冬用テントとは?

冬用テントとは、一般的なテントよりも保温性が高く、防寒対策ができるテントのことです。
冬のキャンプでは、キャンプ地によって雪が積もったり温度が氷点下を下回ったりするところもあります。そのため、冬用テントは冬のキャンプを快適に過ごすためのマストアイテムといえるでしょう。
一般的に、テントには以下の2種類があります。
- オールシーズンテント:春・夏・秋・冬に使える
- 3シーズンテント:春・夏・秋に使える
冬専用に設計されたテントの数は比較的少ないので、冬用テントを探す際は基本的に「オールシーズン用」を選びましょう。
この記事では、オールシーズン用を「冬用テント」、3シーズン用を「夏用テント」と定義し、次の章ではそれぞれの違いについて解説していきます。
冬用テントと夏用テントの違い
冬用テントと夏用テントの違いとして挙げられる項目は、主に以下の通りです。
- 素材
- スカートの有無
- スノーフライの有無
それぞれの項目について、詳しくご紹介します。
素材
冬用テントと夏用テントでは使用している素材が異なり、それぞれの主な素材は以下の通りです。
- 冬用テント:TC、コットンなど
- 夏用テント:ポリエステル、ナイロンなど
冬用テントには、厚手で防寒性能に優れているTCやコットン素材が主に使われています。TCとは、通気性・吸湿性に優れた結露しにくいポリエステルとコットンの混紡素材で、難燃性が高く火の粉が飛んでも燃えにくいことが特徴です。
一方、夏用テントでは、通気性を高めるためにポリエステルやナイロンが多く使われていいます。
スカートの有無

スカートとは、テント内に外部からの冷気が入るのを防ぐために使用する、テントの裾にある布の部分のことです。また、風や雨の侵入を防いだり、泥除けしたりする役割もあります。
基本的に冬用テントに備わっているもので、夏用テントにはありません。そのため、冬用テントが欲しい場合は、必ずスカートが付いているかをチェックしましょう。
なお、冬用テントは、スカートを巻き上げると空気の流れが良くなり、テント内でもある程度の涼しさを確保できます。夏キャンプで使いたい場合は、スカートを巻き上げて使いましょう。
スノーフライの有無
スノーフライとは、冬の季節において雪の侵入を防ぐために設置するフライシートのことです。フライシートは、テントの外側に付けるシートで、雨風の侵入を防ぐ役割があります。
冬キャンプでは、冬用テントと一緒に「スノーフライ」を使うことが一般的です。積雪が想定される冬キャンプを行う際は、スノーフライがついたテント、または別売りのスノーフライを用意しておきましょう。
冬用テントの選び方

ここでは、冬用テントの選び方をご紹介します。主な選び方のポイントは、以下の通りです。
- 保温性の高いテントを選ぶ
- 結露しにくく、難燃性の高い素材を選ぶ
- 用途や人数に合ったサイズのテントを選ぶ
- 換気性を備えたテントを選ぶ
それぞれの詳細をみていきましょう。
保温性の高いテントを選ぶ
寒い冬のキャンプ泊を楽しむためには、保温性の高いテントが欠かせません。
夏用テントによくあるメッシュ部分が冬用テントに使われていると、冷たい風が中に侵入してくるだけではなく、暖かい空気が外に逃げてしまいます。そのため、テント内を完全に閉められるかどうかを確認しましょう。
加えて、テントの下部分を覆う「スカート」があるかどうかチェックすることも大切です。テントの素材には、コットンのような厚手のものが使われているかどうかも確認しましょう。
結露しにくく、難燃性の高い素材を選ぶ
冬キャンプは、テントの外と中の温度差が激しく、テント内で結露が起こりやすくなります。
また、テント内で焚き火やストーブを使用するケースも多く、テントに燃え移らないかの注意も必要です。
そのため、TC素材(※)やコットン素材など、結露しにくく、難燃性の高い素材が使われているテントを選びましょう。これらは、分厚くて保温性に優れていながらも、結露がテント内に発生しにくいことが特徴です。
さらに、TC素材は難燃性が高く、テント内で焚き火やストーブを使い火の粉が落ちてしまっても、テントに穴が開きにくくなっています。
ただし、完全に火の影響を受けないというわけではないので、火の取り扱いには十分に気をつけましょう。
また、一酸化炭素中毒になる恐れもあるため、テント内で火を使用する際は、きちんとした換気の実施も大切です。
(※)ポリエステルとコットンの混紡素材で難燃性に優れている
用途や人数に合ったサイズのテントを選ぶ
冬用テントに限ったことではありませんが、テント選びの基本として、用途や人数に合ったサイズを選ぶことも重要なポイントです。
荷物は中に入れるのか、テント内に暖房器具を設置するのか、日中は外で過ごす場合もあるのか…など、キャンプの過ごし方に合ったサイズのテントが必要です。
また、キャンプ泊を行う場合は、全員が寝転んでも余裕のあるスペースを確保できるかも確認しましょう。
とくに、冬キャンプの場合はサイズが大きすぎるとテント内が暖まりにくくなるデメリットもあるので、最大収容人数が「キャンプ泊を行う人数+1人」のテントを選ぶのがおすすめです。
換気性を備えたテントを選ぶ
冷たい空気をテント内に入れたくないとはいえ、換気は非常に大切です。
冬キャンプでは、薪ストーブやガスランタンなどを使って、テント内を暖めるケースがあるでしょう。しかし、テント内に空気がこもってしまうと、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクにもつながるので注意が必要です。保温性はもちろん、換気性にも優れているテントを選びましょう。
換気性がよいかどうかの判断基準としては、換気用の煙突穴(※1)やベンチレーション(※2)の有無が挙げられます。
また、テント内での薪ストーブの使用を検討している場合は、「一酸化炭素チェッカー」を用意しておきましょう。テント内の空気を随時測定し、規定の値を上回ったときに音が鳴って危険を知らせてくれます。
>>> 一酸化炭素チェッカーを探す
- (※1)煙突の煙をテント外に流すためにテントに設計された専用の穴のこと
- (※2)主にテント上部ある換気専用の窓または穴のこと
おすすめの冬用テント11選~ソロからファミリーまで~
ここでは、おすすめの冬用テント11選をご紹介します。
ソロ用、2人~3人用、ファミリー用と人数別に紹介するので、キャンプへ行く人数に合わせたテントを探してみてください。
【ソロ】おすすめの冬用テント3選
まずは、ソロ向けのおすすめ冬用テント3選をご紹介します。
DOD(ディーオーディー)|カマボコテントソロTC

通常価格(税込) | 50,300円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | TC、ポリエステル |
DODのカマボコテントソロTCは、TC素材を使用した形が特徴的なソロ用テントです。
基本的な素材は、TCですが、日中暑いと感じたときはドア部分をめくってメッシュ部分を外に出すことで通気性を確保できます。また、大型のベンチレーションも配置されているため、テント内の空気を換気できます。
入り口部分は、跳ね上げができるため、日陰を作ったりリビングスペースとして使ったりと、広々としたスペースを確保できるでしょう。
Point
- スカートがついていて暖かい空気をテント内に保てる
- ベンチレーションがあるので、ドアを閉めていても換気できる
- コンパクトに収納できてソロキャンパーでも持ち運びがしやすい
FUTURE FOX(フューチャーフォックス)|パップテント FOX-BASE

通常価格(税込) | 29,800円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | TC、ポリエステルメッシュ |
FUTURE FOXのパップテント FOX-BASEは、パップテントという半個室のような形をしたテントです。
素材には火の粉が飛んでも穴が空きにくいTCが採用されており、テント近くで焚き火や薪ストーブを使えます。ただし、完全に燃えない素材ではないため、テント内での焚き火はやめておきましょう。
また、薪ストーブ用の専用窓もついているため、換気もしっかりと行えるのが特徴です。
Point
- 高さが150cmあり広々とした空間を確保できる
- スカートがついていて雨風の侵入を防ぐ
- 火に強いTC素材採用で専用窓がついているので、ストーブなども楽しめる
YOKA(ヨカ)|YOKA TIPI

通常価格(税込) | 34,100円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | リップストップナイロン(※) |
(※)格子状にナイロン繊維を練り込んだ強度の高い素材
YOKAのYOKA TIPIは、スカートがついていて高い天井が特徴のワンポールテントです。
テント上部にはベンチレーションと煙突用の穴が設けられているため、テント内でストーブなどを使用する際でも、換気しやすくなっています。
また「リップストップナイロン」という、ナイロン繊維を格子状に練り込んだ、高い強度を誇る素材を採用していることも大きな特徴です。
Point
- 煙突穴がついており、必要がないときはフタをしておけるので便利
- 入り口は2箇所で天井も高く居住性に優れている
- コンパクトに収納できて持ち運びがしやすい
【2人~3人】おすすめの冬用テント4選
ここでは、2人~3人でキャンプを行う場合におすすめの冬用テント4つをご紹介します。
FIELDOOR(フィールドア)|ワンポールテントTC 400
通常価格(税込) | オープン価格 |
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素材 | TC、ポリエステル |
FIELDOORのワンポールテントTC 400は、広々とした空間が魅力のワンポールテントです。テントの素材にはTCが採用されていて、スカートもついていることから冬キャンプで暖かさを維持できます。
また、テント上部にはベンチレーション(通気口)も設けられているため、暖かさは保ちつつしっかりと換気もできるでしょう。
Point
- インナーテントとフライシートの間に前室が作れて荷物を置ける
- ワンポールテントで設営撤収がしやすい
- TC素材採用で難燃性や撥水性などに優れている
Bergans(ベルガンス)|ウィグロ LT 4

通常価格(税込) | 107,800円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | リップストップナイロン(※) |
(※)格子状にナイロン繊維を練り込んだ強度の高い素材
Bergansのウィグロ LT 4は、3本のポールを使っていて、個性的なデザインかつ広々としたスペースが特徴の冬用テントです。
ドーム状の形をしており天井が広くなっているため、テント内でもゆったりと過ごせます。4人用として作られているテントでもあるので、2人~3人でも広々と過ごしたい場合におすすめです。
テント下部にはスカートがついているため、冷たい風が侵入するのをしっかりと防止できるでしょう。
Point
- テント上部には3箇所のベンチレーション付きで換気可能
- テント側面の壁はめくれる仕様で通気性も確保できる
- 3本のポールを使った個性的なデザインでおしゃれなキャンプを楽しめる
DOD(ディーオーディー)|カマボコテント3S
通常価格(税込) | 62,700円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | ポリエステル |
DODのカマボコテント3Sは、リビングと寝室が分かれており、ゆったりと過ごせるツールームタイプのテントです。
大きなベンチレーションやメッシュ構造をしたインナーテントにより、通気性に優れていることが特徴としてあげられます。
また、風の侵入を防ぐスカートもついているので、寒い時期のキャンプでは風を通さなくすることも可能です。生地は比較的厚めのものが採用されているため、冬は暖かい空気をしっかりと閉じ込めておけるでしょう。
Point
- テント内でゆったりと快適に過ごせるツールームテント
- ドアや窓の開け閉めがしやすく夏は涼しく冬は暖かく過ごせる
- テント上部にベンチレーションがついていて換気もできる
S’more(スモア)|Tippo300

通常価格(税込) | 46,185円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | TC、コットン、ポリエステル、メッシュクロス |
S’moreのTippo300は、とんがり屋根がおしゃれな円錐型のワンポールテントで、3人で利用するとゆったり過ごせるサイズです。
TC素材を採用しており、撥水加工もされているため雨風に強く、冬でも比較的暖かい状態を保てます。
また、Tippoは天井部分のベンチレーションで換気でき、内部のロープで開け閉めすることが可能です。
Point
- 高さ250cmとゆったりとした広さがあり快適
- シンプルなワンポールテントで組み立てやすい
- 収納袋に備品がすべて収まるため持ち運びもしやすい
【ファミリー】おすすめの冬用テント4選
次に、ファミリーキャンプにおすすめの冬用テント4つをご紹介します。
Snow Peak(スノーピーク)|エントリー2ルーム エルフィールド

通常価格(税込) | 87,780円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | ポリエステル |
Snow Peakのエントリー2ルーム エルフィールドは、リビングと寝室の分かれたツールームタイプとしても、広々としたワンルームタイプとしても使える大型テントです。
シンプルな構造で組み立てやすく、コストパフォーマンスもほかに比べて高いといえます。
ただし、天井にはベンチレーションや煙突穴が設けられていないため、焚き火や薪ストーブを使用する際には気をつけましょう。
Point
- 最大4人まで収容できる
- 4本のフレームを使用した構造で初心者でも組み立てやすい
- 屋根部分にシートが標準装備されていて、テント内を暖かく保ち結露を抑える
Coleman(コールマン)|4Sワイド2ルームコクーンⅢ

通常価格(税込) | 199,290円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | コットン混紡ポリエステル、ポリエステル |
Colemanの4Sワイド2ルームコクーンⅢは、冬キャンプに欠かせないスカートがついた大型テントです。ペグを固定するだけでテントの周囲にスカートができる「フルスカート」タイプで、室内の暖かい空気を逃しません。
素材にはテフロン撥水コーティングが採用されているため、冬の寒い時期でも暖かく過ごせます。また小屋のような形をしていて天井が高く、ゆったりと快適なキャンプを楽しめるでしょう。
Point
- 最大5人~6人まで収容できる
- テント上部・側面部にはベンチレーションがついていて換気しやすい
- スカートにはペグがついていて、雨風の侵入を防ぎやすい
NORDISK(ノルディスク)|Asgard 12.6

通常価格(税込) | 72,200円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | TC |
NORDISKのAsgard 12.6は、手触りがよいTC素材が特徴の、大型ワンポールテントです。結露しにくい設計になっているため、冬でも快適に過ごせます。
また、窓とエントランス部分にはメッシュがついていて、開けたままでも虫の侵入を防ぎながら換気が可能です。デザインもおしゃれなので、楽しいキャンプ時間を過ごせるでしょう。
Point
- 最大6人まで収容できる
- 広々とした構造で窓から光が入ってきて心地よく過ごせる
- 側面の窓やベンチレーションにより換気もしやすい
ogawa(オガワ)|ピルツ15 T/C

通常価格(税込) | 176,000円 ※2025年1月8日時点 |
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素材 | TC、ポリエステル |
ogawaのピルツ15 T/Cは、広々とした居住性とおしゃれなデザイン性が魅力のワンポールテントです。素材には厚めのTCが採用されており、丈夫かつ通気性・吸湿性にも優れています。
また、頭頂部には開け閉めできるベンチレーションが設けられており、自由に換気可能です。
Point
- 最大8人まで収容できる
- ファミリーサイズの大型テントでも、ワンポールタイプだから組み立てやすい
- テント頭頂部と下部は開け閉め可能で通気性も確保できる
番外編:冬用テントとセットで用意しておきたいアイテム
冬キャンプをより一層楽しむために、冬用テントやシュラフ(インナーシュラフ)、マットなどの基本的なキャンプギア以外にも揃えておきたいアイテムをご紹介します。
【焚き火台】UNIFLAME(ユニフレーム)|ファイアグリル

UNIFLAMEのファイアグリルは、焚き火にもBBQにも使えるコンパクトな焚き火台です。組み立てや持ち運びもしやすいため、持っておくとキャンプがより一層楽しくなります。
>>> 焚き火台をもっと探す
【ストーブ】ホンマ製作所|ステンレス 時計1型薪ストーブセット ASS-60 【煙突径 φ106mm】

ホンマ製作所のステンレス 時計1型薪ストーブセット ASS-60 【煙突径 φ106mm】は、長い煙突が特徴です。煙突穴付きのテントと合わせて使用すればテント内で薪ストーブを楽しめて、暖かく穏やかなキャンプ時間が過ごせるでしょう。
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【ホットカーペット】IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)|ホットカーペット ベーシック IHC-30-H

IRIS OHYAMAのホットカーペット ベーシック IHC-30-Hは、豊富なサイズバリエーションからテント内の使用スペースに合ったサイズを選べるのが特徴です。コンセントを挿すためのポータブル電源が必要になりますが、持っておくと冬のキャンプでも足元を暖かく保てるでしょう。
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【湯たんぽ】LOGOS(ロゴス)|どこでもソフト湯たんぽ(収納袋付き)

LOGOSのどこでもソフト湯たんぽ(収納袋付き)は、ウェットスーツと同じ素材を使用したアイテムです。寝袋の中に入れたりブランケットと一緒に使ったりすると、冬のキャンプ泊でも暖かい時間が過ごせるでしょう。
>>> 湯たんぽをもっと探す
冬キャンプには冬用テントを持って出かけよう!

冬キャンプを楽しみたい方にとって、冬用テントの用意は欠かせません。寒さに強い素材が使われているか、保温性は高いか、換気はきちんとできるようになっているか…などを確認して選びましょう。
今回ご紹介したアイテムも参考に、利用人数や状況に合わせてテントを探してみてくださいね。