妊婦が蟹を食べるのは危険?赤ちゃんへの影響はある?【医師監修】
2022/10/10
この記事では妊娠中に蟹を食べていいのかについて解説しています。蟹は食中毒や食べ過ぎに気を付ければ栄養が豊富にとれる妊婦にとって良い食材です。蟹が食べたい妊婦さんは、この記事を参考に調理法などに注意してください。
妊娠中に注意が必要な食材は複数あるため、蟹は食べてもいいのか不安に思っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
間違った食べ方をすると食中毒や胎児へ影響を及ぼす心配もあるため、蟹を食べる際は調理法や味付けに配慮しなくてはいけません。
そこでこの記事では、妊婦さんが安全に蟹を食べるポイントや注意点などを紹介します。
この記事の監修者
コロンビア大学病院 一般産婦人科医
常盤真琴先生
山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。
妊婦が蟹を食べるのは危険?
妊娠中に避けるべき食材の中にお寿司や刺身があるため、魚介類を食べることに慎重になっている妊婦さんは多いです。
では、蟹は妊娠中に食べてもいいのでしょうか。調理法や注意点を確認していきましょう。
しっかり加熱していれば問題ない
基本的に加熱した蟹は、妊娠中に食べてもママや胎児に影響ないといわれています。厚生労働省が示した「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」でも、妊婦が注意すべき魚介類の種類に蟹は含まれていません。
むしろ、蟹の筋肉部分(いわゆる蟹身)は、タンパク質やビタミンなどの栄養素が豊富なため、適度に摂取するのがおすすめです。蟹を食べるメリットについては、後半でも詳しく説明します。
出典:厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」(平成22年6月1日改訂)
蟹みそはなるべく摂取を控える
蟹身の部分は妊婦さんでも食べられますが、蟹みそは避けるのがベター。その理由は、“カドミウム”という物質を多く含んでいる食材のひとつだからです。
カドミウムは、摂取量によってはガンやイタイイタイ病などを引き起こす可能性があるため、長期的・過剰な摂取に注意しなくてはいけません。
ごく少量なら問題ありませんが、なるべく蟹みそは食べないようにしましょう。
赤ちゃんの甲殻類アレルギーに影響はある?
「妊娠中に蟹を食べると、生まれてくる赤ちゃんが甲殻類アレルギーになる可能性がある」という噂を耳にしたことがあるママもいるのではないでしょうか。
昔は妊娠中の食事が赤ちゃんのアレルギー発症に影響を与えると考えられており、「妊婦は乳製品や豆類などを制限すべき」と指導する病院もありました。
しかし、現在では妊娠中のママが摂取した食材と赤ちゃんのアレルギーの発症率については関連がないという考えが主流です。妊婦さんが蟹を食べたからといって、生まれてくる赤ちゃんが甲殻類アレルギーになりやすくなるというわけではありませんので、それを理由に控える必要はありません。
蟹を調理する際の注意点
妊婦さんが蟹を食べることは問題ありません。しかし、妊娠中は免疫力が低下しやすいため、食べる際にはいくつか注意したいことがあります。
自宅で蟹を調理する際に大切なポイントを4つ紹介します。
しっかり中まで火を通す
生の蟹には、リステリア菌や腸炎ビブリオなど食中毒を引き起こす細菌が含まれているリスクがあります。
リステリア菌は健康な成人であれば食中毒を起こすことは滅多にありませんが、免疫機能が低下している妊婦さんは要注意。流産や早産など、胎児に影響を与えることもある怖い細菌です。
腸炎ビブリオによる食中毒は、特に夏場に多くなります。代表的な症状は、下痢や嘔吐、腹痛などです。
どちらの菌も熱に弱いため、中までしっかり火を通すことで予防できます。
また、調理前によく手洗いする、賞味期限に気をつけるなど、基本的な食中毒対策も徹底しましょう。
塩味をつけすぎない
妊娠中に気をつけたい病気のひとつに、妊娠高血圧症候群があります。もし発症すると、ママの体調だけでなく胎児の発育が悪くなるなど、赤ちゃんにも悪影響を与えるため、予防策を講じることが重要です。
実は妊娠高血圧症候群の原因は、まだはっきりと解明されていません。しかし、塩分の摂取量が多いと高血圧を招くので、妊娠高血圧症候群の発症リスクを下げるためには、薄味の料理を心がけることが効果的だと考えられています。
塩ゆでの蟹は、自覚がないまま塩分を多く摂取してしまいがちです。食べ過ぎには注意しましょう。
蟹以外の料理と一緒に食べる
つい蟹ばかり食べたくなってしまいますが、できるだけほかの料理と一緒に食べるようにしましょう。妊娠中に限ったことではありませんが、栄養が偏らないように炭水化物や野菜類もバランスよく食べることが大切です。
また、蟹食べ放題付きの温泉旅行は老若男女問わず人気ですが、食べ過ぎや塩分の過剰摂取に繋がるため、妊婦さんにはあまりおすすめできません。
鍋、蟹飯、ボイル蟹などがおすすめ!
蟹刺しはもちろん、しゃぶしゃぶや炙りも半生になる可能性があるため避けるのがベスト。お店で食べるときは、ボイル蟹、蟹鍋、焼き蟹などの中心部分まで加熱したことが分かる調理法の料理を選ぶのがポイントです。
自分で蟹料理を作るときは、高温で殺菌処理された蟹缶を使うといいでしょう。蟹飯、雑炊、パスタ、蟹玉なども、蟹缶を使うと手軽ですし、一気に高級感がでますよ。
蟹を食べるメリット
蟹は特別栄養価が高い、というイメージはあまりないかもしれません。しかし、正しい調理方法で適切な摂取量を守れば、妊娠中も積極的に取り入れたい食材のひとつです。
その理由を3つ紹介します。
蟹の筋肉部分は脂肪が少なく低カロリー
蟹の殻の中にある筋肉部分は、脂質が少なく低糖質・低カロリーです。蟹のカロリーは種類によって異なり、100gあたり約60〜90kcal。旨味が強い蟹は少量でも満足できるため、妊娠中の食べ過ぎも防ぎやすいです。
満足感が高く低カロリーな蟹は、体重・栄養管理が必要な妊婦さんに向いている食材のひとつといえるでしょう。
栄養が豊富に含まれている
蟹身には、妊娠中にうれしい栄養素が多く含まれています。
例えば、胎児の筋肉や血液など体を構成する主成分であるタンパク質量は、牛ヒレ肉と同等程度です。タンパク質をエネルギーに変換するときに必要なビタミンB群も一緒に摂取できます。
その他、肝臓の働きを促進するタウリンも含まれています。タウリンは水溶性のため、味噌汁や雑炊にして汁ごと飲むと効率よく摂取できます。
抗酸化作用があり、疲労回復や美容効果が期待できるビタミンEやアスタキサンチンも、女性にうれしい栄養成分のひとつ。どちらも熱に強いため、加熱調理しても変質や損失はほとんどありません。
水銀含有量が比較的少ない
魚介類を食べるときに心配なのが、水銀ではないでしょうか。妊娠中に水銀を過剰に摂取すると胎児の発育に影響を与える可能性があるため、水銀を多く含む魚介類の種類や摂取量の目安を知ることが重要です。
水銀は魚介類の多くに含まれますが、蟹にはほとんど含まれていないことが分かっています。
水銀の含有量が多いといわれるキハダマグロの1gあたりに含まれる総水銀量が平均で0.179μgに対し、ズワイ蟹は平均で 0.067μgです。
ゼロではないため食べ過ぎには注意が必要ですが、水銀の影響はほとんど心配はいりません。
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低カロリーで栄養豊富な蟹は、妊娠中に適度に摂取したい食材のひとつです。しかし食中毒や塩分の過剰摂取に繋がるリスクがあるため、調理法や食べる量には注意しましょう。必ずしっかりと加熱する、蟹みそは避ける、塩分は控えめにする、というのがポイントです。
胎児のアレルギー発症や水銀のリスクも心配ないため、蟹を食べる機会があれば安心して蟹料理を堪能してくださいね。
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