キッチン&ダイニングは、家族や友だちなど皆が自然と集いたくなる、家の中心的なスペース。食器や調理道具など日用品のデザインが、北欧でバリエーション豊かに洗練されてきたのも、日々の心地よい暮らしにダイレクトに関わるからではないかと思います。使って、眺めて、心地いい。北欧デザイナーが手がけた1枚のお皿を取り入れることから、北欧インテリアをはじめられる、そんな気軽さもうれしいところです。
窓から差しこむ太陽の光は、北欧の人たちにとっていちばんのごちそう。自然光をたっぷり楽しめる白をベースに部屋づくりをすることが多いようです。こうして見ていると、ひとことで白と言っても、さまざまな風合いや表情があることに気づかされます。
朝から夜まで家族の皆が集まってくるキッチン&ダイニングは、だれにとっても親しみやすい場所でありたいもの。白とナチュラルな木の風合いを取り入れた、シンプルなインテリアからはじめて、居心地のいい空間に。そのあとに、ここぞというポイントで、遊びごころある家具やカラフルな雑貨を取り入れるのが、北欧の人たちは上手だなと感じます。
スウェーデンのキッチンで、はじめてプレートラックを見たときに「普段使うものをそのまま飾っておけるなんて素敵!」と思いました。片づけも簡単になりますし、普段使いの食器や道具に愛情をもって選ぶきっかけにもなります。
食器の飾り棚から、調理用品を吊るして飾っておくバー、食材をいれておくキャニスターまで、北欧では機能的でありながら美しい「飾る収納」とたくさん出会うことができます。
料理や飲み物を運ぶときだけでなく、そのまま料理を盛りつけてお皿がわりにしたり、調味料の収納場所にしたり、キッチンでもダイニングでも大活躍のトレイ。
ナチュラルな質感をいかした木のトレイをはじめ、プリント加工をほどこしたバーチ材のトレイは、さまざまなデザインが揃っているので、たくさん集めたくなるアイテムです。お気に入りのトレイは、ホルダーなどを使って壁に飾って、絵画のように楽しむというのも、北欧のキッチンで出会った「飾る収納」アイデアのひとつでした。
文:田島香子(ジュウ・ドゥ・ポゥム)
編集者として出版社に勤めた後、海外のアーティストたちの日本での活動をサポートするエージェント「ジュウ・ドゥ・ポゥム」に入社。フィンランド、スウェーデン、デンマークをはじめ、パリ、ロンドン、東京を拠点に活躍するアーティストたちの暮らしぶりや作品を伝える書籍を手がける。編集者として、またアート・エージェントとして、たくさんの人が笑顔になれるようなものを生み出していきたいと考えている。
このページの写真提供:ジュウ・ドゥ・ポゥム
※商品画像は販売店舗よりご提供いただいております。