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医師監修|妊婦でもアイスを食べて良い?おすすめの種類や注意点を解説

妊娠

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2024/7/10

日本で販売されているアイスは厳しい基準を満たしているため、妊婦さんが食べても問題ありません。身体の冷えや食べるタイミング、アイスの種類によっては注意が必要です。妊婦がアイスを食べる上での注意点を解説します。

妊婦アイスの画像

妊娠中、特につわり中は食べられるものが限られることがあり、無性にアイスが食べたくなる方もいるのではないでしょうか。しかし、アイスを食べることで「赤ちゃんに影響がないか心配」「食べてはいけないものは入っていない?」などの不安を抱える方もいるでしょう。

結論として、妊娠中でもアイスを食べても問題ありません。この記事では、アイスを食べても良い理由とあわせて、おすすめの種類や避けた方がいい味、注意点などを紹介します。

この記事の監修者

コロンビア大学病院 一般産婦人科医

常盤真琴先生

山形大学医学部卒業、日本医師免許取得。ニューヨーク大学メディカルセンターにて産婦人科研修を修了。米国医師免許取得。現在コロンビア大学病院にて一般産婦人科医として勤務。

妊婦でもアイスを食べて良い?

妊婦さんがアイスを食べること自体に問題はありません。日本でアイスを製造するには、規格に適合した原料を使用し、品質基準を満たすことが必須です。厳しい基準をクリアしたものだけが販売されているので、食中毒のリスクが少なく、妊娠中でも安心して食べられます。

ただし、アイスには糖分や脂質が多く含まれており、食べる量や頻度に気を付けないと体重増加の原因となります。1日に食べるアイスの目安は1つまでとし、毎日食べるのは控えた方が良いでしょう。また、アイスを食べる日は運動や食事の調整でバランスを取ることが大切です。

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妊婦さんにおすすめのアイスは氷菓

妊婦さんには氷菓という種類のアイスがおすすめです。まず、アイスは乳固形分と乳脂肪分の割合により、4種類に分けられます。

乳固形分と乳脂肪分の割合

上記の表からも分かるように、乳固形分と乳脂肪分の割合が多い順に、アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス・氷菓となります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

アイスの特徴画像

氷菓は乳固形分や乳脂肪分をほとんど含まず、アイスの中ではカロリーも控えめであることから、妊娠中も食べやすい種類といえます。

妊娠中にアイスを食べるときの注意点

先ほど妊婦さんがアイスを食べても問題ないとお伝えしましたが、いくつか気を付けるべき点があります。ここでは覚えておいてほしい注意点を3つ紹介します。

食べ過ぎ

アイスは冷たく口当たりがよくつい手が伸びてしまいますが、先述のとおり糖分や脂質が多く含まれているため、食べ過ぎは禁物です。食べ過ぎると体重増加の原因となり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など妊婦さん特有の病気を招きかねません。

妊娠後期になると、450kcal(※1)ほど追加でカロリーを摂る必要がありますが、その分アイスを多く食べていい訳ではありません。間食は1日200kcal(※2)までが目安とされているため、アイスは1日1個までとしましょう。赤ちゃんに必要な栄養が行き渡るよう、栄養バランスの取れた食事を心掛けると良いですね。

どうしてもつわりがひどく、アイスのようなものしか食べられないときは、医師に相談することが大切です。
※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※2e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」

身体の冷え

アイスを食べることで身体の冷えが懸念されます。体質的に冷え性でない方も妊娠中はお腹が大きくなり、血管を圧迫して血行不良になったり、運動不足になりやすかったりするため、妊娠前よりも身体が冷えやすい状態です。

「冬場以外は気にする必要はないのでは?」と思うかもしれません。しかし、アイスを食べると体の中や内臓が冷えます。夏場など暑い時期に体内を温めるのは大変なので、冬場でなくても体が冷えないように対策すると良いでしょう。

時間帯やタイミング

アイスを食べる時間帯やタイミングにも気を配ると良いでしょう。特に、以下のタイミングでアイスを食べるのは避けたほうが無難です。

  • 妊婦健診の前
  • 就寝前
  • 風邪をひいているとき
  • 貧血のとき

妊婦健診の前にアイスを食べると、血糖値が上昇して血液検査の結果に影響があります。「前日ならOKでは?」と思うかもしれませんが、食べるタイミングによっては正確な結果が出ない恐れがあるため、なるべく避けるべきでしょう。

就寝前や風邪をひいているときにアイスを食べるのもおすすめできません。就寝前に食べると体が冷えて睡眠の質が低下し、風邪をひいているときは身体の内側から冷やすと治りが遅くなる可能性があるからです。

貧血のときはアイスや氷のような冷たいものが無性に食べたくなりますが、これは氷食症の可能性があります。氷食症になると、暑さなどに関係なく氷が食べたくなるため、アイスの食べ過ぎにつながります。もしこのような傾向が見られる場合、医師に相談しましょう。

妊婦さんの写真

妊婦さんは注意が必要なアイスの味

アイスを食べる際はいくつか注意点があると説明しましたが、実は注意しなければならない味もあります。妊娠中は、以下4つの味のアイスは避けた方が良いでしょう。

  • チョコレート
  • 抹茶
  • チョコミント
  • ラムレーズン

なぜ注意すべきなのか詳しく説明します。

チョコレート・抹茶:カフェインが含まれる

チョコレートや抹茶味のアイスにはカフェインが含まれています。妊娠中は避けた方が良い成分として知られるカフェインですが、具体的には1日200mg(※1)が摂取目安とされています。

たとえば、1.5gの抹茶を使用したアイスには、48mg(※2)のカフェインが含まれている計算になるため、コーヒーや紅茶などと一緒に食べると1日の摂取量を超えてしまう可能性があります。

カフェインをとりすぎると早産や死産、低体重児など赤ちゃんへのリスクが高まります。チョコレートや抹茶以外にも、紅茶やコーヒー味のアイスにもカフェインが含まれているため、食べ過ぎに気を付けたり、ほかのカフェイン飲料を控えたりするなど、調整しましょう。

妊娠中のチョコレートやカフェインについて詳しい情報が知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
妊婦はチョコレートを食べたらダメ?目安量と胎児への影響・注意点
妊娠中はカフェインを摂り過ぎはNG!妊婦さんに及ぼす影響と対策【管理栄養士監修】
※1国食品基準庁(FSA)が定める妊娠した女性のカフェイン摂取量
※2農林水産省「カフェインの過剰摂取について」

チョコミント:メントールが含まれる

チョコミント味のアイスを食べるときは、チョコレートに含まれるカフェインと、ミントに含まれるメントールやメントンに注意が必要です。

メントールやメントンは、食べたときに感じるスーッとした清涼感を生み出す成分です。これらの成分には、子宮を収縮させる作用があるため、妊婦さんが過剰摂取するのはよくありません。基本的にアイスに含まれるメントールやメントンは微量ですが、食べ過ぎには注意しましょう。

ラムレーズン:アルコールが含まれる

ラムレーズン味のアイスには、文字通りラムレーズンが含まれています。洋酒のラムに漬けこまれたレーズンを使用しており、アルコールを含む商品が多いです。アルコール分0.1%未満の商品もありますが、妊娠中は避けた方が無難でしょう。

妊娠中のアルコールについては、「医師監修|妊婦はノンアルコール飲料を飲んでもいい?選び方はある?」で詳しく説明しています。合わせてご覧ください。

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妊婦さんがアイスを食べても問題ありませんが、食べ過ぎは体重増加の原因となるため1日1個までとし、200kcal以内にするのがベストです。また、食べるタイミングや味にも注意し、体を冷やさないようにしましょう。基本的に食べ過ぎなければ問題ないため、頻度や量を守ってリラックスタイムに役立ててください。

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