ドライブレコーダーの映像の保存期間=上書きされるまでの期間
基本的に、ドライブレコーダーで記録した映像はデジタルデータとしてSDカードやmicroSDカードなどの記録メディアに保存されます。
保存された後は古いものから順番に上書きされていくため、ドライブレコーダーにおける保存期間は、「上書きされるまでの時間」を指すのが一般的です。
上書きされるまでの期間は、ドライブレコーダーの機種や設定によって変わりますが、基本的には大きく次の2つの要素に依存します。
- SDカードの容量
- 録画方法
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
SDカードの容量による保存期間の違い(8GB~512GB)
ドライブレコーダーでは、SDカードやmicroSDカードを記録メディアとするのが一般的です。SDカードに保存されるデータ量は、GB(ギガバイト)で表され、数字が大きくなるほど保存できるデータ量も多くなります。
つまり、ドライブレコーダーで使用するSDカードのギガサイズが大きければ、それだけ多くの映像データを残すことができ、上書きされるまでの期間が長くなる仕組みです。
以下は、SDカード(microSDカード)の容量別に、記録可能時間の目安をまとめたものです。
SDカードの容量 (microSDカード) |
記録可能時間の目安 |
---|---|
8GB | 約1〜2時間 |
16GB | 約2〜4時間 |
32GB | 約6〜8時間 |
64GB | 約8〜16時間 |
128GB | 約16〜32時間 |
256GB | 約32〜64時間 |
512GB | 約64〜128時間 |
なお、上記の数値はあくまで目安であり、SDカード(microSDカード)の画質によって、記録可能時間は変動します。基本的には、画質が高くなるほどデータ量も大きくなるため、記録できる時間は短くなると考えてよいでしょう。
また、録画データが何日保存されるかは、運転する時間によっても異なります。たとえば、毎日通勤で2時間運転する場合、約6~8時間分のデータを記録できる32GBのSDカードであれば、3日〜4日分の映像の保存が可能です。
録画方法による保存期間の違い
ドライブレコーダーには、常時録画とイベント録画(衝撃録画・Gセンサー録画)という2つの録画方法があります。
録画方法 | 概要 |
---|---|
常時録画 |
|
衝撃録画 |
|
常時録画は、ドライブ中ずっと録画し続けるので、保存期間は短くなる傾向にあります。また、多くのドライブレコーダーでは、常時録画の場合、1分、3分、5分…など、あらかじめ設定した時間ごとにファイルが作られて保存されます。これはファイルが破損したときのダメージを、最小限に抑えることが目的です。そして容量がいっぱいになると、古いファイルから順番に上書きされていきます。
対してイベント録画は、事故などで衝撃を受けたときや急ブレーキを感知したときなどに、前後数十秒(メーカーや設定、型番によって秒数は異なる)の映像を、ファイルとして保存します。
イベント録画は重要なデータとなるため、常時録画とは別の領域に、上書きされないように保存されることが一般的です。そのため基本的には、自ら消去するまで録画データが消えることはありません。
【目的別】ドライブレコーダーの映像の保存期間はどのくらい必要?
ドライブレコーダーの映像の保存期間の目安はわかったものの、「じゃあ一体どれくらいの保存期間があればいいの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
必要な保存期間は、ドライブレコーダーを設置する目的で考えるのがおすすめです。
ここからはドライブレコーダーを設置する目的別に、必要な保存期間の目安を紹介していきます。
事故発生時に備えたい場合
ドライブレコーダーを事故発生時の状況証拠として使用したいだけであれば、通常の録画映像を長期間保存する必要はありません。
イベント録画されるタイプのドライブレコーダーであれば、事故が発生した時の衝突や急ブレーキを察知して自動的に映像を記録し、通常の保存先とは別に録画データを保存してくれます。イベント録画をオン・オフできる機種では、必ずオンにしておきましょう。
ほとんどのドライブレコーダーが常時録画に加えて事故発生時の衝撃録画に対応していますが、今回は以下の2つの商品をピックアップしてご紹介します。
コムテック|ZDR017(衝撃録画/常時録画タイプが選択可能)
録画時間の目安:16GBのSDカードで約60分〜約90分(FullHDの場合)
ヒガシ|HDR-w10 PLUS(衝撃録画/常時録画タイプが選択可能)
録画時間の目安:16GBのSDカードで約87分(フロントカメラ2560*1440・リアカメラ1920*1080の場合)
駐車監視をする場合
夜間など、駐車している間も映像を録画して監視したい場合は、駐車監視をする時間にあわせてSDカードの容量を検討しましょう。
たとえば、毎日19時頃帰宅して、翌朝8時に出社するのであれば、11時間分のデータを録画できるSDカードを選ぶと安心です。
なお、駐車監視の最大録画時間はドライブレコーダーや設定などによっても異なります。また、駐車監視するには電気の供給が必要であるため、長時間駐車監視したい場合には、ドライブレコーダー専用の外部バッテリーを用意しておくとよいでしょう。
以下、駐車監視機能付きのドライブレコーダー2つを紹介します。
パイオニア|VREC-DZ800DC
録画時間の目安:16GBのSDカードで約52分(連続録画のSDカード領域を74%に設定し、1080pの解像度で連続録画した場合)
ユピテル|Y-3100
録画時間の目安:16GBのSDカードで約58分(高画質の場合)
ドライブレコーダーの映像を長期保存するためにおすすめの方法
ドライブレコーダーの映像をなるべく長く保存するためにできることとして、今回は次の3つをご紹介します。
- 容量が大きいカードを選ぶ
- フレームレート(FPS)や画質を落とす
- データをパソコンなどに保存する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
容量が大きいカードを選ぶ
前述の通り、ドライブレコーダーの保存期間はSDカードの容量に大きく依存します。
ドライブレコーダーによって対応できるSDカードの容量は異なるため、大容量のSDカードを使いたい場合は、対応できる機種をあらかじめ調べておきましょう。
なお、ドライブレコーダーには最初からSDカードが付属しているものと別売りのものがあります。付属しているSDカードの容量は機種によって異なるため、事前に確認したうえで、必要に応じて希望の容量のSDカードを用意しましょう。
またSDカードを購入する場合は、ドライブレコーダーに対応している高耐久タイプを選ぶのがおすすめです。
フレームレート(FPS)や画質を落とす
ドライブレコーダーの映像のフレームレート(FPS=1秒に取れる写真の枚数)や、画質を落とすと、保存すべきデータ容量が小さくなるので録画時間は長くなります。
高画質で録画できるドライブレコーダーを使用している場合や、データの保存期間を延ばしたい場合は、フレームレートや画質を調整する方法も検討しましょう。
ただし画質を落としすぎると、実際に事故が起こった際に、車のナンバーなどの細かい情報が読み取れなくなる可能性があります。画質を落とす場合でも、200万画素程度は維持することをおすすめします。
データをパソコンなどに保存する
旅行先でのドライブ中の映像のデータは定期的にパソコンに落としておくと、消えることなく保存することが可能です。
SDカードからパソコンにデータを転送するときには、パソコンのSDスロットにカードを差し込み読み取ります。なお、パソコンにSDスロットがない場合はカードリーダーが別途必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。
まとめ
ドライブレコーダーの保存期間は、SDカードなどの記録メディアに保存されたファイルが上書きされるまでの期間を指します。基本的にはSDカードの容量が大きければ大きいほど、保存できるデータ量も増えるため、保存期間は長くなることが一般的です。
なお、必要な保存期間は、ドライブレコーダーを使用する目的によって異なります。保存期間を長くしたい場合は、容量が大きいSDカードを選んだり、定期的にパソコンにデータを転送したりするなど工夫しましょう。