2022/5/13更新
みんなのサステナブル vol.3(後編)
クリエイターや生産者をはじめ、暮らしを楽しむスペシャリストが「楽天市場」の中から選んだサステナブルな日用品や愛用品をエピソードとともに紹介していく連載「みんなのサステナブル」。第3回目のゲストは「marka」「MARKAWARE」「Text」の3つのブランドを手がけ、東京をベースに活動するファッションデザイナーの石川俊介さん。後編では普段の生活で取り入れている「サステナブルな日用品」についてお話をお伺いしました。
食のシーンにおけるサステナブルな取り組みを学びながら、自身の服づくりにおいて、未来のためにできることを模索し続けている石川俊介さん。それは、普段の生活においても同様のこと。地球環境への配慮がなされたもの、ものづくりに対する想いに共感できるプロダクトを使うことを意識していらっしゃいます。「サステナブルなプロダクト」という観点で愛用しているものを伺ったときに、真っ先に挙げてくれたのがリスペクトをしているデザイナー『ピート・ヘイン・イーク』がデザインしたテーブルウェア。
「『ピート・ヘイン・イーク』のマグカップとプレートはタイで生産されているフェアトレード製品で9年前くらいに購入したものですね。僕はかつて、
コーヒーショップを運営していたのですが、店でも使っていました。購入のきっかけは、デザイナーのピート・ヘイン・イークが廃材を使って作った家具に強い衝撃を受けたから。当時の僕からすると、大物の家具はとても高額で購入できる品物ではなかった。けれど、その後、テーブルウェアを作っていることを知り、是非使ってみたいな、と。オランダ出身ということもあって、環境意識が高く、彼の取り組みに関して共感するところが多いにあります。ちょっと小ぶりなフォルムのマグ、堅牢なつくりのプレートは、洗練されたデザインでありながらも親しみやすさを兼ね備えた大好きなプロダクト。SDGsの目標として『貧困の撲滅』がありますが、グローバルサウスに仕事を依頼しよう、と行動する意識の高さが素晴らしいと思います」
PIET HEIN EEK Small Plate [ スモールプレート ]FAIR TRADE ORIGINAL ピート・ヘイン・イーク
2,420円 (税込)
1973年にフェアトレード輸入販売をオランダで開始した「フェアトレードオリジナル社」とデザイナーのピート・ヘイン・イークがコラボレーション。ワールドワイドで流行っている“薄いうつわ”を作るためには労力と技術が問われるため、つくり手が無理をしないで作れる厚みをコンセプトに作られたもの。
>PIET HEIN EEK Small Plate [ スモールプレート ]
PIET HEIN EEK PHE Mini Mug [ミニマグ] DINNERWARE&CO ピート・ヘイン・イーク 660円 (税込)
やわらかな乳白色が特徴の「ニューボーンチャイナ」。ほかの磁器に比べ、温かみを感じられる色味になっている。水を吸いにくく、電子レンジや食洗機にも使用できる。手にしたときの軽さ、コンパクトなフォルムが際立った、日常で使える親しみやすいデザインが魅力。
>PIET HEIN EEK PHE Mini Mug [ミニマグ]
食への関心が高い石川さんは、自分で料理をすることも多いそう。オーガニック食材を積極的に取り入れるような心がけをされています。
「僕は食べることや旅をして食文化に触れることが大好き。歳を重ねたこともあり、より健康に気を使うようになり身体によい食べ物を積極的にいただくようにしています。加工食品を購入するとき、成分表示は必ず確認していますね。普段の食生活は野菜をたっぷり、炭水化物は控えめに摂るのが基本。週に1〜2回だけ肉を食べて、ほかの日には魚介を。野菜を美味しくいただくためにドレッシングを手作りすることも。オリーブオイル、タマネギをミキサーにかけたものに『ブラッグオーガニック アップルサイダービネガー』を混ぜると酸味が効いた味わいになってとても美味しくなります」
BRAGG オーガニックアップルサイダービネガー 日本正規品 りんご酢 946ml 2本セット 3,140円 (税込)
海抜5,199mのケニア山の山麓での農薬を使わずに栽培されたお茶の葉で作られた紅茶。抽出すると綺麗なオレンジ色の水色がカップに映えます。しっかりとした味わいながらもマイルドな口当たりが特徴。
>BRAGG オーガニックアップルサイダービネガー
ドリンクにビネガーを入れてアレンジを楽しむこともあるそう。
「炭酸水に入れてもいいし、そのほかにも色々と合うと思います。そのときの気分に合わせてジンジャー、柑橘、ハーブなどを加えて味に変化をつけて飲むのも楽しい。普段の料理にも色々と使えるので重宝しています。そうやって、健康に気を使ったものを食していると、精神的な健康も得られるような気がしています。最近の趣味のひとつが、グラノーラ作り。一度ハマるととことんやりたくなるんです」
石川さんの研究熱心な気質は、日々の洋服のケアや洗濯にも発揮されていて、最近、国家資格であるクリーニング師免許を取得したと言います。
「ファッションを楽しむことって、新しい洋服を着て“着飾る”ことだと思われがちですが、僕はそれだけではないと思います。メンズファッションのシーンでは、昔から“革靴を楽しむ”ということは、靴を履くだけではなくて、愛着を持って、靴を磨いて手入れを楽しむことまでも含んでいて。洋服の楽しみ方として、手入れの面白さを積極的に伝えていきたいと思い、クリーニング師免許を取得しました。HPやInstagramでも洋服のケア方法を伝えています。簡単なことで言うと、洗濯やクリーニングの回数を減らすことだったり、1回着たら、何日か休ませてみたりすることにも意味があります。ちょっとした汚れだったら、汚れた箇所だけを自分でケアできると、生地の痛みも防ぐことができる。そうした小さな心がけによって、より長く着られるようになるんですよ」
洗濯の仕方においても独自の流儀を持つ石川さん。愛用している洗濯洗剤は「ヤシノミ洗たく洗剤」です。
ヤシノミ洗たく洗剤 コンパクトタイプ つめかえ用(5kg) 4370円~(税込)
蛍光増白剤・漂白剤・香料・着色料・抗菌剤無添加の洗濯用洗剤(つめかえ用)。ヤシノミ由来の洗浄成分で少ない量でも汚れをしっかり落とすことができる。2倍濃縮タイプで約500回の使用が目安。洗剤残りが少なく、綺麗に洗い上がる肌や地球への負担が少ないやさしい処方。
>ヤシノミ洗たく洗剤 コンパクトタイプ
「いろいろな洗剤を使ってきましたが、純度の高い界面活性剤が入っている洗剤としてこれが一番お手軽で使い勝手がいいと思います。粉石鹸はタオルを洗うときには適していますが、慣れていないと扱いが難しい。洗濯槽に粉が残ってしまうと、洗濯槽を早くダメにしてしまいますしね。『ヤシノミ洗たく洗剤』は大容量の詰め替えタイプがあれば、しばらく持つし、詰め替えの頻度も少なくできます。つまり、物流の稼働を減らすこともできる。環境問題に真摯に取り組んでいる企業の製品という意味でも使いたくなります。この洗剤をベースに自分好みの仕上がりになるように工夫をするのもおすすめです。例えば、洗い上がりに香りや柔らかな仕上がりを求めるときは、脱水時にクエン酸とアロマオイルを混ぜておいたものを入れてみるとか」
洗濯に加えて、洋服のケアとして大切にしているのが日々のアイロンがけ。
「アイロンがけは洋服にとって『サウナ』のようなもの。消臭・殺菌作用がありますし、洋服を長持ちさせるためにもいいことなんです。僕はTシャツにもアイロンをかけます。アイロンをすることでテカリが出ても、ブラッシングすれば消えて新品みたいに綺麗になります。動物の毛を使用して作られた衣類は、クリーニングに出すと本来持っている油分を全部とってしまうのでダメージを与えていると思ったほうがいい。だから、出来るだけ自分でケアできたらいいと思います」
洋服を大切にするためのケア方法を丁寧に発信していく。その行為もまた、サステナブルなこと。石川さんのもの選び、ライフスタイルにはこれからをポジティブに生きるためのヒントがあるように思います。
PROFILE
石川俊介
ファッションデザイナー。「MARKAWARE」「marka」「Text」 の3つのブランドでファッションとサステナブルの良好な関係を模索。世界を一人で旅しながら、原材料を調達。現地の生産者、工場で生産に従事する人たちとコミュニケーションを深めてものづくりをすることを信条としている。 https://markaware.jp/
・MARKAWARE
・marka
Photo by: Mitsugu Uehara Edit & Text by : Seika Yajima