妊娠中のこむら返りはなぜ起こる?原因と対処法を解説|医師監修
2024/10/30
妊娠中にこむら返りが起こる原因は、明確に解明されていません。ミネラルバランスの乱れや筋肉疲労、血行不良などが要因と考えられています。医師監修のもと、こむら返りの原因と予防・対策方法を紹介します。
妊娠中のマイナートラブルの一つに「こむら返り」があります。「夜間のこむら返りのせいで睡眠の質が悪い」「少しでも早く痛みから解放されたい」と悩む妊婦さんも多いのではないでしょうか。
こむら返りは、食事の見直しや軽い運動などで予防できる可能性があります。本記事では、こむら返りの原因や対処方法などを医師監修のもと、詳しく解説します。妊娠中のこむら返りをどうにかしたいと思う方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
こむら返りはふくらはぎの痙攣によって足がつる症状
こむら返りは、医学用語で「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と呼ばれ、ふくらはぎにある腓腹筋(ひふくきん)という筋肉が異常収縮して起こる現象です。前触れもなく突然強い痛みが数分続き、筋肉のけいれんが落ち着いたあともしばらく違和感や軽い痛みが残ることがあります。
こむら返りは、妊婦さん以外にも、高齢者に多い症状です。また、激しい運動で筋肉を酷使したり、立ち仕事で足に疲労がたまったりしたときには、年齢や性別を問わず誰にでも起こります。ふくらはぎ以外にも、足の指、太もも、足裏などもつりやすい部位です。
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妊娠中にこむら返りが起こる3つの原因
こむら返りは、妊娠中期から後期になると頻度が高くなる傾向にあります。妊娠中にこむら返りが起こる原因は、明確に解明されていません。一般的には、ミネラルバランスの乱れや筋肉疲労、血行不良などが要因であると考えられています。
続いて、妊娠中にこむら返りが起こる原因を詳しく解説します。
血液中のミネラルバランスの乱れ
妊婦さんにこむら返りの症状が度々起こる原因は、血中のミネラルバランスが崩れやすくなることにあります。妊娠中は、お腹の赤ちゃんに優先的にカルシウムやナトリウムなどが供給されるため、母体はミネラル不足になりがちです。また、妊娠中は循環血流量が増加するため、血液が薄まることもミネラルバランスの乱れにつながります。
筋肉の収縮や緩和には、血液や体液に含まれるナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが欠かせません。これらが不足したり、バランスが崩れたりするとこむら返りが起こりやすくなるのです。
ふくらはぎを中心とした足の筋肉疲労
妊娠中は体重増加により、足の筋肉への負担が増え疲労がたまるため、こむら返りが起きやすくなります。特に、妊娠後期はお腹が大きくなることで体の重心が変化し、足の筋肉への負担が増加します。
また、妊娠中は、体重管理や体力維持のために、意識的に運動する方も多いと思います。しかし、よく運動した日は、筋肉疲労によりこむら返りが起こりやすくなります。適度に体を動かすことは大切ですが、筋肉に負担をかけ過ぎないようなトレーニング内容を考えると良いでしょう。
お腹の圧迫によって起こる血行不良
血行不良も、こむら返りの大きな原因の一つです。胎児の成長とともに子宮が大きくなると、お腹や足にある大きな血管を圧迫し、血液の循環が悪くなります。すると、下半身に必要な栄養や酸素が行き渡らず、筋肉のけいれんが起こりやすくなると考えられています。
また、血行不良は、むくみや冷えも引き起こします。特に、体の冷えは筋肉を硬直させ、こむら返りを引き起こす要因となります。立ちっぱなしや座りっぱなしの状態が長時間続いたり、運動不足が慢性化したりすると血流が滞りやすいため、なるべく避けることが理想です。
妊娠中によくあるマイナートラブルとして、頻尿も挙げられます。以下の記事では、頻尿の対処方法などを解説しているので、併せてご覧ください。
こむら返りが起こったら?ふくらはぎをゆっくり伸ばす
こむら返りが起きたら、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチをすることで痛みを緩和できます。座った状態で足を前に出し、つま先を両手で持って体の方に引き寄せましょう。
近くに壁がある場合は、足の裏を押し付けると自然とふくらはぎの筋肉が伸びてけいれんが落ち着きます。寝ているときにこむら返りが起こった場合は、立ち上がって歩くと治ることもあるため、試してみてください。
なお、筋肉が収縮しているタイミングで急に伸ばすと、肉離れを起こすリスクがあります。いずれの方法でも、ゆっくりと無理のない範囲で伸ばすことが大切です。
痛みが引いたら、蒸しタオルや湯たんぽなどで患部を温めると筋肉の緊張が和らぎ、違和感を早く解消できます。冷えが原因でこむら返りが起こることもあるため、冬場はさらにレッグウォーマーを履いて温めることも効果的です。
こむら返りを予防・対策する方法
妊娠中のこむら返りは、意識してミネラルを摂取したり、適度な運動習慣を身につけたりすることで予防できる可能性があります。続いて、こむら返りの具体的な予防法や対策を解説します。
水分やミネラルを含む食材を摂取する
妊娠中は、水分やミネラルを積極的に摂取すると、こむら返りの予防に効果的です。妊婦さんは、非妊娠時よりも血液量が増えるため、多くの水分が必要です。
しかし、頻尿対策で水分補給を控えたり、つわりで食事量が減ったりするため、脱水状態になりやすい傾向にあります。水分不足になると血行不良が起こり、こむら返りの要因となるため、こまめな水分補給を心がけると良いでしょう。
また、カルシウムやマグネシウムは筋肉の正常な収縮に欠かせない成分です。カルシウム不足が気になる場合は、乳製品、大豆製品、緑の野菜、海藻類を、マグネシウム不足が気になる場合は、海藻類やナッツ類、ごま、豆類、大豆製品などを積極的に摂取すると良いでしょう。
献立を考える際は、一汁二菜を意識すると自然にバランスが整います。
赤血球の主成分であるヘモグロビンの生成に必要な鉄分も、過不足なく摂取したい栄養素です。貧血に悩む方は、以下の記事をご覧ください。
なお、海藻類はミネラルが豊富な食材ですが、ヨウ素が含まれるため、食べ過ぎには注意が必要です。身近な海藻の摂取目安や注意点は、以下の記事で解説しています。
また、妊娠中は注意したい食べ物がいくつかあり、チーズはその一つです。以下の記事では、チーズの食べられる種類と避けるべき種類を詳しく解説しています。
軽い運動を継続して行う
軽い運動は、足の血行を改善して酸素や栄養素の供給を促すことで、こむら返りを予防できます。しかし、急に激しい運動をすると筋肉に疲労がたまり、かえってこむら返りを引き起しやすくなるため、軽いストレッチやウォーキングなどを毎日継続して行うことが理想的です。
運動習慣は、妊婦さんの健康維持や体重管理にも役立ちます。「【2022年版・医師監修】妊婦の体重増加の目安とは?体重管理に役立つ運動や食事も紹介」の記事では、体重管理のポイントを詳しく解説しています。
また、妊娠中でも無理なく行える運動を知りたい方は、「妊婦さんにおすすめの運動は?室内でできる運動も紹介【医師監修】」もご覧ください。
レッグウォーマーや弾性ストッキングを着用する
妊娠中のこむら返りは、レッグウォーマーや弾性ストッキングを着用すると予防できる可能性があります。
妊娠中は、特に下半身の血行が悪くなりやすく、筋肉のけいれんを引き起こす大きな要因となります。入浴や軽い運動で体が温まったあとにレッグウォーマーを着用すると、足を冷えから守り血行不良によるこむら返りを防げるでしょう。
また、弾性ストッキングは、ふくらはぎの筋肉をサポートし、筋肉の緊張を和らげられることがメリットです。また、適度な圧力を与えることで血液の循環を促進する効果もあり、冷えやむくみの改善にも効果が期待できます。
むくみが悪化すると、「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」と呼ばれる足の静脈がコブのように浮き出る病気を引き起こすことがあるため注意が必要です。むくみやすい体質の方は、弾性ストッキングを取り入れると良いでしょう。
入浴中・寝る前に足をマッサージする
足のマッサージをして血流を促進することは、こむら返りの予防になります。こむら返りは、夜間に起きることが多いため、就寝前にケアすると効果的です。
たとえば、入浴中や寝る前の布団の上でふくらはぎを揉んだり伸ばしたりします。お腹が大きくなり、足のマッサージが難しい場合は、家庭用のフットマッサージ機を使うのも選択肢の一つです。
また、寝るときは、足の下にクッションやタオルを置いて心臓より高い位置にすると血行の改善につながります。この体制は、むくみ予防としても効果的です。
妊娠後期はむくみに悩む妊婦さんが多くいます。ひどいむくみが続く場合は病気が隠れている可能性があるため、気になる症状がある方は以下の記事も併せてご覧ください。
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妊娠中のこむら返りは、主にミネラルバランスの乱れや筋肉疲労、血行不良により引き起こされます。こむら返りが生じた際は、ゆっくりと筋肉を伸ばしけいれんを和らげると痛みが落ち着くでしょう。
また、予防のために、ミネラルを多く含む食材を摂取したり、適度な運動やマッサージをしたりすることもポイントです。弾性ストッキングやフットマッサージ器なども使って体を労わりつつ、快適なマタニティライフを満喫してください。
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