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2022/12/9更新

みんなのサステナブル vol.5

ヘアメイクアップアーティスト 草場妙子さん

クリエイターや生産者をはじめ、暮らしを楽しむスペシャリストが「楽天市場」の中から選んだサステナブルな日用品や愛用品をエピソードとともに紹介していく連載「みんなのサステナブル」。第5回目のゲストは雑誌、広告を中心に活躍する草場妙子さん。美容のプロフェッショナルである草場さんが考えるサステナブルな未来、ひいては社会課題とは?

ヘアメイクアップアーティスト 草場妙子さんの写真

モデルや俳優、ときに一般の方の魅力を引き出すナチュラルなヘアメイクに定評のある草場さん。雑誌の連載や個人のInstagramなどでは、確かな目で選び抜かれた美容アイテムや使い方を丁寧に紹介していて、「綺麗になりたい」と願う女性たちを導く、コンシェルジュのような存在でもある。熱心な想いを届け続けるモチベーションは、自分に合うメイクやセルフケアを知ることが、ポジティブに生きる原動力になると信じているから、と朗らかな笑みを浮かべながら語る。そんな草場さんがふだん愛用している美容アイテムは、たくさんの製品を試して、本当に良いものだと心から納得したものだけだ。

使っていて、心地よいと感じるものを愛用することの喜び。

「私自身のもの選びは『オーガニックコスメだから選ぶ』という意識がまだそんなにないんです。自分にとって何が大事かをその都度、見極めて吟味するようにしています。例えば、スキンケアに関しては、肌に浸透させたりするものなので、保存料をあまり使っていない製品を選ぶように心がけています。天然香料と化学香料では、香りが全然違うので、そのときの気分で使い分けることも。シンプルですが、私自身が使っていて心地よいかどうか、ということはとても重要なこと。やっぱり、使い勝手が悪いものだと使い切ることができなくなるので。そうしないためにも、使わないものは家族や身近な人に譲っています。信頼しているブランドの商品を使い続けることも私の買い物のひとつのスタイル。何か新しい製品を出していたら必ずチェックするようにしています」
草場さんが信頼を寄せるブランドのひとつに南オーストラリアで1985年に誕生したブランド「ジュリーク」がある。地球環境を尊重して植物を健やかに育て、そのエキスを配合して化粧品を作っている。さらに、NASAA(オーストラリア持続可能農業協会)の認定を受けたオーガニック認証自社農園があるというサステナビリティへの意識の高さも注目したいところだ。

クルミスクラブと13種類ものハーブが配合されたジェル。角質がたまった肌表面をスクラブでやさしく磨くことができる。「お風呂で一旦、体を洗った後にひざやかかとなど気になるところに塗り広げて、2〜3分置いて洗い流します。そうすると肌がふわふわと柔らくなります」

サステナビリティへの意識が高い、

信頼のブランドの企業努力に心動かされて。

「〈ジュリーク〉の自社農園は、いつか機会があったら見学に行きたいと常々思っています。バイオダイナミック無農薬有機農法といって、合成殺虫剤や除草剤、化学肥料を使用しないやり方で現在料を作っています。加えて、太陽や月、星の暦に沿って栽培、収穫をされていて、植物の持つ力を最大限に生かすことに尽力していると聞いて、大変な手間と時間がかかる方法で作られていることに心動かされました。そんな風に大切に育てられた植物エキスから作られていると思うと、使うときの有り難みが増すように思います。いくつか愛用している商品がありますが、サステナビリティという観点で改めてアイテムに向き合ってみたときに、特筆していい商品だと思ったのが、捨てられるはずだったクルミの殻を再利用したクルミスクラブを使ったボディスクラブ。すごく細かく砕いているから全然痛くない使用感で。角質除去を目的として添加されているマイクロビーズ(ポリエチレンやポリプロピレンなどプラスチックで作られた粒子)が使われている製品は環境汚染にも繋がってしまいますが、植物成分を使用したこのスクラブなら、安心して使えるのも嬉しいですね」
そして、思想家でもあり哲学者でもあるルドルフ・シュタイナーが創始者であるスイス生まれの〈ヴェレダ〉もまた、サステナビリティへの取り組みについて、リスペクトするブランドだという。自社農園にて、バイオダイナミック農法で育てられた植物、野生採取によって厳選した原料の調達、天然資源の利用や環境に配慮した容器包装、水利用やゴミの縮小、温室ガス排出の削減、フェアトレードなどあらゆるアプローチで地球の未来や労働力への配慮を考えた製品作りに力を注いでいる。

植物成分の香料だけを使用した爽やかな柑橘系の香りがするミストタイプのオーデコロン。身体の気になる部位にスプレーしたり、ルームフレグランスとして香りづけしたりなど、 様々なシーンで使用できる。
「リサイクルされた素材を使うなど、環境に配慮した容器包装を利用する企業努力が素晴らしいと思います。〈ヴェレダ〉といえば、ガラス容器、という印象がありますよね。しかしながら、常に環境のためにできることを研究されている中で、環境負担が低いプラスチックへの切り替えを検討されている流れがあるそうです。ガラスをリサイクルするエネルギーよりも、プラスチックの方がリサイクルしやすく、さらに軽量であるがゆえに輸送にかかる環境負荷も少なくて済むという考えに至ったようです。定期的に専門家との話し合いを交えながら、今、自分たちにできることの中で何がベストなのかを検証する。現状に甘んじず、自分たちで新しい情報を入手し、活動していく姿勢に感銘を受けました。製造工程には、再生可能エネルギーの使用量を増やし、環境負荷の少ない自然エネルギーを使用するなど意識の高さも素晴らしくて。企業の取り組みを知るほどに〈ヴェレダ〉というブランドを好きになり、愛着が湧いてきます。この“シトラス ボディミスト”は、運動時など、汗の匂いが気になったときに活躍しています。夏場は朝にスプレーすると、1日汗の匂いが気にならなくなるんです。肌に直接塗るロールオンタイプのものは、衛生的にあまり好きではなく、このスプレータイプを気に入って使っています」
普段は、ピラティスをするなど習慣的にボディメンテナンスをしているという草場さん。心と身体を健やかに保つために、自分の身体になじむ食べ物をチョイスすることにも気を配っている。

朝の習慣に甘酒を取り入れて、

身体の調子を整える。

「あるとき身体のことを調べる機会があり、そのときに慢性的な便秘症だと診断されたんです。それまではあまり自覚がなかったのですが、具体的な対策を考えるようになりました。皮膚科で処方された食物繊維が含まれるデトックスパウダーを飲んだら、腹部に膨満感を感じてしまい、自分は食物繊維を摂ると余計に詰まってしまうということがわかって。もっと自然にふだんの食事で改善できたらいいな、と思って飲むようになったのがこの有機玄米甘酒。知り合いのスタイリストの方に甘酒がいい、と教えてもらったのがきっかけです。もともと甘酒は“飲む点滴”と言われるほど、栄養が豊富だし、身体にいいことは知っていたのですが、毎日飲むようになって、その効果が顕著に現れて驚きました。毎朝、小さなグラスに甘酒と豆乳を1:1の割合にして飲むのが習慣になっています。酒粕を使っていないので、お酒を飲めない私には、美味しく飲めるのも嬉しくて。甘酒を入れた後に豆乳を注ぐと、2層になり、カフェラテみたいな見た目も可愛いらしくて。ちなみに豆乳もできるだけ国産のものを購入するようにしています。海外製品は、国内への輸入にどうしてもエネルギーを要してしまうと思うので。もっと言うと近所で作っているもので購入できるものがあれば、そういうものから選びたい、という想いもあります」

発酵食文化が栄える金沢・大野という土地で作られた玄米甘酒。化学調味料を使わず、有機米・有機米糀・水のみを使用し、酵素の力を最大限に活かしている。有機農産物加工食品製造業者認定を取得した商品でもある。ほどよい甘さととろりとした喉越しが特徴。
健やかな暮らしを心がけていると、人の身体と自然は密接に関係していることが深く理解できるようになるもの。企業の取り組みや原材料について丁寧に調べたうえで自分の肌や身体に使うものを取り入れることは、地球環境への配慮でもあり、自分を大切にすることにも繋がるのだろう。そのことが分かち難く結びついているということを、草場さんの暮らしぶりを通して、改めて気づかせてもらった。
PROFILE
草場妙子

熊本県出身。雑誌や広告、CMなどでモデルや女優のヘアメイクを手がける。 著書に『TODAY'S MAKE-UP 今日のメイクは?』(アノニマ・スタジオ)がある。美容アイテムを紹介したInstagramも支持を集める。
Instagram:@kusabataeko
雑誌『Hanako』にて「私を育む美容。FIND YOURSELF」が連載中。

Photo by: Mitsugu Uehara Edit & Text by : Seika Yajima

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