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【元教諭監修】小学生の読書感想文の書き方!便利なまとめ方シートも

小学生

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2023/6/30

小学校の教諭・図書館司書教諭を30年以上兼任されてきた中尾さん監修のもと、小学生の読書感想文の書き方を解説します。原稿用紙の使い方も解説するので、作文に不慣れな低学年も安心です。便利なまとめ方シートもぜひご活用ください。

夏休みの宿題の定番・読書感想文。「小学生の子どもに読書感想文の書き方を教えたいが、どう教えればいいのかわからない…」とお悩みを抱えていませんか?読書感想文は、書き方のコツを掴めば、文章を書くのに慣れていない子どもでもしっかり書くことができます。

今回は、元小学校教諭の中尾さんに読書感想文の書き方をお伺いしました。書き方のステップやまとめ方、原稿用紙の使い方などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

元教諭の中尾さんに聞いた!読書感想文の書き方4ステップ

中尾恵美さんは、37年間にわたり、神戸市の公立小学校で教諭ならびに図書館司書教諭を兼任してきた方です。そんな中尾さんに、今回は小学生の読書感想文の書き方のコツやポイントを教えてもらいました。

次に紹介する4つのステップを押さえれば、夏休みの宿題を楽しく簡単に終えることができるでしょう。

1. 本を選ぶ:心が動いたかがポイント!

読書感想文において、「なんでこの本を選んだか」は重視されます。特に、 「本を選ぶときにその子の心が動いたかどうか」がポイントです。
例えば、「旅行先でお城を見ていたら調べたくなったから、お城の本にする」「恐竜の映画を見たときに恐竜の生態が気になったから、恐竜が出てくる本にする」など、子どもの生活や経験の中で湧いた興味・関心がわかるような選書だとよいでしょう。

本が多すぎて選べないときは、図書館や本屋に直接足を運んだり、インターネットでブックリストなどを見たりしながら選んでみてください。図書館であれば、司書の方に聞いてみるのもおすすめです。
低学年の子どもの場合は、「本の表紙を見てピンとくるもの」を選んでも構いません。本屋に行って、子どもが気になる表紙の本がないか見てみてください。

2. 本を読む:付箋を貼るのがおすすめ!

本選びが終わったら、実際に本を読み進めてみましょう。読み進める際に、付箋を使うと後からそのときに感じた感情を整理しやすくなります。
例えば、

・ピンクの付箋:「なんで?」と疑問に思ったところに貼る
・青色の付箋:「へぇ、そうなんだ」と興味をもったところに貼る
・黄色の付箋:「おもしろい!」と思ったところに貼る

というように、感情に合わせて色分けした付箋を使い、読みながら貼っていきます。

読書感想文に苦手意識をもつ小学生も多いですが、こうすることで感情の整理が簡単にできるため、思ったことや感じたことを言語化しやすくなります。

3. 感想を書き出す:対話法がおすすめ!

本を読み終わったらすぐ感想文を書くのではなく、まずは付箋を貼ったところについて一緒に話してみましょう。
文章を書くのが苦手な子どもの場合は、ママやパパが「ここはどう思う?」「同じような経験をしたことがある?」「どうしてここがおもしろいと思ったの?」と感想を引き出してあげる「対話法」でまとめるのがおすすめです。

話した感想をそのまま文章にまとめれば、感想文になります。書くのが苦手な子なら、一緒に話しながら、メモにまとめていってあげてもいいでしょう。話した内容をまとめるだけでちゃんとした読書感想文になるので、作文に苦手意識がある子にもおすすめです。

4. 文章として整理する

最後に、メモに取った感想の内容を、整理していきます。
以下の流れに沿ってまとめていきましょう。

1) 本のタイトル

2) 選んだ理由・背景

3) 気になったところ
∟好きなところ(「おもしろい」の付箋の理由)
∟びっくりしたところ(「へぇ、そうなんだ」の付箋の理由)
∟誰かに伝えたいところ(「なんで?」の付箋の理由)
∟自分もこんなことがあった(自分の経験と照らし合わせる)

4) 自分の意見や考え ★一番大切!
最後に本を読む前と読んだ後で自分の意見が変化したことを書きます。
「読む前はこう思っていたけど、読んだ後は〇〇な気持ちにかわった」など、本を読んだ前後の感情をわかりやすく書いてみましょう。
さらに、「本からはこう感じたが、自分はこういうふうに考えた。」など、自分の意見や考えを書きます。「自分の生活の中で同じようなことがあったのでこれからは〇〇したいと思う。」など、自分の生活と関連して書くとまとめやすいです。

このような流れで内容を整理することで、簡単に読書感想文を書くことができます。
ここからは、「読書感想文のまとめ方シート」の使い方について詳しくご紹介します。

【小学生向け】読書感想文のまとめ方シート

「読書感想文のまとめ方シート」に沿って本の情報や感想をまとめていくだけで、立派な読書感想文が完成です。まとめ方の流れと、それぞれの項目で記載する内容について解説します。

読書感想文のまとめ方シートをダウンロードしたい方は、以下のリンクをご覧ください。

1. 本のタイトル

まずは本のタイトルを書きます。魅力的な本がたくさんあるかと思いますが、1冊だけ選びましょう。

2. 本を選んだ理由・背景

次に、なぜその本を選んだのか理由を書きます。「表紙に興味を引かれたから」「関心のあるテーマだったから」など、選んだ理由を素直に書きましょう。自分自身の経験と選んだ理由を結びつけて書くと、相手により伝わりやすくなります。

「祭りで見た花火が印象的だったので、花火の表紙に惹かれた」「映画で恐竜を見てから、恐竜に興味をもっていた」など、具体的に書くと好印象です。

3. 気になったところ

次に、本を読みながら付箋を貼った部分についてまとめていきます。なぜおもしろいと思ったのか、なぜ疑問に思ったのかなどを文章にまとめていきましょう。「対話法」で作ったメモをそのまま使用しても問題ありません。

「えっ?」と驚きを感じた箇所や、「ここは周りの友達や家族にも伝えたい」と思った箇所も取り込んで文章にしていきます。また、「自分にもこんなことがあった」「もし自分だったらこうする」など、物語と自分の経験を照らし合わせた話を入れることもポイントです。

4. 読む前と読んだ後で変化したこと

最後に、本を読む前と読んだ後で変化したことを入れ込みます。
「読む前はこう思っていたけど、読んだ後は○○な気持ちに変わった」など、前後の感情をわかりやすく書いてみましょう。

原稿用紙の使い方・注意点

最後に、原稿用紙の正しい使い方について解説します。いくつか注意点があるのでしっかり押さえておきましょう。
なお、学校やコンクールから指示されたフォーマットがある場合は、それに従ってください。

タイトルは2・3マス開ける

タイトルは1行目から書きます。書くときは、上から2~3マス明けてから書き始めましょう。次の行には名前を書きます。名前は一番下のマスが空欄、下から2番目のマスに名前の最後の文字が入るように記入します。姓と氏名の間は1マス空けてください。

一般的にはこのスタイルで問題ないのですが、コンクールなどに応募する場合は学校名や学年の記載が必要な場合もあるので注意しましょう。

段落の最初は1マス開ける

名前を書いた次の行から本文を書き始めます。本文の書き始めは行の先頭を1マス空けてください。段落が変わるときも、先頭の1マスを空けるようにします。

強調したい箇所や会話はカッコを使う

強調したい内容や会話文はカッコを使い、ほかの文章と区別がつくようにしましょう。会話文の場合は改行した後に1マス目にカッコを書きます。

会話文が終わったら受けのカッコ(」)を書き、改行して次の行から続きの文章を書き始めてください。カッコの中にさらにカッコを使いたいときは、二重カッコ(『』)を使います。

句読点は行頭に書かない

句点(。)や読点(、)は、ほかの文字と同じように、1マスにつき1つ書くようにします。行の先頭・1マス目に書くことはできないので、注意しましょう。
先頭に句読点が来てしまう場合は、文末の文字と同じマス(行の一番下のマス)と一緒に記入してください。

受けのカッコが行の頭に来てしまう場合も、最後の文字とカッコを一緒に書くようにします。

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読書感想文を書くためには、心が動いた本を選ぶこと、本を読みながら疑問に思ったところや興味をもったところに付箋を貼ることなどが大切です。付箋をもとに親子で会話を行い、内容をまとめるだけでも立派な読書感想文になります。読書感想文が苦手な小学生も、この記事を参考にすることで、きっと満足のいく文章が書けることでしょう。

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<この記事の監修者>

中尾恵美(なかお・えみ)
37年間、神戸市の公立小学校の教諭/図書館司書教諭を兼任。
読書感想文の選定委員、子ども向けのブックリストの選定者もつとめる。
ひとりひとりの個性を伸ばす教育、子どもが毎日学校にきて楽しいと思えるような授業をモットーに教員職に従事。

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