プロジェクトについて
ブドウ栽培からワイン醸造・販売までを自治体がおこなう十勝ワインのまち
池田町は、十勝平野の中央やや東よりに位置している人口約6,700人の小さなまちです。十勝ワインやいきがい焼き(陶器)などのユニークな町営事業をこれまで導入してきました。また、スポーツでも日本で初めてカーリングを導入した町としても知られています。
池田町と言えば十勝ワインが有名です。十勝ワインは昭和38年(1963年)全国で初めての自治体経営ワイナリーとして誕生し、50年以上続く現在では、国内外で高く評価されています。製造所であるブドウ・ブドウ酒研究所は「ワイン城」と呼ばれ、北海道でも主要な観光スポットとして紹介され、全国から多くの観光客が訪れます。ワイン城レストランからの夕焼けは「日本の夕陽100選」選ばれるほどの絶景ですので、訪れていただいた際は見ていただきたい風景です。
町内のほぼすべての飲食店がワインを提供し、食事の席では必ず飲まれるほど町民はワインをこよなく愛しています。また、いけだ牛や十勝産小豆などの食材も全国的に評価が高く、地産地消にこだわるグルメの町からのお礼の品を是非ご覧ください。
池田町のワイン造りの原点
池田町が全国初の自治体経営ワイナリーである十勝ワインを始めたきっかけは、昭和20年代後半に起こった地震や冷害による凶作といった自然災害による財政悪化による赤字再建団体からの脱却のためでした。当時町長の丸谷町長は野山に自生している山ぶどうに着目して発案したのが『ブドウ栽培』でした。しかし、冬には気温がマイナス20度を超える池田町では通常の栽培方法ではブドウが枯死してしまうため、寒冷地ならではのブドウの栽培方法、そして、独自の耐寒性品種の開発が必要でした。
「寒さの厳しい池田町でも秋になれば野山には山ブドウがたわわに実る。山ブドウが育つならブドウ栽培も可能なはず。ブドウ栽培なら未利用の傾斜地も有効利用できる。」そんな丸谷町長の確固たる想いが、不可能を可能にする挑戦を支えてきたのです。
以来50年以上にわたり、ワインを核として池田町は、多くの町民がワインに親しみ、独自のワイン文化を育んできました。
ワイン文化を伝えられる施設によみがえらせる
今回のプロジェクトを検討してきた際に、町民ワークショップを開催し、「あなたにとってのワイン城は?」「どんなワイン城であって欲しいか、したいか」の論議を繰り返してきました。
そして、先進地視察や外部専門家による見解を総合し、5つのコンセプトを明記することとしました。
(1)町民が集うワイン城への回帰
(2)城としての豪華さの再評価
(3)空間的な再定義と連続性、一体性の確保
(4)「もの」づくりと「こと」づくりへの転換
(5)訪問経験の総合的デザイン
ワイン城はその名のとおり城としての格式を保ち、気品と優雅さを併せもった空間を保つことで、非日常性を演出しつつ、城本体とその周辺施設の観光動線をデザインすることで来場者目線での魅力向上を実現していく。また、一般町民にもワインセミナーや勉強会の実施、観光客と町民を繋ぐマルシェなどを開催して「町民のワイン城」となるよう日常利用を促進していく。
その中で、池田町のワイン事業の歴史や町民の思いを踏まえたワイン文化を伝えることで、これまでワインという「もの」をつくる施設から歴史や思いを伝え観光客と町民が交流していく「こと」をつくる施設を目指していきます。
町民が集うワイン城への回帰
ワイン城の魅力化向上改修により、来場者を現在の20万人台前半から、30万人に押し上げ、更に継続的にサービス等の充実を図ることで、30万人を安定的に維持させ、ワインをはじめとする町内特産品の販売増やその他滞留人口増による経済効果を高めていきます。
しかしながら、目指すは経済効果だけではありません。ワインは、世界中で最も愛されているお酒です。だからこそ、日本国内でワインが益々普及していくにあたっては、十勝ワインのような個性・地域性溢れる味わいを伝えていくことが大切だと考えています。
そのためには、ワイン城を「ものづくり」の施設から、これまで池田町民が育んできた池田町のワイン文化といった「ことづくり」を伝える施設へと生まれ変わらせる必要があります。
また、一般町民に対しては「町民が集うワイン城への回帰」を目指し、町民の文化・コミュニティ等の活動を想定した空間を設け、改めて町民に愛され、利用される施設、更に観光客と町民が繋がる施設となり、ワイン城が町民生活に潤いを与え、改めて、ワインのまち・池田町に生まれ、育ち、生活することに誇りが感じられるよう、施設の改修事業に取り組んでいきます。
町民が育んだワイン文化を広めたい!
【ワイン城魅力化整備】
「ものづくり」の施設から「お城で味わうワイン」といった非日常感の演出、プレミアムガイドツアーでは地下熟成室での熟成中のワイン樽や香りを感じながらバーカウンターでの試飲などを通じて、これまで池田町民が育んできた池田町のワイン文化を体感・知ってもらう「ことづくり」の施設を味わうことができる。
◆地下熟成室試飲用バーカウンター設置、ショッピングエリア改修など
【町民の文化・コミュニティ活動エリア整備】
町民活動に利用可能なスペースとしてデザインし、町民向けのワインセミナーや勉強会の実施や観光客向けの試飲スペースとしても活用。ライブラリーではワイン造りの専門書やワイナリー関連の本などを用意し、本を読みながらゆったりできるスペースで時間を過ごすこともできる。
◆セミナースペース改修、廊ミュージアム整備など
【外構整備】
前庭広場に整備するブドウ展示園は、ブドウ畑が広がる景観を演出するだけではなく、そのところどころには、休憩スペースや撮影スペースが確保。ワインや簡単な軽食が堪能できるテーブルや椅子を設置することで、町民の憩いの場としての利用も可能となる。
◆前庭広場(ブドウ展示園)整備など
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北海道池田町では本プロジェクトを応援いただける方に対して、応援を機に池田町に訪れていただき、「町を、ワインを知っていただきたい」と考えております。そして、「皆さんのご支援により生まれ変わるワイン城に、またお越しいただきたい」そんな思いが込められた秘蔵ブランデーやブドウ収穫体験など池田町ならではのお礼の品です。
活動報告
北海道池田町のプロジェクトにご協力いただき誠にありがとうございました!(2019年11月13日更新)
この度は北海道池田町の楽天ふるさと納税クラウドファンディング「町民に愛され共に歩んできた全国初の自治体経営ワイナリーである十勝ワインの「池田ワイン城」を、町民も集える場所として整備したい!」に全国の皆様の熱いご協力の結果無事に達成することができました。この場をお借りして御礼申しげます。
今後はいただきましたお気持ちの方を魅力あるワイン城にリニューアルさせるために大事に活用させていただきたいと考えております。是非生まれ変わったワイン城にご来訪くださいますよう、町民一同お待ち申し上げます!
本当にありがとうございました。
2019年10月6日に秋のワイン祭りが行われ、PRを行いました
皆様からご支援いただきましたワイン城がリニューアルオープンしました!(2020年7月10日更新)
新型コロナウイルス感染拡大の関係から延期となっていましたワイン城のリニューアルオープンが6月20日に決定し、このたび無事オープンしました。これも、楽天ふるさと納税クラウドファンディング「ワインの聖地「ワイン城」再生プロジェクト」及びふるさと納税によるご支援いただいた寄付者皆様のおかげです。
20日のグランドオープンでは、小雨の降る中、オープニングセレモニーを実施。関係者一同でスパークリングワイン「ブルーム白」で乾杯し、ワイン城リニューアルを祝いました。
町民ワークショップでまとめたリニューアル基本方針
ワイン城の南側にはブドウ展示園があります
アトラクションウォール
1階 ショッピングエリア・ブランデー蒸留室
内装を一新し、ショッピングエリアとして、十勝ワインを中心に、池田町や十勝で生産された農畜産物やワイン関連グッズを販売しています。ワインが並ぶ、周長10メートル以上になる陳列棚はまるでワインの見取り図のようです。
また、西側の壁面にピクチャーウィンドウと呼ばれる窓を開けました。日高山脈と前庭のブドウ畑が一望できます。
そして、テイスティングコーナーでは、十勝ワイン製品15種類が味わえます。時には、その日限定の特別のワインが味わえるかもしれません。
ショッピングエリアから窓越しにブランデーの蒸留器と熟成樽を見学することができます。十勝ワインでは、ブランデーの蒸留を昭和39年からはじめ、貴重な30年以上熟成したブランデーも販売しています。
ショッピングエリア
ブランデー蒸留室
2階 ライブラリ・廊ミュージアム
ライブラリは、ワインやブドウに関する図書を備え、ゆったりと座れる席を設けたほか、カウンターでテイスティングのサービスも提供できる施設になりました。
廊ミュージアムでは、最初に許可された試験醸造免許など、十勝ワインの歴史と、寒冷地でのブドウ栽培の苦労を物語る資料を展示しており、1階ショッピングフロアーを見渡すことができます。
ライブラリ
4階 レストラン・フードカウンター
ゆったりとした風景につつまれながら、北海道十勝で育った旬の食材で一品一品丁寧に作った料理と十勝ワインをレストランではお楽しみいただけます。レストランに併設しフードカウンターが新たに設置され、池田町産山幸果汁を使用したソフトクリームやパフェなど各種スイーツを提供しています。
レストラン&カフェ
屋上 展望テラス
改修での大きな変更点はありませんが、西側手すり部分にカウンターを設け、4階で提供する軽飲食品を持ち込んで楽しむことが可能です。以前はエレベーターでしか行くことができませんでしたが、北側の螺旋階段を開放し、アクセスすることができるようになりました。十勝平野の広大な田園風景、日高山脈稜線など雄大な風景がご覧になれます。
屋上テラス
地下1階 廊ミュージアム
地下1階の廊ミュージアムでは、十勝ワインができるまでの工程を示し、ワインの造り方を学ぶパネルが展示され、ガラス越しに地下熟成室を見下ろすことができます。
2F・B1F廊ミュージアム
地下2階 地下熟成室
ワインが静かに眠る熟成室です。約170もの熟成樽が並び貴重なオールドビンテージワインも陳列されています。また、8,000リットルの大樽を解体し、屋根として使用したバーが新たに設置され、独創性のある重厚な雰囲気を醸し出しています。
地下熟成室
倉庫の様子
ワイン城の裏手に併設されているワイン瓶詰め工場