「妊娠中に大好きないくらを食べたいけれど大丈夫かな……」と心配をする妊婦さんもいるでしょう。そこで、妊婦さんはいくらを食べていいのか、ダメなのかにくわえて、食べたときの対処法についてもご紹介します。

妊娠中のいくらは避けるべき！食べない方がいい理由は？

結論から言うと、妊娠中にいくらを食べるのは、避けるべきです。いくらは鮭やマスの卵を塩や調味液に漬けたもので、すじこやたらこ、数の子、キャビアなどの魚卵の仲間です。妊娠中にいくらを食べると妊婦さんだけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも害が及ぶ可能性があります。いくらを食べないほうがいい理由について詳しく見てみましょう。

リステリア菌の感染リスクがある

リステリア菌は乳製品、食肉加工品や魚介類加工品などから検出される食中毒菌の一種です。一般成人は感染しても気づかず自然治癒するケースが多いのですが、免疫機能が低下しやすい妊婦さんは感染しやすく重症化する場合があり、海外では死亡例も確認されています。また、胎盤や胎児へ感染し、流産や生まれた赤ちゃんに影響が出る事例もあります。

リステリア菌は加熱により死滅しますが、４℃以下の低温や、12％食塩濃度下でも増殖できる点が特徴です。そのため、一般的には食中毒が起きそうもないと考えられている、冷蔵庫で保存した塩蔵品からもリステリア菌が検出されています。具体的には、ナチュラルチーズ、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンや魚卵などの魚介類加工品は、妊娠中は避けるようにしましょう。

アニサキスの感染リスクがある

アニサキスとは寄生虫の一種で、感染するとみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。鮭やアジ、イカなどの魚介類の内臓や筋肉に寄生するため、鮭の卵であるいくらには加工の過程でアニサキスが付着する可能性があります。

アニサキスは長さ２～３cm、幅は0.5～１mmくらいで、白色の少し太い糸のような姿のため、目で確認して取り除くこともできます。アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍するか、70℃以上、または60℃なら１分の加熱で死滅するので、妊娠中の魚介類の生食は避け、加熱して食べるようにしましょう。

ビタミンAの過剰摂取

ビタミンAは妊娠後期から多めにとるよう勧められている栄養素の1つではありますが、とり過ぎると、頭痛や吐き気、おなかの中の赤ちゃんの形態的な異常が増えるとの報告があります。

ビタミンAを多く含む食品は、いくら以外ではレバーやうなぎなどがありますが、毎日大量に食べ続けなければ、ビタミンAをとり過ぎる心配はありません。それよりも、サプリメントや健康食品などの特定の栄養素を強化した加工食品を容量以上にとったり、重ねてとったりすると過剰摂取になりやすいので注意が必要です。

塩分の過剰摂取

妊娠中は血液量が増えたり、ホルモンバランスが変化したりする影響で、むくみやすくなります。むくみは多くの妊婦さんが経験する生理的なものといえますが、脚がパンパンになる、重だるくなるなど不快な症状があらわれるので、できるだけ軽くしたいですよね。

基本的な対策は塩分を控えめにすることです。妊娠中の塩分摂取の目標量は6.5g未満ですが、いくらは100gに含まれる塩分が2.3gと、高塩分食品といえるので、むくみやすい妊娠中は控えたほうがいいでしょう。

加熱や加工されているいくらは妊娠中に食べても大丈夫？

いくらも十分に加熱すればリステリア菌やアニサキスの感染リスクは少なくなるので、大量でなければ妊娠中でも安心して食べられます。しかし、いくらは加熱すると見た目や触感が変わるので、イメージ通りの「いくらを食べた」感じにはならないかもしれません。

また、市販のおにぎりやお惣菜などにも加工されているいくらが使われている場合がありますが、加工品は調理過程をすべて把握することが難しく、非加熱の可能性もあるので、妊娠中は避けるのが無難です。

妊娠中にいくらを食べてしまったらどうすればいい？

妊娠中、知らずにいくらや生の魚介類を食べてしまうこともあるでしょう。いくらを食べたからといって必ずしも食中毒になり、妊婦さんやお腹の中の赤ちゃんに害が及ぶというわけではないので、慌てなくても大丈夫です。

いくらを食べた後の体調を観察して、下痢や嘔吐など、特に気になる症状が出なければ、心配し過ぎる必要はありません。その後の食生活で生ものを避けるように気をつけるようにしましょう。もし、不安が残るようであれば、遠慮せずに主治医や助産師に相談をして、穏やかな気持ちで妊娠期を過ごせるようにしてくださいね。

いくら以外で妊娠中に注意する必要がある食べ物

妊娠中は妊婦さんの健康にくわえて、お腹の中にいる赤ちゃんの発育に良くない影響を与える食べ物や飲み物があるので注意が必要です。妊娠中は食中毒のリスクが高まるため、いくら以外の刺身や魚卵などの生の魚介類や、生卵、鶏さしなどの生肉は食べないようにしましょう。とくに、妊娠中の魚介類との付き合い方を詳しく知りたい場合は、「妊婦が安心して食べられる寿司ネタは？炙り寿司は？│管理栄養士監修 」や「【医師監修】妊婦さんはお刺身を控えるべき？食中毒の予防法を解説！ 」を参考にしてください。

また、いくら同様に人気の牡蠣については「妊婦は牡蠣を食べてもいい？生牡蠣を食べた時の対応＆食べ方の注意点 」で詳しく解説しています。

また、コーヒーや茶、ココアなどに含まれるカフェインや、レバーやうなぎに多く含まれるビタミンAは多くとり過ぎると、妊婦さんとお腹の中の赤ちゃんに健康被害が及ぶ場合があります。適量を知り、バランスよく食事や休憩時間を楽しみましょう。特に、妊娠時期とうなぎの食べ方との関係は「妊婦は鰻を控えるべき？いつから・どれ位の量がNG？│管理栄養士監修 」で詳しく解説しています。

妊娠中は食生活を見直し、整えるいいチャンスでもあります。医師や助産師、管理栄養士のアドバイスをもとに、健康的な食生活を心がけましょう。妊娠中に気をつけたい食生活の詳細は「妊婦が食べてはいけないもの一覧！摂取量＆注意点も│管理栄養士監修 」にまとめてあります。

子育てに役立つサンプルボックスを毎月プレゼント中！無料の楽天ママ割に登録を♪

妊娠中は十分加熱をしない限りは、いくらを食べるのは控えたほうがいいでしょう。いくらが大好きな妊婦さんは「食べたい！」と思うシーンもあると思いますが、食中毒などのリスクがあり、お腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。妊娠中は人生の中でもごく限られた大切な時間です。妊婦さんと赤ちゃんの健康を第一に考えて、食べるものを選んでくださいね。

また、妊娠中の方やお子さんがいるママ・パパには、楽天ママ割への登録がおすすめです。
楽天ママ割では、選べるサンプル商品が抽選であたるキャンペーンや、楽天サービスで使えるお得なクーポンを配布しています。
登録は無料ですので、ぜひお気軽に楽天ママ割をチェックしてみてくださいね！