叶う夢#1 手話で選手の紹介がしたい!

耳の不自由な方でも楽しめるように、手話を使って選手紹介がしたい

01夢のきっかけはおばあちゃん

 耳が不自由なおばあちゃんと、手話で会話をしたい。そんな夢を抱えた1年前、手話サークルに初めて訪れた姉・胡々奈(ここな)ちゃんと妹・菜々穂(ななほ)ちゃん。週に1回の練習を重ねていくうちに、手話で表現できる単語が増え、会話も楽しめるようになった。そんな2人の母・絵理子さんは、「子どもたちに手話で選手紹介をやってもらいたい」という父の思いも受け、楽天グループが主催した「貯めて叶う夢がある」キャンペーンに応募。そしてこの日、その晴れ舞台に小さな姉妹が挑むことになった。

02練習を重ねて迎える本番

 姉妹が手話で披露するのは、10月16日(土)埼玉西武戦に先発出場する楽天イーグルスの選手全員分の名前。2人が手話で選手の名前を表現している様子は、選手情報と共にスタジアム内の大型ビジョンで紹介されることになった。当日に向け、2人は障害を抱えた多くの人が働く「楽天ソシオビジネス」のメンバーたちとオンラインでリハーサルを行うことに。自己紹介から、手話を始めたきっかけまで、コミュニケーションを取りながら練習を重ねた。

 そして迎えた本番の日。2人は選手が試合の準備をしているベンチのすぐ横にスタンバイ。初めて近くで見る大好きな選手たちの姿に、姉妹は緊張と憧れが入り交ざったような表情を浮かべる。いざ、本番。「1番、ショート、山﨑剛」――。どきどきを抑えながら、1人1人を丁寧に表現していく胡々奈ちゃんと奈々穂ちゃん。そして、無事に手話での選手紹介を終えると、スタンドからはあたたかな拍手が沸き起こる。緊張から解放された2人。目を見合わせて、ほっと胸をなでおろした。

03手話を使って人の役に立ちたい

 その様子をスタンドから見守った絵理子さんは、「本当に自分の子どもなのかな」と2人の堂々とした姿に思わず笑みをこぼした。「練習をしたというよりは、いつの間にか覚えていたんです。子どもってすごいですよね」。そう話す絵理子さんの表情はどこか誇らしげだ。「緊張したと思いますが、人前で自分を表現するのはすごくいいことですし、今回はいい経験ができたんじゃないかな。なにかのきっかけになってくれたらいいですね」と目を細めた。

 試合は、姉妹がそろって大ファンだという島内宏明選手のホームランが飛び出す展開に。「すごい!」「打ってくれてうれしい!」。胡々奈ちゃんと奈々穂ちゃんの声も思わず弾む。大舞台を終えた2人に、これからの目標を聞いてみると、「もっとたくさん単語を覚えて会話をしたい」(胡々奈ちゃん)「手話を使って人の役に立ちたい」(奈々穂ちゃん)と目を輝かせた。この日実現した夢が、姉妹の次の夢につながっていく。

夢を叶えた河原胡々奈さんと妹・菜々穂さんのコメント

手話で選手を紹介したのは、緊張したけれどすごく楽しかったです。楽天ソシオビジネスとのリハーサルでの練習のおかげもあって、ちゃんとできて良かったです。いい経験になったな、と思いました。

選手紹介をする時はグラウンドや選手を近くで見ることができました。グラウンドは初めて見るところでびっくりしたし、とても輝いていました。

好きな選手は島内選手です。当日はホームランを打ってくれてうれしかったです。
これからも頑張ってたくさんホームランを打ってください!

夢をサポートした楽天ソシオビジネスの
社員のコメント

(平田さん)
姉妹お二人とも、事前にかなり勉強をしていたのか、手話が上手でした。耳が不自由な祖母への思いと、手話に対して真剣に取り組んでいたことが伝わってきたのでとても感動しました。これをきっかけに姉妹とともに、色々な人に手話の楽しさと奥深さに触れる機会が増えたらと私達も嬉しいです。

(佐藤さん)
「耳の不自由な人にも、野球を楽しんでもらえるように、手話で選手紹介がしたい」という話を聞いて、おばあさんへのお孫さんの気持ちが素敵だなと感じ、ソシオでお手伝いできるのならぜひ!と参加させていただきました。
練習の時は、二人ともとても緊張していましたが、手話表現がきれいで、難しい単語にも臨機応変に対応してくれました。
手話の楽しさを、もっといろんな人に知ってもらえる機会があれば、今後も協力できたら嬉しいです。

(貫井さん)
ご姉妹の「手話で選手紹介をしたい」というお話を聞いて、とても感激しました。いつも私たちが使っている言葉に興味を持ってくれたこと、その言葉を覚えて実際に誰かのために使ってくれようとしていることに、感謝しています。リハーサルでご一緒させていただいた時にはすでに完璧な状態だったので、ご家族の方と一緒に頑張って練習してきたことがよく分かりました。
人のためになりたい、という気持ちは今後の人生で宝物になると思います。手話はもちろん、世の中には見た目では分からないけれども、困っている人はたくさんいます。優しい気持ちで良い社会をみんなで作っていきたいですね。

夢をサポートしたのは・・・

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