「秋茄子は嫁に食わすな」は意地悪じゃない?茄子の栄養素も解説
2025/9/29
「秋茄子は嫁に食わすな」には「姑が意地悪でいっている」という意味を含め3つの意味があります。どの意味でも秋茄子を食べても問題ありません。3つの意味と茄子の栄養素・注意点を解説します。

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざから、「妊婦は秋茄子を食べないほうが良いの?」と気になっている方もいるかもしれません。結論からいうと、嫁や妊婦が秋茄子を食べても問題ありませんが、食べすぎには注意が必要です。
この記事では、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざの意味と、妊娠中の女性が秋茄子を食べる時の注意点をご紹介します。
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「秋茄子は嫁に食わすな」には3つの意味がある
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざは、一般的には嫁いびりのネガティブな意味合いで知られていますが、実は、嫁を気遣う意味合いや、まったく別の意味合いがあることをご存知でしたか。
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざには、「嫁を気遣う説」「嫁への意地悪説」「よめ=ネズミ説」の3つの意味合いがあるとされています。
ここからは3つの意味をくわしく紹介します。
「体を冷やしたら大変」という優しさ
はじめに、「嫁を気遣う説」をご紹介します。こちらは茄子がもつ体を冷やす効果によって、子どもを産む嫁の体が冷えたら大変だという気遣いを表しています。
茄子に含まれるカリウムには利尿作用があり、尿の排出とともに体を冷やす(熱を排出する)効果があります。体を冷やすと子どもを授かりにくくなったり、流産になったりする可能性があるため、姑が子どもを産む嫁を心配しているという意味合いです。
また、茄子には種子が少ないことから、子宝に恵まれないことを案じているという説もあります。
「嫁に食べせるのはもったいない」という意地悪
続いて、「嫁への意地悪説」をご紹介します。こちらは、おいしい秋茄子を嫁に食べさせるのはもったいないという意地悪な意味であり、この説が一般的に広く知られています。
実際に、秋茄子は夏茄子よりも皮が薄く旨味が強いことで知られています。そんなおいしい茄子を食べさせるな、という意地悪な姑の嫁いびりを表したとされる説です。
同じような意味合いのことわざは、ほかにもあります。秋魳(かます)、秋鯖(あきさば)、秋蕗(あきふき)、五月蕨(ごがつわらび)は嫁に食わすなということわざは、嫁いびりを表すとされています。ただし、意味は諸説あり、理由・語源もはっきりしていません。
「夜目(ねずみ)に注意」というヨメ違い
最後に、「よめ=ネズミ説」をご紹介します。こちらは、鎌倉時代の私撰和歌集『夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)』に収録されている和歌に由来するといわれています。
由来となった和歌は、「酒粕につけた秋茄子を棚に置いておくのは良いけれど、よめに食べられないように注意しましょう」という意味です。この歌の「よめ」は、嫁ではなくネズミを指すという解釈があります。
「秋茄子は嫁に食わすな」も嫁ではなくネズミに注意という意味だったが、時代とともに「よめ」が「嫁」に転じたとされています。
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秋茄子に含まれる栄養素
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざには諸説ありますが、嫁や妊娠中の方が秋茄子を食べても何の問題もありません。食べすぎには注意が必要ですが、秋茄子はおいしいうえに、妊娠中に大切な栄養素も含まれています。
茄子は夏野菜のイメージですが、実は一番おいしくなるのは、気温が下がる秋です。急に涼しくなることでアミノ酸や糖などのうまみ成分や栄養素を蓄え、皮も薄くなり、おいしくなります。
ここでは、秋茄子に含まれる主な栄養素をご紹介します。
食物繊維:お通じの改善
水分が93%以上を占める茄子、内部はスポンジのような形状になっており、水分と食物繊維が豊富に含まれています。そのため、茄子はお通じの改善に役立ちます。
茄子がお通じの改善に役立つ理由は、スポンジ形状であることがポイントです。腸内で不要なものを吸収してくれるため、通常の食物繊維よりもより毒素を排出する力があるとされています。
妊娠中の便秘にお困りの方は、以下の記事もご覧ください。解消方法などを助産師監修のもと詳しく解説しています。
カリウム:健康な血圧維持
茄子には、きゅうりよりも豊富なカリウムが含まれています。茄子100gあたり(1本より少し多いくらい)のカリウム含有量は220mgです。これは、きゅうりの1.1倍、もやしの3.2倍の量にあたります。
カリウムには余分な塩分・水分を体外に放出する働きがあるため、高血圧の予防・むくみの解消につながるとされています。体の熱を放出するため、だるさや食欲不振などの夏バテ症状を予防・緩和することが可能です。
ただし、とりすぎると体の冷えや頻尿につながる可能性もあるため、食べすぎには注意しましょう。
妊娠中のこむら返りやむくみについては以下の記事で詳しく解説しています。
ナスニン:健康維持
ナスニンは、茄子の皮に含まれる鮮やかな紫色の部分に多く含まれる成分で、ポリフェノールの一種です。
強力な抗酸化作用があり、免疫力の向上やアンチエイジングのほか、がん予防にも効果があるといわれています。皮を向かずに調理することで、栄養成分を有効に取り入れられますよ。
葉酸:貧血予防
葉酸は、妊活中・妊娠中の女性が特に意識してとりたい栄養素です。特に、妊娠初期の胎児の成長には欠かせない栄養素といわれています。
そのほか、葉酸は赤血球を作るために必要で、貧血の予防に役立ちます。また、動脈硬化の予防につながる作用や、細胞の生産や再生を助ける効果もあるとされています。

秋茄子を食べるときの注意点
栄養豊富でおいしい秋茄子ですが、前述のとおり食べすぎには注意が必要です。特に、妊娠中の方は、食べる量を意識すると良いですね。また、生で食べると体を冷やしてしまうので、加熱して食べるのがおすすめです。
最後に、秋茄子を食べるときの注意点をご紹介します。おすすめのレシピも紹介するので最後までご覧ください。
1日1~2本を目安に、食べすぎない
茄子などの淡色野菜の摂取量は、一日あたり230g~280gが目安とされています(茄子1本80g)。ただし、これは茄子以外の淡色野菜も含んだ目安量で、実際にはさまざまな野菜をまんべんなくとることが理想です。
茄子の摂取量の上限は特に決まっていませんが、1日1~2本程度を目安にすると良いでしょう。
食べすぎると、口腔アレルギー症候群というアレルギー症状を引き起こしたり、茄子に含まれるヒスタミンにより、皮膚にかゆみや蕁麻疹を引き起こしたりする可能性もあります。
利尿作用や便秘・下痢に気をつける
茄子にはカリウムが豊富に含まれているため、食べすぎによりカリウムの利尿作用によって体が冷えてしまったり、食物繊維のとりすぎで便秘や下痢を引き起こしたりする可能性があります。
体を冷やさないためには、漬物など生で食べるよりも、加熱して食べると良いでしょう。ここからは、秋茄子のおすすめレシピを紹介します。
子どもが喜ぶなすのチーズ焼き

なすが苦手な子どもでも食べやすい、なすのチーズ焼きのレシピです。秋なすは皮が硬いので、切る前にピーラーで縦に等間隔に皮を落としておくとおいしく調理できます。余裕があれば、出産前に子どもに人気の料理を試しに作ってみても良いかもしれません。
詳しいレシピや作り方は「こどももパクパク♪なすのチーズ焼き(投稿者:くいしんぼうのにゃにゃ★ )」をご覧ください。
茄子の甘辛炒め♡お弁当にも

簡単に炒めるだけで作れるレシピです。お弁当のおかず、副菜、おつまみなどさまざまな用途に使えます。なすは油多めで強火で炒めるとおいしいです。
詳しいレシピや作り方は「茄子の甘辛炒め♡お弁当にも(投稿者:kawacchi)」をご覧ください。
袋で簡単!なすの漬物★

季節問わずストックしておきたい常備菜の漬物レシピです。茄子と相性抜群な塩でしっかり味付けすることで、シンプルなおいしさが広がります。アレンジして自分好みの味に仕上げるのも良いですね。
詳しいレシピや作り方は「★袋で簡単!なすの漬物★(投稿者:ケイヤ@kie)」をご覧ください。
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「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざは、嫁いびりの象徴として知られていますが、その意味については3つの説があります。
1つ目は茄子の体を冷やす性質を考慮し、妊娠中の嫁の健康を気遣う「嫁を気遣う説」。2つ目はおいしい秋茄子を嫁に食べさせるのが惜しいという「嫁への意地悪説」。3つ目は「よめ」がネズミを指す「夜目(ネズミ)説」です。
栄養豊富な秋茄子は、妊娠中でも食べて問題ありません。しかし、とりすぎには注意が必要です。また、生で食べると体を冷やすため、加熱調理をして食べるのがおすすめです。適量を守っておいしく味わってくださいね。
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