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2019/2/25更新

伝統的なテキスタイルとテクノロジーを融合した、 アメリカ発のバッグブランド「ETHNOTEK®」とは?

個性豊かな、世界各地の生地の織り手から直接買い付けた美しい生地と高機能で現代的なバックの出会いがもたらしたブランド、ETHNOTEK®(エスノテック)。 現地の職人との持続的なビジネスモデルとコミュニティを構築しながら、伝統的な鮮やかさと近代的なシンプルさを兼ねそなえた魅力的なバッグを販売しています。 このユニークなバッグブランドを立ち上げたきっかけは何だったのか?職人たちとどのような関係性を構築しているのか?EARTH MALL編集部が気になったことを創業者兼ヘッド・デザイナーのジェイクさんにたっぷり伺ってきました。

モン族との出会いから始まった、 エスノロジー(民族学)とテクノロジーを1つにしたデザイン

まず自己紹介をお願いします。

こんにちは、ジェイクです!ETHNOTEK®創業者兼ヘッド・デザイナーで、出身はアメリカ・ミネソタ州。8年間ベトナムで暮らし、先日インドネシアのバリ島へ妻と引っ越しました。

「ETHNOTEK®」という名前について教えてください。デザインがエスニックなのはわかりますが、テック(テクノロジー)とは何を指していますか?

職人の布地とテクニカルファブリックの組み合わせのことです。このテクニカルファブリックには、防水の高性能布地が入っていますのでノートパソコンも入れられますし、今はカメラバッグも開発しています。デザインと機能性にかなり時間をかけて、細かいところまでこだわっています。ライフタイム保証も適用されるので、壊れたり不良品が出たりしたら修理もしくは交換できます。
このような伝統的なデザインを使ってここまで長持ちするバッグって、意外と今までなかったんです。エスノロジー(民族学)とテクノロジーを1つにしたデザインと言えると思います。

いつETHNOTEK®を始めましたか?そのきっかけは?

2009年から本格的にプランニングを初めて、実際に創業したのは2011年でした。でももともと発案したのは2007年のことで、ベトナムの北部をオートバイで一人旅をしていた時でした。そこでモン族の人々と出会い、彼らが織っていた手作りのテキスタイルや刺繍にインスピレーションを受けました。
そのテキスタイルを通して、職人のコミュニティに対する意識を高めながら、世界的な需要を作ることができたら面白いなと思ったんです。当時自分はバッグをデザインしていたんですが、伝統的な手作りのテキスタイルとハイテックなトラベルバッグを組み合わせられるんじゃないかと思いついて、それがきっかけでした。

できるだけ多くのコミュニティの力になりたい

ベトナムをはじめ、今は計5か国からデザインを集めているんですよね?どうしてその5か国にしたんですか?

はい、ガーナ、グアテマラ、インド、インドネシア、ベトナムですね。
我々は文化の多様性を重視していて、できるだけ幅広いテキスタイルを使いたかったし、ビジネスの規模も1か所や2か所じゃなく、多くの国に影響を与えられるくらい大きくしたかったんです。お客様にとっても品揃えが豊富な方がいいし、できるだけ多くのコミュニティの力になりたいと思いました。

規模をさらに拡大していく予定はありますか?

あります!会社ができてこれで7年目になりますが、やっと職人たちと持続的なビジネスができるようになってきました。このビジネスモデルを、更にほかの国や職人コミュニティへ展開していきたいですね。目標としては2019年から新しい生産地を毎年1つ増やしていけたらと思っています。

職人が決める価格で直接買い、値下げ交渉もしない

アジア各国の職人たちとは、直接取引されているのでしょうか?

はい、我々は職人との直接的な関係を「ダイレクトトレード」と呼んでいます。フェアトレード認証は取得していませんが、お客様にできるだけ透明性の高いビジネスを心がけています。製造地の動画や写真をアップしたり、職人の話などを聞いたりすることでそのダイレクトな関係は伝わります。仲買人も間に入れず、職人が決める価格で直接買い、値下げ交渉もしません。一般市場に適した価格のものは、グローバルマーケットで販売しますが、価格が少し高い場合は、自分のサイトや限られたお客様に限定品として売ったりしています。

そもそも、なぜこのような直接取り引きに興味を持ったのでしょうか?

自分の経験を活かして社会に何かを還元したいと思ったからです。間接的に影響を与える商品ではなく、何か持続可能な商品そのものを開発したいと思っていました。慈善活動もいいのですが、実際に人を雇用した方がサステナブルだし拡張性もあるので、B2Bの関係を作った方が良いと考えました。相互依存的な関係の構築ですね。たとえばETHNOTEK®の商品は職人たちの布地がないと作れないし、それらの売り上げは直接彼らの収入にも繋がるわけです。バッグが売れて職人に利益が出ないことは絶対ない。そういった直接的なインパクトを与える仕組みを作りたかったんです。

フェアトレード認証では、児童就労の禁止など安全な労働環境が保証されるのですが、ダイレクトトレードではこのような人権侵害のチェックはありますか?

そもそもそういった不当労働行為を防ぎたいということも、この会社を作った理由のひとつになりますので、私自身がチェックをしています。ですが、私達が倫理的に行動しているということを第三者から認証を得ることも重要なので、現在検討している所です。

実際に運用してみて、職人たちの生活に何か影響はありましたか?

インドにある村の実例でお話ししますと、2011年当時は1家族が年間3か月だけテキスタイルを作っている状況でしたが、現在は5か所の村で12家族が通年働くことができる規模になってきました。ETHNOTEK®商品の需要の高まりに伴って、職人の労働需要も高まっています。伝統工芸を保つこともできて、素材販売からの利益も自由に配分してもらっています。村に学校やテキスタイル製造所を建てようとこっちから提案しても、テキスタイルさえ買ってくれればそれでいいと断られます…(笑)。メートルあたりのコストで利益率を計算しているそうで、その利益を使って自分たちで地域開発や食品、原料調達に使っているようです。

お客様からのフィードバックを職人たちに伝えていますか?

はい。前回現地に行ったときは、ETHNOTEK®のSNSを見てもらいました。東京の町中で彼らのテキスタイルを使ったバッグを持ち歩いている人とか、商品レビューを見せたらとても喜んでいました。もともとこういったテキスタイルってラグなどの敷物なので、人が踏んだり座ったりするようなものなんですよね。それをこういうふうに機能性のある商品にして、みんなが持ち歩いて使っているところを見ると、とても喜んでくれるんです。その姿を見て、新たな価値を生み出すことが出来たんだと実感しました。

経済的な面だけでなく、文化の保護やプライドも支えているって、本当に良い話ですね。

世界一のバッグブランドではなく、 「世界のために一番良いバッグブランド」になりたい

お見せいただいたバッグの中で、製品タグがリサイクルPETボトルでできているものがありましたね。

そうですね。主要素材が100%PETボトルのリサイクル素材を使ったバッグ制作に取り組み始めています。現在商品ラインナップの約26%がPET素材を使っていますが、その比率をこれからもっと上げていこうと考えています。環境にやさしい要素と社会的責任の要素を引き合わせることで規模を拡大して、ゆくゆくは世界一のバッグブランド、じゃなくて、世界のために一番良いバッグブランドになりたいと思っています。環境にやさしい、社会的責任を重視したビジネスで、できるだけ社会にポジティブな影響を与えたいです。

テクノロジーやデザイン、環境への配慮など、いろいろな魅力がありますが、お客様の反応としてはどういった部分に一番反響があるのでしょうか?

「会社のミッション」に共感して購入していただいている方が多いようです。環境にやさしいことや社会的責任を重視した商品を買うことは誇れることです。品質も機能性も高いし、日常生活で使い勝手の良い商品ですが、お客様にとってはただのバッグではないということです。バッグを購入してくれたお客様は、ETHNOTEK®のコミュニティ、ETHNOTEK®の家族の一員になってもらうことになります。世界中の職人を支えて、伝統工芸の保護に貢献することで、大義に貢献していることを誇れるようになるということですね。

日本のお客様の反応も大きいようですね。

そのとおりです。熱心にご支援いただいているお客様の中には、日本人が多いですね。ロイヤリティも高いし、ミッションにもテキスタイルにも関心が高いです。支えてくださって感謝の気持ちでいっぱいです!

同僚にETHNOTEK®のことを話したんですが、すでに持っていました。何年も使っているらしいです。

本当ですか?最高!それを聞くといつもうれしいです。ありがとうございます!

職人とお客様の絆をより強く

最後に、今後のビジョンをお伺いできますでしょうか?

5か年計画から話すと、現在200人の職人を雇用していて、2023年にはその数を2,000にしたいと思っています。10年後には4,000人まで増えているかもしれません。そして毎年新しい職人コミュニティを立てて、世界的に成長を続けて職人の数をどんどん増やしていきたいです。もうすでに着手しているのですが、職人とのミートアップも更に企画したいです。お客様を呼んで、バッグのテキスタイルを作った職人に会ってもらいたいと思っています。
たとえば日本のお客様やアンバサダーをインドの職人に会わせたり、ドイツのお客様とガーナの職人など、そういった企画を徐々に増やしていっています。ゆくゆくはもっと広い国際コミュニティを作って、職人とお客様の絆をより強くしていきたいです。テキスタイルのことだけでなく現地の文化や食生活もいろいろ経験できる研修旅行とかも良いですね。異文化理解を高められる、文化保護のグローバルネットワークを作りたいと思っています。

バッグだけでなくコミュニティまで作っていくんですね。

そのとおりです!すべてがコミュニティです!

素晴らしいお話しをお伺いできました。本日はどうもありがとうございました。


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今回のEARTH MALLイノベーター

ETHNOTEK® Founder&CEO
ジェイク・オラックさん

1981年12月29日生まれ。アメリカ合衆国ミネソタ州出身。ウィスコンシン州のデザイン学校を卒業後、バッグブランドのデザイナーを経て2011年にETHNOTEK®を創業。世界各国の職人が作り上げる伝統的な生地の維持や継承、文化の保護・保存を主なミッションとしている。現在は環境面へ配慮したバッグのデザインや製作なども行い、ETHNOTEK®を世界のために一番ポジティブな影響を与えるブランドにすべく、日々精力的に活動中。


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