Interview Vol.2

洋服を通して“気分の上がる時間”を届けたい

小嶋陽菜

[Her lip to デザイナー]

AKB48を卒業後、さまざまなフィールドで活躍の場を広げる小嶋陽菜さんが、”今着たい服”をコンセプトに2018年に立ち上げたブランド「Her lip to(ハーリップトゥー)」。
新作のリリース時にはオンラインストアにアクセスが殺到、瞬時に完売するアイテムも多い人気ブランドです。
そんなHer lip toのRakuten Fashion限定色ワンピースが11月8日に発売。
それを記念して彼女の服作りにかける思いや今後の展望などについて伺いました。

Text : Yuki Harada / Photo : Daichi Saito

自分が好きなものをシェアしたい

ーまずは、Her lip toを立ち上げたきっかけをお聞かせください。

もともとファションブランドを始めようと思っていたわけではなく、自分が好きなものをシェアできるような小さなコミュニティをつくりたかったんです。たまたま私が好きなものの一つにファッションがあったので、気に入った素材でお洋服を数点つくってみたことが、ブランドを始めるきっかけになりました。

ーこれまで小嶋さんは、どんなファッションが好きだったのですか?

小さい頃は、フリルやレースがついたピンクのドレスなど、典型的なお姫様ファッションが好きでした(笑)。20代後半からは大人になることを意識して、あまり装飾されていないシンプルなデザインを選ぶようになり、素材にもこだわり始めました。最近は、ラクチンだけどきちんと見えるようなシンプルなアイテムをメインに着ています。Her lip toでもTシャツなどに使われるカットソー素材でエレガントに見えるドレスをつくったりしています。

今自分が着たい、と思う洋服を

ーHer lip toでこだわっている点や、インスピレーション源を教えてください。

その時々で着たいと思うものを作るようにしています。
例えば、「今度この国に行くからカラーのドレスを着たい、ビーチリゾートにはこういうワンピースを持って行きたい」とか、自分の予定に合わせて考えたり、頭の中にある漠然としたイメージをもとに、メーカーさんと話し合いながらデザインに落とし込んでいきます。

ー普段からお買い物にはよく行かれるのですか?

最近はほとんどECサイトで買っていますね。
オンラインだとサイズも揃っていて選択肢も多いですし、暇さえあればずっと見ています(笑)。今までたくさんのお洋服を買って、触れてきたからこそ、本当に自分が好きなお洋服が絞られてきました。若い頃に比べて、選ぶものもだいぶ変わってきましたね。そういう自分の経験を通して、Her lip toではシーズントレンドにとらわれ過ぎず、長く着られるようなものを意識してつくっています。

気分が上がるような時間を過ごしてほしい

ーHer lip toはオンライン販売に特化していますが、何か心がけていることはありますか?

これは私自身の経験でもあるのですが、オンラインショッピングで届いた商品が実物より写真の方が良かった…ということが時々あります。Her lip toのお客さまには、箱を開けてお洋服を見たとき喜んでいただけるよう、質にはこだわってものづくりをするようにしています。また、ブランドスタート当初はパンツやスカートなど色々なアイテムをつくっていたのですが、オンラインでは日常的なアイテムよりも少し特別感がある商品の方が魅力を伝えやすいこともあり、今年の春から私自身も好きなワンピース、ドレスを中心としたブランドにシフトしました。

ーHer lip toの洋服を着る人たちに、どんな体験を届けたいと考えていますか?

ワンピースやドレスはもともとスペシャル感のあるアイテムですし、Her lip toの洋服に袖を通すことでいつもより少し気分が上がる時間を過ごしてほしいと思っています。だから、SNS上で大切なイベント事などで着てくださっている方の投稿を見るとうれしくなります。もちろん、日常的に着ていただいても良いのですが、旅行やパーティ、デートなど特別な日の勝負服に選んでもらえることはとてもうれしいですね。

ー小嶋さんは、SNSを通じたファンとのコミュニケーションも大切にされていますね。

はい。Her lip toのアイテム一着一着に思い入れやストーリーがあるので、それをしっかり伝えていくようにしていますし、SNSでは雑誌など他のメディアでは伝えきれない自分目線のアイデアや提案を大切にするように心がけています。例えば、タイトなニットドレスは着る人を選ぶから通常あまり売れないと言われていて、Her Lip toのお客さまにもあまり馴染みがないアイテムだったんです。でも、ニットドレスは女性らしさを表現できるし、実は女性からも男性からもとてもウケがいいアイテムですよ、とSNSで伝えたところ、Her lip toでつくったニットドレスが人気商品になったんです。提案次第で受け止められ方が変わるということを肌で感じているので、これからも自分の目線を大切にしながら、ファッションの自由な楽しみ方を発信していきたいと思っています。

人気ワンピースの別注カラーをRakuten Fashion限定で発売

ーこの度、Her lip toの限定商品がRakuten Fashionで販売されることになりましたが、こちらについてもお聞かせください。

ブランドを立ち上げた昨年秋に登場し、大人気で何度も即完売した幻のアイコンドレスInner Lace Sleeve One-Pieceの新色を今年もつくったのですが、Rakuten Fashionではシックなドットチェック柄をリミテッドカラーとして販売します。シックなカラーと細かなチェック柄、たっぷり贅沢な丈感とフレアーシルエットが大人の女性らしい雰囲気を演出してくれると思います。今回初めて「Rakuten Fashion」とお取組みをするのですが、私自身、普段から楽天市場でグルメをお取り寄せしたり、携帯電話も楽天モバイルだったりと楽天ユーザーなので、自分のつくる洋服が楽天さんで販売されるというのは、なんだか不思議な感じですね(笑)。

ー最後に、ブランドの今後の展望や、チャレンジしてみたいことを教えてください。

ブランドを始めて1年が経ち、ありがたいことにスタート時には予想もしていなかった大きな反響をいただいています。また、アイドル時代の私のファンではなかった方々が、ブランドを通して新たにファンになってくださることもあり、それはうれしい驚きですね。ブランドは徐々に大きくなっていますが、これからも私の目が届く範囲で、自分が好きなものを納得できる形でお届けしていきたいですね。何か面白いことができないかと常に考えているタイプので、良いアイデアが浮かんだらどんどん実現していこうと思っています。楽しみにしていてください!

Inner Lace Sleeve One-Piece

Inner Lace Sleeve One-Piece

Inner Lace Sleeve One-Piece

Her lip to

Her lip to
タレントでモデルの小嶋陽菜(こじまはるな)が2018年にスタートした、ドレスを中心としたブランド。
日常のドラマティックな瞬間がワードローブで叶うように、をテーマにHer lip toは女性達の日常に自然と溶け込む気品と華やかさを、「今着たい服」で提案している。

小嶋 陽菜(こじま はるな)

小嶋 陽菜(こじま はるな)
1988年4月19日生まれ。埼玉県出身。2005年にAKB48の第1期メンバーとして活動を開始。2017年4月19日AKB48を卒業。
雑誌「sweet」「MAQUIA」「美人百花」などでモデルとして活動する一方、
2018年にアパレルブランド「Her lip to」を立ち上げ、プロデューサーとしても積極的に活動している。
2019年からYoutubeで配信を開始した「VLOG」は、紹介したコスメが手に入らなくなるなど、反響を呼んでいる。