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妊娠中はカフェインを摂り過ぎはNG!妊婦さんに及ぼす影響と対策【管理栄養士監修】

妊娠

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2022/9/20

妊娠前からの習慣で、コーヒーや紅茶を飲みたくなる方は多いと思います。しかし「妊娠中のカフェインは胎児に良くない」とよく聞きますよね。この記事では、妊娠中にカフェインを摂取することの影響や、カフェインとの上手な接し方を解説します。

この記事の監修者

管理栄養士・フードコーディネーター/株式会社Sunny and代表取締役

北嶋佳奈さん

「こころもからだもよろこぶごはん」をテーマに美容・ダイエット・健康に関する料理本の出版、レシピ開発やコラム執筆、ラジオ・テレビ・イベント出演などで活動。近著に「遅夜ごはん 疲れた日でも、これなら作れる。」(宝島社)など。

この記事の監修者

子どもとママ専門の管理栄養士

淵江公美子さん

保育園給食や子育て家庭への作り置き、食育などに携わる。子ども向けレシピ開発やコラム執筆、離乳食相談なども行っており、子どもの食の分野で幅広く活動中。

妊娠中のカフェイン摂取はなるべく控えるよう産婦人科で指導されますが、妊娠前からの習慣でリラックスタイムや集中したいときに、コーヒーや紅茶を飲みたい方も多いでしょう。この記事では、「妊娠中は絶対にカフェインを摂ってはいけないの?」と思う妊婦さんに向けて、カフェインを控えるべき理由や、摂取してもOKなカフェインの量などをお伝えします。

妊娠中はカフェインを控えた方がいいの?摂り過ぎたらどうなる?

結論から言うと、妊娠中はコーヒーや紅茶などのカフェイン飲料を、控えた方がよいでしょう。ママが摂取したカフェインは、胎盤を通じて赤ちゃんに届いてしまうからです。肝臓が未熟な赤ちゃんは、うまくカフェインを排出できません。
では、カフェインを摂り過ぎると、どうなるのか気になりますよね。カフェインが赤ちゃんや母体に与える影響について詳しく説明していきます。

■カフェインの摂り過ぎが妊婦さんに及ぼす影響

妊婦さんがカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんや妊婦さん本人にさまざまな影響を与えかねません。

【赤ちゃんへの影響】
・低体重
・早産や流産のリスクが上がる など

カフェインには血管を収縮させたり、胎盤の血流の流れを悪くしたりする作用があると言われています。そのため、カフェインを過剰摂取する生活を長く続けると、赤ちゃんへ栄養が十分に届けられなくなり、低体重児や流産のリスクが上がってしまうのです。なお、カフェインの摂取量が1日150mg未満の妊婦さんに比べ、300mg以上摂取する妊婦さんの流産リスクは2倍になると言われています。

【母体への影響】
・貧血
・不眠
・精神の不安定 など

カフェインは鉄の吸収を妨げる作用があります。妊娠中は血液量が増加するため、貧血になりやすい状態です。せっかく鉄分を摂取しても、カフェインのせいで吸収率が悪くなってしまうと、貧血の状態が悪化する可能性があります。また、カフェインを大量摂取すると眠れなくなったり、イライラするなど精神が不安定になったりすることも。カフェインの過剰摂取は、母子ともに悪影響を及ぼす可能性が高いため、注意が必要です。

【カフェインが含まれる飲み物・食べ物】妊娠中に摂取していい量は?

日本では、妊娠中のカフェインの摂取量を定めていません。しかし、英国食品基準庁(FSA)では妊婦に対し、1日のカフェイン摂取上限量を200mg(コーヒをマグカップで2杯程度)に制限するよう呼びかけています。
カフェインが入っている飲み物や食べ物には、コーヒーや紅茶だけでなく、緑茶(煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶等)、エナジードリンク、チョコレートなどにも含まれています。それぞれ、どれくらいカフェインが含まれているのか、見ていきましょう。

100mlあるいは100gあたり 1日あたりの適量
コーヒー(ブラック) 60mg マグカップ2杯
紅茶(ストレート) 30mg ティーカップ2~3杯
煎茶
(浸出法:茶10g/90℃ 430ml、60秒の場合)
20mg ティーカップ1杯
玉露
(浸出法:茶10g/60℃ 60ml、150秒の場合)
160mg ティーカップ1杯
番茶
(浸出法:茶15g/90℃ 650ml、30秒の場合)
10mg ティーカップ1杯
ほうじ茶 20mg ティーカップ2~3杯
ウーロン茶 20mg ティーカップ2~3杯
玄米茶 10mg ティーカップ2~3杯
コーラ 10mg コップ1杯
エナジードリンク 30~300mg(製品によってカフェイン濃度及び内容量が異なる) 1本
栄養ドリンク 50mg(製品によってカフェイン濃度及び内容量が異なる) 1本
チョコレート(ハイカカオタイプ) 84mg(製品によってカフェイン濃度及び内容量が異なる) 板タイプで1/2枚

コーヒーにカフェインが多いのは予想できると思いますが、見落としがちなのが緑茶。緑茶の中でも玉露はコーヒーの3倍も多くカフェインが含まれているため、食事中の水分として愛飲している方は、麦茶などに変えた方がよいでしょう。ほうじ茶やウーロン茶、玄米はそこまでカフェイン量が多くありませんが、大量に飲むのは控えてくださいね。それぞれ、リラックスタイムに1~2杯程度飲むことを意識すると、適量を守れます。

また、ハイカカオタイプのチョコレートもカフェインが多い食べ物です。ポリフェノールが摂取できることもあり、健康を意識して食べている方もいますが、食べる量には注意してください。

そして、カフェイン量がずば抜けて多いエナジードリンクを妊娠中に摂取するのは、おすすめできません。仕事などで集中したいときにエナジードリンクを利用する方もいますが、1本飲むだけで1日のカフェインの目安量を軽々と越えるものも。糖分が多いのも気になります。

もし、どうしてもエナジードリンクのようなものを飲みたいときは、ノンカフェインの栄養ドリンクを代わりに飲むのがおすすめです。ただし、栄養ドリンクには微量のアルコールが含まれることもあるため、こちらも飲み過ぎには注意しましょう。

妊娠中のカフェインは適度な量の摂取にとどめよう

先ほど、「妊娠中のカフェイン摂取量は1日200mgまで」とお伝えしましたが、必ずしも200mgを超えたからと言って、すぐに影響が出るわけではありません。カフェインの摂取量が毎日200mgを上回り続けるのが問題なのです。コーヒーや紅茶を適量摂取(1日1~2杯飲む程度)する場合は、あまり心配しなくてもよいでしょう。

もし、どうしてもカフェインが気になる場合は、カフェインレスのコーヒー(デカフェ)やノンカフェインのお茶で代用するのもおすすめです。最近ではコーヒーショップのほか、スーパーでもノンカフェイン飲料をたくさん見かけます。ただし、ハーブティーの中には、大量に摂取すると妊娠中に適さない子宮刺激作用をもつ成分を含むものをあります。自己判断せず医療関係者(助産師・医師・薬剤師など)に相談するようにしましょう。

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カフェインを毎日過剰摂取すると、赤ちゃんの発育に影響が出たり、母体も貧血の悪化や不眠の原因になったりすることから、妊娠中はカフェインを控えましょう。妊娠中のカフェイン摂取量は、1日200mgまでが目安です。コーヒーや紅茶の場合1~2杯までならOK。ただし、1日くらいカフェインの量がオーバーしたからと言って、すぐに影響が出るわけではありません。どうしてもカフェインが気になる場合は、ノンカフェインのコーヒーや紅茶をうまく利用してくださいね。

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<参考文献>
八訂 食品成分表2021
食品安全委員会 食品中のカフェイン

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