【医師監修】妊婦は温泉に入ったらダメ?感染のリスクは?安全に楽しむポイントを解説!
2022/9/6
この記事では、妊婦は温泉に入ったらダメなのか、母体や赤ちゃんに影響があるのかといった疑問にお答えします。温泉には、リラックス効果や体の不調改善など、妊婦にうれしい効果もあります。記事の後半で紹介している注意点を守って、温泉を安全に楽しみましょう。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
目次
「子どもが生まれる前に、ゆっくり温泉で癒されたい」と考えているママは多いのではないでしょうか。温泉は妊婦さんにとってメリットがある一方、リスクもあるため、事前に注意点を確認して安全な方法で入浴する必要があります。
この記事では、妊婦さんが温泉に入る前に知っておいて欲しいことをまとめていますので、ぜひご覧ください。
妊婦は温泉に入ったらダメ?赤ちゃんへの影響は?
結論からお伝えすると、長湯や高温のお湯を避ければ、妊娠中に温泉に入ることは問題ありません。
しかし、両親や祖父母に「妊娠中は温泉に入ってはいけない」と言われたことがある方もいるのではないでしょうか。これは、環境省が定める温泉法において、2014年まで妊婦(初期と後期)の入浴が禁忌とされていたことが影響していると考えられます。
実際は、「温泉が妊婦さんやお腹の赤ちゃんに悪影響を与える」という医学的な根拠はなく、現在では禁忌症から「妊娠中」の文面が削除されています。
妊娠中、温泉に入るのに最も適している時期は、体調が安定する妊娠中期頃です。
妊娠初期は、つわりや体調不良が起こりやすいことから避けるのがベター。また、お腹が大きくなる妊娠後期は転倒の可能性が高くなるので、あまりおすすめできません。
感染症のリスクは?
妊娠中は、ママの体が赤ちゃんを異物として認識しないように、免疫機能が抑制されます。それによって感染症のリスクが高まるため、日ごろから衛生面には気をつけたいところです。
ただし、「温泉のお湯を介して膣や子宮などの感染症のリスクが上がる」という医学的な根拠はありません。
心配な方は、洗面器やバスチェアをよく洗ってから使用する、上がる前にシャワーを浴びるなどの対策をしましょう。
また、衛生的な入浴施設を選ぶのもポイント。不特定多数の人と一緒に入らずに済む、部屋風呂や家族風呂を利用するのもひとつの方法です。
【出典】
厚生労働省平成21年10月18日第3回安全対策調査会参考資料
東京都中央区「妊娠中のママ・パパのみなさんへ」
日産婦医会報(平成22年2月号)
妊婦が温泉に入るメリット
お風呂に入ると「疲れが取れる」「気持ちがスッキリする」と感じますよね。心身ともに疲弊しやすい妊婦さんは、よりその効果を感じられるでしょう。
妊婦さんが温泉から得られる、具体的なメリットを3つ紹介します。
ストレスの解消
手足を伸ばせる広い浴槽に体を預ければ、筋肉の緊張が緩和しリラックス効果が期待できます。
ストレスによる筋肉の緊張は血行不良や、お腹の張りにつながります。温泉でストレスを解消し、筋肉をやわらげることが予防になるでしょう。
妊娠中は、ホルモンバランスの乱れや、出産や育児への不安、身体的な負担などによりストレスを感じやすいもの。温泉に限らず、ゆっくりと心を落ち着ける時間を定期的にもうけられるといいですね。
冷え性の改善
妊娠中は、ホルモンバランスや体型の変化などが原因で、体が冷えやすくなります。
冷え性を放っておくと、つわりやむくみ、便秘などさまざまな不調を引き起こすため、早めに改善することが大切です。
温泉にゆっくり 浸かれば血流がよくなり、体の芯から温まります。中でも、冷え性改善に効果が期待できるといわれている塩化物泉は、妊娠中でも問題ない泉質なのでおすすめです。
のぼせやすい方は、足湯や手湯を取り入れてもいいでしょう。
腰痛や肩こりの改善
お腹や乳房、子宮が大きくなることで、腰痛や肩こりなどの不調を訴える妊婦さんは多いです。
温泉で体が温まると、筋肉の緊張や負担が緩和され、腰痛や肩こりが改善する効果が期待できます。
ぬるめのお湯に肩まで浸かり、じっくり体のコリをほぐすのがポイントです。
妊婦が温泉に入る際に注意すべきポイント
妊娠中は体調や体型が大きく変化するため、予想外なトラブルが起こることも…。
安全に楽しむために、注意すべきポイントを見ていきましょう。
1人での入浴は避ける
温泉に入る際は、できるだけ家族や友人と共に入るようにしましょう。特に妊娠後期は、体型が変わることや足元が見えづらくなることから、転倒の危険性が高いです。
また、妊娠していると、入浴中に立ちくらみを起こしやすくなる人もいます。 これは、妊娠中は血圧が低くなること が多く、入浴によりさらに血圧が下がるためです。 特に、温泉に浸かって体が温まったあと急に立ち上がると、血圧の調整が追いつかず立ちくらみを起こしやすくなるので、ゆっくりとした動作を心がけましょう。
泉質によっては床が滑りやすくなっている温泉施設もあるため、体を支えてもらったり、万が一転倒した際に職員を呼んでもらったりできる間柄の人と一緒に入浴できると安心です。
一人で入浴する際は、露天風呂への移動や浴槽内の段差などには特に気をつけましょう。
調整してみること、また寝かしつける役割をママ・パパで交代して、対応してみましょう。
熱すぎる温泉や水風呂は避ける
湯温が高すぎる温泉に入ると、血圧が急激に変化するため、母体に負担がかかります。熱めのお湯が好きな方でも、妊娠中は42度以下、できれば、38〜40度くらいのぬるめの温泉を選ぶようにしましょう。
サウナや水風呂は、体温が急激に変化するため妊娠中は避けるのがベターです。また、冬の露天風呂も温度変化が大きいのでおすすめできません。
長風呂をしない
妊娠中は貧血になりやすく、長時間の入浴はのぼせる 原因になります。体調と相談しながら、10分程度で切り上げるようにしましょう。
また、妊娠初期に母体の体温が38度以上になると、お腹の赤ちゃんの神経系に影響を及ぼすリスクがあることが報告されています。
ぬるめのお湯でも長時間入浴すると体の深部が温まりすぎたり、肺や心臓に負担がかかったりすることがあるため要注意です。
適度に休憩をとり、体調の変化に注意しながら入浴しましょう。
こまめに水分補給する
妊娠中は血液量が増えたり、基礎代謝が上がったりすることで、普段よりも多くの水分が必要になります。
また、血液が固まりやすい傾向にあるため、脳梗塞や静脈血栓の リスクを避けるためにもこまめな水分補給が大切です。
水分不足にならないように、入浴前と入浴後にはコップ一杯の水を飲む習慣をつけましょう。冷たい水は体を冷やす可能性があるので、常温の水がおすすめです。
長時間の移動は避ける
赤ちゃんが生まれるとなかなか旅行に行けなくなるため、「せっかくなら遠くの温泉に行ってみたい」と思う方も多いでしょう。妊娠が順調に経過していれば、航空会社などへの申請をしなくても、28週までは国際旅行、36週までは国内旅行が可能となっています。
しかし、長時間の移動は、血行が悪くなったりお腹が張ったりして、ママの体に負担をかける心配があります。まずは、旅行計画について主治医に相談するようにしましょう。
医師への相談の上、長時間移動をすることになった場合は、血栓予防のために、1時間ごとに5分程度歩くとよいでしょう。
外出する際は、母子手帳を携帯することも忘れないようにしてくださいね。
また、赤ちゃんが生まれた後の旅行について気になる方は、「赤ちゃんとの旅行はいつから?必要な持ち物は?交通手段・旅先別に解説」をご覧ください。
食後すぐには入らない
食事をしてすぐに温泉に入ると、本来胃腸に集まるはずだった血液が体の表面に集まり、せんどう運動が抑制されてしまいます。この影響で消化不良を起こし、気分が悪くなることもあります 。
食後1時間は休息時間を設け、消化を促してから入浴するようにしましょう。
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妊娠中の温泉は、ストレスや冷え性の解消に効果が期待できます。温泉に入るのは、体調が落ち着く妊娠中期がおすすめです。しかし、長時間の入浴や高温のお湯は、母体や胎児に負担をかける可能性があるため避けましょう。
最近はマタニティプランがある温泉施設も多いです。設備やサービスなどをしっかり下調べして、安全に温泉を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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