近年、男性の美容に対する意識が高まり、薬局やコンビニにもメンズ用のスキンケアアイテムが取り揃えられています。肌のお手入れは、男女ともに必要な身だしなみのひとつといえるでしょう。
清潔感のある男性を目指すためにも、正しいスキンケアの方法を覚えておきたいですよね。今回は、メンズスキンケアの基礎と方法について解説いたします。
INDEX
まずは、近年メンズスキンケアが注目されている理由についてご紹介します。
男性の肌は、水分量が女性の半分程度。うるおいが不足しており、乾燥しやすいといわれています。
乾燥肌を放置することは、肌荒れを起こしたりしわができたりする原因になります。見た目の印象にも大きく影響してしまうのです。
男性の肌は皮脂の分泌量が多いことも特徴です。肌の水分量が少ない分、皮脂で肌の乾燥をカバーしようとすることが原因で、分泌量は女性の3倍ともいわれています。
一般的に、女性の皮脂分泌は年齢を重ねていくうちに減少していきますが、男性は加齢の影響を受けにくいとされています。
皮脂の分泌が多すぎると毛穴が広がって見えると同時に、ニキビや吹き出物といった肌トラブルを引き起こしやすくなるので注意が必要です。
男性の身だしなみで欠かせないシェービング(髭剃り)ですが、肌の表面にある角質層をはがし、肌荒れを引き起こすことがあります。
特に、シェービング後の肌は非常に敏感な状態です。お手入れをしないまま放っておくと、乾燥や皮脂分泌の促進にもつながるため、しっかりと保湿することが大切です。
また、紫外線によるダメージも肌トラブルを引き起こします。紫外線の中でも、UV-Aは真皮を破壊し、肌のハリや弾力を失わせ、しわができる原因になります。
さらに、強い紫外線を浴びると、メラニン色素が過剰に分泌され、しみやそばかすの原因になるのです。ゴルフや海水浴、キャンプなどをするときは要注意です。レジャー以外でも、窓に近い席で仕事をしている方や、外回りの仕事が多い方は紫外線対策を心がけましょう。
肌のタイプは、乾燥肌・脂性肌・普通肌・敏感肌の4つに分けられます。それぞれで特徴や必要な成分が異なるため、肌の状態に合わせたスキンケア製品を選ぶことが大切です。
ここからは、タイプ別のおすすめスキンケア製品をご紹介します。
洗顔後に肌のつっぱりを感じたり、唇が乾燥しやすかったりする方は、乾燥肌の可能性が高いです。
スキンケア製品を選ぶときは、「高保湿」などの表記があるものがおすすめです。特に、ヒアルロン酸やスクワラン、コラーゲンなどの保湿成分が多く配合されているアイテムを選びましょう。
昼頃に肌のベタつきが気になったり、小鼻周りが赤くなったりしている方は脂性肌の可能性があります。脂性肌の方は、皮脂のバランスを整えるビタミンC誘導体、エラスチンなどが含まれたアイテムを使用することがおすすめです。
また、ニキビで悩んでいる方は、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントインなどの成分を含むスキンケア製品を選びましょう。肌荒れを抑える効果が期待できます。そのほか、ニキビを予防する「薬用」または「医薬部外品」のアイテムも活用してみてください。
普通肌は、水分量と油分量が正常な状態です。ニキビができにくい、肌がきれいと言われたことがある方は、普通肌の可能性が高いでしょう。ただし、季節や環境によっては乾燥肌もしくは脂性肌に傾く可能性もあるので油断は大敵です。
お風呂上がりにややカサつきやすいと感じる方は、乾燥肌向けの製品を使うのがおすすめです。一方、日中鏡を見たときにテカりが気になる方は脂性肌向けを選ぶと良いでしょう。
カミソリ負けをしやすかったり、洗顔料がしみたりするなど、肌に異常が出やすい方は敏感肌かもしれません。ストレスや生活習慣の乱れ、合わない化粧品を使用しているといった理由で敏感肌になる方もいます。
「敏感肌用」や「低刺激」と表記された、肌に優しいスキンケア製品がおすすめです。パラベン、アルコールなどの肌が刺激を受けやすい成分が入っていないものを選びましょう。
また、肌トラブルが長引くときは、皮膚科など専門医の診断に基づいた処置が必要なケースもあります。セルフケアで限界を感じたら、一度受診してみるのもおすすめです。
肌を健やかに保つためには、正しい方法でスキンケアをすることが大切です。スキンケアでは、主に以下のアイテムを使います。
・洗顔料
・化粧水
・乳液
ここではスキンケアの3ステップを順番にご紹介します。
まずは洗顔料を使い、肌の汚れや余分な皮脂を落としていきます。
洗顔前には、ハンドソープで手洗いして油分を落としておきましょう。ぬるま湯で顔全体を濡らした後、よく泡立てた洗顔料で優しく洗っていきます。汚れをしっかり落とそうとして、肌をゴシゴシ擦らないように注意しましょう。
タオルを使うときも肌を刺激しないように、顔を押さえて水分をタオルに吸い込ませるイメージで拭き取ります。
洗顔後は、化粧水で肌にうるおいを与えていきます。
製品によって適量は異なりますが、多くの場合は手のひらに500円玉程度の大きさで化粧水を広げます。両手にとったら、おでこ・鼻・頬といった順番でなじませましょう。
肌を包み込むようにして、優しく化粧水をつけることを意識してください。コットンを使用する場合は化粧水をしっかり吸わせることが大切です。量が少ないと摩擦の原因になるため、注意しましょう。
化粧水をなじませた後に美容液を使うのも良いです。エイジングケア用の美容液も多くラインナップされています。
使用するタイミングはスキンケア製品によっても異なりますが、基本的には化粧水と乳液の間です。化粧水と同じく、優しくなじませていきましょう。
最後に、乳液・クリームでうるおいを閉じ込めます。乳液やクリームは多くつけるとベタつくので、製品ごとの推奨量を守って使いましょう。
手にとった後、体温で軽く温めてからなじませると、浸透力が高まりやすくなります。頬から外側に向かって伸ばし、おでこやあご、口元、目元にも優しくなじませましょう。ベタつきやテカりが気になりやすい鼻は、最後に残った乳液を薄く伸ばすのがポイントです。
基本は以上の3ステップですが、すべてやるのが面倒だと感じる人は「オールインワン」タイプのスキンケア製品がおすすめです。化粧水・美容液・乳液・クリームで行うケアを、ひとつの製品で完結できます。
スキンケアの効果をより実感するには、日常生活の見直しも重要です。最後に、肌状態を健康に保つための生活習慣をご紹介します。
日々の紫外線対策を徹底し、外部からのダメージを少しでも減らしていきましょう。外出前には日焼け止めを使い、こまめに塗り直すのが理想です。
男性向けの機能を備えたメンズ用日焼け止めもチェックしてみてください。さらさらとした塗り心地で、ベタつきやテカりを抑えたアイテムがラインナップされています。
健やかな肌を保つには、バランスの取れた食事が大切です。糖質や脂質の多い食べ物、カフェインや香辛料などをよく摂取する方は要注意です。肌荒れやニキビを悪化させる可能性があります。
具体的には、以下の栄養素がおすすめです。
必須脂肪酸…肌の乾燥を防ぎ、肌トラブルを予防するのに役立つ
ビタミンA・ビタミンB…皮膚や粘膜の状態を健康に保つ効果が期待できる
ビタミンC…メラニンの生成を抑え、しみやそばかすを防ぐのに役立つ
ビタミンE…脂質の酸化を防ぎ、肌荒れ対策につながる
また、水分を十分に摂ることも意識しましょう。肌の乾燥を防ぐには、1日に2.5リットル以上摂取することが推奨されています。特に、気温が低くなる秋〜冬にかけては水分摂取量が少なくなりがちですが、季節を問わずしっかり飲むことを心がけてくださいね。
肌の修復は、私たちが夜寝ている間に行われます。これは、眠りについてから2〜3時間の間に分泌される成長ホルモンのはたらきによるものです。
睡眠不足が続くと、ターンオーバーの周期が乱れ、肌トラブルの原因となります。質の良い睡眠を取るために、睡眠時間を十分確保するだけでなく、十分にリラックスできる環境をつくるようにしましょう。
また、仕事や家事、人間関係から来るストレスも、肌に悪影響を与えます。息抜きやストレス解消の機会を設け、心身ともに健やかな生活を送ることも重要です。
男性は女性よりも肌の水分量が少なく、皮脂分泌も多いため、肌トラブルが起こりやすいといわれています。自分の肌状態に合ったスキンケアを心がけ、習慣化することが大切です。
また、肌の健康を保つために、日常生活の見直しも行いましょう。紫外線対策のほか、栄養バランスの整った食事、十分な睡眠をとるなど、規則正しい生活を心がけてくださいね。