小一の壁は越えられる?実態から対策まで解説!
2022/4/8
この記事では、保育園から小学校に上がるタイミングで訪れる「小一の壁」について紹介します。小一の壁は、子どもが小学校に入学することで、親の仕事と子育ての両立が難しくなることです。そこで、小一の壁の概要や原因、解説策についても紹介します。
入学を機に、親が仕事を続けることが難しくなることを例えた「小一の壁」。今まさに、子どもが小学校入学後、仕事を続けられるか不安になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、小一の壁の問題点と対策について、わかりやすくご紹介します。
小一の壁とは?保育園と小学校の違いは?
まずは、小一の壁とは何かと、その問題点について解説します。
小一の壁とは?
「小一の壁」とは、子どもが保育園から小学校に上がる際、仕事と子育ての両立が難しくなることを指します。小学校進学のタイミングで、預け先などの問題から共働きが難しくなる家庭がとても多いのです。
小一の壁ができる大きな理由として、社会環境が整っていないことがあげられます。現在の日本では学童などの預け先自体が少なく、預けられる時間も保育園より短い現状があるのです。
加えて、学校行事や毎日の宿題、長期休暇など、小学校に上がることで起こるさまざまな変化が、共働きを阻む「壁」となります。
小学生とはいえ、まだ自分ひとりで留守番や自己管理をさせることは難しく、場合によっては親が働き方を見直さなければならなくなるでしょう。こうした現実から、多くの共働き世帯が小一の壁に直面しているのです。
保育園と小学校はどう違う?
現在、子どもを保育園に預けているご家庭では、保育園と小学校ではどのように子育て環境が変わるのかがイメージしにくいかもしれません。そこで、ここでは保育園と小学校の違いを簡単にご紹介します。
まず、小学生の場合は預け場所が保育園ではなく「学童」に変わります。しかし、学童では子どもを預かってもらえる時間が大きく減ってしまうのです。
保育園は朝夕に延長保育がありますが、公立学童には延長保育のような制度はありません。そのため、小学校に上がることで、朝夕に子どもを預けられない時間が発生してしまいます。
小一ではまだ子どもだけで過ごすことは難しいため、親は子どもに合わせて働き方や勤務時間を変更しなければならなくなってしまうのです。
加えて、小学校には夏休みなどの長期休みがあり、長期休み中の預け先や、学童でのお弁当作りが負担となるケースがあります。
また、小学校では保育園と比べて先生とのコミュニケーションが減り、保護者がフォローしなければならない事柄が増えます。さらに、子ども自身が新しい環境に適応できずに問題を抱えやすいことなども、ママ・パパの負担が増える要因になります。
小一の壁の4つの原因
保育園と小学校では環境が大きく変わり、そうした違いが小一の壁の原因となります。小一の壁を作る具体的な原因としては、主に以下の4つがあげられます。
・登校時間が遅くなり、下校時間が早まる
・長期休暇がある
・学習の準備や宿題などのサポートが必要
・親が参加する行事の増加
この4つの原因について、詳しくご紹介します。
登校時間が遅くなり、下校時間が早まる
小学校では、登校時間が遅くなり、下校時間が早くなります。このことが、預け先がない問題につながります。
保育園では朝7時台から預かってもらっていた方も多いかと思いますが、小学校の登校時間は8時ごろ。朝は預け先もないため、保護者の出勤時間よりも遅く登校しなければならないケースが多くなるのです。
小学生になったばかりの子どもに戸締りを任せて先に出社するわけにはいかず、勤務時間の調整が必要になります。
一方、小学校の下校時間は、一年生だと13時~14時ころ。入学後しばらくは、慣らしのため午前保育が続きます。
そのあと学童に預かってもらったとしても、公立の学童の終了時間は18時ごろと短く、保育園のような延長保育はないことが一般的です。
保護者の方は保育園に通っていたころよりも、早くお迎えに行かなければならないでしょう。
もしも学童が見つからなければ、保護者は子どもの学校のスケジュールにあわせて、自分で勤務時間を調整しなければなりません。会社が調整に応じてくれなければ、仕事との両立は難しくなります。
長期休暇がある
夏休みや冬休みなどの長期休暇によって、仕事との両立が難しくなるケースも多々あります。
保育園では長期休暇がありませんでしたが、小学校では1~2か月もの長期休暇が存在します。その間、学童を利用できればいいですが、学童は普段から通っている子どもが優先されるため、新規の利用は難しいケースがほとんどです。
パート勤務など、普段は学童を利用しない家庭では、長期休暇のために仕事を辞めざるを得なくなる可能性があるでしょう。
また、学童を利用できたとしても、問題点があります。基本的に学童では給食がなく、お弁当を持参するため、忙しい朝に毎日お弁当を用意しなければならなくなるのです。
フルタイムで働くママ・パパにとっては、毎朝のお弁当づくりは大きな負担となります。
学習の準備や宿題などのサポートが必要
小学校では時間割によって、毎日の準備が必要です。加えて、宿題もあります。一年生のうちは特に、学習の準備や宿題のサポートが必須であり、ママ・パパの負担は大きいといえるでしょう。
入学前後は特に、負担が大きい時期。細々とした学習用品を購入したり、名前を付けたりといった作業に追われます。また行事や特定の授業で必要となるものも多く、その都度、準備が必要です。
宿題や家庭学習が始まると、低学年のうちは家庭でのサポートが必須となります。宿題の進み具合を把握し、採点をしたり、わからない部分を教えたり、音読を聞いてあげたりなど、家庭学習における保護者の手間は思った以上に大きいといえます。
学童保育でも宿題はみてくれますが、職員は多くの子どもを一度に見なければならないため、個別の学習フォローは家庭でしかできません。子どもの学習サポートにかける時間をしっかりとろうと思うと、仕事の両立が難しくなるケースがあるでしょう。
親が参加する行事の増加
小学校は保育園に比べて親が参加する行事が増えることも、小一の壁の原因となります。
授業参観や面談、緊急時の引き渡し訓練など、小学校の行事は平日に開催されるものが多く、保護者はそのたびに仕事を調整しなければなりません。
また、小学校では行事以外にもPTA活動があります。PTAでは、ほかの親御さんと連携する機会も増え、自分ひとりだけ休むわけにはいかないケースも多くあるようです。
両親が近くに住んでいるなど、家庭でサポートを得られない場合には、こうした行事のたびに仕事を休まなければならなくなります。行事に関する日程や日時の決定はギリギリになる場合もあり、働いている方には大きな負担となるのです。
小一の壁を乗り越える!具体的な対策とは?
小一の壁を前にして、不安になっているママ・パパも多いと思います。しかし、うまく対策をすれば、無事に小一の壁を乗り越えることも十分に可能です。
ここからは、小一の壁を乗り越えるための具体的な対策方法をご紹介します。
学童を利用する
はじめに検討すべきは、学童の利用です。保育園よりも時間が短くなったとしても、預け先ができることで仕事を続けやすくなります。
学童には、公立以外にも民間の学童などもあります。学童や習い事への送迎の問題で悩む方、18時以降の預け先に悩む方などは、民間の学童を検討するのもいいでしょう。お金はかかりますが、公立よりも手厚いサポートを受けられます。
習い事などの送迎には、地域のファミリーサポートを利用する方法もあります。
なお、現在、文部科学省・厚生労働省が一体となり進めている、「放課後子どもプラン」という放課後対策事業を活用するのも選択肢のひとつです。
この取り組みは、「放課後子ども教室」という名称で、各自治体で実施されています。放課後の空き教室などを利用し、地域の大人が参画して、あそびや学びの場を提供する取り組みです。
こちらは預かりサービスではありませんが、こうした取り組みを利用することで、「帰宅後に家庭で子どもひとり」という状況を回避できる可能性があります。
家族や実家と連携をとる
家族や実家、地域の方々と連携をとり、サポートしあえる環境をつくることも大切です。
共働きであれば、ママだけ、パパだけに負担が偏らないようにしましょう。夫婦が協力しあうだけでも、子育ての負担を半減できます。曜日ごとに担当を決める、順番に有休をとるなど、夫婦で話し合ってみてください。
両親が近くにいる方は、サポートをお願いしてみるのもいいでしょう。
加えて、家族や実家以外にも、ママ友・パパ友やご近所さんとも連携をとることが重要です。親同士やご近所の方と連携をとることで、子育ての負担を減らせる可能性があります。
まずは顔を合わせた際にでも、悩みを打ち明けてみてはいかがでしょうか。自分ひとりだけで育児を抱え込むのではなく、家族や両親、地域の方々みんなでサポートしあえる関係をつくっていってくださいね。
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多くの共働き家庭が頭を悩ませる、小一の壁。対策として、学童以外にも利用できるサポートやサービスがないかを探してみましょう。あわせて、家族や地域でサポートしあえる関係をつくっていくことも大切ですよ。
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