タンパク質ダイエットとは?
タンパク質ダイエットとは、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素のうち、タンパク質を積極的に摂取して、糖質や脂質の摂取量を減らすことを目指すダイエット方法です。

お米やパンなど、炭水化物のほとんどは糖質が多く含まれています。糖質を摂取すると血糖値が上がり、ブドウ糖を中性脂肪として溜め込む働きを持つ「インスリン」が過剰に分泌されることで、太りやすい体になる可能性があります。
また、脂質は1gあたり約9kcalと、タンパク質と糖質の倍以上のカロリーがあります。タンパク質や炭水化物と同じ量をとると太りやすいため、注意が必要です。
このように、糖質や脂質のとりすぎはダイエットに悪影響のため、タンパク質ダイエットが有効とされています。
タンパク質ダイエットの正しい方法

ここからは、タンパク質ダイエットの正しい取り組み方をご紹介します。
- 必要なタンパク質量を把握する
- 糖質制限とあわせて行う
- 筋トレなどの運動をする
それぞれ、詳しくみていきましょう。
必要なタンパク質量を把握する
タンパク質が足りていないと、炭水化物や脂質の摂取量が多くなり、いつまでも痩せない原因となります。まずは、1日に必要となるタンパク質量を把握するところから始めましょう。
「体重(kg)×体重1kgあたりに必要なタンパク質量(g)」で、必要なタンパク質量を算出できます。
体重(kg) × 体重1kgあたりに必要なタンパク質量(g) = 必要なタンパク質量(g)
体重1kgあたりに必要なタンパク質量(g)は、普段の運動量にあわせて、以下の数値を当てはめましょう。
普段の運動量 | 必要タンパク質量(g) |
---|---|
運動の習慣がない | 0.8g~1.1g |
軽い運動(筋トレやランニング程度)をしている | 1.2g~1.4g |
アスリートなどハードなトレーニングをしている | 1.6g~1.7g |
たとえば、体重60kgで運動の習慣がない方の場合、「60kg × 0.8g~1.1g= 48g~66g」が1日に必要なタンパク質量の目安です(※参考1)。
(※参考1)厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
糖質制限とあわせて行う
タンパク質ダイエットは、糖質制限とあわせて行うと有効的です。
日本人は、ご飯・麺・パンを主食とした炭水化物、つまり糖質中心の食事になる傾向があります。
糖質はエネルギー源として体内に蓄積され、限界量を超えると中性脂肪へと変化することが特徴です。そのためダイエットでは、糖質を制限すると効果を得やすくなります。
しかし糖質を減らすと、糖質の代わりにエネルギー源として筋肉が分解され、基礎代謝が下がってしまうこともあります。そのため、炭水化物を減らす糖質制限と同時に、タンパク質を積極的に摂取し、筋肉量を維持するタンパク質ダイエットを行うことは効果的といえるのです。
筋トレなどの運動をする
タンパク質をとると筋肉量が減ることはありませんが、増えることもありません。これは、タンパク質がそのまま筋肉になるわけではないためです。
健康的な体を目指したいのであれば、タンパク質を適切に摂取したうえで、筋トレなどの運動をし、筋肉を付ける必要があります。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、痩せやすい体を目指せるので、筋トレは積極的に取り組みましょう。
タンパク質ダイエットのメリット4つ

タンパク質ダイエットを行うことで、得られるメリットを4つご紹介します。
- キレイに痩せられる
- 脂肪になりにくい
- 筋肉量を維持できる
- 健康的に痩せて、リバウンドしにくい体を目指せる
それぞれ、詳しくみていきましょう。
キレイに痩せられる
ダイエットでは、炭水化物の摂取量を減らす糖質制限がよく行われます。しかし、糖質を制限すると摂取水分量もあわせて低下し、体重は減少するものの、体つきが貧弱になってしまいやすいです。
その点、タンパク質ダイエットでは筋肉量が落ちることがないため、体型を維持しやすくなります。
脂肪になりにくい
糖質や脂質を過剰に摂取すると、脂肪として蓄積されてしまう傾向があります。
対してタンパク質は、ほとんどがエネルギーとして消費されることがメリットです。過剰に摂取した分も、一部は脂肪となるものの、ほとんどが尿となって体外に排出されていきます。
タンパク質を適切に摂取すれば、糖質や脂質の摂取量を抑えて脂肪が増えるのを防ぎやすくなるのです。
筋肉量を維持できる
極端な食事制限をするダイエットの場合、体重が減ると同時に、筋肉量も落ちてしまう可能性があります。
エネルギーは糖質から作られており、糖質が不足すると、エネルギーを得るために筋肉を分解するからです。筋肉が分解されると基礎代謝が下がってしまい、リバウンドしやすくなることもあります。
その点、タンパク質ダイエットでは筋肉量を維持できるため、基礎代謝が下がらないことがメリットです。
健康的に痩せて、リバウンドしにくい体を目指せる
タンパク質ダイエットは、タンパク質以外の他の栄養素もバランスよくとれる方法のため、健康的なダイエットを目指せます。
無理な食事制限をしないので、食事への満足度が落ちることもありません。
タンパク質ダイエットは筋肉量も維持しながら減量することができるので、リバウンドしにくい理想のダイエット法です。
タンパク質ダイエットにおすすめの食材は?

タンパク質ダイエットにおすすめの食材には、次のようなものがあります。
<タンパク質ダイエットにおすすめの食材>
肉、魚、卵、大豆(豆腐・納豆)、牛乳、ヨーグルト
このうち肉類は、豚バラなどの脂質が多いものは避けましょう。むね肉やささみ、赤身肉やヒレ肉など、高タンパクでありながら低脂質な食材がタンパク質ダイエットには向いています。
魚類では、アジやイワシ、鮭などが比較的高タンパク・低脂質なのでおすすめです。脂がのったウナギやサバ、サンマなどは、食べる頻度を減らすとよいでしょう(※参考2)。
(※参考2)文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
タンパク質ダイエットにおすすめのメニュー
ここからは、タンパク質ダイエットにおすすめのメニューを2つご紹介します。
蒸し鶏のねぎ塩タレ
レシピ投稿者:ゆきやま♪

出典:楽天レシピ
Point
- 高タンパク・低脂質の鶏むね肉を使用
- ごま油に含まれるオレイン酸が、満腹中枢を刺激
- 青ネギを使い、筋肉をつくるのに欠かせないビタミンCを摂取
>>> 楽天レシピで作り方を見る
甘塩鮭で簡単ホイル蒸し
レシピ投稿者:さだもっち7266

出典:楽天レシピ
Point
- 高タンパクで比較的低脂質の鮭を使用
- 蒸すだけで油を使わないので脂質をカット
- 不溶性食物繊維が豊富で低カロリーの小松菜で満腹感をアップ
>>> 楽天レシピで作り方を見る
タンパク質ダイエットを成功させるポイントと注意点

ここでは、タンパク質ダイエットを成功させるためのポイントや注意点を、3つご紹介します。
- プロテインも併用する
- ビタミンBもあわせて摂取する
- タンパク質の過剰摂取に注意する
プロテインも併用する
食事だけで1日のたんぱく質量をまかなえないときや、食材の脂質が気になる時には、プロテインを併用すると効果的です。
SAVAS|ホエイプロテイン100 リッチショコラ味

水だけでもおいしくタンパク質を摂取できる、リッチショコラ風味のプロテインです。吸収がよいホエイプロテインが、理想的な体づくりをサポートしてくれます。溶かす飲みものの量は好みに応じて調整可能。まずは少量から試してみるとよいでしょう。
ULTORA®|ホエイダイエットプロテイン

通常のホエイプロテインのタンパク質から、より多くの乳糖や脂質を取り除いた高純度タンパク質のWPIを配合。効率的にタンパク質の摂取が可能です。さらに7種類のビタミンを配合し、日々の栄養バランスをサポートしてくれます。チョコレート風味やフルーツオレ風味など、8種類のフレーバーから好みの味を見つけましょう。
>>> プロテインを探す
ビタミンBもあわせて摂取する
タンパク質を摂取するときには、ビタミンB群、とくにビタミンB6とB12をあわせてとると、タンパク質を吸収したり、有効利用したりしやすくなります。
ビタミンB6は、赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれており、タンパク質ダイエットを行うと自然と摂取が可能です。ビタミンB12は、カキやアサリなど魚介類に多く含まれているので、意識してとることをおすすめします。
効率的にビタミンB群を摂取するなら、サプリを利用することも検討するとよいでしょう。
FANCL|ビタミンB群 (栄養機能食品)

協力して働く8種類のビタミンB群と、その働きを助けるイノシトールが配合されたサプリです。穏やかに吸収し、体内で長時間機能するようロングタイム製法を採用。水溶性で消耗しやすいビタミンB群を、1日2粒で効率的に摂取できます。
DHC|持続型ビタミンBミックス(栄養機能食品)

ビタミンB群全8種すべてをまとめてとれるサプリです。ビタミンは、健康維持には欠かせないものですが、体内では合成できず、一度にたくさん摂取しても体内にためておけません。
その点、本サプリはタイムリリースタイプなので、体内でゆっくり溶けだし成分が長い時間留まります。
>>> ビタミンBサプリメントを探す
タンパク質の過剰摂取に注意する
タンパク質ダイエットでは、積極的にタンパク質を摂取することが基本です。しかし、タンパク質を過剰に摂取すると健康上のリスクを高めてしまう可能性があるので、とりすぎには気をつけましょう。
摂取したタンパク質は一度アミノ酸に分解され、体内に吸収されたあと再度タンパク質に再合成されます。その過程で生成されるのがアンモニアです。
アンモニアは腎臓と肝臓の働きによって尿素となり、体外に放出されていきます。つまり、摂取したタンパク質量が多ければそれだけ負担がかかるのです。
ご自身に必要なタンパク質量を守り、過剰摂取しないよう気をつけましょう。なお、必要なタンパク質量の計算方法は、必要なタンパク質量を把握するで解説しています。
正しいタンパク質ダイエットで健康的な体を目指そう
タンパク質ダイエットは、タンパク質を適切に摂取したうえで、炭水化物や脂質の摂取量を抑えるダイエット方法です。効果は緩やかですが、筋肉量を維持したうえで、きれいに痩せられます。
タンパク質を適切に摂取するには、プロテインを活用すると効果的です。また、摂取したタンパク質を有効活用するには、ビタミンBもあわせてとるとよいでしょう。
本記事でご紹介した商品も活用しながら、タンパク質ダイエットを成功させてみてくださいね。
<参考文献>
(※参考1)厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
(※参考2)文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
監修者

中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター)
1991年に兵庫医科大学を卒業後、兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年医療法人協和会に所属。2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。