カルチェロのワインの 品質 を上げるために、どんな工夫をされたのでしょう?
まず何よりも当主のシエルヴァのおかげです。
フアン(シエルヴァ氏の名前)は自由に実験をさせてくれましたし、最高のテロワール(※)を持つ四つの畑を選んで用意してくれました。
それぞれの畑にその土壌に合うブドウを植えれば、良質なワインが出来ることは明らかでした。
※ 土壌や気候を含めた、ワインのもとになるぶどうの育つ環境を意味する用語
畑の テロワールの良さ というのは、どこで確信されましたか?
まず標高が高いこと、そして素晴らしい土壌です。
標高の高さと、畑にある小さな白い石が土壌の温度を上昇しないように保っています。
それは、ワインのフレッシュ感を保つために不可欠な要素です。
この土壌はラベルにも描いてありますが、黒い土壌の間に白い石が見える様子をデザインしてあるんです。
カルチェロのコンセプトの中心は 土壌 ということですか?
土壌も大事ですが、我々にとって「自然」はキーワードです。
ブドウは自然条件の影響を直接的に受けるので、それをしっかり見極めないと栽培はうまくいきません。
我々はここ数年間、地方、気候、土壌をよく分析し、栽培方法を何度も変えて、所有する畑に合った最高の栽培方法を見つけました。
現在、それは成功していると自信を持って言えます。
栽培方法も醸造方法も、試せることはまだまだたくさんあります。
これからも、品質向上のために、いろんなチャレンジをしていこうと思っています。
もちろん、ワインの価格はなるべく上がらないようにするつもりです。
ご自身のワインを 日本で販売 することについてどう思われますか?
正直に言うと、もともと生産量の90%以上は日本へ輸出していました。
私は合気道と弓道を昔から学んでいるので、日本に憧れがあり、合気道や弓道の練習が、ワイン生産のインスピレーションに繋がることもあります。
バランスと調和を大事にする、日本の文化は自分の人生にもワイン醸造方法にもとても大切です。
カルチェロのワインが表現するエレガントな構成とそのバランスは、日本文化に通じるものがあります。
だからこそ、私のワインは日本の皆様に気に入っていただけるのではないかと思います。
アナ: ありがとうございました! それでは、ガルべズ氏のおすすめワインをご紹介します!
このワインを飲むとすぐ、ミントの香りとともに、濃厚なラズベリーやレザーのアロマが感じられます。それに加え、土、樽のニュアンスがあり、地よくジューシーなタンニンもあります。若々しい飲みやすい赤です。毎日飲めるようなワインですね。
アルティコは、ミステリアスなシラーでとても好きでした。通常のスペインのシラーを想像してみますと、甘草や黒ベリーの印象が強いですが、このシラーを試飲すると、爽やかな菫の香りが華やかに広がり、そのあと、シナモンなどのスパイス感とともに、赤ベリーの香りも感じられます。バランスが良くてエレガントなシラーでした。
こちらは、カルチェロのワインの中でもっとも複雑な味わいがあると思います。赤系果実または、黒系果実、ヴァニラなどの甘いスパイスが、ブドウ品種のブレンドをよく隠しています。風味が面白い上に、熟成の可能性のあるワインです。すぐ飲んでも美味しいですし、10年間待っても美味しいはずです!
インタビュアーのアナです!
スペインで生まれ育ち、イギリスの大学で日本のことを勉強していて、その頃にワインに興味を持ち、WSETというワインの資格を取って日本に来ました。
カルチェロのワインは私も本当に大好きです。ワインが美味しいだけでなく、良質ですし、実際にお会いしたガルベズさんも面白くて楽しい方でした。
カルチェロが位置するフミーリャには、その他にも美味しいワインがたくさんありますので、皆様にも是非楽しんでいただきたいです。
スペインのワインの作り手の中から、こちらの6人の方を選んでみました!