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2019/4/5更新

完成までに4時間!? Dari K「カカオ豆から手作りチョコレートキット」の、チョコづくり奮闘記

以前、インドネシアからカカオ豆を直輸入している Dari K さんのご紹介をした時に、自宅でつくれるキットがあると伺ったので「それなら、実際にやってみよう」と友人のショコラティエの勉強をしていたナギくんを誘い、つくってみることにしたわけです。(それが地獄の始まりとは知らずに…)

パティシエでも、なかなかやらない豆からの手作り

僕は、最初にナギくんを誘った時点で勝利を確信していたわけです。実際に仕事としてもチョコをつくっているショコラティエを誘ったんだから、これはもう楽勝だと。しかし、その希望は、最初のひとことで見事に打ち砕かれることになるわけです。

「えー、やったことないよ~(笑)」

マジか。
え、というかショコラティエって豆からチョコつくってるんじゃないの?(誤解)よくよく話を聞いてみると、チョコを溶かしてつくることが多く、豆から作ることはほとんどないとのこと。

まあでもプロだし、なんとかなるかなと思って、実行する前日まで放置していたわけです。一応、予習くらいしとこうという軽い気持ちで、そこからブログやら、動画やらを検索してみたら呆然としました…。

え、これ一体何時間かかるの?
ひたすら混ぜてる時間が長いようなんですけど…。
大丈夫だよね、コレ…。

華やかなカカオの香りと裏腹の超絶地味な作業の嵐

不安いっぱいで迎えた当日。
仕事終わりに、ナギくんの家に集合。

まずは、カカオ豆を持って始めるよって感じでお願いします。(パシャリ)

はい、これがインドネシア産のDari Kさんのカカオ豆です。
発酵させているからか、やや酸味のある香りがします。

作り方の手順は、同梱されているブックレットに分かりやすく載っています。
子どもも簡単につくれるような雰囲気が出ています。
その軽い雰囲気にちょっとした期待をかけつつ、作業を進めていきます。

まずは、豆を洗っていきます。
後で焙煎した後に皮を剥くので、この工程は必要なのかなと思いつつ、水がクリアになるまで洗うのですが、これがまた汚れがしつこい。何度も水を取り替えながらきれいになるまで洗います。

きれいになったら、水分を拭き取り、焙煎の作業へと移ります。

他のブログだとオーブンを使って焙煎している方もいるのですが、フライパンで地道に煎っていきます。焦げ付かないように、弱~中火で調整しながら煎っていくと、カカオの香ばしい香りがしてきます。例えるなら、ぶどうパンのような香り。元々がフルーツであることを彷彿とさせますね。

大体、時間としては10~15分。
おそらくここの焙煎時間が、味にも左右しそうです。
水分を飛ばすのが狙いと思いますが、やりすぎると苦味が上がりそうな感じがします。

「パチッ!!!」

ほわっ!!
あぶな、弾けすぎだよ…カカオ豆氏。
この音が鳴ってくると、焙煎が進んで皮が剥ける合図です。

ひとつ試しに剥いてみると…
中から、おおきめのコーヒー豆のような物体が出てきます。ちょっとカジってみると、さわやかなチョコの味がする!後味で少し苦味が残るけど、この時点でも美味しい…!

ここから、ペリペリ無心に皮むきです。
人によっては1時間かかる作業らしいのですが、爪を入れて亀裂をつくり、そこからめくるように剥がしていくと、割と簡単に剥け、30分かからずに全部を剥くことが出来ました。

問題は、ここから。
ブックレットによると、すり鉢で粉になるまでひたすら潰していく作業……

ってやってられるか~~!!

手作りは大事ですが、すべて手でやる必要もありません。
文明の利器である、グラインダーで時短!
(もし自宅にコーヒーミルがあれば、それで代用できると思います)

ある程度、粉にしてからすり鉢でさらに細かい粉にしていきます。

文明の利器の力もあり、ここまでスムーズに進めることが出来ました。
そして、ここから湯煎で溶かしていくわけです。

実際には溶かすというより、カカオ豆の油分を抽出していくというイメージが近く、カカオ豆の脂は32~34度が融点なので、湯煎をかけながら搾りだしていく感覚で作業をしていきます。

ここがまた、地味作業の代表みたいなもので、多くのブログ・動画でも苦戦しているポイントです。湯煎だと、お湯の温度も下がっていってしまうので、なかなか融点をキープできず、時間がかかってしまう。

そこで、僕たちは、秘技を編み出しました。

融点をキープしながら、圧搾作業を続けられる秘技

「鍋すり鉢」!

えー、おそらくもっと頭のいい方法もあると思うのですが…
そこは、ひとまず置いといてください。

ポイントは、この時にチョコに絶対に水を入れないこと。
水と油というか、ここで水が混じるとチョコが固まらなくなります。実際に、湯煎で失敗して、水が入った方もおられたようです…。ここまでの苦労が文字通り水疱に帰すので気をつけてください。

ですので、小鍋に軽く水を張り、鍋よりも大きいすり鉢を乗せることで水の侵入を防ぎます。大きいすり鉢により安定するので、作業もしやすい。

ひとつ問題があるとすれば、すり鉢をおさえて混ぜると鍋が動いてしまうこと。でも、そこはコラボレーション。2人いれば、片方が鍋をおさえることで解決です。

混ぜていくと、早々に油分が出てきました。ちょこっとチョコっぽいですよね?(寒)
これをひたすら混ぜていくと、滑らかになっていきます。

滑らかになったら、砂糖(30g)を加えて、さらに混ぜます。

秘技「鍋すり鉢」をもってしても、湯煎を始めてからここまでくるのに90分くらいかかりました…。これを普通の湯煎でやろうとしたら、どれくらいかかることやら…。

滑らかになってきたら、型に流し込んでいきます。
特に、Dari Kのロゴ入りの部分は念入りに流しこんで、せっかくのカッコいいデザインが台無しにならないように注意します。

ちゃんと混ぜた量が、ぴったりと収まります。
ここですり鉢に残った部分をペロッと味見をしてみると、美味しい。
横目でナギくんを見ていると、ここにきてショコラティエっぽい一面を魅せます。平らにならしてるだけなのに、ちょっとカッコイイじゃないか!

ここまできたら、あとは冷蔵庫に入れて冷やすだけ。
1時間ほど待って、固まっていることを確認すると…

おおおお~っ!

ロゴの部分もバッチリ、きれいに出来ました。

チョコを豆からつくるという贅沢な時間

トータルでいうと、4時間。
人によっては、6~10時間かかっている例もありました。

昔、チョコレートは高級品と呼ばれる時代がありました。今でも、もちろん高級品はありますが、そもそも作るのに時間がかかる。その手間の価値だったということを実感しました。機械化が進んで、誰もが手軽にチョコレートを楽しめるようになりましたが、この有り難さは実際に自分でつくってみるまで分かりませんでした。

実際につくったチョコの味はどうかって?
そりゃ、もちろん……美味しい!!!

素朴な味とも言えるかもしれませんが、焙煎したての豆からの作りたてのチョコはフルーティな香りがして、爽やかなチョコの味が楽しめます。自分たちの苦労も相まって、とても甘美。いや~、これはぜひ作って食べてみて欲しい!

市販のチョコじゃ、なかなか体験できないチョコレートの原点とも言える味。
ぜひ、これを読んでいるあなたもこのDari Kの手作りキットを取り寄せて、地獄を…もとい、贅沢な時間を味わってみてください!

(文=EARTH MALL編集部 コタベ)




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