題とかSDGsとかって、遠い話のようで後回しにしがちだけれど、実は身近なところにも直結しているのだと知ると、とたんに自分事になる。

「自分事として考えることが大事だと思うんですよね。」



すぐに行動を変えることは難しいかもしれないけれど、情報を取り入れて自分事として考えることは誰にでもできるだろう。まずはそこからだと思う。

魚屋さんでは何を選んだらいいのか

つぎは夕食の買い物をしたいので魚屋さんに寄った。サステナブルな視点で見るといつもの買い物が変わったりするのだろうか。

「魚屋ですね」
 

へいらっしゃい!



この魚屋さんは僕の行きつけで、今までも無理を言って町内会のイベントでマグロの解体ショーをお願いしたり、貝のさばき方を教えてもらったりしている。

僕は単純にこのお店で大将と話をしながら買い物するのが好きなのでよく行っているのだけれど、考えてみると大型スーパーだとこういう買い物のしかたはしないだろう。これはSDGs的にいうと11番目の「住み続けられるまちづくりを」に当てはまるのではないか。

その通りだと思います。でも大手のスーパーでも、今はASC/MSC認証のある魚を積極的に販売していたりして、社会への貢献に意識が向いてきてはいますね。

なるほど。あまり意識していなかったけど、日本でも大手を中心にこうした認証を得た商品を扱っていこうという流れが進みつつあるのだ。いいことだと思う。

で、金丸くん、この魚屋さんはサステナブルな視点で見るとどうでしょう。

「個包装が多いのはちょっと気になりますけど、これはある程度仕方ないでしょうね。」



魚屋さんには魚の他にも野菜や果物が売られているので、鮮度を保ったり魚のにおいが他に移らないためなど、個包装にもそれぞれに理由があるのだ。

「鮮度を保つことは廃棄を減らすことにもつながりますから」



僕はいつも大将に「今日はこれだけは買っておけ、っていう魚はどれですか」と聞くようにしているのだけれど(そうするとたいてい美味しいのを教えてくれるのだ)、今日は金丸くんに聞いてみたい。どれを買ったらいいと思いますか?

うーん、地産地消も11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」につながると思うので、やはり地物を買うのがいいのかもしれないですね。

地ものだと輸送のコストも減らることができるのだそうな。



なんだかこれまでの金丸くんにくらべて歯切れが悪いような気がするが、気のせいだろうか。他に気になるものとかありますか?

しいていえばこのプラスチックの花はちょっと気になりますかね。

菊は殺菌効果があるからいいと思うんですが

このプラスチックのやつは効果ないですよね。

なるほど。そういえば僕も弁当に入っている緑のシート(バランというらしいです)はいらないなと思っていたのだ。

プラスチック製でも見た目が鮮やかになるのは確かだし、バランの場合は周りの食材が傷みにくくなるような成分が添付されていたりもするので、ぜんぶが要らないとは言えないですけどね。

他に魚を買うとするとどんなところに気を付けたらいいですかね。

「いや、魚って買わないからわかんないんです。」
 

じつは僕は魚があんまり好きじゃないから、わかんないんですよね。
でも大型のスーパーで買うよりもこういう町の魚屋さんで買う方が店員さんと話ができて楽しいしのかな、とは思っています。

魚よりも肉の方が好き?

はい!牛肉が好きですね。

でも牛肉の生産は環境への負荷が高いって聞いたことあるよ。

そうなんですよね。でも好きな物を我慢するのは難しいですし、それによってサステナブルを面倒くさい、とか嫌いになってほしくないんですよね。

確かに気にすることで生活が窮屈に感じてしまうと長続きはしないのだろう。まずは無理のない範囲で意識したり考えていけばいいんだと思う。


窮屈じゃないサステナブルとは

というわけで次は金丸くんが好きだというアイスクリーム屋さんにやってきた。

どれにしようかなー。



嬉しそうにアイスを選んでいる金丸くんはそのへんにいる中学生とまったく変わらなく見えた。SDGsを窮屈に考えるんじゃなく、普通に生活しながら、物を選ぶときに少しだけ考えるだけで選択肢が広がると思う。

このアイスクリーム屋さんは僕もよく来るんだけど、スプーンが木なんですよね。これはプラスチックを減らす上で大きな貢献なのでは。

そうですね。あと木のスプーンは食べたときの食感もいいですからね。
こういうのは環境への配慮と実益とが両立しているいいパターンだと思います。

木のスプーン。



店長さんに聞くと、開店当時はプラスチックのスプーンを使っていたのだとか。ところがあるお客さんが「これもったいないから木にしませんか」、と提案してきたのだという。お客から問題意識を持つことでお店が変わることもあるのだ。

店長の長谷川さんはいう。「こういうのは教育と現場と、両方が進んで行かないとと思いますね。急に何かをゼロにするってことはできないので、それがどんな意味があるのか、それをやることで何がおきるのか、考えながら行動していけるといいんじゃないかと思いますよ。」

アイス美味いっす。



今日は短い時間だったけれど、サステナブルについて、身近なところから考えて変えていけるんだということがよくわかった。


本屋さんでもサステナブル

最後に本屋さんに寄ってもいいですか。

いいけど、本屋さんでもサステナブルを語ることがあるの?
 

本屋さんでサステナブルの本を紹介してくれるのかな。
でもおれ金丸くんからいろいろ教えてもらったからだいぶ詳しくなったと思うよ。

今度僕の活動を取材してもらった本が出るんです。

「本が出るんですよね。」



宣伝かよ。

「僕の活動も取り上げてもらっているんです。」



本屋さんだけでなく、学校の図書館にも置かれる予定らしいので、見つけた人は読んで勉強してみてください。

この後金丸くんはマンガコーナーに直行していった。やはり中学生である、楽しいことや好きなことを我慢するのはなかなか難しいと思う。でもSDGsの目標である2030年以降の世界の中心になっていくのは、金丸くんたちの世代であることも確かだ。僕たちはそれを妨げることなく、応援して、実行していく責任があるんじゃないかと思うんですよね。



今回取材に協力してくれた店舗

・ B-grotto
https://www.instagram.com/b_grotto/
・FLOWER COFFEE/BREW BAR
https://flowercoffeebb.tumblr.com/
・魚卓
https://www.uotaku.com/
・Plenty's
http://plentys.net/


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安藤昌教
1975年生まれ。編集者。デイリーポータルZ
編集部所属。原子力研究所~氣志團バックダンサー~カメラマン~喫茶店経営というバラエティに富みすぎる職歴を持つ。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としてYouTubeで活動をしている。好きな食べ物はういろう。

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