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シムス位とは?妊娠中楽な寝方と向き・抱き枕を解説!助産師監修

妊娠

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2023/9/1

シムス位とは、左側を下にしたうつ伏せに近い寝姿勢のことです。シムス位をとるとお腹や腰への負担を軽減し、妊娠中もリラックスした状態で寝ることができます。助産師監修のもと、シムス位のとり方や、シムス位の補助になるおすすめの抱き枕まで詳しく解説します。

赤ちゃんが成長しお腹が大きくなってくると、なかなか寝付けない、楽な姿勢が分からないというママは多くいます。妊婦さんが楽になる姿勢とされる「シムス位」ですが、「どのような体勢をとれば良いの?これであっている?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ここでは、簡単に実践できる「シムス位」の方法やコツ、注意点についてお伝えします。一緒に使うとさらに楽になる抱き枕やクッションについてもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

シムス位(シムスの体位)とは?どんな体勢?

シムス位とは、左側を下にしたうつ伏せに近い寝姿勢のこと。左向きに寝る姿勢は、子宮の後ろにある大きな血管の血流を妨げないので、息苦しさなどが起きにくくなります。そのため、シムス位はつわりや妊娠による体型の変化がある妊婦さんにとって、楽な寝方とされています。

シムス位は妊娠初期~後期までおすすめの寝方

「シムス位はお腹が大きくなってから」という情報もありますが、妊娠中、どの時期でも比較的楽に過ごせる姿勢です。妊娠中期~後期は、お腹が大きく重くなり、赤ちゃんの胎動が激しくなるため、上向きで寝ると苦しくなることが多くなります。その際、シムス位を用いればリラックスして寝やすくなります。

また、シムス位はつわりが起きる妊娠初期にもおすすめです。つわりの症状である胃部の不快感や身体のだるさがあるときなどにシムス位で寝ると、不調が和らいで休めることがあります。

産後のお腹や腰への負担も和らげてくれるので、赤ちゃんを産んだ後にもおすすめの姿勢です。

シムス位が妊婦さんにおすすめな理由

シムス位をとるメリットには

・胃腸の負担を軽減できる
・お腹の重さを感じにくく、腰痛予防になる
・仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群の予防になる

の3つがあります。それぞれのメリットについて詳しく説明します。

胃腸の負担が軽くなり、リラックスできる

身体の左側を下にした寝姿勢をとると、胃の特性上、胃酸が食道に逆流しにくくなります。そのため、吐きづわりや胸焼けがする方は、シムス位を試してみるとよいでしょう。胃腸の負担が軽くなり、リラックスしやすくなります。
ただし、食後すぐに横になると、シムス位でも胃酸が逆流しやすくなるので、なるべく食後2時間程度は横になるのを避けた方がよいでしょう。

出典:日本消化器病理学会ガイドライン「胃食道逆流症(GERD)ガイドQ&A」

おなかの重さを感じにくい

お腹が大きくなると、自然に腰を反らせた姿勢になりやすいため、起きているときだけではなく、寝ているときも「腰が痛い」「腰がつらい」と感じる方が増えてきます。

シムス位は、ややうつ伏せの姿勢なので、お腹を布団に預けることができます。そのため、お腹の重さを感じにくくなり、腰にかかる負担が軽減するため、腰痛緩和が期待できるのです。また、抱き枕など長めのクッションを使用すると、さらにお腹の重さを分散できます。お腹が大きくなり、今までの寝方ではつらくなってきた方や、腰痛を感じている方にはおすすめの寝姿勢です。

仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群の予防につながる

妊娠中期・後期に仰向けの姿勢で寝てしまうと、大きくなった子宮が下大静脈という大きい血管を圧迫し 、「仰臥位低血圧症候群」を引き起こす可能性があります。低血圧になると、全身の血流が悪くなるため頻脈や冷や汗、嘔吐、顔面蒼白などの症状が現れます。

左側を向いて寝るシムス位は、この下大静脈の圧迫を防ぎ、血液が循環しやすくなるため、仰臥位低血圧症候群を防ぐことができるのです。
寝ている間に仰向けになってしまうこともありますが、気付いたタイミングで横向きになるように心がけましょう。

シムス位のとり方

シムス位は誰でもできる簡単な姿勢です。次の手順で行ってみましょう。

1.身体の左側を下にして横向きに寝る
2.下になっている左足を楽な位置まで伸ばす
3.上になっている右足の付け根と膝を曲げて、左足よりも前に出してややうつ伏せ気味になる
4.下の左手は楽に伸ばし、上になっている右手は肘を曲げて楽な位置に置く
5.手足や身体を心地よい位置に調整して身体を安定させる

クッション・抱き枕の使用がおすすめ!

シムス位は道具を使わなくてもできる姿勢ですが、クッションなどを使用すると、より安定感が得られやすくなります。
クッションや抱き枕を使うときのコツを紹介します。

・足の間に挟むと楽な姿勢がとりやすい
・上にある足を置いたときに楽な高さのものを選ぶ
・長さのある抱き枕を選ぶと、上半身が安定しお腹をサポートしやすい
・お腹と床のすき間を埋めるようにすると、お腹がさらに楽になる
・大きさや厚みの違うクッションを使い分けることで、より楽な姿勢を探しやすい

クッションと抱き枕、どちらを使用しても構いません。両方使っている方もいます。クッションを用いる際は、大小・数個使うことでより楽な姿勢を見つけることができます。抱き枕は、それ一つで楽な姿勢をとることができるため便利です。

シムス位がとりやすくなる!タイプ別おすすめ抱き枕・クッション4選

シムス位が安定しない場合は、クッションや抱き枕などを利用しましょう。自然にシムス位がとれるようなデザインになっている「シムス位枕」を選ぶのもおすすめです。

また、クッションや抱き枕を選ぶ際は、妊娠中から産後まで長く使用できるかもチェックしたいポイントです。妊娠中は抱き枕として、産後は授乳クッションや赤ちゃんのお座りサポートクッションとして使用できるものだと、長く活用できます。

加えて、汗などで汚れてもいいように、シーツだけではなく本体も丸洗いできるものを選ぶと安心でしょう。さらに、熱がこもって使い心地が悪くならないよう、通気性のいいものがおすすめです。

ここからは、妊婦さんにおすすめの抱き枕4選を紹介します。

三日月型:妊婦さんのための抱き枕

三日月型の抱き枕は、頭から足先まで安定しやすいのが特徴です。おなかをサポートするための膨らみがついているなど、楽にシムス位がとれるデザインになっています。先端まで厚みがある商品を選ぶと、頭を乗せたり、足を乗せたりするときに安定感があるのでおすすめです。

産後は抱き枕の端をボタンで留めれば、授乳枕に早変わり。そのほかに赤ちゃんのお座りサポートとなどさまざまな用途で活躍します。シムス位をとるためだけに抱き枕を買うのはもったいないと思う方は、産後も長く使用できる商品を選ぶといいでしょう。

U字型:抱き枕 U字クッション

U字型の抱き枕は、背中や腰をしっかり支えてくれるのが特徴です。カーブ部分が枕になり、頭を楽なところで支えてくれます。横向きになると、ほどよいアーチクッションが身体に密着し、全体が包み込まれるような気持ちよさを体感できるでしょう。

産後も、授乳クッションや足枕、背当てクッションなど、さまざまな使い方ができるのもポイントです。

S字型:抱き枕 イブル

S字型の抱き枕は、自然と身体にフィットする形になっているので、無理なく抱きかかえられるのが特徴です。ロングタイプだと、高身長の方が使用できるだけではなく、その時々で変わる足の置き方や、姿勢も楽にサポートしてくれます。

C字型:抱き枕 妊婦 C字

C字型の抱き枕は、は足元のフィット感が最大の特徴です。
クッションを足元にしっかり挟み込み、C字のカーブを自分の好きな部分に持ってくることで、背中や全身をほどよく包み支えてくれます。
産後は、授乳クッションとしてだけではなく、丸めて背もたれクッションや普通のクッションとしても使用することができます。

妊娠中に「シムス位」やその他の体勢を取る際の注意点

妊婦さんがシムス位をとる場合に気を付けておきたいことや、その他の体勢を取る際に注意したいポイントについて説明します。

シムス位にこだわらず、自分が心地よい寝方でOK!

妊婦さんによって寝心地のよい姿勢は異なります。また、妊娠週数によってもシムス位がしっくりこない、リラックスできないという場合があるでしょう。姿勢を維持することがつらい場合は、無理にシムス位で寝る必要はありません。

赤ちゃんの位置などによっては、右側を下にした方が楽な方もいます。右を下にして寝る場合も、クッションや抱き枕を使って楽な姿勢で過ごしましょう。上半身を少し起こした姿勢(ファーラー位)でも大丈夫です。

お腹があまり目立たない妊娠初期には、うつ伏せが楽という方もいます。そのまま様子をみて大丈夫ですが、お腹が大きくなってくると自然とうつ伏せ以外の姿勢の方が楽になってくるでしょう。大切なことは、今の自分に合った寝姿勢を整え安眠を心掛けることです。

仰向けで寝る場合は「足を曲げる」「足先にクッションを入れる」等の工夫を!

仰向けが一番楽な姿勢だという場合は、「足を曲げる」「足先にクッションをいれて足を少し高くする」姿勢をとりましょう。また、腰がつらくなければ折りたたんだバスタオルを右腰に入れてみてください。下大静脈の圧迫を予防する効果が期待でき、仰臥位低血圧症候群を防ぎます。

どの姿勢でも長時間同じ姿勢をとるのはNG!

楽な姿勢、妊婦さんにとっていい姿勢だからといって、長時間同じ姿勢のままでいることはよくありません。身体の一部に負担がかかり、血行不良などを起こすことを避けるためにも、適度に寝返りをすることも大切です。

しかし、仰向けなどの姿勢で冷や汗が出る、苦しい、といった場合は、速やかに体の左側を下にして横を向いていきましょう。

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お腹が大きくなってくると、寝苦しいことが多くなってきます。少しでも妊娠期間中リラックスして休むことできるように、今回ご紹介したシムス位や抱き枕などを使ってさまざまな姿勢を試してみてください。自分に合った姿勢を見つけにくいときは、ご主人や家族などのサポートをもらいながら、クッションをいれる位置を一緒に模索するなどして安眠できる姿勢をみつけてくださいね。

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<この記事の監修者>

バースコンサルタント・助産師
古市菜緒さん

助産師としてこれまで10,000件以上の出産に携わり、5,000人以上の方を対象に産前・産後セミナー等の講師を務める。助産師のレベルが世界的に高い、オーストラリアとニュージーランドで数年生活。帰国後バースコンサルタントを起ち上げ、現在は主に高齢出産の対象である35歳以上の女性にむけた「妊娠・出産・育児」をサポートする活動を行う。その他、関連記事の執筆・監修、オンラインサミットやセミナー講師などを務める。

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