医師監修|妊婦は温泉卵を食べても大丈夫?注意点やリスクを解説
2023/6/13
妊娠中生卵は食べてはいけませんが、温泉卵はどうなのでしょうか?基本的に、黄身までしっかり加熱されている卵なら食べても問題ないとされていますが、温泉卵を食べる際には注意しなければならない点があります。この記事では温泉卵を食べる際のリスクや注意点を解説していきます。

「妊娠中は生卵NG!」というのは知っている方が多いはず。しかし「温泉卵」の場合は、はっきりと答えられない方もいるのではないでしょうか。生卵と違い、加熱されているので食べてもよいのかどうか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、妊婦が温泉卵を食べても問題ないのか、作るときには何に気をつけたら良いのかなどについて解説します。
この記事の監修者

コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
妊婦さんは温泉卵を食べてもいい?
結論から言うと、加熱済みの温泉卵なら、妊婦さんが食べてもほとんど問題ありません。基本的に卵は60度で15分加熱することで、サルモネラ菌が死滅するからです。
温泉卵は作り方にもよりますが、65~70度で15~18分ほど茹でなければなりません。つまり、一般的なレシピで温泉卵を作ればサルモネラ菌はしっかりと殺菌できるのです。

なお、そもそもなぜサルモネラ菌に気を付けなければならないかというと、妊娠中は免疫力が下がっているため、普段なら問題ない量のサルモネラ菌でも、感染して食中毒を起こす危険性があるからです。生の卵にはサルモネラ菌がいる可能性があるため、妊娠中は生卵を避ける必要があります。
妊娠中に生卵を食べるリスクについては、「妊婦さんは生卵を食べちゃダメ?生卵に潜むリスクや食べる際の注意点とは【産婦人科医監修】」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
市販の温泉卵や半熟卵は食べても大丈夫?
市販の温泉卵や半熟卵には、しっかりと加熱されていないものが含まれている可能性があるため、避けるのが無難です。
妊娠中は免疫力が低下しているので、市販の温泉卵や半熟卵のように、少しでも感染症のリスクがあるものは控えるようにしましょう。どうして温泉卵を食べたい場合は、生卵や半熟卵は避け、しっかり火を通した自作の温泉卵を食べるようにしてください。
妊婦さんが温泉卵を食べる際のリスクは?
前述のとおり、しっかりと加熱されている温泉卵なら妊娠中に食べても問題ないですが、半熟と混同する可能性があるため、リスクがゼロというわけではありません。
ここでは、加熱が足りない温泉卵を食べてしまった場合のリスクについて解説します。
サルモネラ菌に感染する
生の卵はサルモネラ菌に感染している恐れがあります。しかし、日本においてその確率は非常に低く、食品安全委員会で実施された研究では、「全国から集めた約10万個の卵でサルモネラ菌に汚染されていたのは3検体」*といわれています。
しかし、リスクがゼロではない以上、免疫力が下がっている妊娠中に生の卵を食べることは控えましょう。
また、外国では日本よりもサルモネラ菌に感染した卵が多いことから、生食せずに必ず火を通すようにしているところがほとんどです。
現在海外に在住する方、また旅行などで海外を訪れる方は、卵が十分に加熱されているか特に気を付けるようにしましょう。
出典:内閣府食品安全委員会e-マガジン 「生活の中の食品安全 -安心して生卵を食べられる国-」
妊婦さんがサルモネラ菌に感染するとどうなる?
万が一サルモネラ菌に感染してしまうと、下痢や嘔吐、腹痛や発熱などの症状が出ます。嘔吐や下痢によって脱水症状を起こすこともあります。トキソプラズマ症やリステリア菌とは違い、感染しても胎児に影響が直接出ることはありませんが、激しい下痢を繰り返すと子宮が収縮し、早産や流産につながる可能性があるので要注意です。
もしも火が通っていない卵を食べた後に下痢や嘔吐、腹痛などの症状が出たら、かならずかかりつけ医に相談しましょう。なお、下痢止めを使用すると菌の排出を遅らせることになり、症状が長引くことがありますので、自己判断で下痢止めを服用するのは避けてください。
サルモネラ菌以外に気をつけるべき感染症は?
生卵から感染することのあるサルモネラ菌以外にも、妊婦さんが気をつけるべき感染症がいくつかあります。よく知られているのがトキソプラズマ症とリステリア菌です。なお、生卵からトキソプラズマ症やリステリア菌に感染することはほぼありません。
トキソプラズマ症は火が十分に通っていない肉や野菜から感染します。妊婦さんがトキソプラズマ症を発症すると、胎盤を通して赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症を発症することがあるので注意しましょう。目や脳、肝機能に障害が出たり、時には死産を引き起こしたりすることがあります。

同様に、妊婦さんはリステリア菌にも注意しなければなりません。WHOの文献によると、妊娠している方はそうでない方より20倍もリステリア菌に感染しやすいとされています。リステリア菌はナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンなどが感染源となります。トキソプラズマ症と同じく流産や死産の原因となるため、妊娠中はこれらの食品は控えるようにしましょう。
温泉卵を作る際の注意点
ここでは、自分で温泉卵を作る際の注意点について解説します。
サルモネラ菌の感染やその他の食中毒を防ぐため、次に紹介する3つの注意点はしっかり守るようにしましょう。
買ってきた卵はすぐ冷蔵庫に入れる
卵は常温で売られていることもありますが、自宅で保管する場合は必ず冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫で保管したほうがサルモネラ菌の繁殖を防ぐことができるためです。なるべく早めに冷蔵庫に入れることで、食中毒の危険性を減らせます。
サルモネラ菌は卵の殻に付着していることが多いので、卵を触った場合は手洗いをすることも忘れずに。ただし、卵を出荷する段階で殻の洗浄がきちんと行われているため、神経質になりすぎる必要はありません。

ひびが入っている卵は使わない
殻にひびが入っている卵は、サルモネラ菌の混入や、劣化の確率が高くなります。調理前に殻を確認して、ひびが入っている卵は使わないようにしましょう。
しっかり加熱する
温泉卵を作るときにもっとも大切なのが、きちんと加熱を行うことです。半熟の状態だとサルモネラ菌が死滅していない可能性があります。サルモネラ菌の感染を防ぐためには、60度以上で15分加熱しましょう。
温泉卵のレシピの多くはこの条件を満たしているため、温度管理をしっかり行いきちんと加熱をすれば、妊婦さんでも食べられる温泉卵を作ることができます。
後で「きちんと60度以上で加熱できていたかな?」と不安にならないようにするためにも、温度計で温度を確認しながら作るのをおすすめします。60度で15分加熱すれば、固めのゆで卵のように黄身がしっかり固まっていなくても、サルモネラ菌は殺菌されているので安心してください。
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生卵はサルモネラ菌に感染する可能性があるので妊娠中はNGですが、温泉卵は妊婦さんが食べても問題ありません。ただし、60度で15分以上加熱した温泉卵を食べるようにしてください。
市販の温泉卵は加熱が行き届いていないものもあるため、食べる際は自分でしっかり温度管理を行いながら作ったほうが安心でしょう。
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