脂質制限ダイエットとは
脂質制限ダイエットとは、食べ物から摂取する脂質量を制限するダイエット方法のことです。「低脂質ダイエット」や「脂質カットダイエット」とも呼ばれます。
エネルギーの源となる「三大栄養素」である脂質、糖質(炭水化物)、タンパク質のなかで、脂質は1gあたりのカロリー量が最も高いことが特徴です。

脂質の摂取量が過剰になると、エネルギーとして消費しきれず、肝臓で中性脂肪が合成されます。さらに、中性脂肪もエネルギーとして消費しきれなかった場合、内臓脂肪や皮下脂肪として体に蓄えられてしまいます。
内臓脂肪や皮下脂肪といった「体脂肪」が体に蓄えられすぎると、体重の増加および肥満の原因につながってしまいます。
そのようなことを防ぐためには、摂取する脂質の量を消費できる範囲までに制限することが重要です。これが、脂質制限ダイエットの基本的な仕組みとなります。
脂質制限ダイエットにはどんな効果・メリットがある?

脂質制限ダイエットには、次のような効果やメリットがあります。
- 総摂取カロリーを減らしやすい
- 糖質(炭水化物)を制限しなくてよい
- 筋肉量を減らさずに痩せられる
- 生活習慣病の予防につながる
それぞれ、順番に解説します。
総摂取カロリーを減らしやすい
ダイエットの原則は、「消費カロリー>摂取カロリー」とすることです。
三大栄養素の1gあたりのカロリー量は、脂質が9kcal、糖質(炭水化物)とタンパク質がそれぞれ4kcalです。つまり、脂質を制限すると、摂取カロリーを効率的に減らせます。
たとえば、糖質(炭水化物)やタンパク質の摂取量を50g減らしたときにカットできるカロリー量は200kcalですが、脂質の場合は450kcalもカットすることが可能です。
糖質(炭水化物)を制限しなくてよい
ダイエットでよく行われるのが、ご飯やパン、麺類などの主食を制限する「糖質制限ダイエット(炭水化物ダイエット)」です。
しかし、急激な糖質の制限は、体に必要なエネルギーが不足してしまう可能性があります。また、ご飯や麺類などが好きな方にはストレスになってしまいがちです。
その点、脂質制限ダイエットでは主食を減らさないため、エネルギーを補給しながらダイエットを行えるメリットがあります。
筋肉量を減らさずに痩せられる
脂質制限ダイエットでは、エネルギー源となる糖質の摂取量をカットしないため、筋肉量を減らすことなくダイエットを行えます。
ダイエットをするとき、体重を減らすことだけを重視することもあるかもしれませんが、筋肉量を維持することも非常に重要です。
筋肉は基礎代謝(生命維持に必要な最小限のエネルギー)に大きく関係しており、筋肉量が多いほど基礎代謝が高くなります。基礎代謝が高いと、消費できるエネルギー量が増え、血行を促進したり脂肪を燃焼したりする働きが活発になるという効果が期待できるため、痩せやすく太りにくい体を作ることが可能になります。
筋肉量が減らなければ基礎代謝は下がらないので、リバウンドのリスクも低減できるでしょう。
生活習慣病の予防につながる
脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。このうち「飽和脂肪酸」を摂りすぎると、肥満や脂質異常症の原因につながり、動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
また、脂質の摂りすぎで内臓脂肪が増えると、高血圧や高血糖につながることもあります。
そこで、脂質制限ダイエットで脂質を制限すれば、飽和脂肪酸の摂取量を減らすことができるので、これらのリスクを軽減することが可能です。
脂質制限ダイエットにはデメリットも

脂質制限ダイエットは、次のようなデメリットもあります。
- 効果が出づらくモチベーションを保ちにくい
- 外食のメニュー選びに苦労する
これらのデメリットを理解したうえで、正しく取り組むことが大切です。それぞれ、順番に解説していきます。
効果が出づらくモチベーションを保ちにくい
脂質は体に必要な栄養素であるため、摂取量を大幅にカットしてしまうと体調不良などを引き起こす可能性があります。そのため、あくまで「制限」にとどめましょう。
そのため、脂質制限ダイエットは、体重の減少スピードが比較的ゆるやかになり、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。とくにダイエットの初期段階では、体重の変化が少ないことで、ストレスを感じることもあるかもしれません。
最初の1週間~2週間で多くの水分が抜けて体重が落ちる「糖質制限ダイエット」と比べると、脂質制限ダイエットは早期に効果が出ず、モチベーションを保ちにくいことがデメリットです。
短期間で体重を減らしたい場合には、脂質制限ダイエットよりも糖質制限ダイエットの方が向いているかもしれません。
外食のメニュー選びに苦労する

脂質制限ダイエットは、外食が大きな障壁となることがあります。
なぜなら、中華料理や洋食、肉料理といった外食のメニューには、揚げ物や炒め物などの脂質を多く含む料理が多いからです。油を多く使った料理が好きな方は、外食時のメニュー選びに苦労するかもしれません。
そのため、脂質制限ダイエット中の外食では、和食中心のメニューを選ぶことをおすすめします。
メニューを選ぶ際には、焼き物や蒸し物、ゆで物など、なるべく油を使わない調理法の料理を積極的に選びましょう。
脂質制限ダイエットの正しいやり方

脂質制限ダイエットの正しいやり方は、次のとおりです。
- 1日の脂質摂取量の目安を知る
- 脂質が多い食材を避ける
- 調理法を工夫する
順番にみていきましょう。
1日の脂質摂取量の目安を知る
脂質制限ダイエットでは、1日に摂取する脂質量を、全体の摂取エネルギーの20%以下に抑えるのが基本です。
以下の表では、18歳~69歳の男女の身体活動レベルごとに必要な1日のエネルギーの目安をまとめています。
| 性別 | 身体活動レベル 高い |
身体活動レベル ふつう |
身体活動レベル 低い |
|---|---|---|---|
| 男性 | 2,400kcal~3,000kcal/日 | 2,400kcal~3,000kcal/日 | 2,000kcal~2,400kcal/日 |
| 女性 | 2,000kcal~2,400kcal/日 | 2,000kcal~2,400kcal/日 | 1,400kcal~2,000kcal/日 |
<身体活動レベル>
高い:立ち仕事や移動が多い仕事、または激しい運動をしている方
ふつう:デスクワークなどが中心の方。軽い運動や散歩などをする方
低い:1日のうち、座っていることがほとんどの方
脂質制限ダイエットで、1日の脂質摂取量を必要エネルギー量の20%以下に抑える場合の目安は次のとおりです。(※)
| 性別 | 身体活動レベル 高い |
身体活動レベル ふつう |
身体活動レベル 低い |
|---|---|---|---|
| 男性 | 約53g~67g/日以下 | 約53g~67g/日以下 | 約44g~53g/日以下 |
| 女性 | 約44g~53g/日以下 | 約44g~53g/日以下 | 約31g~44g/日以下 |
(※)脂質1g=9kcalで計算
脂質の摂取量を上記の量以下に抑えるように、調整しましょう。
脂質が多い食材を避ける
1日の脂質摂取量の目安を超えないためには、脂質が多い食材を避けることが大切です。
基本的に、脂身が付いた肉類は脂質が多いため避けましょう。
| 食材 | 脂質量(生の状態における可食部100gあたり) |
|---|---|
| 和牛リブロース(脂身つき) | 56.5g |
| 和牛サーロイン(脂身つき) | 47.5g |
| 豚バラ(脂身つき) | 40.1g |
また、同じ肉類でも、次のように脂の少ない赤身の部位は脂質量が少なくなります。
| 食材 | 脂質量(生の状態における可食部100gあたり) |
|---|---|
| 和牛牛ヒレ(赤肉) | 15.0g |
| 和牛モモ(赤身) | 10.7g |
| 豚ロース赤肉 | 5.6g |
鶏肉は皮の部分に脂質が多いので、調理する際には皮を取り除きましょう。
| 食材 | 脂質量(生の状態における可食部100gあたり) |
|---|---|
| 鶏もも(皮なし) | 4.8g |
| 鶏ムネ(皮なし) | 1.9g |
| 鶏ささみ | 1.1g |
その他、生クリームやチーズなども脂質量が比較的多い食材です。脂質制限ダイエット中はこのような食材を避け、野菜や果実、魚介類など、基本的に脂質量が少ない食材を積極的に摂取するように心がけましょう。
参考:文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』
調理法を工夫する
脂質制限ダイエットでは、食材選びだけではなく、調理法にも気をつける必要があります。
せっかく脂質が少ない食材を選んでも、揚げ物や炒め物などの油を多く使う調理法では、脂質の摂取量が増えてしまうからです。
茹でる、蒸す、焼くなど、できるだけ油を使わない調理法を心がけると、脂質の摂取量を抑えながら、食材本来の味も楽しめます。
どうしても油を使用しなければならない場合は、生活習慣病につながりやすい「飽和脂肪酸」を多く含む油はできるだけ避けましょう。
代わりに、オリーブオイルや菜種油、ひまわり油、亜麻仁油など、「不飽和脂肪酸」を多く含む油を使うのがおすすめです。
不飽和脂肪酸を多く含んでいるおすすめの油
ここでは、不飽和脂肪酸を多く含むおすすめの油を厳選してご紹介します。
どちらもネットで購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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CARM|プレミアム・オーガニック・エキストラバージン・オリーブオイル 500ml

CARMのプレミアム・オーガニック・エキストラバージン・オリーブオイル 500mlは、無農薬有機栽培のオリーブを、収穫から24時間以内に絞ってつくったオリーブオイルです。
フルーティさと苦み、辛みのバランスが良いだけではなく、青リンゴのようなフレッシュな香りが特徴です。
シンプルなサラダはもちろん、スープの仕上げに使っても、風味豊かに仕上がります。
ATOWA|有機亜麻仁油(フラックスシードオイル) 237ml

ATOWAの有機亜麻仁油(フラックスシードオイル) 237mlは、不飽和脂肪酸のなかでも「オメガ3」と呼ばれる必須脂肪酸を多く含んでいることが特徴です。
有機亜麻仁だけを使用してつくられたATOWAの亜麻仁油は、酸化を防ぐ特殊なボトルで届きます。
亜麻仁油は、加熱すると熱による成分変化が起こるため、サラダのドレッシングにするのがおすすめです。
脂質制限ダイエット中におすすめのメニュー
ここからは脂質制限ダイエット中におすすめのメニューをご紹介します。
献立に悩んだ際は、ぜひ参考にしてみてください。
油を使わない小松菜の炒め
レシピ投稿者:Slow flower
出典:楽天レシピ
Point
- 油とお肉を使わないから脂質をカットできる
- 小松菜を茹でずにそのまま使うので、栄養素の流出が少ない
- もやしを入れるので、ボリューム感を出しながら低カロリーを目指せる
>>> 楽天レシピで作り方を見る
腸内環境を整える!ノンオイル蒸し野菜サラダ
レシピ投稿者:★ayanco★
出典:楽天レシピ
Point
- 根菜は油を使わず蒸すので脂質をカットできる
- 根菜には食物繊維が豊富なので、腹持ちがいい
- 食物繊維をたくさん取れるので、腸内環境を整えることにもつながる
>>> 楽天レシピで作り方を見る
ノンオイル★ささみの和風五目炒め
レシピ投稿者:mama^^papa
出典:楽天レシピ
Point
- 油を使わないので脂質をカットできる
- ささみを使うので、低脂質でありながら満足感を得られる
- 食物繊維が豊富な野菜も一緒にたくさん摂取できる
>>> 楽天レシピで作り方を見る
脂質制限ダイエットの注意点

脂質制限ダイエットを行う際の注意点として、主に次の3つがあります。
- 極端な脂質制限は避ける
- 糖質とタンパク質はしっかりととる
- 他の食事制限ダイエットと併用しない
それぞれ、順番に解説します。
極端な脂質制限は避ける
脂質は糖質、タンパク質とともに三大栄養素のひとつであり、健康維持には欠かせません。そのため、脂質の摂取量をゼロに近づけるなど、極端な脂質制限は避けることが重要です。
一般的に、脂質制限ダイエットでは、脂質摂取量を1日の摂取カロリーの20%以下に抑えることが推奨されています。ただし、健康を維持するためにも、1日あたり10g~20gの脂質を摂取するように心がけましょう。
また、摂取する脂質は「不飽和脂肪酸」を多く含む良質な脂質をおすすめします。不飽和脂肪酸はオリーブオイルや青魚などに多く含まれるので、これらを積極的に摂取しましょう。
糖質とタンパク質はしっかりととる
脂質制限ダイエットを成功させて健康的に痩せるためには、摂取する脂質量を抑える分、糖質とタンパク質をしっかりとることも重要です。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、理想的な栄養バランスは、糖質(炭水化物)が50%~65%、タンパク質が13%~20%、脂質が20%~30%とされています。
糖質やタンパク質は、脂質と比べてカロリーが半分以下なので、脂質を制限する分、ある程度の量を食べても問題ありません。
効率的にタンパク質をとるならプロテインもおすすめ
タンパク質は、筋肉の維持や増強に必要な栄養素です。
脂質制限ダイエット中にも効率的にタンパク質を摂取したい場合は、プロテインを取り入れるのもおすすめです。
\PICK UP/
タマチャンショップ|タンパクオトメ

タマチャンショップのタンパクオトメは、動物性と植物性のタンパク質を両方含んだプロテインドリンクです。ビタミンB1、B6、C、Eをはじめとする、さまざまなビタミンと葉酸なども配合されています。
人工甘味料や乳化剤、グルテン、増粘剤、植物油脂は不使用で、味も「ほんのりチャイ」や「ぜいたくベリー」など、バリエーションが豊富です。このドリンク一杯で、1日に必要なビタミンとミネラルのほとんどを摂取できるでしょう。
BAMBI WATER|プロテインシェイク

BAMBI WATERのプロテインシェイクは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCなどの各種ビタミンのほか、葉酸やナイアシン、亜鉛やミネラル類など多くの栄養素が含まれていることが特徴です。2種類のプラセンタやコラーゲン、セラミドなどの成分も摂取できます。
ダマになりにくい仕様で、味も徹底的にこだわられているため、まるでご褒美のドリンクのようなおいしさを感じられるでしょう。
他の食事制限ダイエットと併用しない
脂質制限をしているあいだは、糖質制限など他の食事制限ダイエットは行わないようにしましょう。
たとえば、脂質制限と糖質制限を同時に行うと、エネルギー源である脂質と糖質の両方が不足し、極端なカロリー不足になってしまいます。体に必要な栄養素が満足に摂取できなくなると、健康面でのリスクも高まるでしょう。
また、複数の食事制限によって栄養バランスが崩れると、便秘になりやすくなるため注意が必要です。
脂質制限ダイエット中であっても、栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。
無理のない脂質制限で健康的なダイエットを目指そう
脂質制限ダイエットは、摂取カロリーを減らすために脂質量を制限するダイエット方法です。
糖質の摂取を制限しなくてもよい、筋肉を減らさずにダイエットができるといったメリットも多い反面、短期間で成果が出づらいデメリットもあります。
脂質制限ダイエットは1日の摂取カロリーを効率的に減らしたい方や、糖質(炭水化物)の制限はせずゆるやかに健康的な体を目指していきたい方などにおすすめの方法です。
本記事も参考に正しいやり方を把握し、ご自身のペースで脂質制限ダイエットに取り組んでみてくださいね。
監修者

中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター)
1991年に兵庫医科大学を卒業後、兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。
