スパークリングワインというとシャンパーニュ!と思われるかもしれませんが、実はスパークリングは世界各国で生産されています。特に生産量が豊富な国は、今回ご紹介するイタリアです。飲みやすくてすっきりしたプロセッコから、まるでシャンパーニュを思わせる複雑で高級なフランチャコルタまで沢山の個性あるスパークリングワインが集まっています。この特集ではイタリアのスパークリングワインを代表する5種類を分かりやすく説明します。紹介する主な地方と生産者のスプマンテと呼ばれるイタリアのスパークリングワインを飲みながら、新しいワインの世界を旅してみましょう。皆様、スプマンテの世界へようこそ!
スプマンテはイタリア語でスパークリングを意味する言葉。そのため、イタリア語ではスパークリングワインそのものを指す場合もスプマンテと呼びます。基本的なスパークリングはラベルにスプマンテと記載されています。メロン、桃などの果実味が強くさっぱりした味わいで、ライトボディの飲みやすいスタイルです。一方で、スプマンテとラベルに記載のないスパクーリングも存在します。それは特別なスタイルがワイン法で認可されたものや、非常に良質なスパークリングです。つまりスパークリングワインの産地として格付けされた地方で生まれるものです。本国のイタリア人もその地方のワインをもっとも楽しんでいます。スプマンテの世界を、より楽しむためにここからスタートしてみましょう。ランブルスコ、プロセッコ、アスティ・スプマンテ、フランチャコルタおよびトレント、このスタイルを選ぶとより本格的な「スプマンテ体験」となります。
赤いやロゼスパークリングワインとしてよく知られる、ランブルスコ(※)DOCはエミリア・ロマーニャで醸造されるワインです。格付けもあり、歴史の長いワインですが、近年までは質が低いシンプルな甘口ワインとして知られていました。しかし、ここ数年、ランブルスコの持つイーストのような味や、やや苦い後味が、ビールに似ていると評判になり、流行りつつあります。それに伴って、生産者も質の良いものを生産するように全力を尽くしています。おかげで今ではとてもいいランブルスコを見つけることができるようになりました。ぜひ飲んでみましょう。これもワインが若い間に飲みたいですね。
※ランブルスコはブドウ品種の名前とワインの法律上の格付け名称の両方を示す言葉です。ラベルにDOCと書かれたものが、格付けされた「ランブルスコ」となり、赤、ロゼと白があります。
ランブルスコのピックアップアイテム
辛口のスパークリングワインがお好みであれば、ぜひこのランブルスコを試してみましょう。
ランブルスコの注目生産者
ここ数年、注目されている生産者を紹介いたします。
「とりあえずプロセッコ!」というセリフを聞いたことはありませんか。そう、食前にプロセッコを一杯飲むのは、イタリアの習慣の一つです。2009年以前、プロセッコはぶどう品種と格付けの両方を示す言葉でした。そのためどちらの意味で使われているのか、区別するのは大変で、それを解決するため、2009年にプロセッコに使用するぶどう品種はグレラと名づけられ、プロセッコそのものは格付けを示す言葉として認定されました。そのおかげで現在、「プロセッコ」とラベルに表記があれば、その格付けに認定される条件を満たしたワインであることが分かり、スタイルの想像ができます。辛口でもちょっとした甘味があり、アロマチックで、メロンや春の花、バニラの味を感じる爽やかな泡立ちのワインです。食前に楽しめば、すっきり感を与えてくれるワインですね。熟成による複雑さを求めるワインではないので、若い間に飲みましょう。新しいヴィンテージのものを選ぶほうがいいということですね。
プロセッコピックアップアイテム
プロセッコの初心者向けワインをセレクトしました。
プロセッコのDOC
プロセッコDOCの中にはいくつかの格付けがありますが、その中でも特に良質な地方を紹介いたします。
プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ
スペリオーレが示すのは基本のプロセッコとランク1つ上ということです。
プロセッコDOCの注目地区ヴァルドッビアーデネのプロセッコ
最も評価が高いプロセッコ。プロセッコが記載されないことが多い
70年代から有名になったアスティ・スプマンテ。甘くて優しいスパークリングでデザートとの相性が素晴らしいワイン。洋ナシ、ネクタリンのようにフルーティなアロマで、アルコール度が低くて(7~9.5度)やさしい口当たりのワインです。このワインは1993年からアスティDOCGに認定されました。それ以来、使用できるぶどう品種はモスカート(マスカット)のみです。その他にも第二次発酵を途中で止めるなど、アスティの醸造方法は厳しく制限されています。むろんこの制限の上に、このワインの魅力溢れる特徴が成り立っているのです。例えば、第二次発酵を止めることでワインは甘口に仕上がります。果汁の糖分を、すべてアルコールに変化させずに、アスティの特徴である甘みをワインに残しているのです。アスティもプロセッコと同じく若い間に飲んだほうがいいワインですので、最近のヴィンテージを探してみましょう。
アスティのピックアップアイテム
甘口のやさしいワインがお好みであれば、ぜひこちらから選んでみましょう。
イタリアではスパークリングワインの専門DOCGと認定されているのは、1995年からフランチャコルタのみです。言い換えればイタリアを代表する瓶内二次発酵の発泡性ワインこそが、フランチャコルタDOCGです。特殊なテロワールに恵まれているフランチャコルタの生産者はとても良質なスパークリングを生み出していて、自分のワインについて「フランチャコルタでありスプマンテではない」と主張しています。また、世界に名だたるシャンパーニュにもっとも似たスタイルのスプマンテはこのフランチャコルタで、ここ数年、とても高い評価を得ています。シャンパーニュとの共通点は、いずれも中心となるぶどう品種はシャルドネとピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)です。フランチャコルタではそれに加え、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)も使われています。このピノ・ビアンコが使用すると、ワインにパイナップルなどのフルーティなアロマやミネラル感を与えます。また、シャンパーニュと比べて、より熟成期間が長い(※)ところから、イーストの味が強くて、フルボディで複雑な個性のあるワインです。
※シャンパーニュで最低の熟成期間は18か月ですがフランチャコルタは24か月となっています。
フランチャコルタピックアップアイテム
フランチャコルタの注目生産者
フランチャコルタの代表的な生産者を紹介いたします。
トレントピックアップアイテム
トレントDOCの良質なワインを紹介いたします。
トレントの注目生産者
プロセッコDOCの中にはいくつかの格付けがありますが、その中でも特に良質な地方を紹介いたします。
ラベルには必ず表記しなければならない義務項目とそうではない任意項目があります。
義務項目とは:
1. ワイン名、瓶詰者の名前
2. 格付け
3. 糖分含有指標
任意項目はぶどうの収穫年となります。単一年に収穫されたぶどうを使用する場合ミレジマートと呼ばれ収穫年を表記することができます。
スプマンテ | 発泡性ワイン |
フリッザンテ | 弱い発泡性ワイン |
DOC (Denominazione di Origine Controllata) | イタリアのワイン法における2番目の格付け(ワイン名でさらに細かく村、畑などを示すことができます) |
DOCG (Denominazione di Origine Controllata e Garantita) | イタリアのワイン法におけるトップの格付け(ワイン名でさらに細かく村、畑などを示すことができます) |
ロッソ | 赤ワイン |
ビアンコ | 白ワイン |
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