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正しい母乳マッサージのやり方。張り、しこりの対処方法を解説【助産師監修】

妊娠

妊娠

2022/7/7

この記事では母乳マッサージのやり方や、張りやしこりができた際の対処方法を紹介します。また、正しい母乳マッサージの方法を教えてもらうときの相談方法や、マッサージでも張りがとれないときの対処方法もご紹介します。

母乳を与えたいというママにとって、おっぱいのセルフメンテナンスは大切です。母乳マッサージは、赤ちゃんが母乳を飲んでくれるのを助けるだけではなく、ママのおっぱいトラブルも防ぐことも期待できます。今回は正しい母乳マッサージの方法をお伝えするとともに、張りやしこりがある場合の対処法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

バースコンサルタント・助産師

古市菜緒さん

助産師として1万件以上の出産に携わり、7千人以上の方を対象に講師を務める。その他、妊娠・出産・育児に関する刊行物・商品・サービスなどの監修、産院のコンサルなどを行う。2児の母。

母乳マッサージとは?

母乳マッサージは、おっぱいマッサージとも呼ばれ、妊娠中に行うものと出産後に行うものの2種類があります。産前は乳頭・乳輪マッサージを、産後は乳房マッサージも加えて行います。母乳マッサージは、さまざまな効果が期待できますが、その中のひとつに母乳を出しやすくすることがあります。しかし、マッサージによって必ず母乳分泌が促されるというわけではなく、またすべての人に母乳マッサージが必要というわけでもありません。母乳マッサージを行う際は、まずは助産師さんに相談するとよいでしょう。

母乳マッサージの目的・効果は?

母乳マッサージの目的や効果は行う時期によって違います。

・妊娠中
妊娠中に行う母乳マッサージ(乳頭・乳輪マッサージ)の一番の目的は、自分のおっぱいに関心を持ち、おっぱいを吸ってくれる準備をすることです。まずは、自分の乳頭の形や硬さを知り、赤ちゃんが生まれてすぐ、くわえることができるように、乳頭や乳輪部を柔らかくします。

産前に行う母乳マッサージは、皮膚の鍛錬にもなり、皮膚の柔軟性や伸展をよくするため、乳頭亀裂などのトラブルを防ぐことができます。さらに、少しずつ乳頭の刺激に慣れることで、母乳授乳がしやすくなります。

・出産後
産後は、乳頭・乳輪に加え乳房マッサージも行います。
乳頭・乳輪マッサージは、産前マッサージと同様に吸いやすいおっぱいにする目的のほかに、母乳が通る乳管を開通させ、母乳の分泌を促す効果が期待できます。

また、母乳の原料は血液であるため、乳房マッサージを行い血行やリンパの流れを促進することでも、母乳の生成を促すことができます。さらに、産後3日目ごろから現れる、乳房の張りやむくみを和らげて、赤ちゃんが吸い付きやすいおっぱいにします。

そのほか、マッサージをすることで、乳腺炎を起こしてしまう原因のひとつである、乳管の詰まりを予防することができます。

産前母乳マッサージは、いつごろから行えばよいの?

産前の母乳マッサージを本格的に開始するのは、妊娠後期の正期産(せいきさん:いつでも赤ちゃんが産まれていい時期)である、妊娠37週(妊娠10か月)からにしましょう。この時期は乳頭・乳輪マッサージを行いますが、乳頭を刺激すると子宮収縮ホルモンである「オキシトシン」というホルモンが活性化します。そのため、妊娠初期や中期で行ってしまうと、流産や早産を招く可能性があるので、避けましょう。

妊娠中期からは、まずは自分のおっぱいに意識を向けてください。徐々に乳頭の分泌物が多くなり垢が溜まりやすくなるので、たまに拭き取るだけにしましょう。それだけでも、母乳授乳が始めやすくなります。また、妊娠中期・後期関わらず、切迫早産と診断されていた方や帝王切開予定の方、またその他の診断等がある方は、マッサージを開始する時期について必ず医師や助産師に相談してください。

産後母乳マッサージは、いつごろから行えばよいの?

産後の母乳マッサージは、出産後すぐから始めるとよいでしょう。特に乳頭マッサージをして乳管を開通させておくと、その後生成される母乳の排出もスムーズになります。

乳房マッサージは必須ではありませんが、必要な場合は、出産された施設で入院期間中に適切なマッサージを受けることになるでしょう。

しかし、安易な自己マッサージは、乳房緊満の助長や乳腺炎を招くことになりますので、必ず指導を受けてから行ってください。

自分でできる!痛くない母乳マッサージのやり方を紹介

母乳マッサージは、産前に行う乳頭・乳輪マッサージと、産後はそれらに乳房マッサージを加えて行います。

・準備するもの
乳頭・乳輪マッサージの際は、皮膚を柔らかくし滑りをよくするために、専用のアロマオイルやベビーオイル、または馬油や羊油などのクリームを利用するとよいでしょう。
乳房マッサージの際は、母乳の分泌により洋服が汚れる場合がありますので、清潔なタオルを何枚か準備すると安心です。

母乳マッサージの中でも、乳頭マッサージは、からだが冷えているときに行うと痛みを生じやすくなります。そのため、入浴後など血流をよくしてから行うとよいでしょう。また、蒸しタオル、しばらくのあいだ温めるのも効果的です。

乳房マッサージは、母乳の分泌を促す目的であれば、マッサージを入浴後に行うのも効果的です。しかし、乳房の張りをとる目的の場合は、入浴後に行うと張り返しや乳腺炎を招いてしまう可能性があります。自己判断でのマッサージは避けましょう。

乳輪・乳頭部のマッサージのやり方

乳頭部全体のマッサージを行う際は、乳輪部までしっかりほぐしていきます。この乳頭・乳輪マッサージを行うことによって、乳管開通を促し母乳の通りをよくします。また、乳頭を柔らかくし、伸びをよくすることで、赤ちゃんがしっかり口にくわえやすくなります。傷がつきやすくデリケートな部分ですので、手を清潔にし、爪は短くしてから行いましょう。

<乳頭・乳輪マッサージの手順 >
①5本の指の腹を、乳輪の際におきます。

②そのまま自分の体に向かって圧迫し、1分程度キープします。

③また指の位置を変えてこの動作を繰り返し行い、乳輪全体をほぐします。

④ 親指・人差し指・中指3本の指で乳頭の根元をつかみ、ゆっくり乳頭全体を3本の指で圧迫します。このとき乳頭をつぶすイメージで行いますが、力は入れ過ぎないようにしましょう。この動作を、指の位置を変えながら乳頭全体に行います。

⑤ その後、乳頭の根元をつまみながら、痛くない程度にゆっくり引っ張ります。これを3回ほど繰り返します。

⑥ 同様に、縦・横・斜めに角度を変えながら引っ張ります。

⑦ 最後に乳頭の根元をつかんだ状態で、こよりをつくるように乳頭の先へ揉みずらします。

乳房全体のマッサージのやり方

乳房全体のマッサージを行う際は、乳房の付け根の部分にあたる、乳頭基底部からしっかり動かしてマッサージすることを意識しましょう。乳腺を刺激し血液循環を促すことで、母乳の生成や排出の改善が期待できます。

乳房全体のマッサージの手順
① マッサージを行いたい乳房の反対の手の指を、乳房の外側の基底部に沿わせて乳房を包み込むようにし、それらを別の手で真横に押します。これを3~5回繰り返します。

② 次に、乳房に沿えていた手を斜め下にずらし、乳房を包み込むようにして別の手で斜め上に押します。これも先ほどと同様に繰り返します。

③ さらに、乳房を支えていた手を真下にずらし、小指をしっかり基底部に沿わせ、乳房を下から支えます。そして、先ほどと同様に、別の手で真上に押し同様に繰り返します。

④ 反対側の乳房も同様に行いましょう。

母乳マッサージをする際の注意点

母乳マッサージは、適切な時期に適切なマッサージを行うことで、効果を得ることができます。しかし、時期やマッサージの方法を間違えると、悪化したり、別の影響を与えたりすることがあるため、母乳マッサージをする際は以下のことに注意してください。

・痛みがある場合
乳房または乳頭に強い痛みがある場合、自己判断でマッサージを行うと、さらに悪化する可能性があります。乳腺炎などのトラブルを抱えている可能性もありますので、我慢はせず、出産した施設や近くの母乳専門の助産師などに相談しましょう。

・強い力や長時間のマッサージ
母乳の分泌を促すために、頑張ってマッサージをする方もいます。しかし、その力が強い場合や、長時間のマッサージは乳腺や乳頭を傷つけるだけではなく、マッサージが原因で乳腺炎等を招くこともあります。母乳マッサージは無理ない程度の力で行い、1回のマッサージは10分以内に留めましょう。授乳前に行う乳頭・乳輪マッサージは毎回行ってもいいですが、乳房マッサージは1日1~2回程度を目安にしましょう。

・分泌物が出るとき
妊娠期にマッサージを行うと、黄色や透明の分泌液が出ることがあります。そのままにしてしまうと、垢として残り皮膚の汚染の原因になりますので、ガーゼのようなコットン素材でやさしく拭き取りましょう。産後行うマッサージでも母乳の分泌がみられますので、清浄綿等で拭いて清潔を保ちましょう。

母乳マッサージを行ってはいけない人

いろいろな効果を得られる母乳マッサージですが、すべての人が行っていいわけではありません。母乳マッサージが禁忌な場合もあります。以下に当てはまる方は、母乳マッサージを控えましょう。また、どうしてもマッサージをしたい場合は、必ず医師や助産師に相談しましょう。

・妊娠中、安静指示がある方
妊娠中行う乳頭マッサージは、子宮を収縮させるオキシトシンというホルモンが分泌されます。切迫早産や妊娠高血圧等で安静指示がある方は行ってはいけません。また、子宮収縮抑制剤を内服している方もやめましょう。母乳マッサージによりお産が進んでしまったり、血圧上昇などの症状悪化を起こしたりする場合があるため危険です。

・帝王切開の予定がある方
逆子や前回帝王切開などで、今回の出産が帝王切開予定の方は、出産前の母乳マッサージは控えましょう。マッサージすることで陣痛や子宮口開大、破水を招いてしまうと、予定日とは違う日に緊急帝王切開になるだけではなく、母子ともにリスクが高くなります。

・おなかが張るとき
正期産(妊娠37週以降)以外の時期に、おなかが張っている場合は、乳頭の手入れなどは避けましょう。乳頭刺激により、おなかの張りを強めてしまう可能性があります。

逆に、正期産を迎え経腟分娩の予定の方は、おなかが張っても積極的にマッサージを行っても構いません。マッサージを行うことで、子宮収縮を促し、子宮口を柔らかくしてくれるため、お産がスムーズになりやすくなります。

マッサージでも張りが取れないときはどうするの?

自分で母乳マッサージを行っても改善がみられない場合は、助産師などに相談しましょう。乳腺炎を起している場合は医師による治療が必要なため、痛みや熱がみられる場合は、我慢をせず速やかに受診してください。

母乳マッサージ以外にできる、しこりや軽い張りの改善方法を以下に説明します。

・しこり部分を押さえながら母乳を頻繁に吸わせる
しこりや張りがある部分を手で圧迫しながら授乳すると、溜まった母乳を赤ちゃんが飲んでくれやすくなります。頻繁に飲ませることで母乳の出もよくなるため、効果的です。

・深く吸わせる
乳輪部までしっかりくわえず浅吸いになってしまうと、乳頭に傷がつくだけではなく、飲み残しが多くなるためトラブルになります。

・授乳前後で肩を回し背中をほぐす、胸や背中をあたためる
母乳は血液からつくられているため、胸や背中の血流がよくなると、母乳の出もよくなります。母乳分泌を促すためには、胸や背中をあたためるのがおすすめです。しかし、おっぱいが張りすぎている、強い痛みが出ているなどの場合は、症状を悪化させてしまう可能性があるため控えましょう。

・胸を締め付けたり、圧迫したりしないように注意する
胸の締め付けるようなブラジャーの着用は、血流を悪くするため母乳には向きません。また、産前・産後の胸の圧迫は気分不良も招きやすくなります。なるべく乳房全体が動くようなマタニティーブラを着用しましょう。

・水分をしっかりとる
水分が不足してしまうと、血流が悪くなり母乳の出も悪くなるだけではなく、全身の不調も招きます。産後は特に水分が必要になる時期なので、最低でも1日2ℓは水をとるように意識しましょう。

・不足しがちな栄養(タンパク質、カルシウム、鉄分)をバランスよくとる
栄養バランスを考えた食事を意識しましょう。栄養の偏りがみられると、母乳分泌が悪くなるだけではなく、産後の肥立ちも悪くなります。特に母乳を中心に頑張りたい方は和食をとれるといいですね。

母乳の悩みで受診する際の費用やポイント

母乳相談は、主に助産師が中心となり、サポートを行います。まずは、出産した産婦人科に母乳外来があるかを確認しましょう。里帰り出産などでかかりつけの産婦人科に通院できない場合は、近くの産婦人科や、おっぱいを専門にしている助産院があるかを探してみましょう。助産院の中には、訪問して母乳ケアを行うだけではなく、沐浴や育児相談などの出張サービスも行っているところがあります。

母乳ケアや母乳相談は、医療費控除の対象外になり、料金は1回3,000円から5,000円ほどです。しかし、乳房の強い痛みや発赤、発熱などが症状として表れている場合は、乳腺炎などの病気が疑われますので、必ず医師のいる産婦人科に受診しましょう。その際は、保険適用で診療できます。

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母乳マッサージは、母乳授乳をスムーズにし、おっぱいのトラブルを起こさないようにするために効果的です。しかし、間違ったマッサージをしてしまうと状態を悪化させるため、必ず、産前は妊婦健診や母親学級などで、産後は助産師からマッサージの指導を受けましょう。自分で母乳マッサージができるようになれば、母乳育児が楽しくなりますよ。

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