妊婦は便秘になりやすい?つらい便秘の原因や解消方法について解説【助産師監修】
2021/12/13
便秘が長期間続き不安な妊婦さんもいらっしゃるでしょう。この記事では、妊婦さんが便秘になりやすい原因と、食事や運動をはじめとした便秘の解消方法をご紹介。さらに便秘による赤ちゃんへの影響や市販薬の服用の是非についても解説します。
この記事の監修者
助産師・看護師・保育士
河井恵美先生
25年以上、病院、行政、教育関係、海外での医療活動に従事。親御さんへのアドバイスを充実させるため保育士・公認心理師の資格を取り役立てている。現在は、エミリオット助産院を運営。
目次
妊娠中は女性ホルモンの関係で便秘になりやすいと言われています。便秘が続くとお腹が張った状態になり、辛いだけでなく、赤ちゃんへの影響も心配されます。この記事では辛い便秘の原因や解消法などを助産師監修のもとで解説します。
なぜ妊婦は便秘になりやすいの?
妊娠中は、食生活に気を付けていても便秘になりやすいと感じる方も多いでしょう。妊娠中の便秘には、女性ホルモンの働きによるもの、つわり、運動不足、子宮が大きくなることなどが関係しています。ここでは、妊婦さんの便秘の原因を詳しく解説します。
プロゲステロンの分泌が盛んになるため
妊娠中すると女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増加します。このホルモンは、胎盤を作る働きのほかに、消化管のぜんどう運動を抑える働きもあります。
さらにプロゲステロンは胎児の成長に合わせて子宮が大きくなるように、子宮周辺にある消化器官の筋肉を弛緩させる働きも担っています。そのため、便が溜まりやすく排出されにいため、便秘になりやすいのです。
つわりで水分・食事量が減少する
妊娠初期におこりやすいのがつわりです。つわりには、「食べづわり」「眠りづわり」「よだれづわり」などの種類があります。このうち、食べづわりで水分や食事の量が減ると便秘がちになることが多いです。
水分が不足すると便が硬くなり、食事量が減ると便の量は少なくなります。便の量が減ると便意を感じにくくなり、便秘癖がついてしまいます。また、便が硬くなると排便の際にいきんだり、痛みを感じたりして排便が憂鬱になることもあります。これらも便秘を引き起こす原因です。
つわりの症状について詳しくは「妊娠中の「つわり」ってどんな感じ?ピークは?終わり方は?ママの声も」の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
運動不足
妊娠すると日々体調が変化します。つわりやお腹の張り、赤ちゃんを心配して安静に過ごすことが増え、運動量が減りがちです。運動量が減ると、腸の動きが弱まるため便秘になりやすくなるといわれます。
子宮が大きくなること
子宮が増大することによって周りの腸が圧迫されて、腸の働き低下して便秘になることがあります。
辛い便秘の解消方法とは?
便秘が続くと赤ちゃんへの影響も気になりますよね。ここでは、妊娠中に自宅でもできる便秘の解消方法を紹介します。
・こまめな水分補給
まずはこまめに水分補給をして硬くなった便を柔らかくします。食事中や間食中だけでなく、気が付いたときにこまめに水分補給しましょう。また飲み物はカフェインを含まない飲み物がおすすめです。水のほかに、白湯やルイボスティーなど飲みやすいものを摂取し、食物繊維を含む食材を意識して摂ることが大切です。
・適度な運動
体調に合わせてウォーキングやヨガなどの適度な運動を取り入れるのもおすすめです。四つん這いになり、背中を丸めたり反ったりする動きを繰り返すと、内臓の働きを活発にして便秘解消が期待できます。
便秘がひどいときにはつい便秘薬に頼りたくなりますが、便秘薬のなかには妊娠中には飲めない薬品もあります。そのため自己判断はせず、かかりつけ医に相談しましょう。
妊婦さんの便秘解消におすすめの食べ物
妊娠中の便秘は赤ちゃんへの影響を考えると、なるべく薬に頼らずスッキリしたいものです。妊娠中は便秘解消のために意識してお腹にうれしい働きのある食べ物を取り入れてみましょう。
まずは、便秘改善で知られる食物繊維です。以下の食材などに含まれています。
■穀類:玄米、ライムギパン、オートミールなど
■豆類:納豆、いんげん豆など
■海藻類:昆布、わかめなど
■キノコ類:エリンギ、しめじなど
■野菜・芋類:ごぼう(ゆで)、さつまいも(生)、たけのこ(ゆで)など
いずれも調理しやすく、サラダや煮物などに使いやす食材ですので、小鉢に加えてみるのもよいでしょう。
また、腸内環境を整えるために善玉菌を取るものおすすめです。善玉菌を増やす役割として知られるのがオリゴ糖です。善玉菌はヨーグルトなどで手軽に摂ることができます。また、ごぼうや玉ねぎ、いんげんにもオリゴ糖が含まれています。
どうしても出ない場合はどうする?
これまでご紹介した改善方法や腸活を意識した食事を心がけても、どうしてもお通じが悪いときは医師に相談して妊娠中でも飲める薬の処方を受けましょう。
また、便秘になるとお腹に張りを感じたり痛みを伴ったりすることがありますが、激しい痛みや嘔吐の症状があるときは要注意です。すぐに病院を受診しましょう。かかりつけ医または産婦人科で子宮に悪影響のない便秘薬を処方してもらうようにしてください。
便秘による赤ちゃんへの影響は?いきんでも大丈夫?
便秘が長く続くと赤ちゃんへの影響が気になりますが、便秘そのものが赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはありません。
赤ちゃんへの影響が考えられるのは、市販の便秘薬を服用したときです。市販の便秘薬は、子宮を収縮させる成分を含んでいることがあります。そのため、市販薬の使用は避け、医師の処方を受けた薬を服用しましょう。
また、便秘によっていきんでしまうとお腹に力がかかり、切迫流産のリスクが高まります。ひどい便秘が続くときは長時間いきむことをせずに、医師処方の薬で便秘を緩和させることが大切です。
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妊娠中の便秘そのものは赤ちゃんへの影響はありませんが、市販薬や長時間いきむことで子宮に負担をかけてしまうことがあります。妊娠中に便秘で悩んでいるときは無理せず医師に相談して、薬の処方を受けましょう。
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