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妊婦さんが歯科検診に行くべき理由とは?いつ受診するのがおすすめ?【歯科医監修】

妊娠

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2021/12/14

妊婦さんが歯科検診に行くべき理由や、受診するのに最適な時期、受診にかかる費用について解説します。また、虫歯を防ぎたいけれど、つわりで歯を磨くのが難しい妊婦さんでもできる、おすすめの歯のケア方法も併せてご紹介します。

この記事の監修者

歯科医師・医療ライター

影向美樹さん

歯科医師免許取得後、10年ほどの勤務経験を経て、現在は歯科医療を中心する医療ライターとして活動中。

普段あまり歯医者さんに通う機会のなかったママであれば、検診とはいえ歯科医院へ行くのは少し億劫に感じてしまうもの。しかし『妊娠中の虫歯や歯周病はお腹の赤ちゃんにも影響する』と言われたらどうでしょうか。少し気になりますよね。

そこで今回は、妊婦さんが歯科検診にいくべき理由や受診のタイミング、また妊娠中における口腔ケアのポイントなどをご紹介していきます。

妊婦さんが歯科検診に行くべき4つの理由

女性は妊娠すると、体にこれまでとは違うさまざまな変化が起こります。お口の中も例外ではなく、妊娠中は口内環境が変化し、虫歯や歯周病になるリスクが平常時よりも高くなります。そればかりではなく、妊婦さんの虫歯や歯周病は生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

その具体的な理由や赤ちゃんへの影響について、さらに詳しくみていきましょう。

妊娠中は口内環境が悪くなりやすい

妊婦さんは平常時よりもお口の中が不衛生になりがちで、これにより口内環境が悪化しやすい傾向にあります。たとえば「つわり」がひどくなると、歯ブラシをお口の中に入れるのも困難になり、うまく歯が磨けない状態がしばらく続きます。また妊娠中は偏食になったり、食べる回数が増えたりすることも多く、これにより普段よりもお口に中が普段よりも汚れやすくなります。

女性ホルモンの変化により、ある種の歯周病菌が増殖しやすい

女性は妊娠すると「エストロゲン」というホルモンの分泌が盛んになります。歯周病菌の中にはこのエストロゲンによって増殖がうながされる菌が存在し、妊娠中は妊婦さん特有の歯肉炎(妊娠性歯肉炎)を生じやすくなることが知られています。

妊婦さんの歯周病は「早産」や「低体重児出産」のリスクを高める

歯周病は近年、お口の中だけでなく体の健康(全身疾患)にも影響を及ぼすことがわかっています。その1つに、妊娠中における歯周病は早産(妊娠22週~36週の出産)や低体重児出産(赤ちゃんの体重が2,500g未満での出産)のリスクを高めることが指摘されています。

出典:歯周病と妊娠/日本臨床歯周病学会

ママの虫歯は赤ちゃんの“虫歯リスク”にも影響

赤ちゃんのお口の中の細菌は、主にその周囲にいる大人のお口から感染していきます。とくに虫歯の原因となるミュータンス菌はその半数が母親由来ともいわれ、ママのお口に虫歯菌が多いほど赤ちゃんの虫歯リスクは高くなる傾向があります。妊娠中の歯科検診は自身のお口の健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんのお口の健康にもプラスになることを知っておきましょう。

歯科検診にはいつ行くのがおすすめ?

では実際に、妊娠中の歯科検診はどのタイミングでの受診がおすすめなのかを解説していきましょう。

・妊娠中の歯科検診は「安定期(妊娠16週~27週)」がベスト
とくに母胎に心配がない場合、妊娠中の歯科検診は妊娠16週目(妊娠5か月)から妊娠27週目(妊娠7か月)の「安定期」に受けるのがベストです。それ以前の妊娠初期はまだ母胎が安定せず、流産のリスクも高い時期なのであまりおすすめできません。また安定期に入れば、検診で虫歯や歯周病が見つかった場合でも、平常時と同様の治療がおこなえます。

・妊娠後期でも歯科検診に行くべき?
妊娠後期に入ってからでも歯科検診は受けられますが、お腹が大きくなると診療台に仰向けになったり長く座っていたりするのが、妊婦さんには大きな負担になります。もし体勢がつらく感じる場合は、その旨を事前に歯科医院に伝えておけば、それに応じた対処をしてもらいやすいでしょう。ただし出産間近は早産のリスクが高まるため、無理をせずに出産後に検診を受けるのがベターといえます。

・妊婦さんの歯科検診の費用
妊婦さんの歯科検診については、自治体によって無料で実施しているところもありますので、お住まいの地域のホームページなどで確認してみましょう。仮に無料でない場合でも、歯科検診には保険が適用できるため、3,000~5,000円ほどで受けることができます。なお母子手帳には歯科検診の結果を記載する欄が設けられているため、受診する際はぜひ母子手帳を持参しましょう。

妊婦さんが虫歯になりやすい理由

妊婦さんは先の歯肉炎(歯周病)と同様に、平常時よりも虫歯になりやすい傾向があります。

その主な理由は、先の『歯科検診に行くべき理由』でも述べたように、妊娠中は“つわり”などのさまざまな要因によって口内が不衛生になりやすいためです。つわり以外の要因では、ホルモンバランスの変化による唾液の減少、また妊娠による食生活の変化などが挙げられます。とくに食生活の変化では、妊娠初期からおこる「つわり」や、お腹が大きくなるにつれ生じる胃への圧迫感により、妊娠中は一度に食べられる量が次第に少なくなっていきます。そのため食事を数回にわけて摂るようになるわけですが、食べる回数が増えると、口内では唾液による自浄作用や歯の再石灰化が追いつかず、虫歯リスクが高まります。

そのほかに、妊娠中はつわりで嘔吐する回数が増え、胃酸によって口内が酸性になりやすい点も、虫歯リスクを高めてしまう原因となります。

歯科医が教える妊婦さんの歯のケア方法

最後に、妊娠中におけるお口のケアのポイントをいくつかご紹介しましょう。

・「つわり」で歯が磨けない時の対処法
妊婦さんが口腔ケアを一番つらいと感じるのは「つわり」の時期です。通常であれば歯磨きは「毎食後」がベストですが、妊婦さんの場合はつわりが比較的落ち着いている時間帯、気分のよいタイミングを狙って歯磨きをおこなってください。どうしても歯ブラシをお口に入れられない場合は、うがいだけでもかまいません。

・「つわり」が落ち着いたら、”食べたら磨く“を意識する
安定期以降につわりが落ち着いてきたら、次は”食べたら磨く“を日常の中で意識していきましょう。先にもお話ししたように、妊娠中はお腹が大きくなるにつれ食べる回数が多くなる傾向があるため、何かを食べたり飲んだりしたら、その都度歯を磨くよう心がけてください。

・歯磨きができる場合は、“歯間清掃”も忘れずにおこなう
平常時と同じように歯磨きができる方は、デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯間清掃も併せておこないましょう。虫歯や歯周病の原因菌は、「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきのすき間」などに多く、このような細かいすき間の汚れは歯ブラシだけで落とすことはできません。1日1回、就寝前の歯間清掃をぜひ習慣づけていきましょう。

・バランスの良い食事を心がける
妊娠中は食べ物の好みが変わりやすく、偏食気味になる方も少なくありません。お口の健康においては、糖分の多い食品、また酸性の強い食品(酸っぱいもの)はできるだけ控えた方がベターといえます。またバランスの良い食事は妊婦さんのみならず、お腹の赤ちゃんの発育にもとても重要ですので、妊娠中は普段よりも食生活には注意していきましょう。

・お口の乾きを感じたら、こまめに水分を摂る
妊娠中はホルモンの影響により、唾液の分泌が平常時よりも少なくなります。唾液には口内を洗い流すクリーニング作用があり、それがうまく働かなくなるとお口の中に細菌が繁殖し、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。お口の中が粘ついたり、乾きを感じたりしたら、こまめに水分を摂って潤していきましょう。

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妊娠中の虫歯や歯周病は妊婦さんのお口の問題だけではありません。とくに妊婦さんの歯周病については早産や低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。また妊婦さんのお口に虫歯菌が多いと生まれてくる赤ちゃんも将来虫歯を発症しやすいことから、近年は『子供の虫歯予防は“マイナス1歳から”』というスローガンも誕生しています。したがって安定期に入って母胎が落ち着いたら、ぜひ歯科検診でお口のチェックやクリーニングを受けておきましょう。

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