ワイン生産者来日による独占インタビュー!vol.1 カトリーヌ・パラン氏

ワイン生産者来日 おすすめワイン SPECIAL INTERVIEW VOL.1 カトリーヌ・パラン氏

ワイン生産者「カトリーヌ・パラン氏」×インタビュアー「アナ」  生産者への独占インタビューを通して、ワインをご紹介いたします。

カトリーヌ・バラン氏独占インタビュー

バラン氏のおすすめワイン

ワインの味わいチャート

ブルゴーニュのぶどう品種とは?

インタビュアーのおすすめワイン

ドメーヌ・パランとは

フランスのワイン銘醸地ブルゴーニュ地方の中でも、長い歴史のある“ドメーヌ・パラン”は、伝統を重んじるだけではなく、常に革新を起こす造り手としても知られています。

ブルゴーニュの名門パラン家のワイン造りは、17世紀半ばのぶどう栽培から始まりました。それから200年かけて19世紀初頭に設立されたワイナリーが、“ドメーヌ・パラン”です。

1998年、父からドメーヌを受け継いだカトリーヌ・パラン氏とアンナ・パラン氏は、ポマール村を中心に25ヘクタールの畑を運営しています。そして女性としての感性を生かし、そのワインを「やわらかさ」と「エレガントさ」を持ったスタイルに進化させました。

今回そんな名門パラン家のワインについてお話を伺うべく、来日したカトリーヌ・パラン氏に特別インタビューさせていただきました。

フランス ブルゴーニュ地方

カトリーヌ・パラン氏特別インタビュー

ブルゴーニュ新世代の代表ワイナリーの生産者にインタビューできるとあって、緊張しつつテイスティングルームに向かうと…。すばらしいワインと共に歓待のお出迎えをしていただきました!とてもいい雰囲気でさっそくインタビュー開始です!

日本で販売するおもしろさについて

カトリーヌ
ブルゴーニュのワインはとても複雑で、土壌の特徴や栽培方法について詳しくなければなりません。でも日本のバイヤーはブルゴーニュの知識がとても豊富で理解度が高いので、生産者としてとても嬉しいです。もっと日本のワインショップに私たちのワインが並ぶように、紹介し続けていければと考えています。

ドメーヌを継承していくことについて

カトリーヌ
15年前に両親がワイン造りを引退した際、他の仕事も選ぶことができたのですが、娘のわたしたちがドメーヌを継がなければならない、と自然に思いました。家族と働くということには大変な部分もありますが、それ以上に楽しさややりがいを感じることができています。

カトリーヌとアンナが造るワインスタイルの革新について

カトリーヌ
ブルゴーニュ地方では、昔からワイン造りは男性の仕事だったので、女性が引き継いでワイン造りをしていくこと自体が大きな革新といえるのではないかと思っています。

ドメーヌの当主が変わるということは、ワインのスタイルも根本的に変わるということなので、普通は一筋縄ではいかないことです。

しかし今では周りの理解も得られ、わたしたちは、ここ数年のワイン醸造の新技術を生かし、男性的な「フルボディで力強いポマールのワイン」から「ブルゴーニュのフィネス(質の良さ)を高めた複雑な風味を持つデリケートなワイン」にスタイルを変更してきました。

パラン氏のおすすめワイン

ワインその1 カトリーヌおすすめのポマールのワイン

[2008]ポマール・プルミエ・クリュ・クリュ・レ・ゼプノ/ドメーヌ・パラン(赤)

カトリーヌ
ドメーヌの中心、ポマール村の個性あるテローワル(※)で生産しているワインになります。我々はこのポマール村に7つの畑を持っておりますが、その中でもレ・ゼプノが最もエレガントだと思います。 ファッションの世界に例えると、オートクチュールと呼ぶべきレベルのワインで、元気なぶどう、およびテロワールがよく味わえます。

こちらは是非、長期間熟成させてから、大切なイベントで開けていただきたいワインです。6年熟成させたものを試飲しましたが、あと20年程待ってもいいぐらいです。お肉料理、特に焼肉やお肉の刺身との相性が最高です。

もっと若いヴィンテージであればお値段も安くなりますし、誕生日のパーティーやご家族の集まり等、気軽なシチュエーションで飲んでいただけると思います。

※テローワル:土壌や気候を含めた、ワインのもとになるぶどうの育つ環境を意味する用語

ブルゴーニュの代表ぶどう品種、ピノ・ノワールを使用しているワインで、高級感があり、美味しかったです。一般的にポマールのワインは果実の風味のしっかりとした、フルボディーの力強いワインですが、このワインにはエレガントな複雑みがあり、びっくりしました。

ワインその2 テローワルの多様性を語る2つの畑のワイン

[2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ/ドメーヌ・パラン(赤) [2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・シャポニエール/ドメーヌ・パラン(赤)
[2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ/ドメーヌ・パラン(赤) vs [2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・シャポニエール/ドメーヌ・パラン(赤) [2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ/ドメーヌ・パラン(赤) [2011]ポマール・プルミエ・クリュ・レ・シャポニエール/ドメーヌ・パラン(赤)

カトリーヌ
若いヴィンテージになりますが、この2本もポマール村のワインです。ひとつはレ・ゼプノ、もうひとつはレ・シャポニエールという畑で収穫されたぶどうから作られていて、ぜひ比較していただきたいと思います。同じポマール村の中でも反対に位置する畑なので、飲み比べることで、ポマールという村のワインの多様性を感じていただけると思います。

まずはレ・ゼプノ。口に含んだ瞬間にエレガントな印象があり、フィネス(※)が口に広がっていきます。言い換えれば、凝縮感があって、イチゴとラズベリーの果実味と、バニラや皮といった樽や熟成に由来する風味とよく溶け合っています。そしてフル・ボディーのワインだとわかっていただけると思います。余韻も長く続きますね。

それに対して、レ・シャポニエールは同じくエレガンスとフィネスはありますが、レ・ゼプノとは違い、その印象は最後に感じられます。まず最初に感じるのは重厚なボディーで、それに続いて、フィネスとエレガントさといったところでしょう。王様に例えたくなるような印象の、堂々としたワインで、フルボディーの口当たりやワインの複雑さを求める方にお勧めします。

※フィネス:よく洗練された味わい

同じ村で同じぶどう品種、ピノ・ノワールを100%使用していますが、想像以上に味わいが違ってびっくりしました。どちらもとても美味しく、ブルゴーニュワインの味わいの特徴を、違う形で表しています。また、もう一度飲み比べたいです!

ワインその3 才能を示すグラン・クリュ

[2008]コルトン・ブラン・グラン・クリュ/ドメーヌ・パラン

カトリーヌ
生産量は1200本と非常に少なく、稀少なワインです。同じ村の中には、よりよく知られたグランクリュ(※)としてコルトン・シャルルマーニュの畑がありますが、我々の作っているコルトンは、より綺麗なワインになっていると思っています。

傑出したミネラル感がありながら、オーク由来の重厚なボディーを併せ持ち、しっかりと高級感を表現しています。このワインの樽の使用率はどれくらいだと思いますか?100%ですよ!

その樽のニュアンスが豊かな果実味と、完璧に溶け合っていることに驚いてもらえると思います。

※グラン・クリュ:特級畑

ブルゴーニュの白ワインの多くは、シャルドネ種から生まれます。

その原酒は樽で熟成したものと、樽を使用しないものをブレンドするのですが、その割合は実際にテイスティングしてみれば、ほぼアロマから想像がつくといえます。しかしこのグラン・クリュのワインが、100%樽で熟成されているとは信じられないかもしれません。

一般的に、樽を100%使用したワインは、フレッシュ感やミネラル感がなくなり、香りにはトースト、バター、クリームといった樽に由来するニュアンスがメインになり、液体に厚み出ることが多いです。

しかし、このワインはそんな特徴もありながら、フレッシュな果実の風味が生き生きと感じられるのです。すばらしかったです。ワインの知識がある方なら、よりその複雑さを楽しんでいただけるのではないでしょうか。そして、ワインの持つ高級感を楽しみたいという方にもお勧めします。

パランワインがひと目で分かる!

レ・ゼプノ2008

イチゴ ラズベリー マッシュルーム バニラ

グラフ

レ・ゼプノ2011

イチゴ ラズベリー マッシュルーム バニラ

グラフ

レ・シャポニエール2011

ブラックべリー イチゴ バニラ 皮

グラフ

コルトン・ブラン2008

ライム ピーチ バター ミネラル

グラフ

ブルゴーニュのぶどう品種とは?

シャルドネ

シャルドネ

  • 気候によって特徴が異なる。
  • 冷涼な気候では酸味が高くなり、ブルゴーニュはその傾向が強くなる。
  • 醸造技術がスタイルに大きな影響を与える。
  • 気候によってアロマが異なる。柑橘類や緑色の果実、核のある果物、白色の果実のアロマが中心となる。

パランのシャルドネの香りの特徴

ピノ・ノワール

シャルドネ

  • 冷涼、あるいは温暖な気候を好む。気候によって特徴が異なる。
  • 淡い色合い
  • ソフトなタンニン
  • 果実の風味は赤い果実。
  • 熟成すると動物的なアロマが発生する。
  • 樽で熟成したものはバニラやトーストのアロマが発生する。

パランのピノ・ノワールの香りの特徴

日本のファンへのメッセージ

日本はすごく好きな国なので、またぜひ戻ってきたいと思っています。仕事柄、色々な国に行くことがありますが、日本人の細やかな心遣いや、丁寧なサービスは本当に素晴らしいです。これはひとりの旅行客としてももちろんですが、仕事をするうえのパートナーとしてもとてもありがたいことです。信頼できるということは、ビジネスパートーナーとして、とても大切なことです。日本の皆さんに、私たちのワインをもっと知ってもらえると嬉しいと思います。

カトリーヌ・パラン

インタビュアーのおすすめワイン

インタビュアー、アナです!

スペインで生まれ育って、イギリスの大学で日本のことを勉強していました。その頃にワインに興味を持ち、WSETというワインの資格を取って、日本に来ました。

今回はそんな私が、来日したドメーヌ・パランのオーナーにお会いして、インタビューをしてきました。

パランのワインは私も大好きです。ワインが素晴らしいだけでなく、実際にお会いしたカトリーヌさんは明るくて素敵な女性でした。そんな彼女たちのワインを、ぜひ皆様にも楽しんでいただけたらと思います。