医師監修|妊婦は昆布を食べてもいい?食べる際の注意点も解説!
2023/9/8
妊婦が昆布を食べる際の注意点を医師監修のもと解説します。昆布は栄養成分が豊富で、ヨウ素が含まれているため妊娠中に食べたい食材の1つです。しかし、食べ過ぎないことなどの注意が必要です。
昆布はママと赤ちゃんに必要な“ヨウ素”という栄養素を豊富に含んでいます。一方で、妊娠中は食べ方に注意が必要です。というのも、ヨウ素は毎日過剰に摂取すると赤ちゃんに影響を与える可能性があるからです。今回は昆布に含まれるヨウ素の働きや、必要な量、食べ方の工夫点などをお伝えします。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
妊婦は昆布を食べてもいい?
結論から言うと、妊婦さんは昆布を食べても構いません。妊娠中は昆布に含まれているヨウ素を十分に摂取する必要があり、非妊娠時よりも多く摂取することが求められています。
万一、妊娠中にヨウ素が長期間不足した場合、ヨウ素欠乏症により流産や死産、胎児の先天性異常、先天性甲状腺機能低下症などを招く可能性があります。
ただし、ヨウ素のとりすぎもNGです。胎児の甲状腺機能を低下させる可能性があるからです。通常食べる量なら心配いりませんが、昆布の過剰摂取を毎日続ける生活を長期間続けるのは避けてください。そもそも日本人の食生活的に、通常の食事をしていればヨウ素が不足することは少ないので、意識して昆布を食べる必要はないでしょう。
これは昆布に限った話ではありませんが、妊娠中は偏った食生活を避け、バランスの取れた食事をするようにしてくださいね。
妊娠中に昆布はどれくらい食べてもいい?
「日本人の食事摂取基準」(2020年版)*によれば、妊娠中に必要なヨウ素は、18歳以上の女性の場合130µg/日です。妊婦さんの場合はさらに110µg/日プラスする必要があるため、合計で240µg/日となります。
昆布に換算するとわずか0.1gほどで妊娠中に必要なヨウ素が摂取できます。カットわかめ(乾燥)の場合は2.4g、焼き海苔は11.5gで1日の推奨量が摂取できることから、昆布に含まれるヨウ素の多さが分かりますね。
なお、非妊娠時はヨウ素の耐容上限量が3,000µg(3mg)であるのに対し、妊娠中の耐用上限量は2,000µg(2mg)と少なく設定されています。妊娠中にヨウ素を過剰摂取すると、新陳代謝に関係している甲状腺ホルモンの機能が低下し、赤ちゃんの体の成長や精神発達遅滞などの原因になるからです。
ヨウ素は昆布や海藻類だけでなく、昆布だし(エキス)やサプリメントなどにも含まれるため、総量が多くならないよう気にしたいところです。詳しくは次の「妊婦が昆布を食べるときのアドバイス」で解説します。
※出典:厚生労働省ホームページ「「日本人の食事摂取基準」(2020年版)」
妊婦が昆布を食べるときのアドバイス
妊婦さんの中には昆布が好きな方もいるでしょう。妊娠期間中ずっと控えるのは難しいですよね。そこで昆布を食べるときに工夫するといいポイントをお伝えします。
そのまま大量に食べるのは避け、食べ方を工夫しよう
昆布をそのまま食べると、あっという間に1日の耐容上限量を超えてしまいます。0.1gほどで推奨量が摂取できるので、妊娠中は直接昆布を食べるのは避けて、だしとして使うことをおすすめします。なお、おしゃぶり昆布やおやつ昆布などの場合、1パック食べると耐容上限量を大きく超えてしまいます。体重増加を気にする妊婦さんにとって、うってつけのおやつに思えますが、毎日食べるのは控えましょう。
また、昆布だしを100ml摂取した場合も耐容上限量を超えてしまうため、かつおだしをブレンドするか、いりこやしいたけだしに置き換えるのもおすすめです。かつお節やいりこにも多少のヨウ素は含まれますが、昆布と比較すると非常に少ないので安心して摂取できます。
また、ヨウ素を多く含む食品を摂取する際は、一緒に大豆食品を摂取するとよいでしょう。大豆にはヨウ素の過剰摂取による悪い影響を防ぐ働きがあると言われています。
昆布エキスが含まれる加工食品に注意
とろろ昆布や切り昆布など昆布そのものだけでなく、調味料や加工食品にも昆布エキスは含まれています。めんつゆや納豆のタレ、インスタントラーメンなどにも含まれることがあるので、一度パッケージの表示を確認してから購入すると安心です。
ほかの海藻類や魚介類にもヨウ素が含まれる場合がありますが、いずれも昆布よりも少ないため、過剰に心配する必要はありません。
妊娠中の納豆に関する情報が知りたい方は「妊婦は納豆を食べていい?量・食べ方の注意点を解説│医師監修」をご覧ください。
サプリメントに含まれるヨウ素の含有量を確認する
ヨウ素は食材だけでなく、サプリメントにも含まれています。パッケージにヨウ素含有と表記されていなくても「ヨウ化カリウム」「ヨウ化ナトリウム」と表示があるものにはヨウ素が含まれています。マルチビタミン・ミネラルのサプリメントにはほとんどヨウ素が含まれているため、日ごろから摂取している方はヨウ素を含まないものに切り替えることをおすすめします。
昆布以外のヨウ素を含む食品は?
昆布以外にもヨウ素を含む食品があるので、紹介します。
・海藻類
海苔、わかめ、めかぶ、もずく、ひじき、寒天など
・魚介類
タラ、ししゃも、たらこ、牡蠣、アサリなど
・その他
ヨード卵、レバー、ホルモンなど
海の食材にヨウ素が多く含まれますが、実は肉や卵などにも含まれています。特にヨ―ド卵はヨウ素(ヨード)が強化されているので、通常の鶏卵を選ぶようにしましょう。
ヨウ素を含む食品として上記のものを紹介しましたが、昆布が飛び抜けてヨウ素を多く含むだけで、それ以外は神経質になる必要はありません。むしろ控えることで妊娠中の栄養バランスが崩れるおそれがあるので、食べ過ぎには注意しつつ、いろいろな食品を食べるようにしてくださいね。
妊娠中は注意が必要な食品が多い
ヨウ素以外にも妊娠中は注意すべき食品が多くあります。いろいろと気にしなければならないことが多く大変かもしれませんが、頭の片隅に置いておいておくと健やかな妊娠期間を送る一助になるはずです。
おすすめの食べ物については「妊婦におすすめの食べ物!NG食材&妊娠中の食生活の注意点も│専門家監修」をご覧ください。
反対に食べるのを控えたいものについては「妊婦が食べてはいけないもの一覧!摂取量&注意点も│管理栄養士監修」に詳しい情報が載っていますので、ぜひ目を通してください。
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昆布に含まれるヨウ素は胎児の健やかな成長に欠かせませんが、ごく少量で1日の推奨量を超えてしまいます。あまり食べていないつもりでもヨウ素の摂りすぎとなる可能性があるため、妊娠中は昆布の摂取量に注意してくださいね。ただし、1日くらい昆布を摂りすぎたとしてもすぐに胎児に悪影響を及ぼすわけではありません。毎日過剰摂取をしなければよいので、この記事を参考にしながらヨウ素の摂取量を気にしてみてください。
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