カーナビは自分で取り付けできる?
結論から言うと、カーナビを自分で取り付けることは可能です。しかし、設置方法によって難易度は異なります。
カーナビの設置方法には、主に「インダッシュタイプ」と「ポータブルタイプ」の2種類があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットは、以下の通りです。
設置方法 | インダッシュタイプ | ポータブルタイプ |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
特徴 | 車のダッシュボードにはめ込んで取り付ける | 車のダッシュボードの上に設置する |
メリット | カーナビだけではなく、オーディオ機能やAI搭載の声認識機能を利用できるモデルもある | 車種に関係なく設置がしやすく、価格もリーズナブル |
デメリット | 車種によっては設置できない場合もある | カーナビの精度が落ちることがある |
「インダッシュタイプ」は、車のダッシュボードにはめ込む仕組みです。車の内装に馴染みやすいですが、取り付けは比較的複雑で電装の知識が必要です。
一方で「ポータブルタイプ」は、吸盤や両面テープを使ってダッシュボードの上に設置する仕組みのため、取り付けだけではなく、取り外しもしやすいという特徴があります。
カーナビを自分で取り付ける際に必要な道具・手順(インダッシュタイプ)

配線について詳しい知識があれば、複雑なインダッシュタイプのカーナビでも自分で取り付けられます。
車種やカーナビのモデルによって異なりますが、既存のカーナビを外して新しいものを取り付ける際に必要な道具と手順を、以下でチェックしてみましょう。
<必要な道具>
- 工具(はさみ、内張りはがし、ペンチ、スパナなど)
- マスキングテープ
- 結束バンド
- メジャー
<基本的な手順>
- バッテリーのマイナス端子を外す
- 周囲をマスキングテープで養生しながら、既存カーナビの周りのパネルを外す
- カーナビ本体を外し、アンテナやスピーカーとのコネクターなどをすべて外す
- 地デジ用、ナビ用、リアカメラ用などの配線を接続する
- カーナビ本体、パネルを取り付ける
注意点として、取り付け時に配線不備があるとカーナビが動かなかったり、取り外し時にパネルを傷つけてしまったりするなど、トラブルにつながる可能性があります。そのため、インダッシュタイプのカーナビの取り付けに慣れていない方は、プロへ依頼するのがおすすめです。
プロに取り付けを依頼する場合の工賃の目安
カーナビの取り付けや交換を依頼する先として、カー用品店、カーディーラー、整備工場の主に3つがあります。それぞれでメリットやデメリット、工賃が異なるため、以下で確認してみましょう。
カー用品店
カーナビの取り付けは、カー用品店でも依頼できます。購入から取り付けまでをセットで申し込めるほか、購入済みの製品を持ち込んで取り付けのみを依頼することも可能です。
また、購入と取り付けをセットで依頼すると、料金がお得になることもあります。取り付けの工賃の目安は、以下の通りです。
<目安の工賃>
■カーナビとセットで依頼する場合
- インダッシュタイプ:約1.5万円
- ポータブルタイプ:約3,000円
■持ち込みの場合
- インダッシュタイプ:2万円~4万円
- ポータブルタイプ:1.5万円~2万円
カーディーラー
カーディーラーでは、車を購入すると同時にカーナビの取り付けもしてもらえます。カーナビには純正と純正以外がありますが、ディーラーに依頼する場合、新車購入時に純正のカーナビをあらかじめ取り付けてもらうことが可能です。
具体的な工賃の目安は、以下を確認してみてください。
<目安の工賃>
■新車購入時にオプションでカーナビを付ける場合
1万円~2万円
■持ち込みの場合
2万円~3万円
なお、カーディーラーの場合は、車に合わせて設計された純正のインダッシュタイプの取り付けが一般的で、ポータブルタイプは基本的に選べません。
また、自分で購入した製品を持ち込むと、取り付けを断られてしまう可能性もあるため、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
整備工場
車の修理やメンテナンスに対応している整備工場でも、カーナビを持ち込んで取り付けを依頼できます。整備工場は、持ち込んだカーナビの取り付けはもちろん、取り外しも対応可能です。また、新品だけではなく、中古のカーナビの取り付けにも対応してくれる場合があります。
ただし、整備工場によってスキルや接客レベルが異なるため、事前に口コミや評判を調べるようにしましょう。整備工場にカーナビ取り付けを依頼する目安の工賃は、以下の通りです。
<目安の工賃>
- インダッシュタイプ:1.5万円~2.75万円
- ポータブルタイプ:約5,000円
カーナビを自分で取り付けたい場合は「ポータブルタイプ」がおすすめ
カーナビの取り付けをプロに依頼する場合、工賃がかさんでしまいます。そのため、なるべく費用を抑えるために、ご自身で取り付けることを検討する方もいるでしょう。
どうしてもご自身でカーナビを取り付けたい場合は、「ポータブルタイプ」のカーナビを選ぶのがおすすめです。次からは、ポータブルタイプのカーナビを取り付ける際のポイントと、おすすめのカーナビをご紹介します。
ポータブルタイプのカーナビを自分で取り付ける際のポイント

ポータブルタイプのカーナビは、複雑な配線が必要なく、自分で設置しやすいことがメリットです。しかし、正しい場所に固定できなければ安全性に問題が生じる可能性もあるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 視界を遮らない場所に設置する
- エアバッグと干渉しない位置に設置する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
視界を遮らない場所に設置する
カーナビのディスプレイサイズが大きい場合、運転中の視界を遮ってしまう恐れがあります。「前方視界基準」については、道路交通法によって「自動車の前方2mにある高さ1m、直径0.3mの円柱を、鏡などを使わずに直接目視できる位置」に設置することが定められています。
つまり、車の前にいる6歳児を想定した「高さ1mの円柱」が問題なく見えるような位置に、カーナビを取り付ける必要があるということです。同時に、タッチパネルが手の届く場所にカーナビを固定する必要もあります。
参照:国土交通省『道路運送車両の保安基準等の一部改正及び道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の一部改正について』
エアバッグと干渉しない位置に設置する
万が一事故が起こった場合に「エアバッグ」が展開することを想定して、エアバッグと干渉しない位置にポータブルタイプのカーナビを設置しましょう。エアバッグが出てくる場所にカーナビを設置してしまうと、エアバッグの動きを止めたり、展開されてもカーナビが飛んで人や車を傷つけたりする恐れがあります。
ポータブルタイプのカーナビをご自身で取り付けるときは、これらのような設置場所に十分ご注意ください。ただし、正しい取り付け場所がわからない場合や、配線処理が複雑なモデルの場合は、カー用品店などの専門家へ依頼することも視野に入れておきましょう。
おすすめのカーナビ3選
最後に、カーナビ選びに悩んでいる方に向けて、自分で取り付けがしやすいおすすめのカーナビ(ポータブルタイプ)3選をご紹介します。
機能性やコストパフォーマンスなどの観点から厳選していますので、ぜひ参考にしてみてください。
Panasonic(パナソニック)|CN-G1500VD

PanasonicのCN-G1500VDは、シンプルながら高性能でわかりやすいナビが特徴の「Gorilla(ゴリラ)」シリーズのポータブルタイプのカーナビです。
位置情報サービスを提供する「みちびき」や「GPS」などから衛星受信ができ、道路交通情報がわかる「VICS WIDE」機能もついていることから、渋滞を回避したスムーズな道案内ができます。
また、7V型のコンパクトサイズで扱いやすいので、ご自身で取り付けを行いたい方にもおすすめです。
SEIWA(セイワ)|PIXYDA PNM90F

SEIWAのPIXYDA PNM90Fは、縦や横の角度で設置できるポータブルタイプのカーナビです。カーナビとしての道案内機能も優れており、立体的で見やすくスマートフォンのようにサクサク操作できます。
また、テレビとナビ画面を2つに分けて表示できる機能があるので、助手席や後部座席に乗っている方はテレビを見ながらドライブを楽しめるでしょう。ただし、運転手は「ながら運転」をすると道路交通法違反になる可能性があるため、注意が必要です。
KENWOOD(ケンウッド)|EZ-950

KENWOODのEZ-950は、さまざまなナビ機能やAV機能を有したポータブルタイプのカーナビです。次に曲がるタイミングで残距離を知らせる「ここです案内」表示機能が特徴で、初めて行く土地でも安心してドライブできます。
取り付けもしやすく、操作方法もシンプルなので、カーナビ初心者の方にもおすすめです。
カーナビを取り付けて、ドライブに出かけよう
カーナビの取り付けは、カー用品店やカーディーラー、整備工場に依頼できますが、ご自身で取り付けることも可能です。しかし、とくに「インダッシュタイプ」のカーナビは難易度が高いため、不安を感じたらプロに依頼するのがおすすめです。
費用を抑えるために、どうしてもご自身で取り付けたいと思う場合は、比較的取り付けやすい「ポータブルタイプ」のカーナビを選びましょう。ただし、安全性の観点から正しい場所に設置する必要があるので、自信がない場合は、「ポータブルタイプ」でもプロに依頼する方法を検討してみてくださいね。