2022/7/14更新
認証機関に認められた農地で殺虫剤、化学肥料、除草剤、遺伝子組み換え種子や発芽促進剤などを使用せずに、オーガニック農産物等の生産方法の基準に従って、2 ~ 3 年以上農産物の生産を実践して作られた綿花から取れる繊維のことをいいます。
ただ、実際にオーガニックコットンを原材料に使っていても、紡績、染色などの製造工程で化学染料や化学薬剤を使った処理がなされた製品が多いという問題をはらんでいることも。つまり、オーガニックコットンを使用している製品だから安心して使えるものである、というわけではないのです。また、オーガニックコットンとコットンを混ぜて作られた製品もあるので、その点についてもきちんと確認をするようにするといいでしょう。
また「オーガニックコットンを広めていきたい」という意識が高い販売店、メーカー、ブランドはトレーサビリティーを意識しているところもあるので、誠実なスタンスを貫いているところで買い物をするのがおすすめです。原材料や製造工程について自分で調べてみて分からないことがあったら、購入を決める前にまずは問い合わせてみましょう。そうすることで、販売する側の意識もまたよりよいものに変わっていくはずです。消費活動を行う際に生産背景を「知ろうとする」アクションはとても重要なことだと思います。
私が代表取締役を務める会社が手がける「メイド・イン・アース」というブランドのオーガニックコットンは、製造工程で使用する材料に関しても、化学的な加工を施さないものづくりにこだわることを大切にしています。
例えば、糸を織ったり、編んだりするときに生じる糸の毛羽立ちをきれいにするために、合成のワックスではなく、天然由来のミツロウワックスを使用するなど。また、染色するときは草木染めを採用しています。実際に製品になったときに安心して使っていただけるように化学物質に触れる機会を極力減らしていくことが、私たちの使命だと考えています。
オーガニックコットンの生産量は世界の原綿生産量のわずか約1%程度と言われています。近年、需要は高まる傾向にあり、生産量が追い付かない状況に。
SDGsの流れもあり、世界中でオーガニックコットンの需要が高まるなか、児童労働や強制労働が取り沙汰されたり、新型コロナの影響による物流の問題が発生したりもしています。輸出入の制限、輸送停止といった大幅な遅延も生じていて、オーガニックコットン原料の調達が世界中で厳しくなってきたことで、市場価格が高騰していくという現象が起こっている現状があります。
「チーム・オースリー」代表取締役、「日本オーガニックコットン協会」理事長
前田 剛さん
1995年に純オーガニックコットン専門ブランド「メイド・イン・アース」を立ち上げる。オーガニックコットン製品の販売のほか、綿栽培や糸紡ぎのワークショップ、出張授業やお話し会なども開催。コットンを軸にエシカル消費やSDGsの学びの場を展開。2019年5月よりNPO法人日本オーガニックコットン協会(JOCA)の理事長に就任。GOTSアドバイザリーカウンシルに。
洋服をはじめ、寝具やタオルなど生活に身近なアイテムにもオーガニックコットンがあります。
・オーガニックコットン商品買いものをする際に覚えておきたい8つのキーワードを中心に、サステナブルな買いものを楽しむガイドとしてご活用いただけるページです。
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